お絵かきや工作が大好きなお子様、大募集中です!

大竹です。今回は幼児クラスの様子を紹介させて頂きます!幼児クラスでは、お絵かきと工作を1週間ごとに交互に制作していきます。今回はアクションペイティングをテーマに取り組みました。

1枚目のお面工作では、ビー玉を転がして模様を作る技法で制作しました。好きな色の画用紙を選び、その上にアクリルやインクをつけたビー玉を走らせて偶然の線を沢山引いていきます。普段、絵を描くといえばクレヨンや筆を持ちますが、今回は腕全体、体全体を使ってビー玉を転がして描いていきます!その姿はさながらリトル・ジャクソンポロック。ノリノリの子供たちの手によって、花火の様な弾ける柄が出来上がりました。画用紙の1枚はお面様、2枚目は飾り用に小さいサイズで作りました。今回のお面は動物など実際にあるものをモチーフにするのではなく、精霊や神様をモチーフにして作られるインディアンマスクをイメージして制作しています。ハサミを使って大きなツノや牙を作り、バランスを考えて取り付けていきました。カラフルなお花紙も使ってボリュームたっぷり!最後はみんなで(何故か)怪獣になりきって撮影しました!

そしてお絵かきの授業では、梅の花を金泥画風に制作しました!大きい方の紙の梅の枝は、筆にタコ糸を結びつけ、糸で吊るしながら筆を動かしていきました。手で描くよりも不安的な動きになる分、梅の枝らしいカクカクした線が出来上がります!どうですか?中々味わい深い線でしょう。俳句用の短冊の方は手書きですが、最初に描いた梅の枝を参考にこちらもカクカクとした枝を描くことが出来ました。梅の花の部分は、紙に絵の具を染み込ませて作っています。濡らした紙はよく絞ってから貼らないと剥がれてしまうので、小さい指を使って1つ1つ丁寧に絞りながら作っていきました。コロンとした形が可愛らしいですね!こうして見ると、花をランダムにバランスよく散りばめる子もいれば、整列させて並べる子もいて、それぞれの個性が見て分かるので面白いですね。

どちらのカリキュラムも、普段のお絵かきとは違った手の動きになりましたので、良い刺激になったのではないでしょうか?絵画制作・立体工作では様々な素材を扱う事で、沢山の表現方法を体験することが出来ます。年少さんから年長さんまで楽しめる幅広いカリキュラムをご用意しておりますので、「お絵かきが大好きだけど、年少さんだからついていけるかな?」「まだハサミが一人じゃ難しいけど、大丈夫かしら?」とご心配な方も、是非無料体験にお越し下さい。4月から年少さんの子も、3月から体験が可能です。難しい部分は講師がサポート致しますのでご安心を!

 

 

 

 

絵の主役として魅せる


植松 油彩

こんにちは、マユカです!今回は植松さんの作品をご紹介していきます。

厳しい自然の中を生きる動物を描いた二枚の作品、ぬくもり感じる動物同士の触れ合い、じゃれあいがかわいらしいですね。
左は白クマ2頭がいますが、メインが流氷ですので白クマがとても小さく、細かい表現が描きづらい油絵でした。「動物と棲む場所」では生き物が主役になりがちな題材ではありますが、あえての背景がメインなだけあり、流氷のごつごつとした質感をたっぷりとした絵の具の盛り上がりも利用して表現することで、実際にそこに在るかのようなリアリティが生まれています。くっきりとした景色が、透き通って冷たい空気を感じさせてくれるようです。

右は「なんの動物がどうなっているのか?」を伝えることに大変苦労されたのですが、皆様わかりますか?カンガルーの袋に入った赤ちゃんを、首を前傾に曲げたお母さんが舐めているところです。カンガルーってこんなに体が柔らかかったんだ!と驚きのある構図になっているんですね、つまり画面の大部分がお母さんのおなかで、ピンクの部分が袋のふちになります。(余談ですが育児嚢はポケット型ではなく、赤ちゃんが大きくなって中で動き回っても大丈夫なように、巾着型で伸縮性があるそうです。)
有袋類のカンガルー自体が一般の人に馴染みが無く、しかもアップで一部分しか描かないというのは、
状況説明が大変困難です。しかし慈しみのあるお母さんカンガルーの表情や、ゆったりと安心したような表情の赤ちゃんから「親子の動物」「頭しか見えない(体がない)」の連想ゲームでも描かれているのがカンガルーであることが読み取れますね。

伝えたいものが明確であれば、構図を決めるときや塗っているときなども「どこを目立たせたいか、どう目立たせるか」だけを考えて絵具を置くことが出来ます。そうすると筆の迷いが比較的少なくなり、メインモチーフにかける時間が多くなり、必然的にクオリティが高く見えます。先にメインを決めるという描き方はデッサンなどでも使えるので是非活用してみてくださいね!

立体への意識


出町 水粘土

暖かい日も増えてきましたね、ナツメです。本日は水曜大人クラスより、出町さんの立体作品、ご自身の手をモチーフにした水粘土の彫塑作品をご紹介します!

【粘土】というと紙粘土や油粘土を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、今回使用したのは【水粘土】。私も大学一年の頃に彫塑の授業で使ったことがありますが、一般的にはあまり馴染みがないかもしれません。その名の通り、水と土を混ぜて作られた粘土で、制作中にひび割れしにくく可塑性に優れくっつきが良いため、ひな型や試作品などの原型として扱われれ繰り返し使用できるのが特徴です。乾燥すると固まりますが割れてしまうので、そのまま作品として取っておけるものではありません。

まず針金と木材で芯を作り、その上に粘土を貼り付けながら肉付けします。写実彫塑の場合、形のイメージをしっかり持ちながら、少しずつ粘土を足して作り上げる必要があります。そのため、単に形を作るだけでなく、手の構造を意識しながら進めることが重要になります。
出町さんは非常に丁寧に観察しながら制作を進めていたため、手の厚みや肉感の表現がとても巧みで、指のわずかな動きやポーズにも繊細なこだわりを感じます。ただの肉の塊ではなく、「手首から指先へと骨が通っている」という意識があるからこそ、作品にリアリティが生まれているのでしょう。 

立体作品の難しさの一つは、360°どの角度から見ても自然な形にすること。一方向から見たときにはバランスよく見えても、別の角度から見ると歪んでいる…ということがよくあるのですが、何度も角度を変えて見比べながら作られたため、写真のように手の立体感が見事に表現されました。

私が授業で彫塑の制作をした時も、一度立体を作ることでものの構造への理解がぐっと深まりました。特に手のような複雑な形は、実際に作ることで「どの部分がどのように厚みを持ち、どこがへこんでいるのか」といった感覚が掴みやすくなります。出町さんも今回の制作を通して、手の立体的な構造について新たな発見があったのではないでしょうか。今後手を描く際にも、今回の経験が活かされていくことと思います。

最後にオマケですが、武蔵美の彫塑の授業風景の紹介はこちら

青色の炎


奥 油彩

サヤカです。始まったばかりだと思っていた2月が早くも終わろうとしています…。今回は大人クラスの奥さんの作品をご紹介します。早描きと定評のある奥さん、過去のブログでも複数の作品を一気にご紹介させていただいていますが、今回は4つの作品たちをご紹介します。

どの作品も青が印象的ですね。青を見ると、沈静、冷たさ…といった落ち着いたイメージが思い浮かぶと思います。しかし、奥さんの作品からは冷静さよりも、どこか内面からメラメラと燃え上がる勢いを感じます。炎の色が、温度が低い時は赤色に、より高い時は青色に見えるのと似た感覚を覚えます。赤色の方が情熱や力強さを感じさせる色なのに、炎になると冷たいイメージを持った青色の方が何倍も熱いなんて何だか不思議ですよね。奥さんは、そのような青色の二面性を作品に美しく投影しています。

過去の作品でも青を使った作品が印象的でしたが、奥さんは青色を意図的に使われているのか、青色の魅力に惹かれて無意識に使われているのか、どちらなのだろうと気になりました!実は青色は、好きな色調査を行った10カ国すべてでいちばんに選ばれた色だそうです。色に関する記事の中には、人々が青色を好むのは、空や海などの身近に感じられる青色は手に取ると「青」ではなかったり、そもそも手に取れないものであったり、触れられない色だから惹かれるのではないかと考察しているものもありました。

色や音楽、人の好みなどなど、根本的にどうしてそれに惹かれるのか言葉で説明できないけど、自分自身を確立させているものって多くありますよね。その内面の曖昧さを表現できるのが創作活動の醍醐味だと感じています。奥さんが青色を選ぶ理由をいつか直接お話しできたらとても嬉しいです!これからも奥さんの作品を楽しみにしています!

参考:
【色彩心理】青の心理【カラーセラピー/ブルー】
https://icpa-colors.com/colory/color-therapy-blue/

国・地域によって異なる”色”の嗜好性〜多言語サイトをつくるときの一工夫〜
https://www.infocubic.co.jp/blog/archives/2724/

橘学苑高等学校デザイン美術コース合格1


KAEDE 中3 透明水彩

小原です。藝大の受験を残し全ての試験が終了しました。が、公立高校の発表はまだ。そわそわしちゃうのよねぇ!私立高校は翌日(早い学校は試験当日)に結果が分かるところも多いのに、公立の先生は選考に2週間も掛けちゃって、何やってんのかしらねぇ?と毒吐きそうなので、ここまでにしようっと。

私立の橘学苑高等学校デザイン美術コースに合格したKAEDEの作品を紹介します。こちらの高校の受験はすごく上手い必要はなく、本人のやる気や個性を評価してくれるので、KAEDEにぴったりの高校です。
彼女は不器用で、習得するのに人の3~4倍の時間が掛かります。もちろん本人もそれを自覚しています。だからでしょうか、毎回授業の10分前には教室のドアの前で待機、時計を見て5分前きっかりに入室。中学3年間ただの一度も遅刻したことはないのです。これは真似できることではありません。劣っている部分の改善はすぐにはできなくても、余裕を持って家を出る事なら誰でもすぐにできますが、それがなかなかできないのが人間ってものでしょう。KAEDEはこういう地道な努力を継続できる人なのです。

黒だけ使う鉛筆デッサンに比べると、着彩は考えなければいけないことが多く、頭が混乱します。「何をどうすれば良かったんだっけ?先生に同じこと何度も言われているのに覚えられない、応用できない…」と悩んでいることが多かった気がします。気がすると言うのも、口下手でほとんどしゃべらないので、こちらから質問して理解できているか、何をやろうとしてどこでつまづいているかを推測するしかないタイプだからです。いやぁ、苦労したした。(あ、自分の苦労自慢になってしまった!)KAEDEが苦労したんだよね!何度も同じことを教え、手直しするところを見てもらい、体で覚えてを繰り返して、感覚を磨いてもらいました。

影と見れば黒を混ぜていた人が(右の絵)、色彩センスを磨きたくさんの色を作れるように(見付けられるように)なって、合格を頂きました。本当におめでとう!高校生活では人より難しいと感じることが多いと思うけど、逃げずに真面目に取り組める人だから、きっと乗り越えられるよ!よく頑張りました。

更に進化していこう!


渡邉 鉛筆デッサン

岩田です。今回は、渡邉さんのデッサンをご紹介します。現在まで、多くのデッサンを描いてきた渡邉さんですが、本日は、その中でも特に頑張って描いた8点をピックアップしてご紹介します。

大人クラスの生徒の皆さんも経験した、ポットと積木やワイン瓶と洋ナシのデッサンを描いている始めの頃から、モノを観察し、それを画面に写し取る基本的な力がある方だというのが分かります。かたちをそつなく取れることと同時に、金属やガラス、布といった質感の描き分けも実に自然です。

渡邉さんの特徴として、鉛筆の扱い方が繊細で、微妙なトーンがとても綺麗。
例えば、写真一番下の薄いブルーのホーローポットは、立体感を出しながらも下に敷いた白い布が映り込んだ反射をどうやって描くのだろうと皆さん迷った筈ですが、限られた色の幅の中で、微細な調子の変化を読み取り、それらを上手に表現しています。

これだけ静物デッサンを描ける作者だからこそ、石膏デッサンも更に進化して欲しいと思います。石膏像は、元々大理石彫刻を原型として型を取っているので、形に関しては、本当に厳しく見て、最後までチェックしていかないと、その違いが如実に表れてしまいます。
そうした意味で、ラボルトのデッサンを見ても、もっとシビアに対象を観察する必要があるでしょう。渡邉さんは今まで何体もの石膏像を描きましたが、色々な種類を描いていると、それぞれの像の違いにもっと敏感になるし、同じ像を様々な角度から何度も何度も描き続けることで、一度描いただけでは気づけないことが発見でき、像に対して興味が湧いてくるものです。

是非、そうした視点で、あらためてチャレンジしてみてください!

大胆なタッチを意識して


原 油彩

大竹です。今日ご紹介させて頂くのは、原さんの油彩作品です。今回はいつもの緻密な作風を封印し、大胆な荒っぽい筆遣いで制作されています。
ゾウの群れの作品、こちらはアフリカに旅行された方より頂いた写真だそうです。筆跡を残すタッチで煌めく水面が描かれており、モザイクタイルの様な美しさがあります。ゾウのどっしりとした重さも、体に色々な色を乗せる事で表現されていますね。野生動物たちが生き抜いていく自然界は厳しいものですが、こちらの作品ではそんな中での穏やかなひと時をを感じさせてくれます。かといって、ゾウたちに弱々しい印象は無く、美しい景色の中で逞しく生きている様子が伺えます。今回の課題であった思い切りのよい筆使いが活かされていますね!
細かく描く事を抑え、大まかなタッチを意識して描くのは苦労されたかと思いますが、「こんな表現もあるんだ!」「そんなに描かなくてもいいんだ!」といった色々な発見があったかと思います。

こちらはペインティングナイフを多用されました。ゴツゴツと岩が転がる荒れた土地で放牧される、ギリシャ・スキロス島(写真は小原先生の旅行時のもの)の羊たち。その乾いた道をナイフで表現した作品です。硬い道路はふわふわとした質感の羊との対比にもなっていますね。また、羊たちは柔らかな暖色でまとめられているので、生物を触った時の暖かさをも感じさせます。真ん中下でこっちを見つめている羊ちゃんの愛らしさといったら、思わず笑顔になってしまいますね。
道の奥の風景は思い切ってぼかして描かれていますね。それにより、手前の羊達により視線が向かう様になっているのでしょう。こうした思い切りの良さは、大胆であればあるほど作品全体に大きく影響を及ぼしてくれます。ちょっと勇気が要りますが、大雑把なタッチに思えても、離れて見てみると案外いい感じだったり…是非今後の制作にも活かしていって頂けたらと思います。

そういえば、どちらも動物の群れが描かれているのは意図されていたものなのでしょうか?群れシリーズで制作されても面白そうですね!

大自然を生きる仕草


松野 油彩

こんにちは、マユカです!今回は松野さんの作品をご紹介していきたいと思います

ゴールデンウィークに自由ヶ丘で個展を計画中の松野さん。今まで描き溜めた作品もたくさんありますし、なにしろ早描きの方なのでどんどん作品が完成され、個展も心配いらずです。いきものが大好きな方で、特に馬をたくさん描かれています。

そのどれもが、動物のしぐさや表情を大切にした描き方をされており、生き物が持つ特有の「らしさ」がたくさん詰まっています。馬の優しく賢い表情や、俊敏でしなやかな体格に走っているときの軽快な様子、羽を目一杯広げて空気抵抗を受け、伸び伸びと飛ぶ姿や、湖畔で毛づくろいをしながら仲良くくつろぐ姿…ただ普通に筆をおくだけではこうは描けません。動物の姿をじっくりを観察した上で、まずは全体的な印象を画面に乗せ、そこから少しずつ筆を小さくしていき、最後に細かく描きこむ…と、デッサンと同じ手法で描き上げていくことでイメージが崩れにくく、全体的に暖かな印象を感じるような仕上がりになっています。松野さんは色選びがとても美しく、背景とマッチした光や影の色によりメインを浮かせることなく目立たせることが出来ています。特に湖畔なんて、モネの描く池のような透明感を想起させますし、自然の包み込むような優しさを画面から感じますね。

この豊かな色彩の重なり方は、小さな画面で見るよりも実際に見た方がより伝わるかと思います。キャンバスの上に自然の空気を感じるような作品、私もアトリエで見ることが出来たのは描き途中の数枚と、時々のお手伝いの際のみなので、個展が開かれた際には是非行きたいです。

油彩もマスター!?


秦野 油彩

ナツメです。今回は水曜夜間クラスの秦野さんの作品を3つご紹介します!以前はキャンバスボード(表面に布目のような凹凸加工を施したボード)にアクリル絵の具で描かれていた秦野さんですが、近頃は油彩に挑戦されています。

まずは広々としたのどかな空気感が心地よい一枚。川面にはわずかに波が立ち、流れの動きを感じさせます。遠くには太陽に照らされた家々が並び、自然の中に人の暮らしが溶け込んでいる様子が伺えます。
特徴的なのは、色彩の使い分け。一度全体を青で塗り、その上に空や水面の色を重ねることで、微妙なニュアンスが生まれています。空には紫寄り、川にはわずかに緑寄りのトーンを採用することで、画面の統一感の中にも変化が感じられます。また、遠景をぼんやりとさせつつ、手前の草はコントラストを強くすることで、手前から奥への空間の広がりが巧みに表現されています。青の影の扱いも見事で、遠くにいくにつれて明暗差が穏やかになり、遠近感がより一層引き立っています。

二枚目の左の作品は、ご自身で撮影された写真をもとに、緑豊かな街並みとおしゃれなアーチが印象的な馬車道を描かれました。こちらも上の作品と同様青をベースに全体的に寒色寄りになっており、整然とした街の雰囲気が漂います。
どの程度まで細部を描き込むか悩まれていましたが、ラフなタッチを残すことで、画面全体のバランスが保たれています。また、手前の点字ブロックや横断歩道をあえてぼかすことで、視線が自然と車のある奥の空間へと向かうように工夫されています。
影の中にさりげなく入れられた鮮やかな青や赤紫のアクセントも効果的で、静かな画面の中に心地よい緊張感をもたらしています。

三枚目、右の作品はデフォルメの効いたモチーフが楽しい静物画。黒い輪郭線が画面を引き締め、遊び心が感じられるポップな一枚です。
形の省略と強調が絶妙なバランスで組み合わされており、りんごやポット、瓶のフォルムがシンプルながらも存在感を放っています。特にガラス瓶の厚みや光の反射の表現が巧みで、デフォルメされた形の中にもリアルな質感が生きています。
また、背景の青も単なる無機質な空間ではなく、ガサガサとした筆のタッチを残すことで画面全体に活気を与えています。デザイン的な要素と絵画的な表現の融合が見事です。

三つとも色の使い方や構図、質感の表現に工夫が凝らされており、それぞれ異なる魅力を持っています。油彩ならではの絵の具の深みが活かされており、秦野さんの技量の光る作品となりました。

時間と絵の具を重ねて


晴花 高1 油彩

サヤカです。春の長期休みを活用して、大阪旅行に行き、太陽の塔を見て来ました!50年以上前のアートとは思えないほどの存在感に圧倒されてしまいました…!さて、今回は学生クラスの晴花の作品をご紹介します。

ブログ執筆中に私の携帯を覗き込んだ友人たちは、「え!?写真かと思った!」と感激していました。確かに写真と見間違うほど、カエルの立体感やぺたっとした質感が忠実に表現されていますね。指先の吸盤がぷっくりと半透明になっているところまでよく観察して描けています。また、背景にも工夫が伺えます。まず、手前の葉っぱに水滴を描くことで、カエルと背景の親和性がより高まっています。加えて、手前と奥に描き込みの差をつけることで、画面の主人公であるカエルに自然と視線が誘導されます。緑中心の画面ですが、まったくつまらない印象になっていないのは、とても素晴らしいです。

小学生クラスの時に何枚も油絵を描いている晴花ですが、学生になってから久し振りのチャレンジに、油絵の具の扱いが思ったようにいかず翻弄されていた様子でした。
アトリエの油彩道具をレンタルなのをいい事に?これでもかというほど、絵具を盛っています。毎回、物凄い色数の緑を作り、大量の絵具を消費し、イメージと違えば惜しげもなく残し(使わず捨てる)…という豪快に見える制作風景でしたが、小原先生曰く「晴花は小さい時から不器用だから、なんでも人の倍の時間・画材が必要。失敗も人の倍するが、それでめげることもない。」そうです。作品から、晴花がしっかりと時間をかけてモチーフの向き合ったことが伝わって来ます。これからも晴花の作品を楽しみにしています!