威風堂々


海良 高2 油彩

あっという間に6月ですね、ナツメです。今回は木曜学生クラスの海良の油絵をご紹介します!本物のクジャクの羽を左手に、右手に筆を、良く観察しながらコツコツ制作していた油絵が、ようやく終わりました。

顔の側の模様と、顔から離れた模様の鮮やかさ・描き込みに差を付けました。
主役の顔が手前に感じるように、
顔周りは彩度を落とし暗めな色を使っています。また描き込みも丁寧に、フワフワの細い羽毛を緻密にしました。
顔から離れた場所は、大胆に鮮やかにくっきり大きく描くことで、顔周りのおしり部分が一番凹み(奥)、画面右側が手前にぐっと迫ってきているのが分かりますでしょうか?輪郭を全てフレーム外にしている為、その前後関係を表現するのが難しいのですが、全てが計算尽くしです。
目玉模様の大小(奥は小さく/右手前は大きく)・角度(奥は丸く斜めに/手前は横に長く)・彩度明度(顔の側と下の方は暗く/右上は鮮やかに明るく)・配置の密度(奥はたくさん/手前はパラパラと)・描き込みの粗密(奥は細かく密度高く/手前は太い羽毛を隙間を空けて)・油絵具の盛り(奥はオイル多めに薄く/手前は絵具多めでマチエールを効かせる)の違いを駆使し、非常に上手く表現しています。

細々テクニックの事を書き連ねてしまいましたが、純粋にクジャクの凛々しさが伝わってきます。まるで「僕の美しい羽を見ろ!」と主張しているような、どこか誇らしげな印象も。孔雀が求愛行動のために広げる飾り羽は目玉模様が多かったりより大きく綺麗である方が優れていると言われていますが、画面の外に大きく広げられている様子が想像できるほどいっぱいに描かれた羽のボリューム感が素晴らしい!羽の目玉の模様も全て細い毛で構成されているのですが、その密集している様子や枝分かれした毛の一本一本の小さな凹凸にも反応し最後まで挫けず(一度だけ小原先生に二人羽織で手伝ってもらっていましたが)緻密に描写しました。
真面目だからこそ「見つけたものはできる限り描こう」と苦戦したところも多かったでしょうが、その甲斐あってここまで華麗で気品に溢れた一枚になったのだと思います。私も似たタイプなので気持ちはよくわかりますが、たまには息も抜きつつ、次の作品にも臨めると良いですね!

描きすぎない勇気


加瀬 油彩

佐藤です。本日は水曜午前クラスより加瀬さんの油彩作品をご紹介します。

加瀬さんは以前にも、子供と柴犬をモチーフに油絵を描かれています(以前の作品のブログはこちら)。
以前は2人が草原に座っている情景でしたが、今回の作品では部屋の中から2人が窓の外を眺めています。シチュエーションは異なりますが、作品に漂う柔らかさや暖かい空気感は、過去の作品から一貫して表現されていますね。
加瀬さんご自身も、2人の関係は元より、室内の温度と外の気温の違いや、赤ちゃんの暖かさやミルクの匂い、汗の湿度などを感じさせる絵にすることを目標とされていたようです。

色使いやタッチも勿論なのですが、窓の向こうの景色をほとんど描き込まずに留めていらっしゃるのがとてもお上手だなぁと感じます。
なぜなら、絵を描く時には「いかに描くか」と同じくらい「いかに描かないか」も大切だからです。
全部のモチーフを詳細に描き込みすぎてしまうと、どこもかしこも主張が強く、見せ場が伝わりづらい絵になってしまいます。なので、しっかり描く場所とそうでない場所を決めることは重要なのですが……「描かない」というのは描くことよりも余程勇気が要るんですよね。
この作品では窓の外を描きみすぎないことによって、「快晴ではなく花曇のような日なのかな」「部屋全体に柔らかい日が差し込んでいるんだろうな」と、その空間の明るさや湿度を想像する余白が生まれています。

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岩田先生が4・5月お休みしている間の補佐として、アシスタントを勤めさせて頂いておりましたが、岩田先生が6月も展示会準備のためお休みしなければならないとの事で、引き続きお手伝いをすることになりました。
残り1ヶ月ですが、皆様の美術を愛する気持ちに寄り添えるよう努めて参ります。どうぞよろしくお願いします。

パティシエ気分でケーキ作り

伊藤です。昨年夏から筋トレ始め少しずつ体力つけて、昨日はマラソン大会で14㎞完走しました~!

今月の親子クラスは、はじめて参加してくださった2歳児の親子でした。はじめての習い事は、どんな場所でどんな先生がいて、何をするんだろう?って、楽しみもあるけれど、きっとドキドキもありますよね。そんな緊張感をほぐす制作には、粘土が一番!(と思ってます)

粘土をコネコネしているだけで、形が変形してくる楽しさは、遊びから始まっているので、ストレスフリー。偶然に出来た粘土の形を見て、「面白い形だね!」「ソフトクリームみたいだね!」「長い粘土を輪っかにしたら、ドーナツになっちゃったね!おいしそう!」等と、出来た物に言葉や名前をつけてあげると、何だかとっても嬉しそうです!リラックスした雰囲気と遊びの延長で始めると、いつの間にかコミュニケーションも楽しく、具体的な制作が進みます。

粘土で作るケーキは、トッピングのフルーツを何にしようかな?と、カラー粘土を丸めたり伸ばしてみたり、、、。色々な形を作ってはケーキにのせて、盛りだくさんフルーツケーキのできあがり~♪パティシエの帽子とエプロンも作りましたよ~

粘土制作が続いたので、6月は趣向を変えた制作の準備を致します。お申し込みは、ご参加日の3日前迄にメールでご連絡頂けますと有り難いです。6月の予定は、6日(火)・20日(火)10:30~11:30です。

会食自粛で喜ばないで

オバラです。水曜に夜間大人クラスの皆様に誘われ、授業後に飲みに行っちゃいました。(解散23時過ぎ!)
コロナ禍で大学生になったナツメ先生は新歓コンパなども一切なく、実質、飲み会デビューとのこと。
行く前は「一平先生や旭先生は、高校生の頃から営業接待させてお酌もトークも鍛えたから、バカやって笑わせて場を盛り上げるのが上手かったんだよ。コミュニケーション能力を鍛えるという意味で、飲み会は参加しておいて損はない。人生経験積んどきな。」とビビらせていましたが、意外にトークも注文もテキパキ上手でした!成長したなぁ。(と、褒めつつ「やっぱり私は育て上手☆」と最後に自分を持ち上げようw)

飲み会に誘う事すらパワハラと言われる時代。『相手に合わせながら適切な言葉をタイミング良く繰り出すバランス感覚』を養う絶好の機会を奪う、深刻な事態です。コロナで更に追い打ちを掛けられました。これから挽回します!

幼児クラスの工作〜パフェとハリネズミ〜

大竹です。幼児クラスでは、生クリームたっぷりのパフェ作りをしました!
本物のパフェのカップにスポンジをぎゅうぎゅうに詰め込んでいき、粘土でいちごやクッキー、アイスといった具材を沢山作っていきます。クッキーの型抜きは簡単に出来て楽しいので、パフェに乗り切れないくらいの数が出来てしまい、飾り付けの場所に困ってしまう程でした。食べ物系の工作はいつもよりウキウキになりますね♪同じ材料を使用して作っても、その出来あがりはそれぞれ全く違っているのが面白いですね。

その後のお絵描きでは、黒い画用紙にパフェを食べている所の絵を描いていきました。黒い画用紙なので、白いクレヨンを使用してクリームを描くことが出来ます。自分で作ったパフェを見ながら、そっくりそのまま描いていきました。大きないちごたっぷりの、カラフルで美味しそうなパフェの絵が完成しました!その後ろにはスプーンを持った自分を描き、今まさに食べる瞬間を描いています。みんなとっても嬉しそう!

また、別日の工作カリキュラムではではハリネズミ紙工作&お絵かきを行いました!画用紙を花束を包むような形で丸め、ハリネズミの形を作っていきます。針の色は自由に選び、足の色も変えているのでアメリカのおもちゃのようで可愛らしいですね。ヒゲや耳もちゃんと作られています。立たせるようにするのは難しいですが、バランスを確認しながら調整し、見事立った時の感動はひとしおです。
お絵かきのハリネズミは2回目ですが、前回よりも上手くかけているかな?その名の通り、パソコンのマウスのように丸っこく先が尖った形を上手く捉えられていますね。背中の針も茶色や黄土色、こげ茶を使って沢山の針が集まっている様子を描いています。
毎週描くのはスケッチブック1ページ分ですが、その1つ1つの積み重ねで上達していく様子が分かります。動物や人、物まで幅広く描いていき、スケッチブックを埋めていきたいと思います!

動きのあるポーズは…


5・6年生の授業の様子

マユカです!昨日のナツメ先生や一昨日のリホ先生に引き続き、今回は5・6年生の作品をご紹介していきます。


5・6年生の人物画

やはり高学年ともなるとポーズは難しいものを選んでも、髪の毛や服、顔も含めしっかりと描き切ることが出来ている子が多いですね。制服やロングヘアー、スカートのたゆみだったり、刀などの少し難しいパーツにも挑戦し、躍動感のあるただの「ポーズ」が、キャラクターとして昇華されています。複雑な手足の重なりや、手前と奥の理解が出来ているからこそ、刀だったり体のパーツで隠れている場所も補って全身を描くことが出来ているのでしょう。さらっと描かれているように見えて、見えていないところを描くというのは結構難しいのです。

趣味の範囲内で楽しんで描くことが多いイラストではよくあることなのですが、人物画を描く時に描き方が分からなかったり面倒くさかったりで、手や全身を描かなかったり、ポーズは全くとらせないで棒立ちにしてしまったりと、描かないパーツが多くなってしまい、結果的に顔だけどんどん上手になっていく、という現象が起きがちです。
そうなってしまうとバストアップの同じような構図しか描けなくなってしまい、イラストレーションの幅が大きく減ってしまいます。アトリエに来てくれる子たちの多くは絵が好き!上手くなりたい!と思ってくれているまさに向上心の塊のような生徒さんばかりですので、今回のカリキュラムを通して、全身を描くことで生まれる躍動感や空間、その絵から生まれるストーリー性などに気づいてもらえたらなぁと思います。こういった動きのあるポーズは、身近な物なら漫画、スポーツ雑誌などにたくさん載っています。初めは好きな漫画の模写から入る、という人もいるくらいです。動きのあるポーズをたくさん見て、真似して、いつか思い通りにオリジナルのイラストが描けるようになったら素敵ですね!

いつでもどんなポーズでも


3・4年生の授業の様子

ナツメです。昨日のリホ先生の12年生人物画の記事に引き続き、本日は34年生の作品をご紹介します!


3・4年生の人物画

全体を見ても基本的なポーズは同じながら、ぐんとバリエーションが増えたと思います。中学年はさすがと言うべきでしょうか、マユカ先生の描いた人物ポーズ集を参考にするだけでは飽き足らず、野球のポーズのバットを剣に変えてみたり、見本のイラストの左右を反転させてみたりするなど、それぞれ手を加えてオリジナリティを発揮していました。はじめは苦戦していた手足の重なりも最後には描けるようになり、基礎となる立ち姿から少しずつレベルを上げて、1ヶ月間練習した成果を自分でも感じてもらえていたら嬉しいです。

学年が上がるにつれ図工の時間などでも人を描く機会が増えることと思いますが、これだけの描画ができれば怖いものなしですね!基本の手順さえ抑えてしまえば応用が効くようになっているため、これでもういつでもどんな動きでも好きなポーズを表現できます!
「何も見なくても様々なポーズが描けるようになる」というコンセプトで本を作りましたが、この目標にも到達できたのではないでしょうか!?また人体を描いたらぜひ見せて下さいね!

1ヶ月の集大成


1・2年生の授業の様子

佐藤です。本日は小学生クラスの 4 月のカリキュラム「人物画」の授業風景をご紹介します。
今回のブログでは 1.2 年生の作品に絞ってお届けします。3〜6 年生の作品についても後日ブログでご紹介しますのでお楽しみに!


1・2年生の人物画

これらは全て4月最終週に描いた 1.2 年生の作品です。1ヶ月間みっしり人物の描き方を勉強し、その集大成として難しいポーズの人物画を描いてもらいました。
お題は「頬杖をついて寝転んでいる人」「胴上げされている人」「ビールジョッキを持ってあぐらをかいている人」。ミオス・オリジナル教本『なにも見なくても人物画が描けるようになる本』に載っているポーズの中から多数決をとって、生徒たちが描きたいお題を選びました。どれも小学校低学年の作品とは思えないほど、上手に描けていますね!

私も授業中に何度か1.2年生向けに人物の描き方を指南しましたが、複雑なポーズを題材にする時は「ちゃんと伝わるかな?」「難しすぎるかな?」と少し心配していました。
あぐらや寝転んだポーズは脚が重なっているので、描き順を意識して、手前側の脚を先に描かないと上手くポーズが取れません。また、人物画に限らず絵を描く時には、まずは球・円柱・円錐のような、シンプルな基本形でモチーフの骨格をしっかり捉えることが大切です。でも大人の生徒さんにお伝えするのとは違って、球・円柱・円錐!などと言っても小学生低学年には中々イメージがしづらいですよね。
しかしそんな心配も杞憂だったようで、皆複雑なポーズをバッチリ描きこなすことが出来ました。

描いていて特に盛り上がったのは「ビールジョッキを持ってあぐらをかいている人」のポーズ。
小学生にはビールジョッキは縁遠い存在……と思いきや、生徒たちにとっては家でお酒を飲んでいるお父さんやお母さんの姿が連想されるようです。「お父さんの絵にして良い?」「うちのお母さんはワインを飲むから、中身をワインにして良い?」と、どんどんお題を膨らませてくれました。

5月の小学生クラスでは、人物の勉強の成果を活かして球体関節人形を制作中です。
4月に人の身体の動きや見え方について学んだので、その知識を人形作りへ存分に活かしてもらいたいと思います!こちらもどうぞお楽しみに。

小学生クラス満席です

小原です。1クラス、35名在籍する小学生クラスの様子です。
奥のオレンジの線の中は、1・2年生15人が、3人の先生に付きっ切りで描き方を教わっています。
エンピツの持ち方や、筆圧の加減、消しゴムの使い方まで指導しています。

手前の20人(見切れて全員は写っていません)は3年生以上の子ども達。2人の先生で担当しています。

現在の公立小学校は1クラス平均30人前後とのことで、それより多いのか…と我ながら驚きですが、1年生から6年生までが同じ教室で一緒に勉強をしている様子は、過疎化の進んだ小学校や寺子屋のようでもあります。

たくさんの児童がいることが弊害のように感じられるかもしれませんが、少人数ですと先生の目が行き届く半面、個々の子どもが孤立しやすくなるなどのリスクも増えてきます。(開校した頃のミオスにそういうことがありました。)
私的には、子ども達がお互いの作品について感想を言ったり、教え合ったり、友達同士でとても楽しそうで、今の授業が大変充実して感じられます。

※小学生クラスは全ての曜日、定員に達しております。メールにてウェイティング登録を承ります。詳細はこちら

描いた方が良いけど


晴 高3 鉛筆デッサン

デッサンの勉強してうまくなりたい。たくさん描いた方がいいのは重々分かっている。けど、今日はなんだか気が乗らない…。でも何もやらないのは負けた気がするし、せっかくアトリエに来た意味がない。

そんな時はコレ。親指1本だけ描く。
なぜ親指かと言うと、他の指をポージングするのは疲れるから。親指は脱力したまま描くことができます。(意味が良く分からない時は、自分の左手を描くつもりで眺めてください。)
小さな絵ならやる気も小さくていいし、ちょと鉛筆を動かすだけでエンジンが温まって来たのが自分で感じるはずですよ。   オバラ