光や空気感の表現

木附 油彩

最近熱海旅行へ行きましたが、涼しすぎて避暑地に来たような感覚になりました、ひとみです。今回は大人クラスの木附さんの油絵作品を紹介します。

ヨーロッパの田園風景でしょうか。用水路の脇には、古びた小屋が佇んでいます。作品を見た瞬間、印象派の画家、モネのような雰囲気を感じました。タッチや物の描き方そのものが似ているというよりも、その場にある光や空気まで描こうとしているように感じられることが、モネを連想させたのではないかなと思います。あえて写真のように緻密に描き込むのではなく、イラストとリアルのちょうど中間をいくような表現です。その絶妙な描き方が、この作品のなんとも不思議な感覚につながっているのかもしれません。

太陽へ向かって生い茂る木々は、さまざまな色を重ね、緑の密度を高く描かれています。油絵ならではの重ね塗りによって、夏の青々とした生命力が存分に表現されていますね。木々の前後関係も自然な遠近感に見えるよう、奥に行くほど青みを加える工夫が施され、思わず画面の中へ引き込まれていきます。そして、緑に入れられたハイライトにも注目です。白だけではなく、黄色やオレンジが重ねられていることで、日光がさんさんと降り注ぐ温かさまで感じられます。正午頃でしょうか。太陽が一番高いところから、景色全体を明るく照らしている時間帯と感じました。

用水路の水にも、個人的にとても惹かれました。私の勝手なイメージなのですが、日本の水はさらさらと流れる印象がある一方で、海外の水はどこかとろんとしているような印象があります。この作品の水にも、そんな日本ではない場所の水を思わせる感覚がありました。光を受けてキラッと輝く水面も丁寧に描かれていて、こだわりが感じられます。用水路をゆっくりと水が流れていく音が頭の中で自然と再生され、心穏やかになっていくようです。

静かな田園風景の光や空気感まで丁寧に描かれているからこそ、そこに流れている穏やかな時間まで感じ取れる作品になったのだと思います。