展覧会告知

岩田です。 今回は、9月に行われる展覧会の告知です。
9月3日から14日まで、銀座あらかわ画廊にて、岩田俊彦、野間祥子の二人展を開催します。
私は、壁面作品やカトラリー、野間さんは透明水彩で描いた作品を展示します。

皆様、是非足をお運びくださいませ。

 

岩田俊彦 ✕ 野間祥子 「QUAINT」 

2024.9.3(火)-9.14(土)
12:30-18:00 最終日は16:00まで(日曜休廊)

あらかわ画廊
東京都中央区銀座1-10-9 銀座一ビル3F

生き物捕まえた!

大竹です。幼児クラスでは、今年最後の夏のワークショップが終わりました。
テーマは『水辺にいる生き物つかみ取り』!屈んで水の中へ手を伸ばすポーズを。側面・正面から見た2枚を制作していきました。屈んでいる時は顔や体、手足はどうなるか?実際に目の前でモデルにポーズを取ってもらい、位置を確認して制作していきました。斜めのポーズや曲がっている腕はちょっと難しいですが、みんなとても上手に描けましたね!子供達の作品を見ていると、小学生の頃に多摩川の川辺で遊んだ記憶が蘇ってきました。
掴んでいる生き物はお魚からカニやザリガニ、貝などの見本を用意したので、各自で好きな生き物を描いて貰いました。捕まえた!と大喜びの子もいれば、恐る恐る掴んでいる様な表情の子もいて賑やかな作品集となりました。クレヨンで描いた後は絵の具で水の色を塗って完成です!2枚も描いてヘトヘトかと思いきや、仕上げの絵の具塗りの時も元気一杯!大人の方がヘトヘトになっておりました…笑。

猛暑の中ご参加いただきました幼稚園生の皆様、保護者様、ありがとうございました。夏の思い出の1つとなれば幸いです。

視覚から伝わる味


高橋 色鉛筆

こんにちは!マユカです。今回は高橋さんの作品をご紹介していきたいと思います。

入会して数枚描いて頂く基礎デッサンが終わった後、初めての着彩作品は『色鉛筆』を選ばれました。色鉛筆は混色しなくても沢山の色数がありますので、少しずつ塗り重ねたり、直感的に色を乗せることが出来るのでとても扱いやすい画材です。
いつか描いてみたいと、取っておかれたクリスマスケーキの写真を雑誌から切り取りお持ちになり、丁寧に制作されました。

高橋さんが選んだモチーフは食べ物ですから、鮮やかな色を影に乗せることで全体的に明るく美味しそうに魅せています。暖色には食べ物を美味しそうに魅せる効果があるため、クリームやフルーツだけでなく、線画部分にも赤っぽい色が使用され、深みが出ており 側面の影の付け方やお皿から、丁寧に塗り重ねた筆跡を感じますね。最初に「色鉛筆は扱いやすい画材」と書きましたが、難点はガリガリと強い筆致で描いてしまうと画用紙がつぶれ、塗り重ねることが出来なくなることです。
しかし、高橋さんの作品はそれぞれのパーツにたくさんの色が使われていますね。これは優しく描き進めた証拠でもあり、見ていて単調に感じない利点もあるわけです。
周囲にあるモチーフも、少し上から見下ろした構図で形を取るのは大変難しいですが、しっかりと整合性が取れているため違和感なく見ることが出来ますね。

スイーツだけでなく、トーストやお刺身などの食べ物でも黄色や赤、オレンジなどの暖色を意識して使うと美味しそうに魅せることが出来ます。ダイニングの照明が温かみのある色が選ばれるのと同じ効果です。食べ物を描く際はぜひ意識して暖色を使うようにしてみてくださいね!

描いて並べて


置田 油彩

秋の涼しさが待ち遠しいです、ナツメです。本日は水曜大人クラスより、置田さんの二枚を一緒にご紹介します。よく映画などのポスターを元に描かれており、今回も映画のメインビジュアルから一枚、雑誌から一枚ずつ女性像を選ばれました。置田さんは早描きで、どちらかと言うと薄めに油絵具を重ねて描くタイプです。

まずは左の作品。映画のポスターを元に、二人の女性を描きました。顔のパーツの角度や位置の差によって、ちょっとした顔の向きの違いを正確に表現されています。どうしたら正面から見た時の顔や体の立体感を出せるか絵の具を作りながら試行錯誤されていましたが、様々な色相から色を選び立体感の伴った肌になりました。映画のポスターを参考にされただけに、二人がどんなキャラクターなのかという人物像まで描こうとする意欲が伝わってきます。

そして二枚目の右の作品は、雑誌に載っているモデルさんを参考にされています。気品を纏いながらもどこか物憂げでアンニュイな表情に感じるのは背景のトーンの影響も大いにあるでしょう。薄手のセーターに編み込まれた細かな金色の糸やアクセサリーの模様一つ一つも非常によく観察して描かれました。モデルだからこそ、身につけているものを粗雑に描写してしまうと途端に全体が安っぽく見えてしまいます。これだけの上品さを感じる作品になったのは面倒くさがらずに積み重ねた成果です!

二枚を並べて見てみると、静と動、暖色と寒色といったような対比があり、それぞれを単体で見た時とは受ける印象も変わりますね。続けて女性を描いたため、次回は少年に挑戦するそうです。

絵から広がる話題

先週の大志先生に続き、春からアシスタントを始めた私ひとみが、本日のブログを担当させて頂きます。油絵制作もいよいよ大詰め!最初の描き始めから見ていると「もう完成か!」と時の流れを感じます。

私自身この油絵制作を通して、一人一人の好きなものや大事にしているこだわりの部分だったり、生徒みんなのことを知れるいいきっかけになったと思います。例えばペットの写真を描いている子はその子のエピソードを、旅行の時の写真を描いている子は「ここに行ってこんなことをしたんだ!」とお話を聞かせてくれました。やはり絵には自分の好きがよく出るので、みんな描いていて楽しそうで、こっちまで楽しい気分になっちゃいます!絵から話題が広がり話が弾み、コミュニケーションを取って人間関係を深める良い機会となりました。

また、楽しそうに描いていながらも「自分の絵を最後まで、最大限良くしよう!」と一生懸命になっている姿も見れました。
「どうしたらここの色を綺麗に作れるんだろう?」「ここは何色だったら映えるのかな?」「写真通り細かく描くにはどうしたらいいの?」なんて悩む声も沢山聞こえてきました。みんなそれぞれ絵にしっかり向き合って、先生に質問・相談ながら質を高めていくところを見ていると、本当に熱心にやっているなと感心させられます。中には2カ月もの長丁場に少し飽きてしまってきている子もいるけれど、1度スイッチが入れば「あとはどこやればもっと良くなるかな?」と聞いてくれたりして、絵が大好きな子ばかりです!

お父様お母様、是非持って帰ってきた油絵作品を見ながらこだわりポイントを聞いてみたり、制作中のエピソードを一緒に話したりしてみてください!

学生ワークショップの成果


7月26日~8月2日までの5日間、小学高学年も参加可能な『中高生対象・デッサン講座』を開きました

5回の講座では、約3時間掛けて1枚のデッサンを完成させましたが、参加者の皆さん物凄い集中力、疲れ知らずで黙々と制作していて、教えているこちらの方が圧倒されるほどでした。
初回のモチーフは金属と立方体と紙風船です。金属の質感や重さが良く表現できていますね。

二日以上参加してくれている学生さん達は、ペットボトルやガラス製品など、透明の素材にもトライしてもらっています。形を正確に取るだけでなく、構図の良し悪しも学んで頂きました。

下は参加者に配ったプリントです。画面では小さくて見辛いと思いますが、簡単にまとめたデッサンのノウハウですので、小学生などは自分で描いたデッサンにこの説明をかいつまんで添えるだけで、夏休みの自由研究にもなるようなレジュメです。お役立ていただければ幸いです。
最初の描き出し『あたり』から、構図の決め方・明暗&質感の出し方、影の重要性など、プリントを追いながら説明するだけでなく、途中で個人個人のレベルや目標に合わせて細かくアドバイスもしていきました。全員が人生で一番うまく描けた1枚になったのではないでしょうか?ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。

あなたは何を思う?


馬込 油彩・木炭

岩田です。今回は馬込さんの作品をご紹介します。

非常に美しい色彩で描かれたこちらの油彩。
右手から差す光線に背中を向け、立ちすくむ少女。しかし両腕と頭部は消え失せた状態にある。
歩くことはできても、見ることや思考すること、ひいては何かを持ったり、触れたりすることもできない。着衣は鮮やかなブルーを纏っているが、無力感を象徴するようなその姿からは、虚しささえ漂ってくるようだ。

目が見えない少女ではあるが、黒い木に吊るされた鳥籠を意識し、それをただ見ているような印象を受ける。
少女の影は、足元から奥へと延び、それは、やがて黒い木となる。その木は自身の投影。
活き活きと生を謳歌していた鳥が去ってしまった空っぽの鳥籠は、何もすることができない、もしくはできなかった少女の心の在りようなのか。

これまで書いたことは、あくまでも私がこの絵を見て感じたこと。作者の思いとはことなる部分もあるでしょう。

特に木の部分は油絵具で描かれていたのですが、乾いた後に木炭を使って描き直し、他と比べると異質な印象を受けます。
このように表現方法などを一部途中で変えたとしても、作者が何を表現したいのか、ということがぶれずに一貫性があるので、それがより一層深い表現へと昇華していくのでしょう。

あなたはこの絵を観て何を思いますか?観る者に対して様々に想像させる、とても興味深い作品でした。

幼児夏のワークショップのご報告

 


8月20日(火)に『海賊帽子と剣』を作りました

大竹です。長い昼間も少しずつ短くなっていき、夏の終わりを感じてしまいますね。幼児クラスの夏のワークショップ第3回では、海賊なりきり工作を行いました!
今回制作したのはパイレーツ帽子とサーベルの2点です。大きな黒い画用紙を三角に折り、まん中に穴を空けるだけで、リアルなパイレーツのコスチュームが出来上がります!お花紙を千切って縁を飾り付け、白いクレヨンでガイコツを描いています。ちょっとメキシコの死者の日っぽい雰囲気もあって素敵に仕上がりましたね。帽子が完成した後は被りながら作っている人もいました。
サーベル工作では、鏡のように光る銀の硬い工作用紙で刃、刀身から柄にかけては木の棒を芯に入れているので、とっても丈夫です!戦ってもへたりません。(注意※でも本気で振り回しちゃダメ!安全に遊んでね)刃の形はみんなそれぞれオリジナル!鋸のようにギザギザの子もいれば、滑らかな曲線の刃もあってバリエーション豊か。カラフルなシールを宝石に見立てて飾り付ければ立派な海賊サーベルの完成です!
最後はみんなで剣を構えて記念撮影です。賑やかなミオス海賊団が結成されました♪

幼稚園児が参加できる『幼児クラスワークショップ』は来週8月27日がラストです。まだお申込可能ですので、どうぞご検討ください。こちら

計画も力


千佳 高2 左-油彩 右‐透明水彩

マユカです!今回はチカの油彩画をご紹介していきたいと思います。

最近、美大受験の学部を油画科に決定しましたので、いよいよ本格的に油絵に取り組み始めました。受験と同じF15号(65cm×53㎝)サイズです。(右の水彩画は、油彩に入る前に制作した絵)まだテクニックが少ない為に粗削りではありますが、「目の前の大きなモチーフをどうにか自分のものにしてやろう」という気迫が感じられます。これだけ大きく、たくさんのモチーフがあるとどこから描き進めればいいか、どう描いていいかがわからなくなりがちなため、手探りで少しずつ塗り進めていく…のかと思いきや、最初の段階からガッツリと絵の具を乗せ、最後の方で整えるという形をとっていました。これはとても良いことです。

通常、絵というものはじっくりモチーフや描きたいイメージと向き合い、納得がいくまで制作をし、自分の好きなタイミングで完成させるものではありますが、受験となるとそんなことは言っていられません。制限時間があり、その時間内に描き終えられないとその時点で落とされてしまう。何か不測の事態が起きて試験時間が短くなったとしても完成させなければならないわけです。

いつ「はい、おわり」と言われても完成しているように見せるために、全てのモチーフを同じペースで描いていく必要があるんですね。チカはそれがかなりできつつあるかなと感じました。大雑把に描いてから細かく描き進める…となった時、少々一つのモチーフに集中してしまっても大丈夫なように、まずは画面全体に色がしっかり乗った状態を作る事。それを意識することが、「受験の絵」を描くための第一歩と言えます。

ここからどんどん描写力と時間配分する計画力を鍛えて行くことになるでしょう。応援しています!

笑顔全開!!!


原 油彩

皆さんお盆はいかがお過ごしでしたか?大学での制作とアトリエ以外は家に引きこもる夏休みを過ごしています、ナツメです。本日は水曜大人クラスの作品をご紹介します!

今回は笑顔が大迫力のお孫さんを描かれました。ぎゅっと寄せられた目に、大きく開いた口。のけぞって笑っている声が聞こえてきそうなほど楽しそうな様子に、ついついこちらまで笑顔になってしまいます。

大きく表情筋を使っているけれど、あまり筆のタッチを残してしまうとシワに見えてしまい今度は赤ちゃんの柔らかい肌が表現できなくなるというジレンマも乗り越え、力強さと質感を上手く両立して描画されました。肌の色ひとつをとっても様々な色相から選んでいるため、目に見える表情だけでなく内に秘められた元気さや感情の豊かさまでもが垣間見えるようです。更には赤みやハイライトを駆使し、頬や指などの特にふっくらしている箇所を巧みに表現されました。

また、背景を淡い色遣いにすることで人と描き込みの情報量にメリハリをつけ、主役に一気に目がいくようになっています。画面全体の優しい色合いからはお孫さんの幼さを感じられますが、差し色として鮮やかな黄色を涎掛けに使っているため同時に元気でフレッシュな印象も受けますね。

小さい子の笑顔には思わずこちらも笑顔になってしまう不思議な力がありますが、この作品も見ていてエネルギーが湧いてくるような力をもらえる一枚です!