小学校受験準備

こちらの写真は、プレ小学校受験クラス年中の12月に行ったカリキュラム『油粘土で人間を作り、お友達と一緒にお相撲さんごっこをして遊びましょう。その後、粘土のモデルを見ながら絵を描きましょう。』というものです。
楽しいことには積極的に取り組むことが出来ますので、人と人の重なりを遊びながら理解する為に、このカリキュラムを組みました。小学校受験クラスでは、作った後にお友達と遊ぶことが出来る立体工作から発展して絵画に導くなど、様々な工夫を取り入れています。
遊び感覚で課題に取り組み、知らず知らずの内に技術を身に付け、想像したものを完成度の高い形に再現する力を育みます。
絵画・制作で必要な能力はすぐに身に付くものではありませんので、出来るだけ早い時期から対策を行いたいものです。
1月から始まった、新年長さん対象の『小学校受験クラス』は、火曜・金曜クラスのみ後1名の空きがございます。お電話でお問い合わせ下さいませ。

ブックデザイ(ンは書き忘れではありません)

木曜小学生・学生クラスのアシスタントの菅原です!今年もよろしくお願いします。
先日、是非お勧めな展示に行って参りましたので、その紹介をさせて頂きたいと思います!
大人のみなさん、「伝染(うつ)るんです」(吉田戦車)は知っていますか?
この作品を小原先生に聞いたら、学生時代に最もハマった漫画だと、ものすごく懐かしがっていましたが(笑)
知らなくても、絵本のミッフィーシリーズはご存知だと思います!
その装丁デザインをされている、祖父江慎さん(コズフィッシュ)の展覧会に行ってきました。
私は今までクリエイターの勉強をしておきながらこの方の名前も知らなかったのですが、もっと早く知っていれば…と後悔するほど、強い刺激になりました。
というのも、普段手に取っている本の常識が全てひっくり返されてしまったからなのです!

漫画のページをめくると、また同じページが現れて、あれ?乱丁かな?と思いきや、ページの割り振りは合っていて…。
何かと思えば、漫画のテーマに合わせ意図的に乱丁を施していました。
その他にも、本の背が微妙に足りていなくて紙の束が見えてしまっていたり、カバーと本体の規格が合わずどうにも端が揃わなかったり、しおりは強引に引っ張ってビロンビロンになってしまった風に加工されていたり…どれも本のヘンテコなテーマに沿ったちぐはぐなイメージを本自体にデザインし、それを精密に極めた作品なのです。
例えば、一見適当にカットしたかのように見えるカバー(本の本体は直方体ですがこのカバーは左右非対称の台形型なので本体の大きさと揃わない)は、添えられた指示書にカットする角度の指定まで徹底的にされていました。さらに、本の装丁だけでは物足らず、フォントも自分で編み出していました。
そんな数ミリ単位のこだわりが、目を引くデザインになり、自然と手に取ってしまう本に変わるのです。
プロの技とこだわりを肌で感じ、この依頼された印刷屋は緊張しっぱなしだろうなあと同情しつつ、祖父江氏を気に入り起用し続けるクリエイターが多い意味がわかりました。

自分、どうも詰めが甘い気がする…とお悩みの方は、一度行ってみることをお勧めします。詰めが甘いの反対、もうめちゃめちゃに詰め詰めの作品たちに出会えますよ!
一般300円、学生200円とかなりお手頃なのも魅力です。日比谷公園を散歩がてら、是非自分の目で職人の技を見てみてください。

祖父江慎+コズフィッシュ展 ブックデザイ
2016年1月23日(土)~3月23日(水) ※2月15日(月)展示替え 前期「cozf編」:1月23日(土)~2月14日(日) 後期「 ish編」:2月16日(火)~3月23日(水) 休館日:2月15日(月)、3月21日(月・祝)
会場 千代田区立日比谷図書文化館1階 特別展示室
開室時間 平日 10:00~20:00、土曜 10:00~19:00、日・祝 10:00~17:00
観覧料 一般300円、大学・高校生200円

雪だるま


親子クラスの作品紹介が久しぶりになってしまいましたが、今年も毎月2回(火曜日)の授業を行っております!
昨年末から参加者が増えてきて、今週の授業は定員一杯で賑やかな授業となりました。

先週は雪が降りましたね。思い切り雪遊びが出来るほどの積雪ではなかったけど、親子クラスのお子さん達にはちょうど良い位だったのでは?
雪で遊んだよというお話を聞きながら、雪をテーマに制作をスタートしました。
写真(上段)は、靴下の中にお米を入れてお手玉風な感触の雪だるまです。この雪だるまは、以前幼児クラスでも制作したことがありますが、2歳児親子でも簡単に作れるようにアレンジしてみました。
お母さんにサポートしてもらいながら、スプーンでお米をすくって靴下の中に入れます。繰り返しやることでだんだん要領得て、こぼさないように上手に入れられるようになってきました。何だかおままごとでもしているみたいな風景ですね。
靴下のつま先部分を雪だるまの上に載せるとちょうど帽子に変身です。さらに好きな布でマフラーや小物などおしゃれアイテムをつけてみました。

そして、欲張ってもう一つ!!(写真下段)
ステンシル用スポンジに絵の具をつけ、雪に見立ててスタンプ遊びをしました。たくさん絵の具をポンポン画用紙に押すと、雪が積もったような質感になり、どんどん楽しくなって、みんな危うく豪雪になりそうな勢いです。やっぱりスタンプや絵の具は楽しくて止まりませんね!何とか程よい積雪になったところでストップ~!!最後にクレヨンで顔を描いたら、愛らしい雪だるまになりました。良く見ると、ひとつだけマスクしている風邪気味の雪だるまがいます。探してみてね。(Eri Ito)

2月・3月の親子クラスの予定です。
ご都合の良い日を選んでご予約ができます。
2月9日(火)・23日(火)
3月8日(火)・22日(火)
時間 10:30~11:30
ご予約をお待ちしてます。(044-411-1600)

背景を魅せる


水曜朝 永瀬 油彩

幼児クラスで「先生なんで今日二つくくりなの?子供みたい!」と笑われてしまった磯辺です。そう言っていた本人が二つくくりだったので腑に落ちません!!
今日は水曜朝大人クラスの永瀬さんの作品です。ここ1年ほどは小さめのキャンバスに人物を描いた作品を制作されていたのですが、枚数がかなり溜まってきましたのでまとめてアップさせていただきます。下の段真ん中の作品は、なんと先週描き始めて今日「見本を忘れたので適当に描きました(笑)」とおっしゃりつつ完成した、できたてほやほやの最新作です。(ちなみに私はこの6枚の中では一番好きです)

写真では伝えられないのですが、永瀬さんの油絵はほぼ全部がキャンバスの側面までがっつりと色が塗られているという特徴があります。しかも、最終的な背景の色と違う色で塗られていることがほとんどなので、壁にかけたときに下や横から見ても楽しめるのです。また、その背景も特徴的で、最初の下地を小さめのナイフでコテコテとのせながら描かれた後、それが乾いてマチエールが出来たところに色をのせ、またナイフで削り取り…という作業が繰り返し行われていたりするので、離れて見た後思わず近くに寄ってじっくり見たくなるような、引き込まれるような、魅力的な背景に仕上がっております。本日完成の絵も、下地のピンクが所々ちらっと見えていいアクセントになっていますね。
そして色のチョイスも絵の雰囲気に見事にマッチしています。
よく永瀬さんは「形が正確にとれないので…」とおっしゃるのですが、ここまで雰囲気の一貫性と背景、色彩のセンスがあれば、正直私は人物の形が正確に取れなくても全然問題ないと思います。むしろきちっとし過ぎていないからこそ、温かみを感じるのではないかとさえ。

小さめのキャンバスで制作されているため、ほぼ毎日アトリエの壁の方にかかっていますので、是非実物でマチエールの面白さや実際の色を見てみていただければと思います!

my roomにはイーゼルを

左 田中  右 小原

先週月曜日のブログでご紹介しました『小学生クラス2月の課題・夢のマイルーム』続きです。
先週田中先生は、小物を作っただけで時間切れ、部屋自体は間に合わず、とりあえずお菓子の空き箱に入れて撮影しましたが、翌日小さな段ボールに『マンホールの蓋を空けると下水道に繋がった秘密の隠れ家がある』設定で外観を作って来ました!世界観がひねくれていて敵いません。この手の工作は悔しいですが、負けたことしかありません。
さて、そんな水面下のバトルは置いておいて、今回はイーゼルだけは皆に作ってもらう事にしました。自分の部屋にイーゼルがあるなんて、ちょっと憧れちゃうでしょう?
また参考資料として、南澤先生が沢山のお洒落な建築雑誌を持って来てくれています。
ちょっと卑怯ですが、玩具の小物も、少しなら入れて構いません。(田中先生はおもちゃのスケボー、私はドールハウス用のガラスビンを使用)どんなお部屋になるか、楽しみですね!

学生達もすでに「次はこれ作りたい!」と騒ぎはじめているので、モデルハウスが教室中てんこ盛りになりそうです!

おせちと油彩


久保田 左/油彩 右/クリスマス会お菓子工作

どうも幸介です!本日は大人クラスより久保田さんの作品をご紹介いたします!今回ご紹介する作品は、アトリエでの初油彩作品と昨年末のクリスマス会での作品です。

油彩の静物画ですが、印象派のような鮮やかで幅の広い色彩使いが美しいですね!原色のような鮮やかな色も多用し、一見フワフワした印象の今作。しかし、色の滲みやグレイッシュな混色を配置することによって、鮮やか過ぎず地に足の着いた画面となっております。ど真ん中に鎮座するネズミとトマトの、うっすらシュールな世界観も良いですね。暖かな中にも少し影のある、魅力的な作品です。

そして右のクリスマス会の工作「お菓子のおせち」ですが、こちらはさすがの高クオリティ。完璧ですね!ぐうの音も出ません。僕は料理はからっきし、それこそアトリエのクリスマス会ぐらいでしか作りませんので、もはやこのレベルだと僕がコメントできることは無いですね…

ロールケーキのだし巻き卵!!ホワイトチョコ的なお菓子と都昆布を、昆布巻きに!!パンに食紅を塗って、形も形成しながら焼いて海老にみたて、マシュマロとアイシングで紅白かまぼこ、コーンポタージュのお菓子はそのまま栗きんとん!!!見た目の再現率はんぱないっすね。こういうちょっとヒネったというか、ジョークチックな作品、好きです。ほぼ毎日お菓子を夕食にして生きているのに、お菓子でおせちっぽくなるなんて考えたこともなかった…おみそれしました!!そして美味しそう!

毎年毎年クリスマス会のネタ(幼児&小学生用の課題)で悩んでいますが、次からは久保田さんに助言してもらえばもう悩まずに済みそう!なんて思いました!!

田中幸介

表現のバリエーション


中野 『コッツウオール(スワンホテル)』 P30号 油彩

どうも岩田です。本日はチケットでいらっしゃている中野さんの作品をご紹介致します!

こちらの油彩、イギリスのコッツウォールという丘陵地に広がる村にあるスワンホテルをチーフを描かれたものです。
こちらのコッツウォール、とても古い町並みが今でも残っている地域で石造りの建物が有名らしいです。中野さんの油彩を見てもなんとなくそういった風景が想像できるでしょう。スワンホテルもやはり石作りの屋根を有し、壁にはツタがびっしりと茂っています。
まさに絵を描くにはもってこいのシチュエーションといえますね。

中野さんは良くこうした外国の水辺の古い建物や町並みを描かれますが色がとても美しいですね。
木々の葉っぱの色などもそうですが筆の運び方が上手いなあと感じます。葉っぱをほとんど細かいタッチを使わずむしろ大きいストライドで描くことで木全体のボリュームを感じさせてくれるのです。

又水面の描き方も良いですね。水平面を意識して出来るだけ筆を水平に動かしながら映り込んだ風景の色を置いています。こうした表現のバリエーションの広がりが建物、木、川それぞれの印象を変え一枚の絵を面白く見せているのです。
脇役の風景との関わりでホテル自体の表現がやや抑えられていますがもう一歩突っ込んで屋根の質感を感じさせる位描いても良かったかもしれませんね。

今回中野さんはこちらの油彩と同じ構図で描いたP30号の水彩が松濤美術館公募展に入選されました。おめでとうございます!皆さんお時間がございましたら是非足を運んでくださいね。宜しくお願い致します。

●松濤美術館公募展

 2016年2月14日(日)~2月28日(日)
 午前9時~午後5時(入場は4時30分)※最終日は公募展会場のみ4時閉館
 休館日2月15日(月)、22日(月)
 入館無料 
 松濤美術館ホームページ

下剋上で


小学生クラス 観察画 クレヨン・色画用紙

オバラです。クレヨン画、まだ続いちゃいますよぉ!
この課題、あえて学年など載せていませんが、それには理由があります。低学年がパワーやまぐれではなく、技術で高学年を追い抜く事がままあるからなのです。
クレヨンを使用している事もその要因を作る一つで、幼稚園時代にさんざん使っていた画材は、当然ブランクが短い方が上手に使いこなせます。「この色を先に塗らないと、汚くなっちゃうからねぇー。」などの呟きは、経験を覚えていればこそ。
昨日の幼児クラスのブログでも出ましたが、園児たちが小学生を抜くのも、夢ではないのであります。


来週は、小学生が学生(大人)を抜いた作品をご紹介しますので、皆様首を洗ってお待ち下さいませ!

幼児の混色テクニック Part2


観察画の作品紹介が続いていますが、今日は幼稚園児が描いた作品です。
先週描いた野菜果物のクレヨン画がとても良かったので、養われた観察眼と混色のテクニックの向上を図って、今週もモチーフを変えて制作しました。
2回目の制作という訳で描き方はもう分かっているので、先生への質問はほとんどなし。
質問どころか、「ねぇ、しょうがくせいみたいに じょうずでしょ!」と自信満々な声があちこちで聞こえ、頼もしい限りです。
実は、お絵描きする前に「みんなが描いた絵は、上手だからホームページにのせているんだよ。世界中の人達が見て褒めてくれているんだよ~!」と絶賛したので、もっと上手に描きたいという気持ちがより高まって、今週の作品は気合いが入ってますね!
クレヨンの色の混ぜ方も手慣れてきて、野菜果物の新鮮さに深みのある色も出せるようになってきました。
幼児クラスは、毎回制作した日に作品を持ち帰るのでアトリエに保管しないのですが、預かれば良かった・・・。
小学生クラスの生徒にも「幼稚園生やるでしょっ!」って作品を見せたかったなぁ~(Eri Ito)

化学反応


水曜朝 高橋 油彩

月曜日は急な積雪による電車のダイヤの乱れに全力で巻き込まれました磯辺です。
本日紹介させて頂くのは水曜朝大人クラスの高橋さんの油絵です。
大人クラスの皆様は最初のデッサン期間の頃、よく耳にしたであろう小原先生のお言葉「画面のど真ん中にモチーフを入れると安定し過ぎた構図になるので、避けた方がいいです。」を覚えていらっしゃいますでしょうか?
それを、「高橋さんなら大丈夫なのでど真ん中でいっちゃいましょう!」と私が無茶振りをして描かれたのがこちらの油絵です。(笑)

結論から言いますと、全く無茶ではなかったですね!むしろ真ん中に木があるからこそ、魅力的な絵に仕上がっていると思います。
注目すべき点はまず、奥の方ほど単色でさらっとしたタッチで手前の方ほど彩り豊かに細かく描かれているところです。特に一番手前のシダは相当丁寧に描き込まれていますね。これによって画面のメリハリがつき、奥行き感が表現しやすくなっています。
そして右の真ん中の方にある丘とひょっこりとでている雲が、いい味を出していますね。この二つがなければなんとなくつまらない絵になっていたかもしれません。特に入れるように指定したわけでもないので、ここも高橋さんのセンスが見えます。なにかこう…私の、高橋さんの絵の好きなポイントというのは「ここがこうなっててこういう効果を生んでいるからこういう風にいいんです」というような説明が最後までかっちりできないところにあるような気がします(笑)ただ、引き込まれるというのか、一応ブログなので出来るだけ言語化したいとは思うのですが、強いていうなら、「色々な要素、バランスによって絵に化学反応が起きています」といったところでしょうか…!

高橋さん、是非次回作からは完成後にブログ用の作品プレゼンを聞かせていただけたらと思いますので、宜しくお願いします!!