猫マニアの皆さーん!!


渥美 油彩

クーラー解禁です、一平です!本日は日曜クラスの渥美さんの油絵をご紹介します。

ご実家の飼い猫を描かれた渥美さん。ちなみに前回制作した渥美さんの日本画の猫はこちら 動物特有の座り方も骨が透けて見えているのかと思うほど素晴らしいデッサン力です。毛並みの流れも綺麗ですが、ここまで肉厚に描いてありながら骨も感じられるのが本当に素晴らしいです。この絵がいい額に入れられて実家に飾られていたらなんだか肖像画の様で凄く偉い猫の様に見えてくるでしょう。そのくらいの風格があります。

そして何よりこのムスッとした表情がとても可愛らしいですね。絵を見るだけで普段あんまり動かない猫なのかな、エサが貰えなくて不貞腐れているのかななど色々と想像できます。動物を題材にした名画は沢山あり、どの絵も骨格がしっかりと感じられたり毛並みの美しさなどはもちろんなのですが、個人的には風景画や人物画などよりもその場の情景が想像できるジャンルだな、と感じています。どこかで飼われていて逃げ出した犬、山の中で何人も食い殺した熊、水面を漂う白鳥、など絵を見るだけで色々と思い浮かんできてとても楽しいのが動物の絵です。動物の感情を100%理解するのは我々には不可能ですが(知ろうとするのも野暮ですしね)イメージするのは人間の自由であり、人間にしかない能力です。そのような100%理解が及ばないものに僕は凄く魅力を感じます。そして渥美さんのご実家のこの猫も僕が勝手にムスッとしていると思っているだけで実は凄く上機嫌かもしれませんし、ただ眠いだけなのかもしれません。本当のところはわかりませんが、そういったイメージをするだけでなんだか楽しくないですか?絵を楽しむのに必要なのは実は技術や頭の良さよりも「想像力」ではないでしょうか!その想像力が渥美さんのこの猫ちゃんを見ていると掻き立てられます!

小学生の油絵の下塗りについて

小原です。久々のYouTube撮影、機材トラブルでアップが遅くなり申し訳ございません。

私のおしゃべりの中で、「一平先生から『僕の小学生時代よりもクオリティー高くなってませんか?』と言われ『子どもの画力がアップした訳ではなく、27年掛けて私の油絵の指導力が上がって来ているからだ。』と答えた。」のような事を言っています。
では、今スタッフをしてくれている加余子(24歳)・一平(22歳)・帆花(20歳)・なつめ(18歳)・操希(16歳)ら昔の生徒は損をしたのか?今の子が得しているのか?
たぶん一緒ですね。30代の先生が体当たりで授業するのも、50代のベテランが鼻歌交じりで授業するのも、どっちもどっちでしょう。
今30代の元生徒達は「昔のノリ先生(20代)は鬼のように怖かった。ってか鬼そのものだった。」と口を揃えて言います。でもきっとそれはそれで濃厚な授業だったことでしょうし。

ではお時間ございます時に、どうぞご覧ください。
YouTubeはこちら

ワークショップについて


小学生クラスで現在制作中の油絵の授業の様子

お知らせです。
夏休みワークショップのお問合せが大変多くなって参りましたが、いまだ緊急事態宣言や自粛ムードが続く中、不特定多数の人数が集まってしまうワークショップは不謹慎と判断し、今年も中止しております。
期待してくださっている皆様には、心よりお詫び申し上げます。

また小学生クラスは定員の120名に達しており、キャンセル待ちのみ承っております。
現在11名の方がウェイティングされています。空きが出次第、順次ご連絡させて頂きます。

浮き輪と海

大竹です。セミもジリジリと鳴き始め、いよいよ夏本番へと差し掛かる時期ですね。そんな中、幼児クラスでは海で泳いでいる絵を描きました。まずは10分お絵かきで浮き輪でぷかぷかと浮いている様子を描いていきます。いつもは顔を描いたら洋服を描いていいきますが、今回は海なので裸んぼ!ペールオレンジのクレヨンをたくさん使って塗っていきました。浮き輪も好きな色で塗り、キチンと自分の体が浮き輪の中に入っているように気をつけながら描きました。表情もみんなニコニコで楽しそう!


お次は海で泳いでいるところを描いていきます。横向きの絵ですが、最初は紙を縦にして描いていきました。水泳帽子とゴーグルを装着し、腕を大きく伸ばして力一杯泳ぐ姿を描いたら、水彩絵の具で海の色を塗って完成です。塗りのムラが海面のゆらぎのようで綺麗ですね。難しいポーズでしたが、みんな上手に出来ました♩こうして全員の絵を並べてみると、水泳大会のようですね!

成長見込

折り畳み傘が手放せませんね、ホノカです。今回は中一女子のパステルをご紹介します!

彼女たちは新学期にまず囲みでデッサンを行い、その後は各々のやりたいことを進めていくという形で、この3人はパステルを選びました。風景を描く機会は小学生クラスの時にも何度かあったと思いますが、3人とも格段に上達しています。ですがパステルは水彩や鉛筆、色鉛筆と比べるとどうしても触れる機会が少なかった(ミオスでも彼女たちが在籍した6年間で、2~3回カリキュラムがあった位)ので、扱いには四苦八苦していましたが、優しい雰囲気のある風景画が仕上がりましたね!


左から 蒼惟 ・ 月咲 ・ 七海 / 中1 パステル

蒼惟はパースの効いた構図に悩まされていましたが下書きをじっくりやっていたので奥の空と中間の建物、そして手前の線路でメリハリのある絵に仕上がりました。
月咲はパステルの持つ色鮮やかさがとても綺麗に出ています。また自然の風景の彩度が高い分、中心にある彩度の低い軍艦の重厚さが強調されていますね。
七海は中心に鎮座する風車とその周りを取り巻く空がとても印象的です。空を描く際に一方通行の線のみでは無く、斜めなどの多様な線が用いられていることで風の流れまで伝わってくるようです。

しかし上達したのは絵の腕前だけでなくお喋りのスピードも同様に上達しており、相変わらず二時間の授業中に彼女たちの声が途切れることはありません。私も学生クラスに通っていた際は同様に無限お喋りマシーンとなっていたので(今も?)一つアドバイスをすると、一度絶対に黙らないといけない時間を10分程度作ると目の前のことに集中できるのでおすすめですよ!友達に話しかけようとしても集中している人の邪魔をするのは気が引けるので自然に自分もやらなきゃとなって一石二鳥です!
とはいえ、かしましさは中学生女子の特権とも言えるので『話すとき』、『集中するとき』でバランスよく時間を使えたら重畳ですね。

羊と過ごした1ヶ月

こんにちは、ナツメです!今回は私が通っている武蔵野美術大学の授業を紹介します!
私の在籍は視覚伝達デザイン学科ですが、今回ご紹介するのは彫塑の授業です。デザイン学科なのに彫刻?と思いますよね?実は武蔵美では、美術を学ぶ立場として基礎的な技術力をつけるために全学部学科の一年生が絵画と彫刻の科目を必修で受けることになっているんです。

学部ごとに彫るモチーフが違うのですが、今回はヤギ・ヒツジの頭部の石膏像を制作しました!なんと牧場から10頭のヤギとヒツジを借りてきていて、その中から一頭をモデルに選びます。ちなみに、ヤギ達の世話も学生が当番制で担当しました。

初めに水粘土で大まかな形を作っていきます。サイズは大体実物より少し大きいくらい。後で石膏で型を取るのですが、それ以降は大きな形の変更ができないので、ここでは目などの細かいパーツは置いておいて全体のバランスをとっていきます。

粘土で形が取れたら次は石膏の出番!像を作るための型を作る工程です。粉の状態の石膏を水で溶き、粘土にかけていきます。3cmほどの厚さになるまで重ね、石膏が固まったら粘土から外して型の完成です。

この中に石膏を流して像を作るのですが、このまま流し込むと型と石膏が引っ付いてしまうので離型剤を塗ります。型を石膏で埋めてしまうとめちゃくちゃ重い石膏像になってしまうため、空洞にするために内側に石膏を流し型をとります。アトリエにある石膏像も中が空洞になっていますよ!重い頭部をぐるぐるまわして内側に石膏を塗るのでこの作業が1番身体的負担が大きく、ヒツジと戯れながら観察兼息抜きをしつつ3日かけて作業を行いました。

ノミで型を割り出し、型取りが終わればとうとう仕上げです!修正箇所を朱墨で書き入れ、石膏をつけたり彫ったりを繰り返しながら、顔の微妙な凹凸や目鼻の形など細かな部分まで調整して完成です!

普段はデザイン科で平面の作業しかしていなかったので本格的に立体作品を作るのは今回が初めてでしたが、1ヶ月かけて360°全てを作り込むことで、最後には立体への理解度、解像度が格段に上がりました。一方向だけでなくどこから見ても本物と同じ形になるように作っていくので、立体版デッサンみたいで楽しかったです!実際にヒツジに触れることで口がとっても柔らかいことや、毛に埋もれた首が意外と細いことなど、遠くからデッサンするだけではわからない発見も多くあり、とても良い経験になりました。

長くなりましたが、最後は授業期間中に産まれた子ヒツジで締めようと思います!
(この子に気をとられて完成がギリギリになったのは内緒です)

暖かい日にぴったりな1枚


古谷 日本画(岩絵具・和紙・顔彩)

通り雨のせいで傘を買いました、一平です!本日は日曜クラスの古谷さんの日本画をご紹介します。

旅先の風景を日本画に収め、非常に味わいのある質感に仕上がっています。草が生い茂っているような立体感の与えづらい部分の描き方から、ピンク色のブーゲンビリア(違ったらすみません)のトーンまでとてもこだわって描かれていました。そういったこだわりのポイント(ここまで描きたいというゴール)をしっかりと定めて、そこに向かって着実に歩みを進めていく古谷さんの丁寧さは絵からとても感じるのですが、僕がいつも思うのは古谷さんの質問のレベルの高さです。例えば陰影の付け方を質問される方はいらっしゃるのですが古谷さんの場合、「ここの花の影は形を観察しながら付けていったのですが、なんだか違和感があるのでどこが変か言ってください!」と一旦ご自身で考え実行しそれでも掴みきれなかった部分を先生に聞いてみる、という質問の仕方なので我々としても遠慮なく言えますし、古谷さん的にも違和感の正体が分かるという非常にwin winの関係が築ける質問の仕方なのです。

また、絵に関して手前奥の演出はもちろん素晴らしいのですが、影が特に素晴らしいです。絵のレイアウトとして茂みがかなり大きく入っていて、普通ならここで空間が潰れてしまいそうなものですが、地面に落ちる影のおかげでどのくらいの質量感なのか、どのくらい強い光が当たっているのかという所を推測でき、それにより結果的に絵の中で奥行きが生まれています。絵の定石として地面に光と影を順番に何本も配置する事で奥行きになっていきますが、この絵の中では手前の影と奥の光の2つだけでこんなにも自然にスーッと奥に行っていますすごい。素晴らしいのですがなんだかどこか悔しい気持ちです

今回ブログで書いたことは普段絵を描かない人からしたら細かい部分で、もしかしたら気づかないところかもしれません。ですが絵はもちろん、僕が専攻しているデザインを含めた「美術」とはそういった人の目には触れづらい水面下のこだわりの積み重ねだと思います。そういった意味でも「美は細部に宿る」という言葉がとても似合う一枚です。

小学校受験絵画の指導

小原です。本日約1年振りに『小学校受験指導者講座』を開催致しました。お知らせはこちら
参加人数が多くならないようにする為、先月発行しました新刊をご購入の方のみ受講できる講座にしましたので、9人と少ない保護者様で勉強致しました。

まず最初は、この講座の名物にもなっております『お母様の模試体験』をして頂きました。
四切サイズと、かなり大きめの画用紙に向かい、6色しかないクーピー(ペールオレンジも入っていないので、肌は描けません)で『コロナで外で遊べません。おうちの中で何をして遊びますか?7分で描いてください。』という課題にチャレンジです。
もちろん質問は無し。お子様達も、受験をする時は質問はできませんので。
この模試をやられた後の感想は「子どもの弱点はそのまま私の生き写しだと感じました。」「普段こどもに注意している部分は、まさに自分に似ているのだと思いました。」と、気付いて頂けたようです。
トンビは鷹を生みません。鷹もトンビを生みません。全てではなくても、どこか似ている所があることでしょう。
欠点は長所にもなりえますので、親子二人三脚で成長していきましょう。

今回のテーマ『重なり』は、教わらなければ絶対に描けない技術です。
小学生になれば自然に理解する…?いいえ、理解して一人で描けるようになる子は一握りです。
お母様の手で受験前にテクニックを身に付けさせ、ぜひ見栄えのする絵に導いていって欲しいと思います。

ドアを開け放て


大西 鉛筆デッサン

岩田です。今日は本当に暑い一日でした。

今回は土曜午前クラスの大西さんのデッサンをご覧頂きます。
近年、一貫してデッサンに拘って描き続けているだけに表現力を増しています。

たかだか鉛筆と消しゴムというシンプルな描画材のみで紙にアプローチし、モノに迫っていく行為は単純でありながらもそこはかとなく深い。
それは徹底した観察により、如何にそのモノのと自分が同化できるかだと私は思います。
更にそれは、そのモノの声を聞くとか、そのモノになり切るという言葉でも表現できるでしょう。

人はモノと対峙する時、自分の経験を元にこうであろうとある種決めつけてそれを認識しようとする傾向にあります。思い込み、観念と言っても良い。
デッサンという行為は、その思い込みを如何に取り払うことができるかが鍵です。
自分をフラットにしてドアを全て開け放った時、眼前のモノと自分の距離は0になるどころか、一体となっていくのです。

自身、モチーフ、描画材、画面との対話の中で、一つの確固たる世界が構築されていきます。

とはいえ、3次元を2次元にリアルに表現するためには、そのように描く為の「理論」も必要だといういことも忘れないでください。

大西さんのデッサンも、モチーフと自身の距離がだいぶ縮まってきたと感じます。でもまだまだ行けます。これからもっとその距離を縮ませて欲しいと思います。その扉を更に開け放ちましょう。

来週の土曜クラス・日曜クラス・月曜クラスは、お休みです。お間違えのないよう、お気を付けください!

印象的な青


鈴木.m 油彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは水曜午前大人クラスの鈴木さんの作品です。こちらは本の表紙の油彩を模写されています。

まず目に入ってくるのは、雲ひとつない爽やかな空の青色と、それをバックにして輝くような風車の白い壁。よく晴れた暑い日の、降り注ぐ陽光を眩しいほどに反射する白い壁の様子が見事に表現されています。この風景の気温が伝わってきますね。空の青色を印象付けるため、建物の色は全体的に彩度を低くまとめてあります。フリーハンドによる建物の直線はわずかに歪みを持っており、画面の殆どを無機物の建物が占めている中で、柔らかく穏やかな雰囲気が作られています。影にはグレーと青色を使う事で、暗い面でも色彩を豊かにし、明るい面をより綺麗に引き立ててくれています。色の塗り方にも特徴があり、あえて色のムラを作り均一にならないように絵の具をのせているのでしょう。そうする事で土壁の不均一な質感を表現すると共に、油彩らしい魅力を持った作品となっています。
日常ではピンクや黄色一色の建物を目にすることがあまりないので、なんだか可愛らしくも見えてきますね。学生の頃は、こうしたタッチで描かれた風景が印刷されているクリアファイルをよく買って使っていたので、なんだか懐かしくなってしまいました。

作品を見ただけでは分からない事も、模写によって隅から隅まで色を作る事で新たな発見や学びがあったりします。制作に行き詰まっていたり、次の制作のアイディアが浮かばない時は好きな作家さんの模写をやってみても楽しいですよ!