春のワークショップちょい見せ!

どうも幸介です!正月も終わったばかりですが、すでに春に向けて動き出しているミオス。ただいま春のワークショップのチラシを誠意作成中でございます。 ということでほぼ完成しておりまーす!
小学校受験クラスから幼児、小学生、学生と、今年も参加しがいのあるカリキュラムを用意しておりますので、チラシ配布の際はどうぞみなさまチェックしてみてくださいませ!!
学校など春休みでパワーの有り余った子供たちの参加、お待ちしておりまーす!!!

女子美高校合格作品

一葉 中3 鉛筆デッサン・透明水彩(先輩作品の模写)

女子美術大学付属高校、合格作品です。
この作品たちを見て、ドッキリした高校生もいることでしょう。

まず左手のデッサンですが、ポットやボウルなどツヤツヤ光るもののハイライトの入れ方から、描いていく中で少し何かを掴んだ跡が見えます。
この子が入会したときから、度々経過を見ていますが、モチーフのディティールによって画材をきちんと適材適所使いこなせていて、やっと鉛筆と消しゴムと仲良くなれてきたのだなといった感じが見受けられます。ちゃんと重さを意識しているのもポイントが高いです。
画用紙の中に適した大きさに配置して構成するのもとても基本的なことなのですが、この年ではなかなか難しいことですし、その中ではかなりできている方だと思います。(ただ課題はあります、改善の為にこれから頑張ろう)
 
そして最初からこの生徒に感じていたのは、頭を使って描いているなということ。アドバイスをしても納得できず疑問に思えばその場で聞いてくれるし、理屈も頭に入れながら描くことをしています。(わからないことがあったらわかった振りをせず、わかるまで聞いて欲しいのが教える側としての気持ちなので、助かります。)
画材の使い方や構成なんてできて当たり前のことかもしれないけれど、基本中の基本をしっかりと抑えてこその合格だったのでしょう!
一葉、おめでとう!    菅原

「ま、中学生でここまで描けりゃ、果てしなくバカか、万引きや窃ッチャで捕まらない限り、不合格にはできないわな。」 by小原先生

透明水彩でホオズキを描く

高井  透明水彩

どうもどうも岩田です。今回は高井さんの作品をご紹介致します。

透明水彩で描かれた作品ですが、このホオズキを如何に攻略するかというのは中々頭を使うものです。あのどことなくパリパリとしたオレンジ色の物体、どうように描いていこうか高井さんも色々と思案されたでしょう。

一口にオレンジ色と言っても、よく見ると結構複雑な色をしています。朱に近いような色、はたまた黄色や黄土色、更には緑がかったような色。自然のモノはホオズキ一つとっても人間が予想だにしない表情を見せてくれるものです。

透明水彩を使っての描き方も正直様々な描き方があると思いますがどちらかというとホオズキのようなカラッと乾いた印象のものは、絵の具を筆で置く時の思い切りが重要だと感じます。水っぽい絵の具を何回も重ねるというよりそのものの色を良く観察し、パレット上で作ったあとは思い切って紙の上に置いてあげましょう。その前に置いた色と馴染まないなあといって、水分を多く含んだ筆で何回も撫でつけているとどうしてもカラッというよりヌルッとなってきてしまうものです。

今回の高井さんの作品、ちょっと始めは絵具を置く時に躊躇している感じが見受けられました。その後私も少し手を入れさせて頂いたのですが途中からかなり思い切った色を載せて描いて行くことができました。もう一つのモチーフの陶製の容器はホオズキと比べるとツルッとした印象。やはりその思い切りが最終的にそれぞれの質感の違いを出すポイントとなったと感じます。

高井さん、これちょっとどうやって描けば良いの?そういったものをこれからもチャレンジして描いていってくださいね!

圧倒されます

菅原 油彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、菅原さんの久しぶりの油彩の作品です。前回の富士山も青色が美しく、シンプルながら存在感のある作品でした。今回の作品も、細かいところが潰れがちなブログの写真からでも描き込み量の多さと迫力が十分伝わってきます!

こちらプロのカメラマンが撮影した写真を元に制作されています。まず目に入ってくるのはやっぱり猿ですね。過去の色鉛筆の作品でも、細かな体毛の描き込みが大きな魅力でしたが、今回も逆光による体毛の表現が素晴らしいです。この猿は威嚇しているのではなく、ぽかぽか秋の日差しのあくびです。私達人間が圧倒されてしまうような風景でも、その中で生きている猿にとっては欠伸も出るほど日常の風景なのでしょう。そうした私達と動物達とのギャップも感じられて面白いですね。大きく空いた口の中の歯も、細い筆で一本一本数えられる位しっかり描かれています。細部まで隙のない完成度ですが、その猿にも負けない位背景もガッツリ仕上がっています!差し込む光の色のグラデーションがとても美しいです。木々の葉っぱも種類ごとに正確に描き分けられ、紅葉の赤色もメインの猿よりは控えめに、画面に彩りを与えてくれる色合いになっています。絵の雰囲気に合った絵の具作りがお上手です。風景の奥の奥まで魅入ってしまいます。

制作中、お猿を先に全部描いてしまうと、絶対後から背景が辛くなってしまうから、同時に進められるようにします!とおっしゃっていた動物が大好きな菅原さん。葉っぱに大変苦しまれていましたが、その分見所がいっぱいの素晴らしい作品に仕上がりました!

恵比須顔!

幼児クラス
今月は、幼児と小学生が同じカリキュラムでスタートしましたが、幼児クラスの作品が早々に完成しましたので、本日はそちらをご紹介します。新しい年のスタートにふさわしい縁起物として、熊手を制作しました。元々は、収穫祭として行われていた酉の市で、鶏を奉納するために訪れた人に向けて多くの露店が、農具として売られていた熊手を、「金運を集める」「福を掃き込む」と洒落を交えて売り始めました。そして七福神・おかめ・松竹梅・大判・小判などの飾りを付けるようになって、今の形になったのはご存知ですね。

縁起物の作り方や材料は、幼児と小学生とでは(鯛以外)違うので、後日小学生クラスの作品がアップされたら、それぞれをぜひ見比べていただきたいです。「おかめ」と「だるま」は、折り紙で作りました。額が広くて頬が丸く張り出た「おかめ」特徴も、簡単な折り方で幼児でもラクラク制作♪「おかめ」と「だるま」は、幼児バージョンの縁起物の中で一押しです。どちらも恵比須顔ですね~!!「鯛」「竹」「米俵」「花もち」「大判」も付けて豪華な熊手!みんなはどんな願いを込めて飾るのかな?(Eri Ito)

水彩の魔術師

秦野 透明水彩

お久しぶりです。水曜夜間クラスのアカリです。 2017年初っ端からスタッフ紹介ブログでワースト1位をとり、大恥をかいたスタートとなってしまいましたが、依頼された仕事は早く済ます!というのを今年の目標の1つとして、より一層努力し精進して参りますのでどうぞよろしくお願い致します。

今回は大人クラス秦野さんの水彩画の作品をご紹介致します。私は秦野さんの描かれる水彩画が大好きで、ファンの1人です!秦野さんは普段、ずっと教室の一番隅っこで熱心に取り組まれている方なので、実はこの猫の作品を描かれていた時、秦野さん自身が猫になってしまわれたのでは?と思いながら私は作品を拝見していました。笑
水彩画は、筆のタッチや水の量によって完成した時の出来栄えが大きく左右されるものだと思うのですが、作品を4枚並べてみると、鮮やかな色、淡い色、暗い色、濁った色…といったように、筆のタッチで変わる色合いがすべて平等に使いこなされており、秦野さんにしか出せない優しい色使いが出ているのが見て取れますね。

1枚目の作品は、ご自身でセットされた静物をモチーフとしています。対象物が画面上にびっしりと並んでいる中、物と物の空間が感じ取れるのは、巧妙に計算されたモチーフの組み立て方と画面の構図がビシッと押さえられているからだと思いました。
下の風景の作品は、実際に撮影された写真を見ながら描かれたものです。淡いオレンジの空に遠くの家々が溶け込んでいくようで、家々から夕食の匂いが漂ってくるような懐かしさと、ほっと安心させられるような作品に仕上がっています。
最後に猫の作品ですが、こちらはオレンジの作品を始めに描かれていたのですが、水彩画としての猫を更に探求するため、同じモチーフをまた違った雰囲気で描かれていました。同じモチーフを2枚も描かれるこのストイックさ!私も見習わないと‥
現在は静物を描かれている秦野さん。どんな描き方をされているのか目が離せません!次回の作品も楽しみにしています!

人物クロッキー募集

前回のクロッキー会の様子

アトリエでは第1土曜日に着衣の人物クロッキー会を行っています。
20分×5回(20分毎に5分休憩を挟む)のクロッキーで、今年最初のクロッキー会は女子高生にモデルをしてもらう予定です。
指導・講評はいたしませんが、アドバイスをご希望の方は、お申し出頂ければモデル休憩時間に拝見させて頂きます。人物画が初めての方には、始めのポーズ中にデモンストレーションもさせて頂きますのでお申出下さい。
美術を勉強中の学生や、外部の方でもご参加頂けますので、どうぞ多くの皆様のご参加お待ちしております!
日時   2月4日(土) 16:00~18:00 (入室は15分前より可能です。)
参加費 1500円 (ミオス生徒 1000円)
持ち物  スケッチブック、画材etc (イーゼル、画板、イスなどはご用意してあります。)
お申し込みはお電話でお願いします。   044-411-1600

バランス感覚

上野 「パリの街並み」 透明水彩 
 
どうも幸介です!本日ご紹介するのは大人クラスより上野さんの作品。展覧会にも出品されていた透明水彩ですね。僕は担当曜日の関係で上野さんにお会いすることはほぼ無いのですが、イベントごとなどで年に数回お話をする機会があります。そんな感じで、初めてお会いしてからかれこれ10年くらい、犬猿の仲です(仲の良いタイプの犬猿です)育った環境や考え方、もう色んな面が120%違いますので、作風も僕とは真逆ですね。そんな上野さんの落ち着いた印象の透明水彩です。
 
こちらはご自身で行って撮影した写真をモチーフに描かれたのでしょうか。綿密な街並みの描写に対し、滲みを活かして偶然性をはらんだ色使いの空模様のコントラストが気持ちいいですね!!重たい街並みと軽い空が相乗効果を生んでいる絵ですね。ちょうど画面の真ん中で2つに分断されているようなこの構図、本来なら単調になりがちですが、重たすぎる程描き込まれた街並みの描写により、バランスを保っていますね。細かく描きこんだ絵は、見る人に視界が狭いような印象を与えてしまいますが、これは空の軽さでカバー。バランス感覚の良い作品だなと思いました!!
 
普段上野さんに失礼なことを言ってしまう事が多いのですが、ブログでこれだけ良いところを見付けたということでプラマイゼロ、ということにしていただきたいのですがいかがでしょうか上野さん……ということで、次回作にも期待しております!!

構成し描くこと。

奥 油彩 左『春 うらら うらら』 右『うさぎいるよ』

岩田です。今回ご紹介するのは奥さんの油彩2点です。どちらもモチーフは一緒で瓶や果物などの静物です。奥さんの場合、その静物をただ写し取ろうというのではなく、対象から得たインスピレーションや他の作品から影響を受けた事象などを元に何かしらのニュアンスを加味するなどして、対象を再構成し作品に落とし込むというのが特徴です。足しげく様々な展覧会に行っては、ご自身が面白いと思う作品を写メで撮影し、日々研究しています。

今回の作品、どちらも逆光ぎみの光線を設定し画面を構成していますが右手の作品は光と影を軸に画面を作り上げた感じ。それに対して左手の方はグリッド線を多用し、かなり複雑な構成になりました。奥さん、画面に対峙する度に構成をそれまでの計画とは全く違った方向へ舵取りすることもあり、時としてどうにも収拾がつかない画面になってしまうこともあるのですが今回の作品は沢山の色を使ったにも拘わらず、おおよそまとまった作品になっているように感じます。

正直これだけの要素を使いながらも一枚の作品に帰結させるのは相当な集中力と経験、粘りが必要なはず。それと同時に崩してはバランスを取りといった行為をご自身が楽しんでいるというのが何よりも作品づくりに大切な事なのでしょう。「うさぎ」の存在もどのような意図があるかは定かでないですが何か凄く面白いです。

私としては、様々な構成を楽しむことも奥さんにとって良いことだと思いますが目の前にセットされた静物を良く観察し、描くことも大切な事だと感じています。そのもののかたちや質感、その場の空気感などを感じながら筆を動かしてみる、そうした行為も又新鮮なものでしょう。

 

二面性

出町 岩絵具・金箔

今回ご紹介させて頂くのは、日曜日クラスの出町さんの日本画の作品です。
本来のバラの薄い花びらよりも厚みがあるように見えますが、それがなんともいえない魅力になっていますね。可憐、儚いといったイメージよりも、簡単には手折らせてくれなさそうな強かさを感じます。遠目で見ても存在感のある力強い作品です。
写真だと分かりにくいですが、花びらの明るい部分が岩絵具の厚みでぷっくりしていて面白いのです。昨年ご紹介したボタンと比べてみるとまた雰囲気が違っていて面白いですね。出町さんの日本画の作品は、描かれたものも魅力的ですが、同時に岩絵具という素材も楽しめる作品だと思います。
更に私が面白いな、と思ったのは葉っぱです。花びらに比べて、立体感や書き込みはあまりありませんが、それによりより重厚な描き込みがされたバラが引き立ち、ちょうどよいバランスを保っています。ここでもし葉の方もビッチリ描かれていたら、少々息苦しい画面になっていたかもしれません。その分、色で魅せていますね。色の差で葉をかき分けているので、デザイン的でパッチワークのような面白さがありますね。

余談ですが、前回の出町さんの作品も私がご紹介させて頂きましたが、それが去年の2月というのにビックリしてしまいました。時の流れの速さをしみじみと感じてしまいました…大竹でした。