美しいトーンで描かれた作品

本山 油彩

岩田です。今回、ご紹介しますのは、土曜日午後クラスの本山さんの油彩です。

豪華なソファに横たわる裸婦。全体的に美しいトーンで描かれた作品です。
特に裸体は明るい色調で描かれつつも、光を受けるパートと影のパートを微細な色の諧調で表現しており、白人女性ならではの血管が透き通るような肌色を魅力的に描き出しています。

又、見逃せないのはソファの色で、裸婦と同じく、影側の色味にも気を使っており、影の中にも淡い光を湛えたような美しさを感じ取れます。花柄の明暗の移り変わりも、とても自然な印象を受けますね。

本山さん、色感の良い方で、ペールからダークまでのトーンの中での色の遊びがとても上手いです。今度はビビッドなトーンも使い、作品を描かれてみては如何でしょう。
そうすることで、更に表現の幅も増えることでしょう。

花が綺麗に見える理由

菊地 アクリル

すっかり秋ですね。秋服がなくて困っている一平です!
本日紹介させていただくのは先月に引越しのため退会された菊地さん最後の作品のアクリル画です。僕が担当していた時は写真模写などをよくされており、今回もその一環で花や果物・魚の干物など多種類のモチーフ達の絵の模写でした。
まず第一印象、とても明るく見やすい絵です。その理由は、左上からの明確な「光」をしっかりと感じさせるように、布に当てているからだと言えるでしょう。

そして一見鮮やかなモチーフに目が行きがちですが、花が入っているグラスの表情を見て下さい。表現し辛い透明のガラスの質感・光や立体感を、少ない手数でしっかりと捉えています。

後ろの白い布だけがある無表情な空間の表現はどうでしょう?こういう背景の処理は意外と難しいのです。ベタ塗りをするわけにもいかず、かといって何色を塗れば出しゃばらずさり気なく存在してくれるかなど、絵を描いている人にとっては色々考えてしまうところだと思います。
菊地さんは「特筆すべきものが少ない所」を、部屋に自然光が差し込んで出来た美しい影を優しく描くことによって、しっかりとそこに存在感を示しました。
手前の布のたわみなどの陰影も、背景とは違う少し強い色(黄色や赤などの暖色、ブルーグレー系の寒色)で表現し、奥の布との距離感を出しており飽きさせません!

菊地さんには描き辛くて無意識に描くのを避けてしまう箇所が無いのか?と考えてしまう程、モチーフそのものの色の鮮やかさを惹き立てるように、周りの布や空間など何気ないものがしっかりと表現されています。
ここまでアクリル絵の具を使いこなせれば、もうお一人でも十分制作を楽しむことが出来ますね!菊地さんどうぞこれからもお元気で絵を描き続けてください!

ドキドキ☆タワー作り

火曜親子クラスから、トイレットペーパー芯を使った制作の様子をご紹介します。親子クラスでは、制作の前の導入として遊びを取り入れることが多くあります。その遊びは、制作テーマに関連付けることもありますし、素材や画材にお子さんが抵抗なく触れられるように考えています。私にとっては、遊び=仕掛けであって、制作に入る前にどうしたら興味を持ってもらえるか、、、毎回お子さんとの遊びも楽しいひとときです。この日の遊びは、たくさんのトイレットペーパー芯から連想できるものを考えて、そのポーズをとってみました。双眼鏡・伸縮望遠鏡で何が見えるかな?頭に芯をつければカブトムシの角となり、昆虫に変身もできます。

さて、本題のタワー作りです。折り紙にシールを貼ったりクレヨンで模様を描いて、それをトイレットペーパー芯に巻き付けていきます。出来上がったカラフルな芯4本を並べて、その上に画用紙を積み重ねていきます。順番に繰り返し重ねていくと、、、背の高いタワーができます!何階建てまで積み上げられるかな!?倒れないかドキドキ!ワクワク!お友達と一緒にゲーム感覚で楽しく盛り上がりました。

こういう遊びは、柱となるトイレットペーパー芯の置く場所のバランスが肝心ですよね。どこに柱を立てれば、倒れずに旨く積み上げられるか?経験豊富な大人は、正解を知っています。この時もほとんどのお母様が、タワーが崩れない正解を先にお子さんに告げてしまっている事が多かったです。一度も失敗なく、きれいに積み上げられたタワーも美しいですが、何度も倒れて失敗し、また積み上げる事を繰り返しやる過程こそ、学びがあり大切なのでは?ドキドキ感をたっぷり味わって、タワーが完成した喜びは、きっと大きいだろうなと思いました。今回は、トイレットペーパー芯でのタワー作りでしたが、他の材料や似たような制作に直面した時に、このタワーがヒントになると良いです。(Eri Ito)

アルタミラのささやき

本日は、小学生クラスの油絵   (南澤)

毎週毎週アトリエに通い、面倒臭い道具をひっぱり出しては絵を描く。ご苦労さんであります。「もう終わっていい?」よく児童が言うセリフ。絵を描くことは、大変苦痛なことでもあります。実のところ、僕も絵を描くことは面倒臭いと思っています。思い通りにいかないから?すぐには完成しないから?どこへ向かっていいかわからないから?

音楽には、「楽」の字がついていると言うのに、絵楽という言葉は聞いたことがありません。もちろん、絵を描くのが好きな人間は存在しています。実のところ、僕も絵を描くことが好きです。思い通りにいかないこと、すぐには完成しないこと、どこへ向かっていいかわからないことが、きっと好きなのです。

理想を思い描き、プロセスや手順を考え、時には手探りで突き進む。これが絵を描くことの醍醐味であります。癒しであります。恐怖であります。人生そのものであります。それはかつて、人類がアルタミラの洞窟の中で絵を描き始めた時から、何も変わってはいないのではないでしょうか。絵を描くことは、そんな人生の疑似体験でありますから、人間の全てが現れます。

さて、夏休みに描いた油絵。全て現れちゃってますよ〜

夏の油絵たち

大竹です!夏休み小学生油絵報告第3回です!今回は海や向日葵、カブト虫など夏らしい作品が多いですね。

毎年夏休みはアトリエへ行く回数が多くなるのですが、(普段は日曜日クラスのみ)なんと今年の8月は18日間も行っていました…ほぼ2日に1度は小学生達と一緒に絵の具まみれになっていました。
夏休み中で学校がない為、体力が有り余っている分作品の方に力が入ったのではないでしょうか?中には自分の体に絵の具を塗り始める子もいたりして、キャンバスはこっちだから!こっちに描いて!と慌てて筆の向きを変えさせたりしてました…。小学生クラスは、少し目を離した隙に後ろでトンデモない事が起こっている事が多々あります。さっきまでは青かったキャンバスが真っ黒になっていたり、絵を手伝っていてふと横を見たら本人がいなくなっていたり、床が絵の具の足跡まみれになっていたり…。それが面白いところでもありますけど笑

夏休みといえば宿題に自由研究や自由工作などがありますが、何人かの生徒は今回の油絵を提出したそうです!作品と共に描いていて難しかった所や普段使っている水彩絵の具との違いなどをササっとまとめてしまえば、立派な自由研究になりますね!小学生では油絵を描くどころか、実際に実物を見た事がない子の方が多いでしょうから、今回の作品を持っていった子達はきっと夏休み明けの教室で一目置かれてたのではないでしょうか?(私も小学生の頃、ミオスで描いた油絵に手作りの木枠をつけてドヤ顔で持って行った事があります。)

ちなみにこの夏のワークショップ油絵では103人が制作しました。今の学校は1クラス35人くらいですから、約3クラス分の作品がアトリエの壁にみっちり掛かっていたかと思うとスゴイですね!毎週来るたび少しずつ完成していく作品を楽しんでいる方や、小学生の自由な色彩や描き方に刺激を受けている大人の方もいらっしゃいました。また来年の夏が楽しみです。

奥さん、個展のお知らせ

                 奥 油彩

岩田です。今回は土曜午後クラスに通っておられる奥さんの作品をご紹介致します。
掲載した作品群をあらためて拝見させて頂くと、実に様々なモチーフにトライされているのがわかります。更に描く対象やそこから受ける印象によって、絵のスタイルがガラリと変化をみせるのです。

例えば、女優の顔を描いたシリーズは、6号ほどの作品です。決して描き写すという行為ではなく、あくまでも描く対象から受け取るイメージを主体に人物それ自体の色も、背景も、自身が納得する表現に落とし込むまでめまぐるしく変化していきます。

上段左手にある花の絵や下段の鶏の絵のような、所謂巨匠と呼ばれる画家の作品を元にして描かれるものもありますが、その場合も決して描きとる訳ではなく、自身の世界を表現するに至るのです。
しかしながら途中奥さんとの会話の中で、元となるその巨匠の絵を見ながら「ここはこんな風に描いているんだ。」とか「この表現は面白いね。」といった言葉を聞くと、あくまでも対象を徹底して観察するという行為を踏まえた上で、何かを感じ、ご自身なりに咀嚼しているということがわかります。

そんな奥さんが個展を開かれます。近所ですので、ぜひ皆様足をお運び下さい!

10月3日(水)~8日(月) 11:00~17:00まで
ギャラリー日吉   港北区日吉2-1-5 尾嶋ビル3F (1F丸進商事不動産 左側階段3階)
東急東横線:日吉駅西口(交番:スルガ銀行)隣
市営地下鉄:グリーンライン日吉駅(2番出口)隣 地図はこちら
(045)561-2009

子ども達の油絵から学んだ事

ミオスにお世話になって10年以上経ちます、一平です!普段は社会人・中高生のクラスを担当していますが、大学の夏休みに小学生クラスの油絵の授業もお手伝いさせて頂きましたので、僕の小学2年生からのミオスでの油絵の記憶を掘り起こしながら、今の小学生達の気持ちを代弁したいと思います!

小学生時代は先生達が並べてくれたもの(幸介先生の自転車、麦わら帽子、バイオリン、真っ黄色の鎖、ガイコツなどヘンテコなものばかり)を描いていました。僕の記憶では、当時の油絵の課題は静物がほとんどだったような気がします。今回のように、自分で描きたい写真を持ってくるというのは、モチベーションも上がりいいですよね!
余談ですが、ミオスでは学生クラス(中学生以上)になると油絵に限らず自分で好きなものを好きな手法で描くことが出来るので、僕もインディアンや恐竜、侍など色々なものを描きました。
しかし今まで描いたことが無いような貫禄のあるインディアンのお爺さんの肌の質感や、見たこともない恐竜のウロコなど、難しい所や自分で考えなきゃいけない課題がたくさん出てきて、「こんな難しいの選ばなきゃよかった…」と思うことも多々あったり…。
先生が選び並べたものを描くというのは「こんなモチーフ描きたくなーい!」と人のせいにできて楽だった、と自己責任の不安さも、今回の小学生クラスを見て痛烈に思い出しました。

話しを小学生時代に戻します。僕はひたすら漫画の模写やらドラゴンやらロボットやら典型的小学生男子のような落書きをノートの端っこに描きまくるタイプの子供でしたので、下描きまではそんなに苦ではありませんでした。
ですが、その後の絵の具を塗る作業!これがとても難しい!
まず下塗り!せっかく描いた下描きの上に、とんでもない色(補色)の絵の具を塗る、という作業が当時は全く理解できませんでした。ましてや野菜などの自然物や自転車などの人工物の質感の違いなんて、デッサンも習っていないのに油絵の具で描き分けられるはずもありません。

そしてなんと言っても、大人から子どもまで全てのミオスの生徒の方々に共通して言えることだと思いますが、先生達からの「OK」というたったの2文字の貰えなさといったら!
僕のたくさんの仲間達(ポケモンとドラクエの話しかせず、怒られまくる男達)がどんどんノリ先生に敗れていく中、ドキドキしながら自分が見てもらう番になると、案の定《的確な指摘(ダメ出し?)》という名の攻撃を受け撃沈していく、と言う訳です。逆に言うとミオスのみんなはどんどん打たれ強くなっていくという事でしょうか?

ですがその分、苦労して完成させた絵には愛着が湧いてきます。僕の油絵は小学生時代からの作品達が家の玄関、トイレ、自分の部屋など家の色々なところに飾られています。子供ながらに誇らしく思っていたのを覚えています!なので是非、子供達の絵はご自宅に飾ってあげてください!

 最後にしっかりと過去を振り返ってみると、僕の小学生時代は「あー普段の水彩と一味違う絵の具で描けて楽しかったぁ!今度は失敗しちゃったところを気をつけるゾォ!」ではなく「ようやく解放されたー!」という感想が一番で、優等生では全くなかった事が思い出され、なんだか先生方に申し訳ない気持ちに…。

ですが、怒られながらも心から楽しんで描いていた事は覚えています!僕自身も教わる側から教える側になり、《厳しい指導》と言う事は作品の悪い所を強く言う、という事では無くもっと作品を良くするための言葉を与えること、だと学びました。
小学生のようにのびのびと心の赴くまま筆を走らせる無邪気さを忘れず、先生達の冷静な考え方や技術を伝える技を盗み、これからも皆さんと共に成長していきたいと思っています!

秋の果物

水曜日幼児クラスです。
今回ご紹介するのは、「秋の果物」ぶどうをクレヨンで描きました。
お子さまにも人気の果物ですがこの時期、お子さまのお弁当にはフルーツがぶどうの方が多くいらっしゃいますね。店頭へ行くと多彩なぶどうの品種が並んでいます。色や形、大きさなど様々あり、赤、黄緑、黒に近い色など豊富な種類があります。
幼児クラスでは最初の20分をクレヨン画の時間にしていますが、今回はお子さまとぶどうの粒の重なりや1房のかたまりを確認しながらじっくりと30分間描きました。集中して最後まで取り組むことができました。果実のみずみずしさ、ぶどうの重さを感じる作品に仕上がりました。
もう一つは、ぶどう狩りをしている自分を描きました。絵の具を使用しています。ぶどうの形を廃材を利用してスタンプしました。黄緑と黒っぽい色2色を使いペタペタッと画面いっぱいにスタンプすると多くのぶどうが実り素敵なぶどう園になりました。(えつ子)

小学生の油絵

小学生クラスアシスタントのサトルです!夏休みは油絵教室やワークショップで大忙しでした!外部の子達もたくさん参加してくれ、嬉しく思います。普段と違った油絵や工作ができて、刺激的な思い出になったと思います。
今回は、僕が参加した、油絵ワークショップの感想を書かせて頂きます。
油絵は写真を見ての通り大成功でした!みんな素敵な絵を描きましたし、僕自身も子ども達の絵を見てどうすれば魅力的な絵を描けるのかヒントをもらい、とてもためになる夏休みでした!

しかし夏休みが始まる前は正直なところ、小学生に油絵を描いてもらうのは不安でいっぱいでした。僕自身、油絵の道を志す者として、油彩の難しさは知っていましたし、筆洗液などの危険な薬品も使うので心配がありました。技術面では絵の具を塗り過ぎて描けなくなったりしないかなぁー…とか、安全面では筆洗液で目をこすったりしたりしたらやばいなぁー…とか、精神面では外部の子達と仲良くできるかなー…など、色んな事が不安でした….。
でも、みんな小学生とは思えないほどしっかりと先生の話を聞いてくれたので、無事、事故なく終わりました!外部の子達も、すぐに馴染んでみんなと仲良く描いていて、とても楽しそうでした!
僕が小学生の頃は先生の言うこと聞かないやんちゃ坊主だったので、小学生はみんなコントロールが効かないと思っていましたけれど、ミオスに来る子は皆しっかりしていて、もっともっと小学生を信じるべきだと感じました。

 そして冒頭にも書いた通り僕自身、教える側として学ぶことの多い夏休みでもありました。他人の絵を手伝うというのはとてもよい経験になります。生徒一人一人に親身になって向き合い、どうすれば良い絵になるかを自分の絵を描くように考える。このことを夏休みの始まりから意識し、他の先生方を手本にして、子ども達と接しました。

普段自分で絵を描く時に使わない色を使ったりするので、この色をここに使うとこんな表現が出来るのか!なんていう発見が毎日毎日ありました。食わず嫌いして使わない絵の具を使えるようになったので、表現の幅が大きく広がりました。多分、油絵教室で一番多くのことを学んだ人は僕です。本当にミオスには感謝するばかりです。ありがとうございました!

 油絵教室の詳しい報告は後日アップされると思いますので、是非そちらをご覧ください。長くなってしまいましたが、お読みいただきありがとうございます。これからもアシスタントとして頑張っていこうと思いますので、よろしくお願いします!

DMようやく完成です!!

どうも幸介です!大人クラス展覧会まで、あと約1ヶ月ですね!!ようやくDMも決定いたしましたー!!今年は京橋で開催ということもあり、気合の入っている方も多いのではないでしょうか。日程などの概要は以下になります。

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生徒作品展・開催日時:2018年10月22日(月) – 10月28日(日)
開場時間:OPEN/10:00 – CLOSE/19:00 (最終日/15:00まで)

会場:ギャラリーくぼた 6F
住所:東京都中央区京橋2-7-11
アクセス:地下鉄銀座線・京橋駅下車、6番出口より徒歩1分
電話番号:03-3563-0005

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作品の提出期限は10月の8日(月)までとなります。作品提出時に教室でキャプションをつけていただきますので、作品のタイトルも考えてきてくださいませ!また、作品の提出が間に合わなさそうな方は、早めにご相談ください!!
2年振りの展覧会、講師陣も皆様の作品を楽しみに待っております!!