
サトルです!先日の僕の展示会へ御高覧頂きました皆様、ありがとうございました!僕の作品に興味を持って頂けて本当に嬉しく思いました。
今回は日曜クラスの星川さんの油絵をご紹介致します。
左方向へ歩いてゆくフラミンゴの群れを、ペインティングナイフを多用した大胆なタッチで描いていますね。彩度を落とした絶妙なグレートーンで塗られた背景の水辺と、フラミンゴの鮮やかなピンクが響き合い、生き生きとした生命力を感じる画面に仕上がっています。
細部を見てみると、表現の多彩さに驚かされます。フラミンゴの羽毛は絵の具を厚めに盛り上げて、荒々しいタッチで描きながら、しっかりと立体感が出るように陰影もつけています。柔らかなフレッシュピンクから鮮烈なマゼンダまで使用し、多様なピンクのトーンで優雅さの中から、明るいエネルギーがあふれ出てくるようです。
次に足の反射に注目してみましょう。中央のフラミンゴの足の反射は大変丁寧に描かれているのに対し、脇役となる足の反射は少しブレたような線になっています。これによって主役と脇役の差がはっきりとして、見やすい画面になっていますね。
水面の描写もお見事。羽毛の表現とは打って変わり、盛り上げずにナイフを水平に引っ張りながら混色しています。近景から遠景まで繊細な色調の変化も完璧です。
実はこのバック、以前に描いた油絵を潰したもの。何が描いてあったか見えなくなるよう鈍い色味で厚塗りをしました。通常は絵の具を塗る前にパレットで色調を吟味してから塗るのですが、画面の中で混ぜるようなタブー(濁ってしまうので)をあえて犯しました。しかしそれに星川さんならではのエッセンスを加え、主張しない美しい下地を作っていったのです。
これだけ様々な技法を使って描いているにも関わらず、全体の色調に統一感があってリアルな雰囲気を生み出すのは至難の業ですが、絵は実験の連続です。星川さんの前向きな遊び心がなければこの雰囲気は出せなかったでしょう。美しい楽園に心をときめかせてくれる一方、フラミンゴの整然とした様子と相まって、凛とした緊張感をも感じさせてくれる作品です。