サトルです!展覧会1週間前になりました!今回は展覧会に出品される當山さんの日本画をご紹介します。

當山 岩絵具
靄のかかったような表現が、口裂け女恐ろしさを一層際立たせています。赤く染まった服やハサミについたオレンジ色の錆は一体何なのか、嫌な想像を膨らませる作品です。

制作途中の画像を見てみると、完成した状態よりもショッキングな色ではっきりと描かれており、より直接的に口裂け女の恐ろしさを表していました。しかし何度も色を重ねて彩度を落とし、ぼかしを入れて不明瞭な雰囲気にした完成図は、鑑賞者に想像の余地を与え、じっくり見ていると絵の中の世界に迷い込んでしまう様な感覚に陥ります。
全体的に、人体のリアルな形をとても上手く描いていますね。特に指の表現はただ正確に手を描くのでは無く、口裂け女に合わせて骨張った様に描いています。斜めから見た顔とハサミの形も違和感がありません。空想上の生き物や世界を描く時、形に違和感があると嘘っぽく見えてきてしまい、世界に入り込めなくなってしまいます。當山さんは下図の段階で完璧に形を描いていましたので、塗りに入ってからはとにかく世界観を作る事に集中出来ていました。
何が恐怖を生み出すのか、どうすればそれを表現できるのか。一枚の絵の中で研究し続けた事がひしひしと伝わる力作です。是非皆さんも展覧会でじっくりご鑑賞ください。








