もう誘わないなんて言わないで


nanao 須磨海浜公園パーク内施設でのSDGs取り組みを発信するポスターのイラストを担当
花見の時に最近の仕事の話を聞きました
GWにはお台場化学未来館で、量子コンピュータ常設展示のイラスト解説がお目見えするそうです

オバラです。先週は風邪っぴきでお休みしがち、ご迷惑をお掛けしてしまった皆様には大変申し訳ございませんでした。25日(火)の花見の詳細は後日に…と書いてしまったので少々。

最近気を付けていることがあります。『断り辛い年上から年下への誘いはハラスメント』『誘った相手が自分と飲み行きたくなかったらハラスメント』というのを肌で感じておりまして、「もう面倒くせーわ。別に飲みに行かなくていいわ。」と、声を掛けるのを控えているんです。
でも今回なぜ元スタッフ達と集まったかと言えば、幸介先生と2月の終わりに飲んだ時、「僕らがお花見をするというていで、勝手にやってるから来たければくれば?的に発信すればどうでしょう?店を予約する訳でもないから、心の負担が少ないのでは?」と酔っぱらって話が弾んだからでした。結局、声を掛けたメンバーは全員即答で「わーい!ぜひ参加させてください!」でした。

乱用されるハラスメントという単語に煽られ、過剰に反応してしまっているだけなのか?でも今まで断れなかった弱い人は、ハラスメント規制に守られホッとしているかもしれない。私のように押し付けがましい人間には丁度良い制裁なのではないか?

コミュニケーションの場が減り、人とのつながりが薄れていくような気もしつつ、そもそも飲み会でしか本音で話せない訳でもないだろうし、場の空気を回す会話の練習がそこでしか磨けない訳でもないだろう、と反省。これからの自分の在り方を模索中です。まともな相互理解すら難しい世の中だと嘆く前に、別の交流方法を早急に考案しなければなりません。

モチーフに合わせ雰囲気を寄せて。


彩希 高2 油彩

土曜日ですがマユカです!今回はアキの油彩をご紹介していきたいと思います。

ブロック、瓶、トマトにぶどう…デッサンと同じように、モチーフをじっくり観察しながら絵の具を置いていきました。色があるからこそ逆に明暗に置き換えて立体感をつけるのが少し難しく、陰がベタ塗りになってしまったり、乾いていない絵の具同士が混ざってしまって、面と面に差がつかなくなることもあります。しかしその分おおまかに色をつけながら描く事ができるため、全体のイメージは早くに付きやすく、鉛筆デッサンに比べて客観視しながら描き進める事ができたように思います。

ただ、ざっくり色を置いたままになってしまうこともしばしば。アキはかなり単色で描き進めがちなのですが、一部分だけデモンストレーションすると、そこから広げて立体感を出したりするのは得意なようで、トマトやぶどうなどは反射光まで良く見て描写できています。また、全体的にビビットな色を用いて明るい印象を持たせている所は、モチーフに合わせた雰囲気づくりが出来ているからこそ産まれたまとまり感なのかなと思います。

置かれたモチーフから受ける印象自体は人それぞれですが、例えば食べ物や花など、生に近い物がメインであれば明るい印象の色合いで、石や金属などの無機質な物がメインであれば暗めの印象の色合いを用いると、モチーフと色から受けるイメージが合致して、より自然に感じやすくなります。メインに使っている物に意識して、使う色を寄せていくのも、画作りにいい効果をもたらしてくれますよ。

集まれ!お絵かき工作大好きさん!

大竹です。幼児クラスでは、4月に年長さんが小学生クラスへ進級していくので、ちょっと寂しい後輩達…。なので、お絵かきや工作が大好きなお友達、大募集です!今回は、そんな幼児クラスのお絵かきのカリキュラムをご紹介させて頂きます。

幼児クラスのお絵かきでは、主にクレヨンや水彩絵の具を使ってお絵かきを行います。上の写真は「これまで頑張ったこと」をテーマにそれぞれお絵かきをしていきました。何を頑張ったかを発表して貰ったのち、クレヨンで制作していきます。大きな紙を使用したので、ピクニックのようにシートを敷き、その上で描いていきました。もう直ぐ小学生になる年長さんや、新年長さんは、ちょっと難しい人や物の重なりにもチャレンジ…!最後は背景を水彩絵の具で塗って完成です!元気一杯エネルギー満タンな、こちらまでやる気が漲ってくる作品となりました。

また、別日では人物の練習として「雪だるまを作っているところ」「サッカーをしているところ」を描いていきました。1人は屈んで下の段を、もう1人は立って上の方を作っている場面を描いています。しゃがんだ時の身体はナナメに、腕は曲がっているからVの字に…と、描き方のコツをおさえながら進めていきました。
サッカーの絵では、手前のボールを蹴っている人は大きく見切れさせ、奥にいるキーパーは小さくする事で前後を表現しています。走る姿も実際に自分でポーズをとって腕や足の形を確認しながら描いていきました。キーパーのポーズもバッチリ!最後はゴールネットですが、ゴールは一番後ろにあるので、うっかり人の上に描かないよう気をつけて描いていきました。
人物画は大人でも難しいものですが、描くときのバランスやコツを掴んでいくと、お絵かきがとっても楽しくなりますよ!

幼児クラスでは他にも動物や食べ物・季節に応じた行事など、身近なテーマで様々な制作をしています。卯年ならうさぎを、お月見なら月とお団子を、ハロウィンなら魔女やお化けを…と、いろいろな物に取り組むことが出来ます。今回ご紹介したクレヨン画以外にも、貼り絵や版画、アクリルや墨など沢山の画材を使用して制作していきます。また、平面絵画(お絵かき)と立体工作を毎週交互に行いますので、お絵かきと工作の両方に取り組む事が出来ます。工作の様子もコチラからどうぞ

まずは無料体験にて実際の授業を体験して頂ければと思います。お申し込みについてはコチラのページをご確認下さい。

グループ展のお知らせ

ブログではお久し振りです。ハルです!
現在東京藝大デザイン科に通う10名で展示を開催しています。(実はもう始まっております!)
大学の課題に向けて作る作品とは別に、展示タイトルでもある『いとま』をテーマに各自が作りたいものを作って持ち寄る有志展示です。
私は油絵を描きました!(はる美という作家名で参加しています。)
デザイン科ですが油絵や立体作品も多く、見応えのある展示になっております。終了日が近づいておりますが、お時間がありましたらお気軽にお立ち寄りください。

グループ展『itoma』
日程 : 3月25日(火)-30日(日)
時間 : 10:00-19:00(最終日は10:00-17:00)
場所 : Nine Gallery 東京都港区北青山2-10-22
     外苑前駅から徒歩3分

生活へ思いを馳せる


英保 油彩

連日の暖かさに脱・ヒートテックしました、ナツメです。本日は英保さんの作品をご紹介します!

ヨーロッパのどこかでしょうか、街の勾配を登っていく人の後ろ姿が描かれています。何気ない日常の一場面を切り取ったような、どこか長閑で穏やかな雰囲気が素敵です。石畳に長く落ちる影が印象的で、強めに暗くしてるため光がとても綺麗に見えます。

奥行きを感じる坂は、カーブをつけながら街へと続いています。霞がかった遠くにそびえ立つ建物がステキです。坂道を登った先にどのような景色が広がっているのか、自然と想像が膨らみますね!傾斜の表現や視線誘導もとても巧みに描かれています。坂に合わせて両サイドの建物の直線が集中線のようになっており、手前の日向からだんだん奥へと、坂道を登っていくような導線が生まれています。

色彩については手前の木がいいアクセント!自然物の鮮やかな黄緑が入ることで灰色や茶色がメインの画面に彩りが加わり、重厚な落ち着きの中に軽やかさも感じられる絵になりました。

一昨年イギリスに行った時、テレビで見るようなおしゃれな建物が実際に並んでいる光景に感動したのですが、同時にそこで日常生活を送っている人がいることも滞在の中で実感しました。英保さんのこの絵を通した視線は、旅行者というよりそこに暮らす住人のように親密に感じます。仕事帰りなのか、それとも買い物に行く途中なのか、この街でどのような生活を送っているのか…と想像が掻き立てられる一枚です。

花見?

オバラです。元ミオスのスタッフで、絶大な人気を誇った幸介先生が、4月から昇進するとのことで、お祝いがてら河原で花見をしました。(まだほとんど桜は咲いていませんでしたが。)
メンバーは小学生クラスの頃から生徒で、学生時代にミオスでバイトしていた(している)20代、そして幸介先生にベッタリだった人達。平日なのに3時間以上飲んでいました!
言い出しっぺの私が風邪をひいてしまい、学生クラスが終わった後の1時間のみの参加でしたが、めちゃくちゃ楽しかったです!詳細は後日に…

複雑さとシンプルの相乗効果


希 アクリル / 文美 色鉛筆  共に中1

サヤカです。新学期が迫り、新しい環境にワクワクしつつドキドキです!今回は学生クラスの作品をご紹介します。小学生の頃から同じクラスに通う同級生の二人。部活で忙しくても、美術が好きで頑張って通っています。

希 木登りしているパンダを描きました。アクリル絵の具で着彩していますが、まるで油彩のような厚みを感じるほど、複雑に色が重ねられていて深みがありますね。アクリルは速乾性なので、画面の上で色を重ねるのは難しかったと思いますが、背景の青々とした木々をよく表現しています。複雑に重ねられた背景のおかげで、シンプルな白黒パンダにより惹かれます!のほほんとした表情も素敵です。

文美 入道雲が主人公の夏が恋しくなる作品ですね。色鉛筆のやさしいタッチを生かし、ノスタルジックな雰囲気がでています。また、海と空のグラデーションが生き生きとしていて、落ち着いた画面に動きを生み出しています。対照的によく描き込まれた踏切などの手前の背景が際立ちますね。また、入道雲以外のモチーフがすべて線対象なのも美しいです!入道雲の伸びやかさが際立っています。

小学生の頃から変わらず丁寧な作品作りを続ける2人。やはり「好き!」という気持ちには何も勝てません!これからもその気持ちを大切に作品作りを続けてください。

何をどこまで表現できるか


野上 ペン

岩田です。昨日のタコのペン画に続き、今回は、野上さんのペン画の作品をご紹介します。
こちらは、ピクミンというゲームのキャラクターを描いたものですが、かなり時間をかけて隅々まで手を入れ緻密に描いています。
前回ご紹介した野上さんのペン画はこちらですが、日付を見ると去年の10月ですから、このペン画は、実に5ヶ月取り組んでいたことになります。

鉛筆である程度、下描きをした後に、主にピグマペンを使って描いています。因みにピグマは、水性ペンなのですが、顔料インクを使っているので耐水性です。野上さんは、ペンのみで描いていますが、描いた上から絵の具を塗っても滲むことがなく便利です。

前作のカチッと硬質なイメージとは打って変わって、今回は、ピクミンと共に背景に溶け込むように花がうっすらと見えている、濃淡の差があまりない淡い色調。まるでペンを使って、何をどこまで表現できるのかを試しているような、作者のチャレンジングな姿勢が垣間見えるところがとても面白い。そんな道なき道を進むかのようなワクワク感が、今回ような素敵な作品に仕上がった要因かもしれません。

わからないけれど、このままペン画をひたすら追求していくと、なんか凄いところまでいってしまうのではないかという期待を感じさせるような、背景の繊細で有機的な網掛けを多用した描き方。画像を通して客観的に見てみると、既にオリジナリティーみたいなものを感じさせる世界観を持っています。

さあこれからも、まだ見ぬ境地へと踏み込んでいきましょう。

賢者?悪魔?それとも…


佐藤M ペン画

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、佐藤さんのペン画作品です。前回のペン画(こちら)では、馬の軽やかな足取りを繊細なタッチで表現されていましたが、今回は軟体生物の柔らかな身体をペンで細やかに追っています。

触ると指の形に凹みそうな、蛸特有のぐにゃぐにゃとした質感は、線や点描で色の変化をしつこく描き込んだ事で伝わってくるのでしょう。不規則に形を変える脚は今にも動き出しそうな迫力があります。脚から視線を辿っていくと、やがて山羊にも似た横長の瞳孔を持つ瞳に自然と惹きつけられてしますね。蛸が持つ、唯一無二の造形の面白さを改めて感じさせてくれます。

腹の部分は思い切って描写を白く抜き、最低限の点描で膨らみを表現しています。描き込まない事で光を作ったり、形を浮き上がらせるテクニックですね。そうした描き込みの濃度のバランスや輪郭線の強弱のつけ方には、佐藤さんの中で実験的なものもあったのではないでしょうか。試行錯誤の形跡が伺えます。

何百何千と重ねられた線から浮かび上がる姿は、西洋では悪魔と恐れられた存在の凄みを感じさせつつ、一方では海の賢者とも呼ばれる程の高い知性による、品のような味わいも持っているように思います。白黒のペン画という、彩度が排除された画面により、見る人によって様々な表情を見せてくれるでしょう。皆さんはどのような印象を持たれましたか?(余談ですが海鮮好きの友人に観せたところ、脚がプリプリで美味しそう!炙って食べた〜い!…と、お腹に訴えるものがあったようです。笑)

 

 

 

話の輪を産む絵画


矢作 油彩

こんにちは!マユカです!今回は矢作さんの作品をご紹介していきたいと思います。

これからの季節にピッタリな、春の空気を感じる1枚。ヨーロッパの雑誌の1ページから選ばれた景色を描かれました。ご本人と同世代くらいのシスターが、春の訪れにウキウキと足取り軽やかに穏やかな坂をくだっているシーンです。春の訪れは画面右上に描かれた花だけではなく、道端の緑が元気に青々としてきている様と、シスターの着ている服が少し厚めでまだ少し肌寒いのだろう、という雰囲気から察せられます。また画像では潰れてしまっていますが、顔に刻まれたシワの細やかさが、シスターの生きてきた年数を表していますね。

こういった細やかな描写は画面の至る所で見られ、例えば建物の石壁等は切り出した岩の模様だけでなく、凹凸によって落ちなくなった汚れなどすら感じるほどリアリティある質感で描かれていますし、カーテンの布らしい、少し固めなしわが付いている所も、ガラス越し特有のグラデーションがあるのも、実物をその場で鑑賞しているかのような臨場感と共に、矢作さんの観察力の高さが伺えます。これだけ描写による説明がしっかりしていると、私がここで説明などしなくても、この絵に描かれている状況を読み取ることが容易でしょう。

絵で説明するというのは、言葉を介さない分誰にでも伝えることができる反面、考え方の違いや価値観によって受け止め方が変わってきてしまう、少し高度なコミュニケーションだと思っています。だからこそ解釈の違いを楽しんだり、人と話すことで絵画に厚みが生まれることもあるわけです。今回の作品は、明るい雰囲気に誰もが捉えやすい要素を掴んでいるため、見ている側に伝わりやすく、解釈がしやすいため、絵画コミュニケーションの取りやすい作品だと感じました。