色の密度

木村 岩絵具/和紙・パネル

マユカです!昨日の松下さんのニワトリに続き、本日は木村さんの鶏をご紹介します。

伊藤若冲を思わせるような華やかで繊細な鶏の日本画です。尾長鶏の高貴な雰囲気が、深みのある岩絵具の色味とよく合っていますね。羽のグラデーションはもちろん、特有の少し艶々とした質感まで感じさせる描き込みが素晴らしいです。
パッと見るだけでも華美だな、リアルだなと感じる木村さんの作品ですが、その豪華さの所以は、黒の幅の広さだと思います。画面上部から下部に向かって、緑→赤と混ざる色が変わり、鶏の周囲は黄味がかっており、黒がただ空間を埋めるためや、モチーフを目立たせるための色としてではなく、空間を感じさせるような黒の使い方をされているため、より奥行きを感じ、重厚感を加えた見応えのある作品に仕上がっているのでしょう。

どんな画材でも、例えば意図してベタ塗りを使用する時以外は、さまざまな色が混在していた方が空間を表現することができます。それは普段、何もない空間(例えそれが白い壁だとしても)を見ている時でも反射する光であったり、空気の層などを、無意識に感じとっているからです。絵として画面に起こした時に、色の変化を探し密度を高めることで、それらしい空間表現につながります。