静物に宿るリズム

今田 油彩

新学期が始まりました、夏波です。本日は今田さんの油彩をご紹介します!なんとこちら比較的短い時間で制作された2枚目の油彩画。油彩の経験が浅く、短時間で仕上げたとは思えない程の整頓された画面が美しいです。

ティーカップを主役に陶器と植物が調和するクラシカルなモチーフを描かれました。植物の生き生きとした緑にテーブルの青、背景のオレンジが対比が生み、明快な印象です。色面的な構成に加えて、前景と後景で絵の具の厚みをコントロールしている点も魅力的です。少ない手数で空間を出すために、前景は絵具を置くように、後景はフラットに見せるためペインティングオイルを使う量を多くしています。
特に手前のカップにはダイナミックな筆致で絵の具をたっぷりと使い、エッジをはっきりとさせることによって、中に液体の入った陶器の重量感を出しました。
また植物の描写も素晴らしいです。植物はエッジは決めずに面で色を置いているため、主役の陶器を際立たせる仕事がされています。

とは言え各所で色やタッチの変化をつけすぎてしまうと、画面が分断された印象になりがちです。ですが今田さんの油彩は、陶器が周囲の色を鮮やかに拾っているため、影ににごりがなく全体がすっきりまとまりました。油絵具は様々な技法がある分、使い分けや加減が難しい画材です。枚数を重ねると感覚を掴めるようになってくるのですが、今田さんは2枚目で的確な仕事を各所に当てていてお見事です!

色やマチエールがの違いがリズムを生み、それが自然に画面の中で繋がっていて、惹き付けられますね。のびのびとした筆運びと、的確な描き込みが心地よく、見ていて気持ちの良い一枚に仕上がりました。予め短期決戦と決め、細部にこだわる時間を与えなかったのも、勝因と言えるかもしれません。