
大渕 アクリル
マユカです!今回は大渕さんの作品をご紹介していきたいと思います。
強いライティングとビビットカラーが目に眩しい一枚。バイクレーサーを描きました。初のアクリル絵具ですが、油彩はすでに経験済ですので、着彩にも手慣れた感が出ていますね。
…とは言え完成までに、お忙しくてお休みも多くはありますが足掛け半年も費やしました!バイクレースが大好きとの事で、好きな物だからこそここまで時間を掛けて丁寧に取り組めたのでしょう。完成した瞬間にお隣で制作している方から「一瞬、参考資料の写真とどちらが作品か分かりませんでした!」と絶賛の声を頂き、スタッフまで大喜びです。
大渕さんの作品がここまで写真のように見えるのは参考資料と色彩が合致していることや、形の整合性がとれているのは勿論ですが、それ以上にバイクにびっしりと描かれたスポンサー企業のロゴのレタリング(デザインされた文字を手書きすること)が、正しく描かれているからというのはかなり大きいと思います。バイク、レーサー、サーキットなどは見る位置を変えれば形が変わりますが、ロゴはそういうわけにはいきません。見慣れた形、色があり、それらが間違っているとかなり不自然に見えてしまうことが多いです。
大渕さんの作品ではそういった細やかな部分にも丁寧な筆運びがされたことが見て取れ、だからこそよりバイク自体の重量感、立体感、実在感が引き立てられていますね。また、くっきりとした影がシルエットのようにもなり、構図やデザインという面においてもカッコよさを感じます。
細かい所を突き詰めていくと、時間こそかかりますが写真にも遜色ない一枚に仕上がります。とはいえそれは簡単なことではなく、近い色を作ったり、形を整えたりと、その作業量や資料と向き合う時間は途方もなく、途中で別の作品が作りたくなったり、もういいかな…と、やりきらずに終えてしまうことも多いでしょう。続けることが出来るのもまた能力のうち。次回は一体どんな作品を作られるのか、楽しみになってしまいました。