サイコーに楽しかった遠足

小学生に殴られまくってます、一平です!本日は小学生遠足で行った夢見ヶ崎動物公園の様子をご紹介します!
今回の遠足はコロナなどを考慮し、お弁当をなくし午前中だけのかなりタイトなスケジュールの中での遠足でした。

いつもの遠足と比べて参加者も少なく、小学生23名+中高生の先輩ボランティア5名+スタッフ4名と総勢32名。やはりこんな時期だし、お天気も曇りなので元気無いかな…と心配していましたが、全くそんな事はなく、むしろ最近みんな室内にいるからか、鬱憤を晴らすかの如く外では全力疾走でした!マスク状態なのでみんな息切れまくりでしたが、久々に外でいっぱい走れて良かったね、どうせ家でゲームばっかりしてたんだろ!
電車の中でも「うるさくしちゃダメだよ!」と注意するほどの元気ぶり。平日の昼間だったので電車や歩道に人が少なかったのもかなりラッキーでしたね。

動物園に着くまでは全力で動きましたが、動物園に着いたら低学年男子・女子・高学年男子・女子の4つの班に分かれて動物を描いていきます。僕の担当は高学年男子でしたが、描く動物を選ぶ際、やはり男子はツノに惹かれるのか鹿を希望する子が多く鹿の檻の前に移動!
僕のテンションに似た子達が多く、喋りやすかったのでありがたかったですね…。(鹿がフンをポロポロするもので、ほとんどウンコの話をしていたような気がしますが…)

いざ鹿を描いていくと、やはり家で図鑑や写真を見ながらただ模写するのとは違います。動物が目の前にいる状態というのがとても良い環境だったようで、各々で「ここに灰色の毛がある」「耳ってペラペラだね」「ウンコには深緑が混ざってるぞ!草食だからかな」「ツノの断面ってなんか気持ち悪いね…」など色んな発見があったようで聞いているだけで面白かったです。やっぱり生で見て自分なりの発見を絵にするのはとても大事ですね。
そして絵も高学年の先輩らしく、鹿の足の関節の構造、茶色だけではない鹿の毛並みの色の変化を丁寧に追っていて、そんなに色数も多くないクレヨンでよくここまで描けるなぁと感心。
途中で通行人の方々にも「みんな上手なのね!」と何度も褒められましたが、恥ずかしいのかそっぽむいていました。でも顔はずーっとニヤケ顔、先生にはバレてるぞ!

動物を描いてシマウマの檻の前で集合写真を撮った後は、広場に集まってみんなでレジャーシートをくっつけ、大きな小学生達の島を作り先輩、先生も含めたお菓子交換大会!
ですがみんなお菓子を交換したり食べたりしている時間も束の間、すぐに工作タイムです。

今回は、自分たちの好きな色や柄を描いた紙コップ2つの底をテープで貼り、ちょっと曲げたクリップをくっつけて輪ゴムで飛ばす「不思議な動きをする飛ぶおもちゃ」でした。
去年はすごい速さが出る、割り箸で飛ばす飛行機のようなおもちゃでしたが、今年のこのおもちゃは人に当たっても、とにかく安全!みんな出来上がったらトシ先輩に当てて練習していました。(この飛ぶおもちゃ、実は高く投げても同じような動きをするので、輪ゴムで飛ばすのが難しい人は空に向かってブン投げてみてね)

今や小学生もスマホを持っていて何でも調べられる時代。実際に動物園に行って、動物の毛並みやツノ、ましてや糞まで観察するという経験はなかなか無いことだと思います。年に一度の遠足でも、ミオスに在籍している事で、ミオスの子達には普通の小学生とは違う体験をさせてあげられると思っています。僕やアサヒ先生が、小学生の頃にノリ先生や幸介先生に体験させてもらっていた事を、少しでもみんなに経験させてあげられていたら僕はとても嬉しいです。そして絵に落とし込む事で、自分の目で実際に見る『観察』の大切さを知るきっかけになってくれれば幸いです。

行きと同様、帰りも駅まで爆走したので、みんな今日はよく寝れるでしょう!
最後になりますが、こんな大変な時期に僕らを信じて子供達を預けていただいた保護者の皆様、本当にありがとうございました!

幼児クラス遠足報告2

大竹です。旭先生に続き幼児クラスの遠足の様子をご報告させて頂きます。
当日は天気にも恵まれ、絶好の遠足日和でした!動物公園へ向かう途中のバスでもどの動物を描こうかな?おやつは何を持ってきた?とみんなの期待が高まります。
バスを降りて桜が咲いている坂道を登りきると動物園が見えてきます。お茶も飲んで体力を回復したらスケッチブックとクレヨンを持っていざお絵描き!
まずは私の方で描き方のデモンストレーション(鹿やシマウマの後ろ足はくの字になっている事、一色ではなく色々な色を重ねて描いてみる事など)を行い、檻の前でバリバリ描いていきます。鹿がちょうど餌を食べていたり、シマウマが俺を描いてくれと言わんばかりに目の前にきてくれたりと動物たちもサービスしてくれたお陰でとても上手に描けました!
他のお客さんにも「すごく上手だね〜!」と褒められて幼児たちのやる気にもさらに火が付きます。近くで見るシマウマの大きさやペンギン達の鳴き声の意外な怖さ、鹿の体毛の色の違いなど実際に見てみないとわからない事が沢山あり、良い刺激にもなったかと思います。

おやつ交換やおもちゃでひとしきり遊び、帰り道の坂道も一気に駆け下りてバスに乗り込んだので当日の夜は皆グッスリだったと思います。(バスでも既にうとうとしている子も笑)
世間で明るくないニュースが続く中、子供達の気分転換にもなったでしょう。お家でもスケッチした動物を見返して遠足の事を思い出してね!

そして明日は小学生クラスの遠足です!少人数の参加ですが、その分目一杯楽しみましょう!先生たちもボランティアの中高生の先輩たちもワクワクしています!当日をお楽しみに。

幼児クラス遠足決行!

旭です。今回の遠足は参加キャンセルが相次ぎ、幼児クラス在籍者の半分以下の少人数。密集を避けることにより感染症に配慮した遠足となり、講師も生徒さんに悪影響がないよう、全員マスクをした状態での遠足決行でした。

行き先は桜満開の夢見ヶ崎動物公園。バスでの移動も楽しくおしゃべりがはずみます。人数が少ないと「聞いて聞いて!」の洪水も楽々こなせましたので皆満足そうな笑顔。他に乗客も少なくほぼ貸し切りでしたので、尽きないお話しも「少し静かに話そうね」など注意は不要で、行きからストレス発散・絶好調でした!

行程は動物たちのスケッチをして、広場でおやつタイムをとり、輪ゴムで弾くとくるくる回って飛ぶおもちゃで遊ぶ、という流れでした。加余子先生にスケッチのことはお任せして、私はおもちゃについて詳しくお話します。

今回のおもちゃですが、2つの紙コップの底同士で貼り付け、中央にクリップを曲げたものをトリガーにして接着した、昔懐かしいゴム飛行機のようなおもちゃでした。紙コップの部分に思い思いの絵柄をつけて飛ばすことで、描いた絵柄はハートや星なのに、クルクルと回る模様は色が混ざって全く違って見えてきます。紙コップで軽量なこと、回転することによって滞空時間も長いので、見た目を重視し一度飛ばしてもう少し描き足して…を繰り返している生徒さんもいたのが印象的でした。
また、アトリエに帰って来てからお母さんを待っている間にも、皆で飛行時間や飛行距離を競う遊びに夢中。お迎えに来たお母様に早速おもちゃ自慢していました。(スケッチブックのお絵描きは着いて早々にしたので、おやつタイムとおもちゃ作りで上書き保存されてしまったのかな?wきっとお絵描きはお家で自慢してくれているでしょう。)

帰りの道すがら「もう帰る時間なの?もっと遊びたかったなー!」や「久しぶりにお友達と外で遊べて、すっごく楽しかった!」という声を聞けたのがとても嬉しかったです!!
今回の引率は私と加余子先生、お手伝いのソウキ先輩(中2)だけで行きましたが、生徒たちの元気さがいつもの1.5倍はあったような……。ずっとお家の中にいるのは大変ですよね。アトリエのイベントに参加してストレスを解消してくたら嬉しいです!

自粛に負けず、幼児対象の春休みワークショップはまだ続きます!下の写真は私の考えたカリキュラム『4月1日(水)【スペースシャトル作り】』
コックピットに自分が乗っているスペースシャトルや戦闘機を作ります。ジェットエンジンを搭載した航空機、カッコいいでしょう!?
キャンセルも出て少人数です。過密しないで制作できますので、まだお申込みも承っております。詳細はこちら

講師陣も全力で体調管理に努めておりますが、みなさんもどうかお元気で過ごしてください……!

休みませんが…


本日のワークショップは廃材工作10名、木炭デッサン10名のみの参加でした。
アトリエは東西南北の全面に21枚の窓ガラスがありますので、窓とドア全開で授業しております。
教室内は心地よい風が吹き抜け、窓からは満開を迎えようとしている住吉桜がずらっと見えて、いつもならウキウキ春を楽しんでいるのになーと思ってしまいます。

アトリエ・ミオス代表の小原です。
日々、状況が変化している中、お問合せが増えています。告知が遅くなり申し訳ございません。
児童や生徒さん、スタッフの感染が確認されましたら休校を考えなければなりませんが、今後ケース・バイ・ケースで対応するつもりです。
精神的に参って来ている子どもの報告も受け、とりあえずはオープンしておりますが、皆様の判断でお休みしてください。
通常の休会(籍をキープしたままの欠席)は月謝の半額を納めて頂いておりますが、4月に限り下記のように致します。ご心配な方はどうぞ無理をなさらずに…

4月の1ヶ月間を欠席
・大人クラス 2,000円
・学生クラス 1,500円
・小学生・幼児クラス 1,000円
・小学校受験クラス 4,000円
・プレ受験クラス 3,000円

メールでのご連絡で結構です。またお支払いも、5月の授業にいらした時で構いません。すでに4月分を納入頂いている方は、5月の月謝で調整致します。

注1)3月31日(火)の小学生クラス遠足は予定通り開催します。(行先を夢見ヶ崎に&お弁当無し&雨天中止に変更はさせて頂きました。)

注2)4月4日(土)に予定しておりました、岩田先生の勉強会は延期させて頂きます。全額返金します。楽しみにして頂いていた皆様には、苦渋の決断をせざるを得ない状況となりましたこと、心よりお詫び申し上げます。何卒ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。

甘い香りのケーキ作り

只今開催中、春のワークショップから、親子クラス1回目の様子をお伝えします。こちらは毎年人気のある講座、『甘い香りのケーキ作り』です!最初はパティシエ帽子作りからスタートです。白い紙を蛇腹折りにして簡単に作ることができる帽子ですが、さらにトレードマークとなる名前や模様をデザインして、My Shopオリジナル帽子にしてみました。これでケーキ作りの準備はOK~♪♪♪

ケーキ作りでは、白い粘土に食べたいケーキの味の色(絵の具)を加えます。今回は、チョコ・バナナ・ピスタチオ・ストロベリー・メロンの中から選んでもらいました。(黄緑色の絵の具から、ピスタチオを発想したお母さんのアイデアが斬新でした)真っ白だった粘土に少しずつ色が混ざり、だんだんマーブル模様になっていく過程は楽しいですね!色の濃さや混ざり具合が気に入った感じになったところで、ベースのスポンジケーキは完成です。

そして、たくさんの色粘土が使える、お待ちかねのケーキトッピング作り!どっさりのフルーツを作りました。参加してくれたお子さん達の粘土の扱いが慣れてきているので、フルーツはお子さんが一人で作り、それ以外のトッピングをお母さんが作るという、パティシエ2人体制の分業ワザで豪華なケーキが出来上がりました。写真に載っている「いちご」作りの真剣な眼差を見てもらうと分かりますが、このケーキ作りでは2~3歳児の集中力を見せてもらいました!最後に自分の年齢分のローソクも作ると、より一層楽しくなって、歌いながら嬉しそうなパティシエ達でした。
次回は、3月31日(火)『手形でペタペタ満開桜』です。こちらは、まだご予約に空きがございますので、ご興味のある方はぜひお申し込みください。(Eri Ito) 

小学校受験 制作キット


左 キットの内容 / 右 ご家庭でお子様が一人で制作された小鳥・うさぎ・猫

いつもブログをお休みさせて頂いている水曜日ですが、先週の火曜日にご紹介した『小学校受験・制作キット』を早速ご購入して頂いた保護者様よりメールが届きましたのでアップ致しました。
「テキストを見ながら、全て一人でやっています。忘れない内に次のステップとして、何も印刷が無い白い画用紙で作らせてみます。」とのこと。
何度も同じものを制作することで、1枚の紙を活かす(無駄に使って余らせない・不足させない)技術が身に付きます。
また、「胴体がこの大きさなら、頭はこのくらいの面積が必要」などの感覚も鍛えられます。
おうちにこもらざるを得ない環境を逆手に取り、この機会にぜひ制作を得意にして頂ければ嬉しいです。

キットの購入方法や、他のテキストのご紹介はこちら

スペインの風

木曜小学生・学生クラスを担当しているホノカです。

皆様コロナの影響で自宅で過ごすことが多くなったと思いますが、かく言う私も大好きなサンリオピューロランドが閉館しているので行き場がなく、家でひたすら掃除をしています。


2年前の高校2年生の春休みにスペイン短期留学した際の事を書きたいと思います。
プラサマジョール世界1綺麗と言われている広場)や、サラマンカ大学町全体が古い大学という所、卒業時に牛の血で自分の名前を壁に書くのが伝統だったそう)などに行きました。電柱がなく古い建物が並ぶ街並みを目にした時、今自分は海外にいるのだなと実感ました。

その中で今でも強く記憶に残っているエルエスコリアール寺院。過去のスペイン王族の遺体が眠る棺があり、最奥には豪華絢爛と言う言葉が似合う金で飾られた部屋がありました。華美な装飾の棺で四方を囲まれ、20人程で床の大半が埋まってしまうような狭い部屋でした。ただでさえ狭い室内の圧迫感が段々と強くなり、棺についている名前のプレートを見ようと上を見上げると、天井に近いはずのプレートが自分の眼前にあるような感覚や、棺がとても大きなものに見えて仕方がなく、途中で部屋を出てしまいました。表現し辛いプレッシャーのような迫力は忘れがたいものでした。
私は無宗教の為、日本でも宗教的な行事や場所に赴くことがあまりありません。今回初めて日常に宗教が根付いている国へ足を踏み入れ、教会というキリスト教のシンボルのような場所へ入りました。教会の中の空気感や、聖像から放たれる一種オーラのような荘厳な雰囲気に「これが宗教なのか」と感得して、今まで種類や思想程度の認識しかなかった宗教が、信仰の力として私の中に残りました。

渡航の験は、宗教に対する見方が変わったり、考え方が増えたりと、私にたくさんの変化をもたらしました。普段見ているものとの違いを肌で感じなければ、新しい知識として自分の中に取り入れることはできなかったでしょう。あまり感受性が豊かな方ではなく、作品を見て感動することなどを苦手に感じているのですが、スペインで何となくその感覚が分かったような気がしたことが一番の得難い経験でした。

幼児のファンションショー!

大竹です。先週の幼児クラスではワークショップでファッションショーを行いました!
今回はマントの形をベースに天使や鳥の羽だったり、鎧の様に紙を重ねたり、トゲトゲやキラキラテープを沢山貼り付けたりして製作していきます。自分の身長ほどある大きな紙を切ったり貼ったりしていく大仕事!大きな紙を黙々とカットしていく姿はまるで職人のよう。紙以外にもカラーテープやセロハン、ひもなどを用意しましたが皆うまく衣装のアクセントに使っていて感心しました。私達講師もここはこれをつけたらかっこいいんじゃない?こういう風に切ると立体的なパーツになるからやってみようか、といった声かけをしながら一緒に製作していきました。

製作が終わったらいよいよお披露目です!机の上にレッドカーペットと花びらを敷き詰めて、パリコレよりも豪華で華やかな舞台をご用意させて頂きました。一人ずつランウェイを歩いていき、保護者の方々の前に来たらキメポーズ!剣や槍を作った子は武器を構えるポーズにしたり、マントに大きな羽をつけた子はそれが良く見える様に後ろ向きのポーズにしたりと舞台裏でそれぞれポーズを考え、最も自分が可愛く格好良く見える形でビシッと決めました。
製作中には全員に魔法の衣装のテーマとその効果をインタビューしておき、当日限定で記者に転職していた小原先生がそれぞれの衣装について発表させて頂きました。可愛らしいユニコーンドレスは背中からキラキラビームを出して攻撃が出来たり、勇者のマントと斧はそれらを使って木を切りお家を建てたり、おしゃれなしましま模様のマントは実はイカの足をモチーフにしていたり…と、どれも面白く個性的な衣装のお披露目となりました!

技術、演出、情熱!


馬込 油彩

冬になったり春になったりしています、体調を崩されていませんか?一平です!
本日は水曜夜クラスの馬込さんの油絵をご紹介します。
2枚とも美しい空間が広がっていますね。僕らデザイン科の学生は、受験などではアクリル絵具やデザイナースカラー(ジブリの背景にも使われている発色の良い水彩絵具)という絵具を使いながら描いているので、基本的にはマチエールを付けません。そもそも厚塗りするという文化がデザイン科にはあまり無く、絵の具を厚く塗り重ねてもこんなに清潔に光を表現できるものか…と感動しています。『透明感(薄塗)が光』ではないのですね。
左の絵の水の表現からはドボドボと流れて溜まっている、今にもこちらにはねてきそうな水の臨場感が伝わってきます。動画でもない静止画から、聴こえるはずのない水の落ちる音が聴こえてくるのは何故でしょうか?それは後ろの建築物が整理された真っ直ぐな線で描かれている人工物である事と、手前の水面の自然物特有の揺らぎの見え方の、ギャップの影響です。
水面がなく建築物だけの絵だと人の気配が感じられない閑散とした場面になってしまいますが、ここに水のような常に変化する不定形が入ってくる事で、静かだった絵に人は動きを感じるのです。「動き」は音を感じさせるのにとても効果的です。
また主役の水が目立つためには、建築物がデッサン的に狂っているとそっちに目が行ってしまうので、建築物を違和感のないように細心の注意を払い正確に描く必要があります。この建物を見ていると、馬込さんのデッサン力の高さが感じられます。光が当たる明るい所と影になる暗い所を意識し、とても見やすく整然とした佇まいです。

次に右の絵ですが、奥に続いていくレンガの道や家、手前の木、黄色いパラソルなど大量の情報を見事に捌き、一つの画面に落とし込んでいます。
朝方でしょうか?木陰の中を人が歩いている情景に、フッと爽やかな風が吹いてきそうな春の気配を感じる穏やかな冬の雰囲気を覚えます。
整然とした左の絵と打って変わりこちらは情報が多い絵で、見比べると面白いですね。先ほどの絵に動きを与える「水」の役割が、この絵では「人」に与えられています。
しかし大量の情報を盛り込む時に気を付けなければならないのは、詰め込み過ぎて見る人を食傷気味にさせないこと。馬込さんは特に「描き込めば描き込むほど川が流れてるみたいに見えてしまう…」とレンガの道に苦戦していました。
川は常に揺らいでいるものです。そこに光が当たると、白い光がチラチラと揺れるのを皆さんも見たことがあると思います。この絵の最初の方はそんな光のような明るい色が各所に使われていました。
しかしレンガの道は光は当たっていても、川が流れているような綺麗な雰囲気ではありません。馬込さんは粘り強く、長年使われたレンガ特有の汚れや壊れ方を研究しました。明度差をなくし、周りの建物の存在感を邪魔しないよう目立ちすぎず、かつ手前奥の見え方の違いを意識しながら描かれることで、見事に使用感あふれるレンガの道を描き切りました。光が当たっている部分と影の部分の描き分けも美しく、素晴らしいですね。

技術や演出などは沢山描けば誰でも身に付くというものではありません。そこに行き着くまでの情熱まで持っている馬込さん、次はどんな絵を描かれるのでしょうか!

マチエールの利いた油絵


増村 油彩

気持ちの良い天気の三連休ですね、大竹です。今回ご紹介させて頂くのは増村さんの油彩画です。
イタリアのレストランで食べた、こぼれ落ちそうな程トマトが乗ったバケット。以前私が開講させて頂きました【下地作りワークショップ】の技法を活かして描かれております。ナイフや筆でザクザクと絵の具を盛り付けていったマチエールの質感が見ていて気持ちいいですね。個人的にこうした絵の具たっぷりの油絵、大好きなんです。

全体が赤や茶系でまとめられていますが、その中に入っている背景の黄色やお皿の緑が良いアクセントになっています。この様に荒々しく絵の具を乗せていく描き方のをする場合、どこまで細かいところを描いていくかが重要になってきます。特にこうした背景にする場合、あまりメインもモチーフを細かく描きすぎてしまうと背景とかみ合わず浮いてしまい、かといって荒く仕上げすぎると全体がぼやけた様にも見えてしまいます。その描き込み具合のバランスが難しい部分だと思います。増村さんは、トマトや葉っぱなどは手前をしっかりと描き込み、奥に行くにつれざっくりと仕上げられています。

キャンバスがスクエアなのも面白いですね!小さめのモチーフを画面に大きく入れる時に、正方形のキャンバスを使用するとおしゃれに見えます。普段は皆さんFやMサイズを使っているかと思いますが、S(スクエア)サイズにも挑戦されてみては如何でしょうか?