色えんぴつの温かみ

小山 色鉛筆

大竹です。色鉛筆で娘さんを描き続けている小山さん。左の絵は展覧会でもひときわ目を惹いていましたね。モデル本人(お嬢さん)が展覧会に来てくれましたが、この絵より少しお姉ちゃんになっていて、はにかんだようにお父さんの絵を見ていました。

初めて美容院デビューをした日の一場面。鏡をじっと見つめる神妙な表情が印象的ですね。少し寄った眉の愛らしさや、濡れた髪が光を受けて反射する質感など、繊細な観察に基づいた描写が光ります。使用している紙のざらりとした目を生かし、柔らかな肌の質感が丁寧な塗り重ねで表現されています。特に頬や瞳に見られるわずかな色の層が、温かい血の通いを感じさせ、画面に生きた存在感を与えています。「人の魂は瞳に宿る」と言われますが、その幼い瞳の奥に宿る光を、色鉛筆ならではのタッチで見事にとらえていますね。美容師さんの指先の複雑な動きも、瞬間を逃さない観察眼と描写力の証といえるでしょう。

右の作品では、喜びを全身で表した笑顔が印象的です。口を大きく開けて笑う幼子の無邪気な表情、まだ小さな乳歯のひとつひとつまで、丁寧に描き出されています。
色鉛筆の淡く重ねられた線が、肌や髪の細やかなニュアンスを柔らかく包み込み、父としての愛情そのものを画面に映し出しているようです。きっと娘さんが大人になってこの作品を見た時には「父はこんな風に私を見ていたのか」と感じることでしょう。
皆様も温もりとまなざしの重なりを感じてください。