ギリシャの肉屋の風景

杉田 透明水彩

最近は、夜に冬の寒さを感じるようになりました。岩田です。
今回は、土曜午後クラス在籍の杉田さんの透明水彩の作品をご紹介します。

風景はギリシャの市場、アトリエにあるスナップから選んだ一枚です。
まさに肉屋さんといった風貌の髭の男と思いきや、実はこちらの写真は店の中から撮っているので手前の白衣の男が店主で、奥がお客さんとのこと。肉をそのまま台の上に置いたり、切り身になっていない骨付きの肉が傍らに吊るされていたりと、日本のそれとは全く違った風景が見て取れます。

毎回、対象を良く観察し、そのものの色を吟味しパレット上で作られるのが杉田さんの良いところです。一度絵の具を置いた部分でも違うと感じたところはもう一度色を作り直すなど、その信念を感じます。
鮮やかな生肉の色を出すのも少し苦心をされたところ思いますが、捌きたての新鮮な印象を受けます。

様々な異国の風景にチャレンジされ色々なものを描いている故、個々のモノの特徴を掴んで描き分けることに自信をお持ちになって来ていると感じます。今後は個々のモチーフの質感表現を更に重視し進化をされていって下さい!!

11月の幼児クラスご報告

 大竹です。皆さまは紅葉狩りには行かれましたか?11月の幼児クラスでは、教室の中が子供たちの描いた紅葉の木々で一杯になりました。

 

まずは10分お絵かきで木の幹や枝の描き方を練習します。紙からはみ出るくらい枝を伸ばして、短い枝の先っぽはとんがらせて、根っこはタコさんの足みたいだね、と話しながら木をグングン描いていきました。使う色はもみじの赤やイチョウの黄色、枯れた葉っぱの茶色に若い葉っぱの緑!様々な色が入り混じる賑やかな風景になりました。

 その後は大きな画用紙に裸の木を描いた後、タンポを使って葉っぱをスタンプしていきました。スタンプの押し方も、ランダムに沢山押していく子もいれば、赤・緑・黄色・オレンジと順番を決めてキッチリ並べて押していく子も。色の並べ方ひとつで人によってこうした違いが見えてくるのは面白いですね。

そしてこちらは来年の干支、ねずみをテーマにしたお絵かきとカレンダー作りの様子です。12ヶ月分のカレンダーを好きな形に切って貼っていきます。空いたスペースには折り紙でネズミを作っていきます。今回は絵本作家のレオ・レオニ風のネズミにしました。(レオ・レオニは国語の教科書にも載録されているスイミーの絵本が有名ですね。)丸と細長い四角の形だけで出来ているので、子どもでも簡単にかわいらしいネズミを作ることが出来ます。和柄の折り紙を使ったので年明けにピッタリのカレンダーになっていると思います。是非おうちに飾って使って下さいね!

クリスマスリース作り

クリスマスまであと1ヶ月ですね。 街もクリスマスのディスプレイに変わったり、イルミネーションが点灯したりと、わくわくする季節です♪親子クラスでは毎年この時期には、クリスマス飾りを制作しますが、昨年制作したツリーを大事に保管して下さって、今年も自宅で飾ってます!という嬉しい声もありました。

本日ご紹介するクリスマスリースは、紙皿をベースに折り紙と色画用紙で制作しました。まず最初に、緑と黄緑の折り紙を親指と人差し指でしっかりと挟んだら、ビリビリとちぎっていきます。細かくちぎるお子さんと大胆に大きくちぎっていくお子さんと対照的な制作方法でしたが、どちらも紙皿の白が見えないくらい隙間無く貼っていくことで、きれいなリースができました。そして自宅にあった南天を見せながら、葉っぱに見立てたグリーン系の折り紙の上に、南天の実をイメージする赤いシールを貼ることで、一気にクリスマスカラーに!!一番右の写真を見て頂くと分かると思いますが、紙皿の中央部分(食べ物をのせる所)に、ハサミで放射状に切り込みを入れてます。切った部分が三角形になっていて、その先端から鉛筆で三角形をくるくる巻きます。すると、クルンと丸まった跡がつきます。立体感が出て華やかになりますね。参加してくれた3歳児、このくるくる巻くコツをつかんで、一人でも出来ました!これで、リースは完成~!

最後にリースの飾りとして、サンタクロースも作りました。これは大中小の三角形の色画用紙を組み合わせることで、簡単にできます。絵本『さんかくサンタ』に出てくるサンタクロースをヒントにしました。

次回12月3日(火)もクリスマス制作をする予定です。お子様が隠れてしまう位の大きな紙で何を作るかは、当日までナイショ。そして1217日(火)は、今年ラストの授業でクリスマス会です♪♪親子クラスのクリスマス月間をどうぞお楽しみに~☆☆☆ (Eri Ito)

海月のデッサン


真唯 高1 『海月』 鉛筆

どうも幸介です!本日ご紹介するのは、学生クラスより真唯の作品。[密集]という課題で描いた、A2(420×594mm)という割と大きめのサイズの鉛筆デッサンです。展覧会でも飾られていたので、覚えている方もいらっしゃかと思います。

海月は明暗もはっきりせず、弾力のある柔らかさという、デッサンでは描きにくいモチーフですね。群れて重なっている状態なども、なかなか難しかったんではないでしょうか。今回の作品では、フォーカスを当ててはっきりと描くのは数匹で、他はぼかすという手法を取っていますね。写真のような描き方ですが、ぼかすことによってクラゲの揺蕩うような動きや透明感、脆さを感じる弾力感などの表現できているのではないでしょうか。モチーフにあった描き方ですね。

「密集」という課題の事を考えると、もう少しごちゃっと重なっている部分が中心付近にあるとか、奥行きを感じるような、ごく薄い影などもあるともっと良くなるかなと思います。そして個人的な好みですが、背景の暗い部分がちょっと気になります。ただただ黒く塗っているだけに見えます。鉛筆の黒以外にもコンテなどを使って、黒に幅を持たせてもいいのではないかなと思います!

彼女のデッサンを見たのは久々でしたが、着実に技術が向上しているようで頼もしいです。今後もどんどん伸びていってほしいと思います!

本年度の小学校受験終了

オバラです。先週で本年度の小学校受験の試験が全て終了しました。明日の慶應初等部の発表をもって長かった緊張の日々が終わります。
年長児のご家族の皆様、本当にお疲れ様でした。明日でようやく解放されますね。子どもの成長においてとても大切で貴重な時期にあたる小学校受験の為の準備期間は、きっとご家族の皆様にとっても有意義な時間になったことと思います。少なくともアトリエにお出でになるご家族の方々は、どのような結果であっても「親子の疲労感にしかならなかった悲惨な思い出」ととらえていらっしゃる方は存在しません。報告のご挨拶を頂いても、皆様晴れやかにお出でになられるのが印象的です。

今回の受験では、一人とても思い出深いお子様がいます。年中に上がる前に初めてアトリエに来た時お母様がおっしゃったのが「幼稚園の先生から、授業でリンゴを描かせた時『リンゴが描けなくてごめんなさい』と泣くんです。できない事があっても謝らなくていいのよと諭しましたが、この劣等感は他にも影響するので、今の内になんとかしてあげた方がいいと言われて…」とプライベートレッスンを受講されました。
そんなクレヨンを持ったまま、話も出来ずにシクシク泣いていた男の子が、先日の幼稚舎の試験では…
「ジュースのデザインをしたんだけど、僕はうちで飼ってる片腕がもげちゃったカマキリの絵を描いたんだ。先生に質問されたから『自分で餌が取れないから、僕が虫を取ってきてあげるんです。毎日大変なんです!だから腕が出てくるジュースがあったらいいなと思って。』って言ったよ。それから別の紙に『そのジュースを飲んだ後の絵』を描いてって言われて、両手のあるカマキリと僕が手を繋いで遊んでいる絵を描いた。別の先生に『このジュースを飲めばどんな場所でも生えて来るの?頭でも?』と聞かれて、『頭でも生えて来ます!でも違う性格になります。』って言った。そしたら先生が『あ!でも頭がもげたらジュースどっから飲めばいいんだろうね?』って言うから二人で大笑いしちゃったよ!」

これで合格しないはずがありませんよね。彼は早稲田も合格を頂きました。
絵が自信を持って描けるようになってから、おとなしかった性格もどんどん社交的になりました。試験間際には、授業中の私の意地悪な質問にも、いたずらっ子な笑顔で考え答えを言ってくれるまで成長し、逞しくなったと目を細めていましたので、私にとってはそれがなにより嬉しい結果です。

また次の後輩たちが、彼らのようにたくましく成長していってくれるのが楽しみでなりません。

受験クラスについて
・1月スタートの新年長さん対象の小学校受験クラスは只今キャンセル待ちの方がいらっしゃる状況です。お問合せ下さい。
・現在開講中の年少さん対象のキッズ受験クラスは、2名様分の空席がございます。体験のお申込みは、お電話で承ります。

描画材に委ねる


白仁田 透明水彩

そろそろ冬の訪れを感じつつ、本日も岩田が書かせて頂きます。
火曜アップ予定だった平野先生のブログがなぜか木曜にアップされ、木曜当番の北野先生が気を利かせて半日遅れてアップされ、金曜当番の大竹先生が気を使い土曜夕方にアップしていたので、日曜にアップしてみました。)

ご紹介しますのは、白仁田さんの透明水彩で描かれた作品。絵の具の扱いが秀逸です。

絵を見ると、草はらに日射しがあたり、眩しいほどに明るく黄色味を帯びた場所と陰の中のやや青みを湛えたようなグリーンとのコントラストが実に清々しく描かれ、一陣の風が吹き抜けるような心地よさを感じます。

透明水彩を使ってこうして軽やかに対象を描くことができる理由として、画面に筆を置いた時に必要以上になじませたり、捏ねくり回したりしていないということが挙げられます。
画面に色を置いた後は、絵具と紙と水という3つの要素にその後を委ね、水分が蒸発するまでの間、それらが織りなす現象を手放しで傍観するような姿勢が大切だと言えます。

そうすることで人力だけではなしえない、思いもよらない活き活きとした絵具同士の柔和的現象を画面に取り込むことができるのです。
人が主導しながらも踏む込みすぎず、描画材に任せる余白を「描く」という行為に中に作っておくことは、透明水彩に限らず意識して欲しいことです。

幼児元気絵画!

金曜ブログ当番の大竹です。火曜アップ予定だった旭先生のブログがなぜか木曜にアップされ、一平先生が気を利かせて半日遅れてアップさせていたので、合わせました。(現在土曜の夕方です!)


左から 怜奈『にじとかけっこ』/珠生『わたしのハナ』/惇稀『きょうりゅうてん』全て年長

現在の幼児クラスは12人中10人が年長さんなので、年長さんが卒園した4月からは寂しくなってしまいそう…幼児クラスを盛り上げよう!ということで、展覧会に出品していたようじクラスの作品をピックアップさせて頂きました。


左から 寛人『せみとり』年中/結生『たんけん』年長/莉央『バナナボートにのったよ』年長

展覧会に向けて制作したこちらの絵は、幼児達にとっては大きい四つ切りサイズ!椅子に座って机の上で描くには腕のリーチが短い為、床に座って制作します。
夏休みが明けた後でしたので、夏の思い出をテーマにそれぞれどんなものが描きたいかを聞き出し、構図を考えながら進めていきました。どうしても子ども一人で描くと人や物が小さくなってしまうので、人は大きく描いて下は切れてもいいんだよ、奥のものは小さく描くんだよ、といったアドバイスをしています。
構図が決まったらクレヨンでしっかりと人や周りのもの
(動物や木など)を描き、余白は水彩絵の具で塗っていきました。青やオレンジといった色は子どもの元気な線と相性がいいですね!


左から 莉々椰『はりねずみ』/龍翔『パパとプールにいったひ』/ひかり『どうぶつえん』全て年長

お子様の習い事でお悩みの保護者様、幼児クラスで楽しく学びながら絵画や工作をやってみませんか?
お絵かきが好きな子、工作が上手くなりたい子、お待ちしております!

好きは最強


真彩 高1 『きさらず駅』 ペン・コピック・透明水彩

先週40度の熱が出て死の淵を彷徨いました、一平です!火曜アップ予定だった旭先生のブログが、なぜか木曜・僕のブログ当番の日にアップされていたので、気を利かせて半日遅れてアップさせました。

今回は先日行われた展覧会でも飾られていた高1の真彩の絵をご紹介します!
まず、この描き込みの量!素晴らしい熱量を感じます。展覧会でも入り口付近で皆様グッと目を惹きつけられたのではないでしょうか。
舞台は宇宙でしょうか、異世界でしょうか?よく見ていくと日本のお好み焼き屋や銭湯の煙突など下町のような場所から、服屋や銀行など現代的な場所までペン画でギッシリ描かれています。まず、この時点で物凄い密度ですね。

これに加え青色が美しい龍や何かを覗いている紫色の巨人、ガスボンベのようなものを背負った緑色の不思議な生き物。そして町の奥には何かを祝っているようなやぐらが見えます。この密度があるからこそ着色部分が映えるというシンプルでかなり強い構図です。きさらぎ駅と書かれた看板も強く主張するのではなく、さりげなく置かれていて、このリアルな現実の駅の看板のようないわゆる普通な表現がこんな異世界だからか逆にとても良く感じます!

そして着色する所としない所の差の付け方が非常に素晴らしい。大人の方でも「参考に」とジーッと見つめておられました。(自分の孫ほど歳が離れた人にも勉強させていただきますと素直に言える皆さんにも脱帽

真彩の好きが詰まった世界観は見ている人にも伝わりますね。「好き」というのはかなり強いパワーを持っていて、どんなに辛くても好きな事に救ってもらう事が僕は良くあります。それは漫画を読む事だったり、お気に入りの服を着るであったり、好きなアニメを観たりと「好き」は気を紛らわせてくれる事もあれば創作の手助けをしてくれたりもします。
なので大人の生徒さんも学生も描くのがもし辛くなってきたら、思いっきり真彩のように「好き」を爆発させてみてはどうでしょう?きっと創作意欲を掻き立てられ楽しさが上手い下手といった縛りを吹き飛ばしてくれますよ!

頂きっぱなしなボランティア

火曜のブログ当番をすっかり忘れていた旭です。大変申し訳ございません!最近教員免許の実習準備、模擬授業作成に忙しくうっかりしておりました。ごめんなさい!‼!

今回は東住吉小学校で毎年催されるとうすみフェスティバルにて、「アトリエ体験」ワークショップのボランティアを開催しました。その準備と当日仕切りを担当させていただきましたので、感想と、ボランティアで実は逆に自分が施されていた、というお話を書かせていただきます。

一平先生のワークショップ企画をお借りして、飛び出すポップアップカードの作成をしていきます。
教室に入るなり、私の心臓はバクバク、手はブルブル、足もガクガク。なんせ大先輩の現役小学校教員の方が、教室の中にいらっしゃるのです(私の大学の中で、現職の先生方は比喩表現なしに「神様」です)。さらに、これまで一度も、こんなに期待した目をした25人の生徒たちに授業をしたことはありませんでした。前年度からアトリエ・ミオスの評判を聞いている生徒たちを前に、「失敗は許されない」とガチガチに緊張した状態で、挨拶をしました。あらかじめ用意しておいたサンプルの飛び出すカードを披露します。
  パカッ
「おぉー!」
「えぇ〜!?なんでぇ〜!?」
みんなの反応は良さそうです。よかった。ワンテンポ置いて、じゃあみんなも作ってみよう。なあに、難しいことはない……ここで説明は終わり、私たちの仕事は子どもたちの想像力を活かすものへと変わります。画用紙を切って貼る、折り紙を折って貼る、カードの端をギザギザにしてみる。色んな作品が出来上がりそうですね。

40分×3回、程よい緊張感を保ちながら、お手伝いをお願いした3人の大学生の仲間たち(2人は私同様、ミオス卒業生)の助けもあって、大きなアクシデントもなく無事終えることができました。彼らの助けがなければ、緊張から失敗していたでしょう。お手伝いありがとうございました。生徒さんたちも先生方も楽しんで頂けたならよかったです。

さて、今回ボランティアを準備、進行させて頂いたわけですが、気付いたことがあります。教育学部に在学してもう2年目になり、来年には教育実習が始まります。そんな中、模擬授業だけでは太刀打ちできないところが多い。やはり実際の生徒の前に立ってフィードバックを貰える経験が重要です。その経験を今回させていただけたのは、東住吉小学校の寛容さ、ノリ先生の期待、一平先生の企画力、人脈、さまざまな人が私に味方してくれたからです。誰かの厚意がひとつでもなければ立ち行かなくなる経験でした。私と繋がりを持ち、助けてくださった皆様と、参加してくれた生徒さんたち、学校の皆様に、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。

はがき絵国際コンクール大賞受賞


箕輪 透明水彩

岩田です。 皆様、展覧会では大変お世話になりました。次の展示に向け新たな一歩を踏み出しましょう。

本日は、土曜午前クラスの箕輪さんがコンクールで大賞をお取りになったというご報告です。
透明水彩を使って描かれたこちらの作品、とても可愛らしいイメージで描かれています。絵具のぼかし具合もとても綺麗です。

一枚のハガキの中に幾つかのモチーフを描き入れる場合、画面が小さいぶん、あまり要素が多すぎるとゴチャゴチャしてしまうので、ものの配置や数に対してとても気を使うと思います。
こちらの作品はそうした意味で、それぞれの要素が上手にバランスを取りながら配され、ガリバー旅行記のストーリーの一部を女性らしい柔らかな雰囲気を持って描き出しました。
下記日程よりこちらの作品が展示されます。是非ご高覧下さい。

第8回ガリバーはがき絵国際コンクール作品展示会
展示情報はこちら
日時 12月9日(月)~14日(土)9:00~19:00
場所 綱島より徒歩1分 夢工房だいあん  〒223-0053 港北区綱島西1丁目11−5 マルエス ビル 1F  (ナチュラルローソンの前の不動産屋)