幼児クラス大募集!

新年度から年長さん達が小学生クラスに移り、少々寂しくなりますので、新規の生徒さんを大募集です!

幼児クラスでは、お絵描きの時間と制作の時間があります。
様々な画材や材料などを使って、楽しく制作活動をしていただきたいと、毎回バラエティ豊富なカリキュラムをご用意しております。
ぜひ体験授業をご受講していただき、幼児クラスの雰囲気を感じて、ご入会をご検討ください。
体験は他のお子様達と一緒に、同じ授業をご受講して頂きます。 

【幼児クラス】
日時:火曜日 15:00-16:15  ※授業開始5分前以降に入室可能・10分前お迎え(講師からの解説や、お子様からの報告を聞いて頂く時間となります)
対象:幼稚園・保育園の年少・年中・年長
初回体験料:無料(翌週よりご入会の場合、入会金5,500円+月謝日割り計算+材料設備費500円となります。)
持物:・汚れても構わない服装(お洗濯が簡単な服装で。土足ですので上履きも不要です。)・作品を持ち帰る為の袋

※幼児クラスでは、材料もお道具も毎回こちらで全てご用意しますので、お気軽にご参加頂けます。

様々な花々

食欲の春!マユカです!本日は学生クラスでの銀箔画をご紹介します!!
ホノカ先生が紹介した、学生クラスの銀箔画はこちら


中・高生の銀箔画(下も) 銀箔・胡粉ジェッソ・不透明水彩/黒ボード

小学生クラスとは違い、かなり自由に描いてもらったこともあり、構図や色合い・背景にも工夫が見られます。金魚や月、花弁が散っていたり、サイケデリックな葉っぱのあるも素敵ですね!彼らにも小学生の皆と同じく、山茶花を見て描いてもらっていましたが、自分でちゃんと椿を調べて描いている子もいました。やはり学生になっても絵が好きで通ってくれている子たちですから、一つの作品に対しての熱意がすごい。花の立体感にこだわる子、あえて平面的に、日本画らしく描く子など、様々でしたがどれも一つ一つのパーツを大切に描写しており、見ていてとても楽しい作品ばかりですね。

これは全員に共通して言えることなのですが、銀箔の隙間がとても少なく、全面にぴっちりときれいに貼れています。とはいえ小学生クラスの子たちと同様、下地の箔を貼る作業は学生も当然難しく、例として見せた小学生の作品を見て「こんなきれいに貼れるものなの!?」と驚いている子もかなりいました。
「小学生には負けたくない!!」と奮闘し(穴が開いてても下地が見えてかっこいいのですが…)納得がいかないのか小さな破片を駆使して隙間にもぴったりと箔を敷き詰め、細かい銀箔破片入れの箱がすっからかんになるのもかなり早かったですね…。ですがしっかりと箔を貼ったおかげで胡粉ジェッソのノリもよく、色鮮やかな画面が描きやすかったかと思います。


健一郎 高3 +金箔

こちら高校卒業制作でしたので、健一郎だけ特別に金箔も使用許可を出しました。期待を裏切らない金箔の使い方!けばけばしくなりがちな金の豪華絢爛さに、抑えめな花の色調が加わり雅。大きな空間がある場所には多めに箔を張り、主役である花がある中心は箔を少なめに散らし、センスの良さが伺えます。またこの写真では分かり辛いですが、四角い箔のふちが重なった部分が整然と格子状に残り、器用さはまるで職人レベル!控えめながら自分に自信があり、毅然とした主張・信念を持つ彼の人柄が現れているようです。

健一郎は毎回の作品作りに、かなり遊び心をもって取り組んでいたのが印象的でした。妥協はせず、自分が満足するまで向き合い、描き続ける姿勢は私も見習いたいくらいです。大学へ行ったら忙しくなるだろうけど、ミオスにも時々遊びに来てね!

イギリス旅行記4

明後日帰国します、ナツメです。来る前は長めの滞在に不安もありましたが、それを思い出す暇もないほどあっという間の1ヶ月間でした。

今回の滞在について毎週のブログの中でも何度か書いた様に、無意識のうちに日本を基準にした視点で比較しながら見ていることに気が付きました。その中でも特に印象的だったのは、イギリスの人々の自己表現に対する自由な考え方でした。自分の意見や価値観を自由に表現し、異なる意見や見解を受け入れることができます。例えば会話の中でも自分の意見や感情をストレートに伝えるため、自己表現に対する障壁が低いと感じました。また、ファッションやライフスタイルなど個人的なスタイルや趣味についても、例えば寒い中でタンクトップの服やおへそが出ている服を着ている人も少なくなく、周囲の人々から自由に受け入れられる雰囲気があったことも印象的でした。

数年前に岩田先生に「海外に行くことで外から日本について見つめ直すことができる」と言われたことを思い出したのですが、知らない文化に触れて新しい知見を得るだけでなく日常的だった光景や生活について改めて考える機会にもなりました。観光地などについてもいつかタイミングがあればまたお話しさせてください!帰るのも惜しいですが来月からまた皆さんにお会いできるのをとても楽しみにしています!

おまけ:タバコ屋さんのショーウィンドウにスリムなピカチュウを見つけました

 

変身メガネ&チョウ

今日は、今年度最後の親子クラスでした。幼稚園や保育園に入園の為、親子クラスを卒業するお子様が多く寂しくなりますが、ものづくりを通して様々な場面で成長を感じることができたことは、とても嬉しい気持ちでもあります。

3月1回目の制作では、お友達と一緒に色遊びができるような造形遊びを取り入れました。カラービニール袋をたくさん繋ぎ合わせて、大きなシートにしてその上に立ちます。指示のあった色を見つけて、その色のシートにみんな集まれ~!またシートをパラバルーンのように空気を入れて大きく膨らませたり、しぼませたり、ふわふわと浮かせて風船を転がしたり、表現を楽しむ遊びです。たくさんの色が部屋を埋め尽くす中で、お友達と一緒に遊びながら、色の違いに気づき、色を体感してもらいました。カラービニール袋は、薄い素材なので目にあててみると、赤い世界・青い世界・黄色い世界が見えてきます。透明な色を使った作品作りとして、変身メガネを作りました。左右色の違うセロハンを貼ったり、メガネの縁に色画用紙を貼って、格好いい&可愛い、個性的なメガネです。

2回目の今日は、絵本「はらぺこあおむし」からチョウのコラージュ。8色の色画用紙に、色々な形のスタンプを押して羽の模様にします。スタンプは、やっぱりみんな大好きなので、8枚の紙にペタペタ大忙し!スタンプを重ねると色が混ざってきたり、色が滲んできたり、どんどん模様が変化していくところも楽しいです。大きな羽を広げたチョウは、楽しんだ制作過程が伝わってきますよね!!(伊藤)

待望の兜完成!

いつもの火曜日ではなく、月曜日ですがホノカです。
小学生クラス23月のカリキュラムである「兜」がようやく完成したので今回はそれらをご紹介します。兜の作り方はマユカ先生のブログで詳しく解説されているので、こちらも併せてご覧ください!

今回の製作ではパーツごとに紙を切ってホチキスで留め、それを木工用の塗料で塗装、そして革や金・銀の画用紙を使い装飾という手順で行いました。そのため、元はボール紙で出来た兜ですが、立体的かつ自立するほど強固なものになっています。

塗りにはカシューナッツのカシュー漆を使い、吹き流しには革紐を使うような、かなり本格的な工作でしたので、「なぜ5月の端午の節句のカリキュラムにしなかったのだろう?」とお思いの保護者様もいらっしゃるのでは?熊手をお正月前ではなく10月に作ったのと、同じような理由があります。(熊手に関しての豆知識はこちら『熊手の時期?』をご覧ください。)

まず1つ、6年生が卒業する前に、今までミオスで覚えたたくさんの技巧が復習できる兜を作らせてあげたかった為。
2つ、4月には新1年生がたくさん入会してくるので、その子たちには難易度が高すぎる為。
3つ目、4月末に完成すると、飾る時期が短くなってしまったり、欠席で4月中に未完成だった場合、節句後に持ち帰ることになってしまう為。
と、実は色々考えての事でした。だから皆さん是非すぐにでも飾り、4月から5月5日までは見せびらかしてくださいね!

また兜の飾りも、ただ金銀の紙を切って貼り付けるのではなく、折り目をつけたり、丸めたり、立体的にしてから貼り付けています。そうすることで、パーツから作った兜の本体に負けないくらい立派な飾りが輝きます。そして、その形も人それぞれ。クワガタのように2本のツノが生えていたり、武器の形をしていたり。動物の耳のようにしたり、中には好きな戦国武将の兜を参考にしている生徒もいましたね。

そして今回の製作もう一つの特徴は「家紋」です。着物も、家紋がデザインされたものは普段着と違って礼服と言われ、結婚式や成人式などの式典で着るフォーマルなものになります。この兜にも家紋を付けたことで、格の上がった兜になっています。

平たい紙のパーツを立体的に組み合わせて作っていく。時間のかかる作業にはなりますが、昨年末のくす玉製作と併せて「もう立体はなんでも作れるくらいになった!」と言えるくらい腕が上がっていることでしょう。「早く持って帰りたい!」という声が今までで一番大きかったこちらの兜たち、ちゃんと飾ってあげてくださいね!

石膏デッサン


岩田先生の予備校時代の鉛筆デッサン

岩田先生が6月までお休みなので、土曜日ですがオバラです。アトリエの壁に貼ってある『サモトラケのニケ』の石膏デッサン。大理石の本物はルーブル美術館にドカーンと飾ってあるので、フランスで見た方も多いのでは?
画用紙の大きさは110㎝。イメージが付きやすい様にカサブランカと一緒に撮影してみました。彫像は244㎝との事ですので、おおよそ半分の大きさに縮小して描いています。
現在、大人クラスでは石膏デッサンが静かなブームで、どのクラスでも数人の方がチャレンジされていらっしゃいます。石膏像の平均的サイズ(高さ)は80㎝前後で、石膏デッサン用の画用紙は65㎝×50㎝。かなりの大きさですので、描く前から躊躇してしまいそうなのに、果敢にチャレンジされる生徒さんに敬意を表します。
最近は藝大以外の美大では石膏デッサンが出題されなくなり、美大出身でもほとんど描いたことがない人も多い中、素人の生徒さんが取り組んでくださるとは嬉しい限り!
まだ描いたことがない方も、ぜひ勇気を出してチャレンジして欲しい!
のですが、先週20㎏近くあるブルータスを140㎝の石膏台に乗せようと持ち上げて、ぎっくり腰になってしまいました。しばらく怖くて持てません。弱気ですみません。

四角い金魚鉢


立野 油彩・金箔・銀箔

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、大人クラスの立野さんの油彩作品です。長らく水道の壁に掛けてありましたので、印象に残っている方も多いのではないでしょうか。

ミオスで小学生クラスのカリキュラムになってから他クラスでも流行っている、銀箔・銀箔を油絵に貼り制作しました。左は銀箔のみ、右は金箔のみを使用しています。油絵具は粘度があり、支持体も紙より丈夫なキャンバスなので、異素材とも組み合わせ易く、私の大学ではダンボールやプチプチといった物を貼り付けている人もいました。
スクエア3号の小さめのキャンバスですので、まるで金魚鉢に入っているかのような感覚で鑑賞する事ができますね。
左は全体が黒でまとめられ、その中に青や赤といった色が見え隠れしています。そこから浮かび上がる箔を纏った金魚の怪しくも美しい姿は、一目で観るものの心を奪う事でしょう。ウロコの表現も良いですね、幾重にも色を重ねてここまでの深みを出しているのでしょう。背びれや尾びれの透ける様な表現もお見事です。
左の作品は主役の1匹を大きく魅せる構図ですが、右の作品は小さな金魚は幾つも泳いでいる群体で描かれています。こちらは1匹1匹に金箔が貼られているので、見る角度によって輝きが変わり、ゆらゆらと泳ぎまわる金魚の動きにも見えてきそう。画面の殆どが背景ですので、その下地作りも念入りに作られているのが見て分かります。殆どの金魚は体をしならせて泳いでいる姿で描かれているのに対し、真ん中に在る青い魚だけは異質なものとして描かれていいるのでしょうか、直線的なポーズになっています。画面中心にも縦に亀裂のようなものが走っており、この魚は金魚鉢(キャンバス内)の世界を乱す、もしくは壊してしまう様な不穏なものを感じます。

どちらも小さい画面ながら、迫力のある仕上がりとなっていますね。金箔と油彩という和と洋の組み合わせも面白く、見る度に新たな発見がありそうな作品です。

画面の密度と繊細さ


黒永 透明水彩・茶色ミリペン/木製パネルに直描き

花粉に苦しめられています!マユカです。本日は黒永さんの作品をご紹介します。

キューバの裏道です。閑静な住宅街のような雰囲気にも見えますが、泥棒除けの鉄格子のはまったドアもある整備の行き届かない路地を描かれました。こちらの作品なんと、木のパネルに直接描かれています。しかも水彩絵の具で!
木は、かなり水を吸収しやすく、目が粗いために木目の溝を伝って広範囲に絵具がにじみやすい素材です。しかも、水彩絵の具は絵具の中でも水分を多めに使う画材であるにも関わらず、手前の車や建物の輪郭がはっきりとしており、直線や曲線にブレがありません。水分量の調節はもちろんですが、その筆さばきも細かく、こだわりを持って描いていることが伝わってきます。

奥の建物の薄れていく描写にはにじみをうまく使い、空間に奥行きが出ていますね。道や空に使ったぼかしと対比するように、メインである車や建物にははっきりとしたタッチで細かく描写がしてあり、よく見ると車のヘッドライトの反射やナンバープレート、建物のドアの凹凸、壁のシミなどすらしっかりと描きこまれています。特筆すべきは、パネルの木目や傷・ささくれを利用した、陥没してぬかるむ道路の表現でしょう。パネル自体がF0号とかなり小さく、掌両手分位の大きさの画面なので、この写真では分かり辛いのですが実際に見ると巧みなテクニックが見て取れます。
以前描かれたパネル作品も、同じように丁寧に描きこまれており、差し込む光の雰囲気がとても美しい作品でした。(前回黒永さんが描かれたパネルの絵はこちら

木のパネルには紙を貼るものだと思い込んでいた私にとって、パネルにそのまま描く、というのは驚きでした。皆様も時には紙ではない素材を支持体にして描いてみると、新たな発見があるかもしれませんね!

イギリス旅行記その3

みなさんいかがお過ごしでしょうか、ナツメです。こちらに来た月初めの頃は毎日息が白くなっていましたが、今週になってようやく暖かくなってきました。

先週末に23日でオーストリアとイタリアへ行った際、イギリスに長く滞在していたためか景色などの違いを顕著に見てとることができました。山岳の多さや街並みなどもちろん様々に差がありますが中でも建物は建築様式も含め大きく違い、今回旅行に行った2国に比べるとイギリスの建築物は年季が入っているように感じます。イギリスは長い歴史を持つ国なので古代からの建築物や中世からの城壁や教会、邸宅などが現存しています。歴史的に重要であるため保存のために修復が繰り返されてきたそうです。こちらには古い建物ほど価値があると考えている人が多く、家も建て替えをせずに修理を重ね長く住まれているようです。車もナンバープレートを見れば何年に買ったのかを判別できるようになっており、見ていると15-20年乗られている車も多く古いものを大切にする文化が根付いているように感じます。島国なので独自に発展した文化なのでしょうか、今回2つの国も一部しか見ていないので一概には比べることができませんが今までヨーロッパという括りで捉えていたため、こうも大きく違うのかと驚きました。ちなみにヨーロッパではドイツ語やイタリア語の方が多く使われるようで、旅行先では英語はあまり通じませんでした。英語圏はイギリスくらいなのだそうです。

滞在期間も少なくなってきて寂しくなっきていますが、先日母から桜の写真が送られてきたので帰るのも楽しみです。(最後の写真はこちらに咲いていた桜です!)残りの期間も有意義な生活を送ります!

作品への姿勢


奥 油彩

着る服の色が徐々に明るい色になり、春を実感しています。ホノカです。
今回は大人クラスの奥さんの油絵のご紹介です。ミオスでは最も早描きと噂されているそうですが、確かに授業の際にお見かけすると、いつも新しい作品を描かれていたように思います。また私の祖母より高齢だそうですが、ご自宅でもバリバリ制作されているとの事で、岩田先生のブログでご紹介されたこともつい最近のように思います。
そんな奥さんの作品は今回もバラエティ豊かに並んでいます。

上の写真は同じモチーフをニュアンスを変えて描かれたもので、描いている内容は同じながら、それぞれで異なった印象を受ける作品です。
はじめに、一番左の作品は小槌を持った鬼と一寸法師が出会うシーンですね。上の作品は映像を切り取ったような自然さを感じます。作品の中では、一寸法師が3体の小さい体で懸命に鬼に立ち向かう様子や、鬼の少し間の抜けた表情が、意図的では無い一連の流れに見えてきます。反対に下の作品では物語の挿絵のように、一瞬を意識した描かれ方が感じられます。上ではまちまちだった鬼の大きさが揃えられ、背景色もオーラのような光が当たっている表現に。一寸法師も1人でいることで鬼との対峙がより印象的になっています。
中央の作品は、作家の芥川龍之介の肖像をモチーフにしたものです。それぞれのパーツは上下の作品ともに同じ配置や形をしていますが、目だけが明確な違いをもって描かれていることが、印象の違いに影響しています。目の形は同じでも光の当たり方が違うことで、目尻に影が生まれ優しげな目つきになる上の作品と、影が無いことで表情が読み取れない下の作品。色使いだけでなくライティングによる違いが反映される面白みがあります。
そして一番左の作品は竹取物語のラストシーンである、かぐや姫が月に帰る瞬間の作品です。上は背景色のピンクの彩度が高く、描かれるモチーフたちもはっきりとした色が使われることで、かぐや姫の帰還という想像し得ない不思議な状況が描かれている印象に。下は背景の彩度が落とされ、代わりに月や富士山などのラストシーンに登場するモチーフの彩度が高くなったことで、月に帰ってしまうかぐや姫を見送る想いの強さが強調された作品のように違いを感じます。

こちらの作品は仏像や仏画を元にした作品たち。一番右の人物画は現在の大河ドラマからのお写真です。
これらを見ていると、奥さんの作品は青の使い方がとても素敵だなと感じます。一方では青が燃えさかる炎を引き立てる背景として活かされ、もう一方では精悍な顔つきに落ち着いた知性を感じさせる印象を与えています。もちろん描くモチーフが違うという点もありますが、それぞれ持たせたいイメージにぴったりとあった色が選ばれているのではないでしょうか。また、木や金属で作られている一色の仏像に色を与え、それを一つの作品として完成させている色の組み合わせ方も、一貫してモチーフへの印象を表現するという意思を感じます。
左の明王の仏像は、厳しさや険しさを伝えるように、赤や補色の緑も合わせて強い印象に。その隣の如来像は明度の高い暖色と、彩度が少し抑えられた背景。悟りを象徴する蓮のみが鮮烈なピンクで、穏やかな中でも凛とした雰囲気に。そして右側の菩薩を描いた作品は彩度の高い月を背に抱え、夜空と同じ色の服が着せられることで月がひときわ輝く夜という情景が見えてきます。最後に、左の人物画も青を中心に色が使われる中に赤や橙があることで、こちらを見据える瞳に熱い感情がある様に受け取れます。

一つのモチーフであってもそこに様々な可能性を見出し、その表現を実際に試していく姿勢に敬服です。私もこれからの作品を楽しみにしております!