
大志です。今回は福嶋さんの油彩による風景画をご紹介します。夕焼けに染まる海と、その奥にかかる橋を描いた作品です。
黄色を基調とした空の色合いの中に、グレーや青みを帯びた雲が重なり、夕方特有の刻々と変化する刹那的な時の流れ、光や空気が表現されています。海の表情も単調にならず、光の反射と水面の揺らぎが丁寧に描き分けられており、静かな時間の流れを感じさせます。
さらに、雲の柔らかさと、その雲の隙間から放射状に降り注ぐ太陽の光が対比しており、自然の力強さと美しさを同時に象徴しているようにも感じられます。
ヨットに乗る趣味をお持ちの福嶋さんは、これまでにも海の風景を繰り返し描かれてきましたが、本作では特に空と水面の関係性がうまく整理され、画面全体の構成が安定してきているのが分かります。水平線に描かれた橋も主張しすぎることなく、自然(海)の中に、あえて人間が作り出した幾何学的な人工物(橋)を配置することで、その美しさが引き立つ視点風景となります。とは言え橋を、海のスケール感や奥行きを自然に支える要素として機能させ、観る人の視線を無理なく画面の奥へと導かせるアイテムとして活用することができたのは、これまでの積み重ねが確実に力となって現れているからでしょう。
現在は人物画という新たなジャンルに取り組まれており、こうした風景表現で培われた観察力や色彩感覚が、今後どのように別の題材へと生かされていくのかも楽しみです。









