最後の一点


木村 油彩

岩田です。今回は、木村さんの作品をご紹介します。

こちらは、3人の女性の宴のシーン。広大な草原、西日を受けながら歓喜の中で自然の実りを祝っているという、見ているこちらにも色々なドラマを起草させてくれる実にスケールの大きい作品。

私は、担当する土曜クラス翌日の日曜の準備をする度に、この作品を窓際から持ってきて木村さんがいつも描いている席の前にハンギングしているので、曜日が違えど、描き途中の経過をずーっと見ていました。
早い段階で、全体のイメージが出来上がっていたと記憶していますが、その後が結構長かったなーって印象。とはいえ、こうして客観的に見ると、良い絵に仕上がったなぁと感じます。

とにかく、色が深いというか、重層的に置いた色の響き合いが美しい。
日が差す奥の方から手前までのグラデーション。黄色、オレンジ、紫、青といった多様な色をここまで自然に使いこなすのは、今まで様々な実験を繰り返してきた木村さんだからこそできる技です。

やっぱり最後は人物の描写。そこをもう一歩気合入れて頑張って欲しいと思います。
これだけの世界観をキャンバスに投影できる人は余りいませんが、最後に中々決め切れなくて、時間がかかったのは、もしかしたら、人物を如何に自然に描くか、という部分だったのかもしれません。
人がもっと構造的な面でしっかり描けていれば、もう言うことはありません。
絵全体を広く大きい意味でバランスさせる為にも、人体について、もっともっと貪欲に興味を持って欲しい。その一点、これからの木村さんの作品に期待していますよー!

華やかな黄金と赤


秦野 アクリル

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、秦野さんの油彩作品です。ビリヤード台に腰掛けキューを持つ女性。ファッション雑誌からピックアップされて描かれました。キャンバスボードに描かれているので、油絵のような印象も感じます。まるで黄金にも見える黄色の背景に、赤い洋服が映えて鮮やかに見えてきます。黄金と女性の組み合わせは、どこかクリムトを思わせる華やかさですね。

単調な黄色で塗り潰すのではなく、筆の跡を残したり、右下に人物の影を入れています。これにより、一層人物の存在感が増していっているのでしょう。
構図を見てみると、少し左に寄せて描かれていますが、紙のど真ん中に顔が来る様にしてしまうと、動きのないつまらない構図になってしまいます。また女性の顔が右を向いているので、右側に空間の余裕ができる様左側に寄せて描かれているのでしょう。
服のシワやその下にある身体までよく意識して描かれていますね。流石の描写力です。服の素材やポーズによって、シワのでき方は変わってきます。人物を描いても何だか薄っぺらくなってしまうという方は、服のシワ・その下にある身体を意識して描いてみると良いでしょう。

秦野さんは青を活かした風景が印象的でしたが、こうした情熱的な雰囲気の作品も素敵ですね。この女性が内に秘める闘争心が静かに漏れ出しているかの様です。目には見えない心の内や温度を感じさせる1枚だと思います。

肖像画に引き込まれる理由


鳥光 油彩

マユカです!今回は鳥光さんの作品をご紹介していきたいと思います。

今回の作品は鳥光さんの推しの肖像画です。そっくりなので、見てすぐに「あ!彼だ!」と分かる方もいらっしゃるかと思います。
ダボっとした服装ですが、細く鍛えられた男性の肉体がちゃんと入っているように描かれています。横から見た身体は薄くなりすぎてしまったり、肩と首の位置関係が正面に比べ難しく、立体感を出すのに手こずりがちなのですが、ちゃんと肩や腕が手前に来ていることにより奥行きは勿論、光の当たり方にメリハリも生まれ、大きな影を背景と手前に落としたことで人物周辺のコントラストが高まり、画面がとても見やすくなっています。顔周辺が特に見せたい場所だからこそ強い光が当たっていること、書き込みがしっかりとされていることも加えて、だれがどう見ても最初に人物へ目が向くのです。

また、影色を場所によって変えているのも素敵です。青っぽい色だけでなく、光の近くは紫っぽく。落ちている影は緑っぽい色を使っています。これにより画面からシンプルな印象がなくなり、人物よりも背景の方が多くの面積を占めていても、見ごたえを感じる作品に仕上がっているんですね。

肖像画の多くは光と影とのコントラストや影色を人物とは逆の色相にして置くことで、より人物を引き立てて見せているものがほとんどです。肖像画が盛んだった時代では自己紹介や、見た人にその人物のイメージを伝える役割がありました。写真とは違い、魅力を最大限引き出して描くことができるため、描いている人の力量で良いイメージを印象付けることが出来る…それが肖像画です。特に「推し」ともあれば描いている本人が一番「魅力を伝えたい!」と感じてのことでしょうから、肖像画のモチーフにぴったりというわけです。皆様も魅力を伝えたい人物を是非、描いてみてくださいね!

見下ろす絶景


多田 油彩

ようやく梅雨入りしましたね!先週長靴を新調しました、ナツメです。本日は月曜大人クラスより多田さんの作品をご紹介します。

パラグライダーから見える雄大な景色を描かれました。

上空から見渡した時の遠近感の表現が素晴らしく、まるで鑑賞している側もパラグライダーに乗っているかのような錯覚に陥ります。遠くなるほど青みがかったり、霞んで見えたりする『空気遠近法』という遠近技法の表現を用い、手前の木々の緑を基準に距離によって乗せる色に段階をつけています。空も地平線に近づくにつれ段々と明るくなっており、その向こうの遥か遠くに広がる空間までもが伝わってきますね。

とても自然に見える距離感ですが、空と区別をつけたり程よく霞んで見えるような色作りに悩まれ試行錯誤されていました。色相だけでなく木々の描き込みの量や明暗の差も調節されており、これだけの絶景になったのは多田さんの努力の賜物です!

パラグライダーの配置もよく考えられており、着陸場を囲むようにジグザグに構成されているので視線が画面の奥へと誘導されるような、リズミカルな印象を受ける構図になっています。

私は少しだけ高いところが苦手なのですが、こんな景色が見れるなら一度はパラグライダーを体験してみたくなってくるような、大自然の心地よさが伝わる一枚です。

魅力を詰め込んで

サヤカです!突然の暑さにくらくらしますね…!どうか体調にお気をつけください。今回は学生クラスのペン画を紹介します。


瑞希 中3

瑞希は、蛇や鳥、昆虫など生き物を生き生きと、それぞれの魅力を引き出す作品をたくさん描いていますが、こちらのドラゴンの作品も見た人に「ドラゴンってかっこいい!」と思わせるような作品ですね。ドラゴンのデザインの細かさからもこだわりが感じられ、丁寧に重ねられた影の線は自然な立体感を生み出しています。また、背景も世界観を深めつつ、主役のドラゴンをより際立たせていて良いバランスです。


圭介 中2

こちらはカードゲームのキャラクターのようなポップさも感じられる恐竜たちを描いた作品です。どの恐竜も一目見て種類がわかるようにチャーミングに描かれ、見どころがありますね!シンプルでポップなタッチでありながら、恐竜の力強さ、しなやかさはしっかり表現されています。飛行する恐竜は下から、背中に特徴がある恐竜は後ろからなどアングルの工夫によって、特徴が目に入りやすく、かつ迫力のある作品になっています。

2人とも美術系に進学する訳ではありませんが、好きな事を貫いている人たちです。作品からものびのびとした「好き」の気持ちが感じられ、見ている人にもその熱量が伝わってくるようです。ぜひこれからも楽しく、自由に創作を続けてください!

祝30周年

お陰様でアトリエ・ミオスは6月で 30周年を迎えました。
 1994年。ワープロで原稿を作りコピーしたチラシを1万軒ポスティング(自家配達)。最初は7人の生徒さん(内4人は親戚の子や友人のサクラ。寂しくないように。)を迎え開校しました。時代はバブル。大学卒業と同時にベンチャー企業を立ち上げる友人も多く、多額の借金もなんのその。怖いものなしのスタートでした。
   絵画教室の仕事は全てが自由。上司もノルマも定石もない。素敵なお客様(生徒さんや保護者様)と最高の毎日を送っていたら、30年が経ちました。本当に有難いことです。
なお一層の努力で恩返ししていきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

多くの方よりお励ましの言葉や過分なご芳志まで賜りましたこと、衷心より厚く御礼申し上げます。
祝い花はタイミング良く、時を少しずれて頂きましたので、1ヶ月間ずっと賑やかで華やかな入口となっておりました。商店街を通って行かれる方達が何事かと2階を見上げる様子を見る度に、誇らしく嬉しく思っておりました。
またお心尽しの品も沢山お贈りいただきました。スタッフ一同大変美味しくいただきました。皆様のお心遣いには感謝するばかりでございます。
本当に本当にありがとうございました。

私が企画する展示会のお知らせ

岩田です。今回は、染色家や服飾家、彫金作家など、鎌倉にゆかりのある作り手を集めて、地元の仲間たちと企画して毎年恒例で行っている「たまなわ暮らしの集い」という展示販売会のお知らせです。

JR大船駅から歩いて5分の場所にある笑ん座カフェにて行われるこちらの企画。
今年は、初の試みとして藍染めや漆の箸づくりといったワークショップ、16歳の女の子がボーカルをつとめるジャズライブなども企画しています。

今回は、妻の梓が工房tetugiとして展示に参加。私の作品展示はありませんが6月29日に笑ん座カフェからほど近い、トンボロカフで同時開催される「いいこも祭」にて漆についてのお話会を開催します。

元住吉からは、ちょっと距離はありますが、ご都合合いましたら、どうぞ足をお運びください!

2024年6月29日(土)、30日(日)に開催 

たまなわ暮らしの集い  いいこも祭 ⇐詳細、各種予約などこちらからどうぞ!

 

 

 

人形に、ドーナツに、ペンギンに…

大竹です。今回は幼児クラスの制作風景をいくつかご紹介させて頂きます。
幼児クラスでは毎回の授業で1つの物を完成させ、持ち帰ります。お絵かきと工作を交互に制作していきますので、幅広い制作にチャレンジする事ができます。

この日の授業では、小学生クラスが制作している操り人形に挑戦しました。
木のパーツを選び、顔や手足をボンドで貼り付け、ペンで模様を描いていきます。ロボットもいれは動物を作った子もおり、1人1人全く違う形の人形が出来上がりました。最後は足にヒートンを通してゆらゆら動く様にして、糸で吊るして踊らせて遊びました♪


パーツ選びもみんな迷いなくスイスイ進めていました。判断が早い!

別日では、粘土工作ではカラフルなドーナツを作り、絵も描きました!
カラー紙粘土を混ぜてマーブル柄にして、真ん中をくり抜いてドーナツ型にしています。チョコスプレー風のトッピングでなんだかアメリカのカラフルなケーキの様ですね!
その後のお絵かきでは大きな口を開けてドーナツを食べるところを描きました。お口を塗る時にドーナツにはみ出さないよう、慎重に塗る事が出来ましたね。みんなとっても嬉しそうな顔で食べていますね!

また別日のお絵かきの授業では、最近の暑さを紛らわせるために涼しげなテーマをと南極の皇帝ペンギンを制作しました。
皇帝ペンギンは100〜130cmにもなるそうで、丁度今の子供たちと同じ大きさ。親ペンギンを子ペンギン、それぞれを紙に描き、南極に見立てた青い画用紙に貼っていきます。難しそうに見えるペンギンも、まずは縦長丸を描いてから描いていくと上手に描く事が出来ます。単純な形に置き換えて描いていくと良いでしょう。完成したみんなの絵を並べると、1つのペンギンの群れの様ですね!


タマゴのオマケ付き!笑

デザイン イズ メッセージ


左上 千紘 中1 / 右上 ひなた 中3
左下 杏 高2 / 右下 香那 高1

マユカです!学生たちのデザインも様々な物がありましたね。先週に引き続き、ご紹介していきます!

学生クラスに入ったばかりの中1千紘は、なつめ先生のテキストに素直に従った絵。水の透明感を大切にしているのが伝わってきます。真っ直ぐになってしまっている水面がもっと波打っているとさらに自然に見えますが、光が入っている場所や真横から見た水の薄さ、円形に広がっている波紋を表す為に底面にしっかりと楕円を描いている辺りから、立体感とリアリティを感じますね。水の姿をよくとらえることが出来ているように思います。

ひなたは環境問題と水を絡めてポスターをイメージしながら描きました。ジュースの入ったペットボトルと、水が混ざり合ってしまっている様子を表現するために紫などの毒々しい色を使用し、ビビットさを損なわないようにしながらも、前後感と流れている様子を色の差で表現しました。差し色の黄色がよく目立ち、目を惹かれますね!青や紫のアクリル絵の具は、鮮やかなままで使うとかなり塗りムラが出来てしまいがちなのですが、乾いてからさらに上に塗る を繰り返すことで塗りムラを押さえ、綺麗な画面作りに尽力していました。

杏は美術系を目指しているだけあってデザイン的。塗りムラも少なく、溝引きもうまくできています。ミルククラウンの様に広がった水の様子を描きましたが、それだけでは面白くないということで背景にストライプを配置し、水を挟んで透けて見えるストライプの揺らぎを描きこむことで見ごたえを上げました。手前と奥とで塗り方と見え方を変えることで前後感を出し、さらに一色違う色を挟むことで画面にメリハリがついています。色数を抑えることでシンプルで統一感のある画面を作ることが出来ていますね。

香那は社会の風刺を描いた啓蒙ポスター的で、解釈が面白いですね。水をテーマに置く…と聞いて、海面上昇だったり荒廃した世界を想像する発想力を画面に出力する際に、アクリル絵の具特有のベタ塗りはあまり使用せず、油画の様に少しずつ厚塗りを重ねていました。世界観が強く出ており、「デザインらしさ」はないものの、作品として完成されていますね。水面の描写の緻密さが特に、落ちている影に揺らぐ水面の光が重なることでこの少しファンタジーな世界観に説得力をしっかりと持たせ、今後こう言った未来があるかもと思わせる一枚になっています。

デザインは、自分の想いや考え、伝えたいメッセージを伝える手段なため、ポスターと相性がいいんですね。皆様も是非自分の想いを画面に乗せて、「デザイン」してみてくださいね

デッサン夏のワークショップ

中高生対象・デッサン講座 (小学4・5・6年生も参加可能)

将来は美術系に進学を希望している学生、純粋に絵を描きたい・腕を上げたい向上心溢れる学生など、やる気があれば誰でも参加可能です。レベルに合わせたモチーフを組み、また初心者の場合、鉛筆の持ち方から指導します。上級者はより完成度を上げるテクニックを学びましょう。基本的に1回で1枚完成させますが、2~3回掛けて完成度の高い作品の制作も可能です。

小学生はデッサンを描くだけでなく、スケッチブックに『描き方のハウツー本』も制作します。1枚のデッサンに付き3~5ページずつの手順を、作例と解説を加えながら描いていくので、後で見返して応用を効かせたデッサン力向上も期待できますし、夏休みの自由研究としても良いでしょう。

※受験生には相談の上、志望校に合わせ、紙のサイズ・モチーフ・制作時間も変えていきます。
※現役美大生が指導しますので、進路の相談がある方は、授業中お気軽にお声掛けください。

◆ 持 ち 物 ◆ 鉛筆(できるだけ色々な濃さ)・消しゴム(あれば練り消しゴム)
◆ 受 講 料 ◆ 中高生 1回 3,000円(税込)/  小学生 1回 2,500円(税込)
◆ 日   時 ◆ 中高生 1回 3時間のコース /  小学生 1回 2時間のコース 
7月26日(金) ・16:30 ~ 19:30  ・16:30 ~ 18:30
7月30日(火) ・17:30 ~ 20:30  ・17:30 ~ 19:30
7月31日(水) ・18:15 ~ 21:15  ・18:15 ~ 20:15
8月 1日(木) ・  9:00 ~ 12:00   ・  9:30 ~ 11:30
8月 2日(金) ・18:15 ~ 21:15  ・18:15 ~ 20:15

夏休みワークショップ 参加方法
下記の必要事項を明記の上、メールの件名を『デッサンワークショップ申込み』として、送付してください。
 ①氏名
 ②学年・学校名
 ③電話番号・住所
 ④ご受講希望日
をご連絡ください。定員がございますので、参加可能かどうかを返信いたします。参加可能の場合、お申し込みの確認と規約・お振込み先を貼付しますので、こちらからの返信後1週間以内にご入金ください。ご入金確認後正式申し込みとなります。
(ご注意)    
※振込み手数料は、お客様のご負担でお願いします。
※銀行の`振込み控え明細票’を受領書とし、領収書の発行は控えさせて頂いております。
※お振込みが1週間以内に確認できない場合、申し込みをキャンセルされたとみなします。
※講座開催日程7日前を過ぎてからのキャンセルは返金できませんが、日程の変更は定員に達していない日時に限り承ります。
※キャンセル返金はご指定の口座に、振込み手数料を抜いた金額で振込ませて頂きます。
※保護者の参観・入室はできません。