展覧会の告知


ブローチ「束」素材:漆、麻布

岩田です。本日は、私事でありますが展覧会のお知らせを頂きます。

今回は私が行っている芸術としての表現活動ではなく、使えるもの、例えば器やブローチ、といった道具の製作、金継ぎなどを中心に活動している「工房Tetugi」の展覧会をご紹介します。こちらは妻が主体となって制作活動していますが、今回が都内で初めての展示になります。

見て鑑賞する漆とは違う、使うことで味わい深く育っていく漆の魅力もご紹介したいと考えています。

本展は、4組の作り手が集います。お時間ございましたらどうぞ足をお運びください。

「真夏の思いやり展」

参加作家:晴山(陶)、’Monasky’梶浦聖子(鍛金)、doro製作室(STAIND GLASS PRODUCT)、工房Tetugi(漆芸)

会期:2021年8月3日(火)~8月30日(月)〇月曜日10:00~17:00  〇火曜日~日曜日10:00~18:00

会場:桃林堂画廊 〒港区北青山3-6-12 ヒューリック青山ビル1F  Tel03-3400-8703

〇桃林堂HP

〇工房tetugi instagram

油絵完成報告

上段左から りおん ・ のどか ・ 千紘  2年生
下段左から 空(4年生) ・ 由彩佳(3年生) ・ ひかり 2年生 

大竹です。2ヶ月に渡る油絵のカリキュラムですが、続々と仕上がってきました。本日は2年生から4年生までの作品をご紹介させて頂きます。

2年生から紹介しましょう!
りおん ‐ 笑った顔がまんまるでとっても可愛い!見る人にりおんの妹への愛情がヒシヒシと伝わってきます。顔の色合いも素晴らしいですが、洋服の黄色と背景の青の組み合わせもgood!

のどか ‐ 花や葉っぱの形がそれぞれキチンと描き分けられていて、しっかりと観察して描いている事が伝わります。花瓶の位置もど真ん中ではなく少し左に寄って描いてあるのがおしゃれですねー!

千紘 ‐ 猫ちゃんの毛のフカフカ感がよく表現されています。白黒の毛の色塗りは難しかったと思いますが、光と影をよく観察して立体的に描けていますね!

ひかり ‐ 背景の富士山を大きく入れた大胆さがなんとも魅力的。その富士山の上に風車の建物をドカンと描いてしまう豪胆さも見ていて気持ちが良い!使われている色の種類が豊富で見どろ満載です。

続いて3年生
由彩佳 ‐リスに絵の具をたっぷり盛って出来た油絵らしいデコボコ(難しい言葉でマチエールと言います)が魅力的。色使いも秋を感じさせる落ち着いた大人っぽくて素晴らしいですね!

続いて4年生

空 ‐ 夕焼けを真っ赤に塗るのでは無く、少し白を入れた小豆色を使っているのが面白いですね!空に中間色(グレーっぽい色)を使う事で、色々な青色が使われている富士山がとても美しく見えています。

どれも我々大人には中々真似出来ない、絶妙な形と色のバランスがとても魅力的ですね。こうした作品が家に飾ってあれば見るたびに”良く描けたな”と心がウキウキになりそうです。是非家の中で一番目立つ場所に飾ってください♬
のり先生のユーチューブでも、この6人の講評を私とは違う視点で解説していますので、どうぞこちらもご覧ください。作者の性格や制作の様子についてもお話ししているので、ユーチューブを聞いた後ではまた絵の印象も変わってくると思います。

夏の声

上段左から 翼(3年生) ・ 莉央 ・ 優百  2年生
下段左から 結卯 ・ 知華 ・ 怜奈 2年生 

ついに道端に落ちているセミを踏みそうになって叫びました、ホノカです。
前回のナツメ先生に続きセミの話から始まりましたが今回もご紹介するのはそんなセミの鳴き声に負けないくらい騒がしい小学生たちの油絵です!

3年生から紹介しましょう!

躍動感のある運動会のワンシーンですね。マスクで表情は伺えませんが必死に走っている様子がポーズから分かります!ハイライトや白線の白が絵全体を引き締めています。

続いて2年生

莉央 ‐2年生とは思えない馬の描写力に脱帽です!白馬の影も水色やピンクが使われており、足元の草も緑だけではなく明るい黄色があることで幻想的な雰囲気が出ていますね。

優百下から覗き上げる子犬の愛らしさがたまりません!くるくるした毛の感じやにこやかな口がとってもキュートに描かれていますね。雰囲気も本人そっくりです笑

結卯ウサギは毛並みや体の影もしっかり描写されていて大人っぽいですが空や草むらはとても元気な色合いで絶妙なバランスです。少しすましたウサギの表情も面白いですね!

知華色とりどりのクッションの中にいるリラックスした姿の犬がなんとも穏やかな気持ちにさせてくれます!犬はモノトーンですが周りの華やかな色使いが楽しいですね。

怜奈水の中と外の境界がイルカの体に触れてキラキラ輝いているようですね!恐る恐るイルカに輪をかける。その時の気持ちまで伝わってくる絵です。

今回はここまで!紹介した全員に面識のある私から見ると動物の顔が描いている本人に似ているので「ペットは飼い主に似る」と同じで「自分で描いた顔は自分に似る」と言えるかもしれません笑 また人の顔も以前のカリキュラムの自画像が生きていると感じます。油絵は時間がかかる分完成した時の早く見せたい!という気持ちもひとしおです。持ち帰った時にはぜひたくさん見せびらかしてくださいね!

のり先生のユーチューブでも、この6人の講評を私とは違う視点で解説していますので、どうぞこちらもご覧ください。

絵画もパワフル!

上段左から 璃寿 ・ 叡 ・ 聡太  3年生
下段左から 悠里 ・ 壮敏 ・ 心瞳 4年生 

蝉の鳴く声で起きてます、ナツメです!小学生クラスの油絵、どんどん完成しています!みんなこの暑いのにどこからその元気が湧いてくるんだ?と思うほどパワフルです。活力を分けて欲しい

さて、昨日の一平先生に続いて3年生からご紹介していきます!

璃寿可愛らしく見上げてくる犬の体ですが、単純に黒のような色ではなく黄色や紫で影を入れているので白さが際立っています!モリモリと塗られた鮮やかな緑からは草の香りが漂ってくるような気さえしてきます。

これこそが東京のシンボルだ!!!と言わんばかりに画面いっぱいに描かれた東京タワー、気持ちいいですね!タワーの赤と青を基調とした周りの寒色の対比も効果的です。これだけぽーんと東京タワーを描いても画面を単調にさせない空の巧みな色遣いも素晴らしいです!

聡太今回は動物を描く子が多かったのですが、その中でもパンダを選ぶ堂々としたチョイス!よく見ると手足の爪など細かいところまで描かれています。どっしりと構えてこちらに何か語りかけてくるような、どこか余裕のある穏やかな表情がなんとも言えません。

続いては4年生です。

悠里私も家で飼っていますが、猫って本当にこういう体勢で寝るんです!画面全体が暖色で纏まられていて、のびーっとリラックスしている和やかな情景まで表現されていて、見ているとほんわかしてきます。

壮敏狼の得意げな()表情がとても面白いですね!孤高の狼などとよく言いますが、この狼は彩度の高い色合いや表情も相まって親しみやすさを感じます。背景や毛なみの表現などで使われている荒めのタッチが野生味を強調するのによく効いています!

心瞳こちらも猫ですが、悠里の猫とはまた違いいたずらする機会を窺っているような表情。同心円を使った視線誘導も上手い!赤〜緑の間にある色を中心に画面が構成されていることで暖かみのある作品になっています!

以上、本日の作品紹介でした!昨日の記事と併せて、学年ごとで見てみるとまたそれぞれ特徴があって面白いですね。完成した作品は持って帰るので、ギャラリーのようなアトリエの壁も段々寂しくなっていきます。ぜひ今のうちに見てくださいね!

のり先生のユーチューブでも、この6人の講評を違う視点で解説していますので、どうぞこちらもご覧ください!

夏だ!海だ!油絵だ!


上段左から 咲瑛花 ・ 航大 ・ 紗希  1年生
下段左から 碧月 ・ 草馬 ・ 真太 2年生 

久々に外に出たら暑すぎてぶっ倒れそうです、一平です!本日は大人クラスの皆さんも毎週楽しみにしている人が多いであろう小学生の油絵をご紹介します!
1年生から!

咲瑛花 ‐ 主役が分かりやすい、とても正直な絵ですね。本人がどういう意図があるのかは分かりませんが、猫がニンマリと笑っているのもズル賢い感じが出ていて見ていて楽しいです!

航大 ‐ 2匹のシーサーのゆる〜い表情が良いですね!厄災から全然守ってくれなさそうですが、そのかわり癒しのエナジーを沢山供給してくれています。家に飾るだけで幸運が舞い込んできそうなハッピーな雰囲気!

紗希 ‐ 猫、シーサーと来て大きなパイナップル!パイナップル一個は大人の方々は中々勇気が出ないのではないでしょうか?パイナップルの表面の凹凸の表情はもちろん、背景のグラデーションも爽やかな青でまとめていて、夏に制作した油絵として素晴らしいです!

続いて2年生

碧月 ‐ 続けて果物シリーズですが、こちらは打って変わって具材たっぷりでかなり賑やかですね。果物の色味もブルーの背景によく合っていて、凄く美味しそうに見えます。赤やオレンジなど同系色でまとめるのは、遠目で見た時にごちゃっとしてしまい難しいのですが、見事に描き分けています!

草馬 ‐ こちらはアリクイ!小学2年生とは思えない渋いチョイス!この年代の子達はライオンや虎を選びそうなものですが、なんとアリクイ最高です。色も虎の様に分かりやすい色では無かったでしょうに、ここまで豊かな色彩で描き切った所も、本人のパワーとアリクイへの愛を感じますね!

真太 ‐ ど真ん中に堂々と配置した虫(品種はわからないのですが)がとてもかっこいいですね。よく見ると虫の体に青系の色や緑、黄色などただ赤黒いだけではない深みがあります。よく観察していないと出せない色彩が出ています。全体的に暖色系ですが全然暑苦しくなく、生命の力強さを感じます!

以上、小学校低学年6名の作品はいかがでしたか?とても力強く、純粋なタッチに惚れ惚れですね。かの岡本太郎も「子供達には一生敵わない」と言ったのも理解できます。明日以降も子供達の油絵を紹介していきますので、保護者の方々是非お子様とお楽しみください!

のり先生のユーチューブでも、この6人の講評を僕とは違う視点で解説していますので、どうぞこちらをご覧ください!

小学生の油絵の描かせ方

小原です。今日からしばらくYouTubeで小学生の油絵紹介いきますよ!
今日のYouTubeは…
「小学生に油絵は早いと思われる方も多いでしょうが、ミオスキッズの油絵を見たら、誰もそんなセリフは言わないはず。
こんな描き方で進めて行けば、1年生でも細かい部分まで丁寧な観察をして、たくさんの色を発見できるのです。」
といった内容を、制作実践しながら話しております。
デモンストレーションを見れば、疑り深いお父様お母様も「自分の子どもがこんなに上手に描けるはずがない」とは思わないでくださることでしょう。(まぁそもそもミオスには、そんなタイプのご両親が育てているような子どもはいないんですけどね笑)

YouTubeはこちら

シュールな世界をリアルに

暑い日が続きます。体調にはくれぐれもご留意ください。岩田です。
今回は、チケット制でいらっしゃっている追川さんの作品2枚をご紹介します。

様々なエッセンスを取り込んで一枚の絵を創り上げていく追川さんの作品。

こちらの絵は、海の向こうに街の明かりが灯る風景と人の顔を構成しています。よく見ると赤い帯で目隠しされた顔が逆さまに描かれているのが分かるでしょう。

夜景の中に浮かび上がる顔。静寂さと怖さが同居したような、不思議な世界を構築していますね。

こちらは校庭で組体操をしている風景。手前には大きいうさぎが鎮座し、観客かと思いきや、トラックの周りには沢山のフンがゴロゴロと落ちています。上段の作品とは全く毛色が違いますが、あたかも眼前にその情景が広がっているような感覚を持ちえます。

シュールな世界を描いてるからこそ、リアリティーを追求していきたい。それが作者の狙いでもあるでしょう。
だからこそ光の方向やアングルといった抑えるべき事柄はしっかり押さえつつ、出来るだけ不自然な部分を排除していくことで、自分の思い描く世界に一歩づつ近づけているのです。

今回はF15号の大作。追川さんの頭の中を現実化するには、確かにこの位大きい画面が必要かもしれません!

奥へと続く


田中 油彩

大竹です。今回ご紹介させていただくのは田中さんの油彩の作品です。その大きさはなんと15号!美大生ならともかく、趣味での制作としてはかなり大きいサイズになります。アトリエで見ていてもかなり大きく感じます。

手前の煌めく葉っぱの黄緑と、水面の深い青色がまず目に入ってきます。自然の色は目にも心にも優しくて癒されますね。奥にもぼんやりと森の木々が感じられ、上には空が覗いています。この少しだけ見えている空の部分が抜け感となっているので、木々が生茂る森の中でも圧迫感は感じさせません。また、奥の森、中間の葉(左上)、手間の枝(右下)をそれぞれ作る事によって画面の中に広い空間を作り出しています。これにより視線も自然と奥へと吸い込まれていく様です。
葉っぱで隠れている左奥の森の部分も、水面に映る像によって見えてくるのがなんとも魅力的ですね。人が宝石の様なキラキラしたものに惹かれるのは、先祖が水を求めた名残ともいわれており、この煌めく葉や水面の美しさは我々の本能を刺激するものなのかもしれません。
火曜学生クラスが終わった後、翌日の大人クラスの準備の為にこちらの絵を出していると、同じ油彩に取り組んでいる学生達が絵の前に集まり「すごい……どうやったらこんな色が出せるんだろう?」と隅まで眺めていたのが印象的でした。遠くから見ていても、思わず引きこまれてしまう力があるのでしょう。

田中さんはいつもぼんやりとした輪郭を先に描き出し、早くに作品の雰囲気を仕上げています。ある程度全体がイメージに近づいたら、そこから形ある物をハッキリと描いていくといった手順で製作されています。まるで霧の中から少しずつ形が現れていく様な製作過程がとても面白いのです。(お見せできないのが残念です。)この少しずつ色の層を重ねていく作業によって、油絵の持つ特性を引き出し深みと奥行きのある色合いが生まれるのでしょう。

 

アトリエの夏といえば…

意地を張って使っていませんでしたがついにハンディファンを解禁してしまいました、ホノカです。今回のブログでは夏恒例!小学生クラス油絵の様子をご紹介します!
既にアトリエのYouTubeで途中経過が見れますのでこちらも併せてどうぞ!

小学生クラスの油絵はまず持参の写真や図鑑を見ながら下書きを行い、その線を油性マジックでなぞり、下塗りを行います。上述の動画でもノリ先生が説明していますが、下塗りは選んだ写真の色合いだけでなく、生徒の雰囲気も加味した色が選ばれています。さらに下塗りの効果としては、後から重ねる絵具の色に深みが生まれ油絵特有の発色を生み出します。さらに下塗りの色は背景としての役割も担っており、下塗りをしていない白いキャンバスだと塗り残しが目立ってしまいますが、下塗りがあることで完成した時の見栄えがまったく違います。

同じく動画での説明がありますが、アトリエで教えている点描のような描き方はこまめに色を変えなければならないため、ベタ塗りで終わりません。しかしこちらも毎年恒例ですがこまめに色を変えることになかなか慣れず苦戦する生徒たち!これにはノリ先生からのゲンコツをチラつかせ少しずつ慣れてもらうしかありません…() 動物の毛などは写真によっては白飛びなどで同じ色が広がっている時が多いのですが、少しずつ違う色味が溢れて華やかな絵になります。

私も小学生の時には同じく色を変えることを難しく感じ、なんで?と思っていましたが、幸介先生が古道具屋から購入したという革のトランクを描いた時に、さまざまな色を茶色に足していくことで革の使い込んでいる雰囲気が出て感動したことを思い出します。

まだ未完成の子も多いですが、徐々に完成作品も増えています!少し先のブログでは完成した油絵を掲載予定なのでお楽しみに!アトリエに通われている方は壁にかかっている作品を眺めているとどんどん出来上がるので面白いですよー!

 

どこにでも絵画?


大坪 油彩

最近は夜も暑くて眠れません、ナツメです!

今回ご紹介するのは大坪さんの作品です。教室の壁にかかっていたのを見たことのある方も多いのではないでしょうか?
いつもの作品紹介では正面のみの写真を載せているのに、なんで今回は斜めから撮っているんだろう?とお気付きの皆さん!今回の絵は1辺が20cm程の小さなサイズですが、厚さが38mmもありエッジにも描く事が可能な特殊なキャンバスに描かれています。自立する厚さがあり置くこともできるため、飾る場所も壁だけに制限されずにどの場所でも彩ることができるというスグレモノ。絵とは本来平面的なものですが、画面が側面まで広がっていることにより立体作品、オブジェの様な存在感があり、このキャンバスを選んだ時点で飾る場所・空間まで考えられているのが分かります。

南の海辺、夕焼けでピンクに染まった海を見ていると穏やかな気持ちになります。特に近頃は中々遠出も出来ず、絶景を見たいのに全然旅行に行けない!というフラストレーションも溜まってきている中でこの絵が飾られている空間を想像すると、気持ちも和みますね。どこでもドアならぬどこでも絵画、いえ、どこにでも絵画といったところでしょうか。部屋で1番目立つ場所に置いたり、何枚かをジグザグに並べたりするなど、飾り方を考えるのも楽しくなってきます。

私は最近昔の日本の作品を観るのにハマっているのですが、貝殻(民芸品・玩具)や屏風(工芸・インテリア)など様々なモチーフに絵が描かれています。技法や絵画方法だけでなく、キャンバスの方を変えて挑戦してみるのも面白いですよ!
  今回取り上げた那須野キュービックキャンバスはこちら