模写~モチーフへ

 殿山 水彩 

朝からとても暑い日でした。岩田です。本日は、土曜午前クラスの殿山さんの作品をご紹介致します。

先ず、向かって左側はアトリエにある日本画受験生が描いた静物着彩の一部分を模写したものです。
今まで銅製のヤカンなど静物を透明水彩で描いてはいますが今回は既に描かれたものに習い、瓶の描き方を掴もうという試みです。
殿山さん、プロセスをしっかり踏んで完成までもっていくのがとても良いところ。模写とはいえ、この作品も鉛筆デッサンの段階をきっちり踏んで絵具へと入りました。
描いていくその様を見ても、美大受験という道を通っていないのにも拘わらず着彩を完成させる為の道程を心得ているなと感心してしまう程。
模写する対象をしっかり分析し最後の仕上げまで客観的に進めていくところは流石です。

右側は、模写の後に実際のモチーフ並べ描いたもの。実際のモノを見て描くのは模写をするより何倍も難しいですがアボカド、瓶を本当に良く観察していますね。
特にアボカドは絵具を何層にも重ねとても深い色を出しているのです。模写で描いたものよりも格段にリアルな印象を受けます。ワイン瓶の色も実に美しい。模写という行為を通過し、あらためてモチーフを観察することで得られるものが幾つもあったのかもしれません。

殿山さんのように模写を経て実物のものを描くというやり方、皆さんも是非やってみては如何でしょうか!?

小原作品展のお知らせ

小原京美 『侵蝕』 『抑制の果て』  水彩・墨・絹本 

小原です。昨年の個展から約1年、今回は画廊オーナーより画題を与えられ制作した作品の展示会を行います。
オーナーより頂いたお題は、少し前に流行った『怖い絵』でした。
普段朦朧体の作風で制作している私が目指したのは、「何か不穏な気配や予兆を感じる」ような作品です。
私は見るのも描くのも、印象画と同じくらい抽象画が好きです。今回は少し抽象寄りに描いてみました。
週7日授業があるので、いつもと同じく睡眠時間をとことん削って毎日朝まで制作を続けましたので、そんな背景からもにじみ出る圧迫感や焦燥感が感じられると思います。ご高覧頂いた皆様に自由に『怖さ』をイメージして頂ければ幸いです。
グループ展であり小品を数点のみ出展しておりますのでご無理なさらず、東京方面についででもございましたらお立ち寄り下さいませ。

7月3日(火)~14日(土) 11:00~18:00 (最終日16:00終了 / 日曜休廊)
〒104-0061 東京都中央区銀座1-10-19 銀座一ビル3F あらかわ画廊  地図はこちら
電話/FAX : 03-3566-5213
■有楽町線 銀座一丁目駅 出口10番11番より徒歩1分  ■銀座線 京橋駅 出口2番より徒歩2分

小原在廊日  3日(火)ー15時まで  /  5日(木)ー15時まで  /  6日(金)と7日(土)ー 終日  /  9日(月)と10日(火)ー 終日予定  /  12日(木)と13日(金)ー 終日  /  14日(土)ー終日…但し最終日の為16時まで  /   8日(日)休廊       

この在廊日により、お休みを頂きますクラスの方々にはお詫び申し上げます。   小原

七夕リース飾り

もうすぐ6月が終わり、日本の行事として次にくるのは七夕ですね☆いたるところで、七夕飾りを見かける機会が増えてきました。

七夕飾りの笹は、昔から神聖な力が宿っている言われ、七夕行事に使われていますが、親子クラスの制作では笹は使わずに、かなり飾り方をアレンジしてみました。夜空で出会う“織姫”と“彦星”をイメージした、七夕リースのご紹介です。

まず授業前に、対象年齢の23歳児にも分かりやすい形=大きな星や折り紙で作った天の川を天井からぶら下げておきました。こども達が教室に入った時に、まず目に星が飛び込んできて楽しくなる仕掛けです。またこの日の制作イメージである『織姫と彦星が出会うシーン』の導入として、絵本「たなばたものがたり」を読みました。

織姫と彦星は、こども達がクレヨンで顔を描いたり、着物の柄を描いたり大活躍。そして折り紙で作る天の川は、緻密な切り方のコツが必要なので、お母様方にお任せ。でも意外や意外!きっとこどもの頃作ったであろう天の川の作り方誰一人覚えていなくて、、、。皆さん新鮮な気持ちで天の川を作り、しっかりマスターして頂きました。

星形リースを土台として、出来上がった天の川をどう設定するか。その天の川で出会えたシーンにするか、これから会おうとしているシーンにするか。親子でストーリーを考えながらの制作です。最後は短冊に願い事も忘れずに!(Eri Ito)

未確認生物

本日は、火曜日小学生クラス「粘土で作るオリジナルの生物たち」です。    (南澤)

下記のような手順で製作いたしました。

①スベリ止めになるように、ゴム製カバーの付いた針金で骨組みを組む
②高価な粘土を大量に使わないように、安価なアルミホイルで大まかな形を作る
➂粘土に水彩絵の具を練り込み、本体ベースの色を付けた肉付けをする
④絵具で細かい模様や彩色を施す
⑤余った粘土に今まで使っていない色を混ぜて、牙やトゲなどのパーツをつける

ユニークな生物たちが続々誕生いたしました!

製作後、考えた生物たちの生物的特徴などをテキストに書いてもらいます。
その中で面白かったのは、『性質…かまってアピールがすごい』『飼い方…いっけんやならOK!まんしょんやあぱーとはだめ!』『求愛行動…一生独身』『求愛行動…女子にとてもおいしいエサをさしあげる』『ボスの決め方…あみだくじ』『繁殖…不死身だから繁殖の必要はナシ』などなど、、。

色彩も形もユニークで愛らしい新生物たち。あまり物欲もなくなった中年の僕ですが、一個失敬したくなりましたな。

アウトドアワークショップ

お久しぶりの方、初めましての方がいらっしゃると思います!幸介先生の舎弟(生徒とも言うのかな?)の一平です!ミオスには小学生の時から通い続け、この春に多摩美術大学プロダクトデザイン科に無事入学致しました。
そして5月から日曜と水曜夜間の社会人の方々のクラスで、アシスタントとしてお手伝いさせて頂いております。
コミュニケーション力には自信がありますし、高校生の時から小学生クラスをお手伝いさせて頂いていたので、教える仕事は慣れていたと思ったのですが、大人の方にアドバイスするとなると全く勝手が違い、情けない事にのり先生には『借りて来た猫』と呼ばれています。緊張しまくりですが、頑張りますのでどうぞ宜しくお願いします!

さて今回、夏休みワークショップの企画を担当させていただきました!なので告知をさせていただきます!小学生の時から欠かさず参加していたワークショップを今度は自分が企画すると思うと不思議な感覚です…
今回のテーマはスタンプ!
ダンボールを丸め、先端にスチレンボード製の好きな形を貼り付けて真っ白のTシャツにスタンプしましょう!
その後はビーチサンダルの裏にもスチレンボード製の好きな形を貼って、絵の具を塗り、みんなで大きな紙を踏み歩き自分がスタンプになりましょう!

日 時:7月31日(火)10 : 30 – 12 : 00
対 象:年少、年中、年長、小学生
参加費:3,000円
持ち物:汚れてもいい服装・帽子・白いTシャツ(スタンプする用)・タオル・水筒(熱中症対策用に多目に)
※外で行うワークショップですが、集合・解散は教室となりますので、お迎えに来る場合は教室階段下にてお待ちください。
※雨天の場合は教室内での制作となります。その場合、保護者の方は退室をお願いしております。

詳しいお申込み方法はこちらのブログをご参照下さい。

比較的小さな子(年少さん~低学年)向けの講座です。スタンプという身近なものを通して楽しい時間を過ごしていただければと思っています!

日常の美しさを

                                                  秦野 水彩

岩田です。本日、作品をご紹介させて頂くのは水曜夜に通っていらっしゃる秦野さん。
向かって右の作品は新作ですが今月は土曜日に通われていらっしゃったので、私も途中経過を拝見させて頂いてました。

川沿いの向こう岸に立ち並ぶ家々。私の住んでいる鎌倉市にもありそうな日常の風景です。秦野さん、こうした本当に何気ない住宅街といったどこにでもあるようなシーンを切り取って、美しい一枚に仕上げていきます。
広葉樹が茂る小高い山、電気を送り日々の暮らしを支える送電鉄塔、決して清流とはいえぬ川、傍らに佇むススキ。秦野さんの作品を見ると日頃目にしても足を止めることなどないようなものたちであっても愛を持って描いているのだと感じます。

左の猫の絵、マルちゃんというビールにCMに出ているネコがモチーフ。段ボール箱の中にすっぽり入ってしまった猫を愛らしく描いています。こちらも日常にあるようなシーンを実に魅力的に描いています。

秦野さんの描く作品からは、「日常こそ尊く美しいんだよ。」そんな言葉が聞こえてきそうです。

暖かな家庭

                                                  石山 油彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは石山さんの油彩です。こちらはルノワールの「シャルパンティエ夫人とその子供たち」の模写です。ルノワールの出世作となった作品であり、見たこともある方は多いのではないでしょうか。

背景の暖かみのある暖色や夫人のゆったりと寛いでいる雰囲気、子供達の愛らしさなど、元の作品の良さがよく捉えられています。特に子供達の柔らかそうな金髪や、足の座っている為に力が抜けている感じが上手いですね。夫人のボリュームのある黒いドレスも画面を引き締め、全体の華やかさに一役買っています。
模写する事で、鑑賞した時とはまた違った作品の一面が見えてくると思います。私も大学入学前にモネの作品を模写したりしていました。パレットの上で実際に同じ色を作って見ると、こんなに暗い色だったの?!と驚いて、塗って見ると違和感なく溶け込むことに更に驚いたり…きっと石山さんも、制作の中で驚かれたり発見があったと思います。

ちなみに2人の子供たちの内、真ん中の子は実は男の子なんだそうです。19世紀のヨーロッパでは男の子は早死にするとされ、大きくなるまでは女の子として育てられるそうです。勢力争いから跡取りとして命を狙われる事も多かったのでしょうか?しかし、女の子として育てられていたのに、ある日突然あなたは今日から男の子です!と言われた子は、一体どうなってしまうんでしょうかね…?

紫陽花

水曜日幼児クラスです。
梅雨に入り通りには青や紫、ピンクに色づいた紫陽花を見かけます。花をよく見ると小さな花が多く集まり丸い形になって咲いていますね。同じ青でも色の濃淡があります。お教室の紫陽花はつぼみの時は白色でしたが咲き終わるまでの間にゆっくりと青色に変化していきました。見慣れているものも少し視点を変えると思いがけない発見があります。
今回は紙を使用し紫陽花を表現しました。手順説明が終わるとお子さまは紙をちぎったり、紫陽花の丸みを出したり、花を頭に乗せて帽子にしたりと想像を膨らませていました。出来上がった紫陽花はお友達にたくさん紹介していました。(えつ子)

女子力シルクスクリーン

昨日の田中先生の記事に続き、木曜学生クラスもシルクスクリーンを行いました☆
南澤先生がお貸ししてくださった照射機(田中先生の記事で光っている台です)は、なんと手作りなんだそうで!「照射機が出回って無いなら(高価なら)原理を理解して一から作ればいいじゃない」の精神、すごすぎる…。

内容が重複してしまいますがざっと工程を説明しますと、イラストを描き、透明なOHPシートに原稿をコピーし光を通過させやすくし、特殊な乳剤(光に当てると硬化する薬品)が塗られた版に照射すると、イラスト部分(黒い部分)のみ光が遮断されていたので硬化せず、抜け落ちて版が完成します。そして好きな布地に版を設置、好きな色のアクリル絵具に布用定着剤(バインダー)を混ぜ、ヘラ(スキージー)で押し付けるように着色すると、抜き取ったイラスト部分のみにインクが透過し印刷できる仕組みです。
ミリペンのような細い線は潰れてしまって上手く出ないので、線の太さにも注意を払いながらイラストを決めていきます。色をつける面積、付けない面積をバランス良くデザインしながら最終チェックし、版に照射していきます。

木曜クラスは女子クラスなだけに可愛いポップなデザインが多く、「これ街で着てたらおかしいかな?」「おしゃれかな?」と確認を重ね実用性を重視したデザインを考えておりました!
そして完成した物が上の写真です。
クスリと笑えるシュールなイラストやクマやウサギを用いてとことんラブリーなイラストなど、様々で生徒たちも大満足!
私にとっては工程が多いだけに、成功して良かった~とホッとした授業でした(笑)  菅原

シルクスクリーン!


火曜学生クラス シルクスクリーン Tシャツ制作

どうも幸介です!本日ご紹介するのは、シルクスクリーン版画で作ったTシャツ!小学生クラスの6月のカリキュラムでもありますが、一足お先に学生クラスでも実施いたしましたー!!南澤先生に持って来ていただいた機材での制作で、中々工程も多く加減が難しく、材料費も高価なこの課題。小学生クラスで絶対に失敗したくない!ということで、学生クラスで講師陣のウォームアップを兼ねての制作です。

小学生と変わらず脈絡のない絵を描く生徒もいれば、「売れるんじゃない?」というクオリティで仕上がった生徒も。アクリル絵具に、布に絵の具を定着させるバインダーという液体を混ぜて印刷しました。カラフルでいい仕上がりです!!Tシャツだけでなく、タオルやトートバッグなどにも印刷し、当人たちも皆かなり気に入った模様。自分デザインの物を普段使いで身に付けるって、けっこう楽しいですよね。

ということで、学生クラスの皆は大成功でしたが、小学生クラスも来週はTシャツなどに印刷し出来上がる予定。皆さん、楽しみに待っててくださいね!!