ぶどう狩り日和

みなさま、シルバーウィークはいかがお過ごしでしたでしょうか。私は映画を2本ほど見てきました、磯辺です。私の操作ミスでブログのアップが遅くなってしまい、大変失礼いたしました。以下、昨日アップ予定だった内容になります。
もうお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、私が幼児クラスのブログを書く日は、その日のカリキュラムは私が考案しているのです!(えっへん)
伊藤先生の良き相方となれるよう、日々精進しております。

今回は共同制作で大きなぶどう園の絵を制作しました。このぶどう、絵の具とクレヨンで描かれているのですが、実は筆を全く使わずに描かれているのです!まず初めにフェイクフルーツのぶどうを見せつつ、重なりについて説明。その後、ステンシル用のスポンジで一粒一粒ぶどうをぽんぽんと描いていきます。この時、絵の具も紫一色ではなく、赤と青の割合を変えて作ったいろんな紫を使いました。うーん、みんな想像よりもずっと美味しそうなぶどうを描きますね。ちゃんと密度と立体感が出ています。ある程度房が描けたら次に、黄緑の絵の具を手のひらにつけて葉っぱをぺたぺた描いていきます。葉っぱの向きにも注意しながら慎重に。手の大きさもちょうどいい感じです。その後、別の画用紙にぶどう狩りをしている自分の絵を描いて、貼り付けて、終わった人からツタや枝を描き足していけば完成です。文章にしてみるとなんだか結構たくさんの工程がありますね。

完成した絵はみんなで持って、はいチーズ!この作品、しばらくはアトリエの階段に展示しているので、よかったら見て行って下さいね。

編み物?


なんとアトリエ・ミオス始まって以来初の編み物カリキュラム!
今まで裁縫や刺繍、革細工は何度もやっておりますが、編み物だけは小学生クラスでやった事がなかった理由は、単に私オバラが編み物をした事がないから。単純作業の繰り返しで最後までいかないと結果が出ないのが苦痛でして…。(器用な方なので、苦手ではないのですが…)
岡本太郎の『なんだこれは?作品展』への出品締切が先週でしたので、中途半端に9月のラスト1週間空いてしまった為、何をしようか田中先生に相談したところ、「今年のハロウィン『ボールペンでタトゥーもどきボディペインティング』にあわせて何か仮装できるものを作りましょう。でも1回で完成させるとなると、ミサンガや指編み位ですかね? Hippieっぽく、頭に巻くものを作るとか?」となり、編み物の得意な磯辺先生に、牛乳パックやティッシュの空き箱を使った簡単な筒編みを教えてもらったのでした。
タトゥーから→ヒッピーとなり、なんだかそんな情報を子どもに与えるのもどうかと思いましたが、説明もそこそこに編み物週間となりました。(ちなみに『ヒッピー』の説明は、「伝統・制度などの既成の価値観に縛られた人間生活を否定することを信条とした人々。」じゃあなぁ、分かりにくいなぁ、と思っていたところ、南澤先生がいとも簡単に「つまり俺みたいな人間ね♪もうね、アトリエに来る時はこれでも精一杯ヒッピーに見えないように努力してるんだから!インドのグッズも全部処分したし!」「あぁ、変な人って事か!つまり変な格好の物を作るのね?」と、生徒達を一言で納得させていました。)
数人のオバラタイプ(絵やオリジナリティの出せる工作は上手いけど、単純作業は嫌いな)子のため息は若干聞こえてきましたが、ほとんどが夢中!「もっと長く編みたい!」「毛糸の色を変えて作りたい!」など、例え失敗してほどけてしまっても、何度もやり直して作っていました。
編み方の雑な子や途中で編目が飛んでいる子も多いのですぐ壊れたりほどけたりしそうではありますが、自慢気に見せびらかし装着して帰る様子は、モノ作りの喜びや達成感が感じられたのだと思います。
みんな意外と根気があるなと感動。こんな授業もいいものだと、改めて思いました。

これでもう女の子は、好きな男子ができてもマフラー作りは完璧ですし、男子はモテずに手編マフラーもらえなくても、自分で作ってカモフラージュできるから安心です!(お母さんに編んでもらったのを彼女作と偽る以上に虚しいチート技?)
遠くない未来に感謝される日が来るに違いないとほくそ笑むオバラでした!

学生クラスの日本画


学生クラス 日本画
上段左から:ちひろ(高1) 実希(高1) 織人(高1) 実織(中3)
下段左から:由紀(中2) 夏海(中1) 旭(高2) 萌恵(中2)

どうも幸介です!本日は学生クラスの日本画をまとめてご紹介いたします!学生クラスと言っても、それぞれ火曜日だったり木曜日だったり日曜日だったりでバラバラ。彼らがひとまとめに同じ時間に通っている訳ではないのですが、小学校から通っていたり長く続けている生徒も多いので、もはや講師達とは顔なじみ以上の関係。なんだかこう上記の(高1)みたいな学年を書きいれていると、「こんなに大きくなってたのか!?」なんて思ってしまいます。では、それぞれ作者の人となりや近況なども合わせて講評していきたいと思います。

ちひろ(高1):けっして多くは語らない彼女ですが、とても意志はハッキリとしております。僕の悪ふざけにも、「私はけっこうです」と、ズバッと切り返し、決して乗ってきてはくれません。毎週のようにチャチャを入れてる僕ですが、いつか彼女が僕の冗談に付き合ってくれる日は来るのでしょうか。それはそうと、今作の薄く透き通るような色合いは涼しげで、どこか儚く美しいですね。色面のバランスにセンスを感じます。

実希(高1):かつては小学生クラスの課題でも「めんどい」「終わりでいいじゃん」と、わりと大雑把なアプローチで作品を作っていた彼女。ずっと僕は「雑で、きっと部屋も汚いのかな」なんて思ってましたが、最近は「美術大学に進学したい」とメキメキと力量を上げております。美術のテスト前日に、夜中までスマホを通してデッサン練習に付き合ったりもしました。このまま精進していけば、美大にも確実に届くと思います。今作は、少々昔の大雑把な癖が出たのでしょうか。細部に「もう終わりでいいじゃん」という気持ちの表れが見て取れます。でもこの雑さも、彼女の魅力の一つかも。

織人(高1):とてもしっかりしていて落ち着いているようで、いや落ち着いてはいるのだけれども、毎週のようにイスや雑巾など、何かしら片づけ忘れている彼。ちゃんと片づけたと思ったら、月謝袋を忘れてたり。どこか抜けてます。彼は服装がカッチリしすぎていて女子ウケしなさそうなので(余計なお世話ですが)、今風の着こなしを教えようとしているのですが、なかなか僕のコーディネートを受け入れてくれません。ぜったいに俺の服のコーディネートは間違ってないと思うんだけどなぁ。ちなみに日本画は、なんだか油彩のようで力強い作品ですね!

実織(中3):こちらも小学生からアトリエに通っております彼女。高校受験という、難しい時期に差し掛かっています。誰のアドバイスが、どんなふうに彼女の頭の中に届いているのかはわかりませんが、こんな時期だもの!考える事多くて疲れちゃうよね!!分かるよ!アトリエでは筆も遅い訳でもなく、着実に描いてはおりますが、最近はちょっと大雑把さも出ております。悩みや苦しみがなければ絵は描けませんので、きっと今は過渡期として必要な状態なのでしょう。今作は水面に映る花びらやその薄さ、美しいと思います!

由紀(中2):女子の中でも、わりと僕に近い感覚を持っているなぁと思わされる彼女。ここ最近、アトリエで話しするのもゲームやアニメや、あとは描いた絵でふざけたりとかそんなんばっかだなぁ。先生、絵、教えてないよね?でも絵以外にも話すこと多すぎるから仕方ないよね!!しかも絵とか作品も一応作っているから、問題はないと思います。今回の日本画は、ど真ん中に花を配置し、葉っぱの入り方もわりと馬鹿正直。でもそこが良い。こういう絵、好きです!

夏海(中1):中1にして、上記女子生徒達よりもよっぽど大人っぽい雰囲気をかもし出している彼女。私服も、H&MってよりZARA的な感じで、女子の進化の速さに驚かされます。言動も大人びています。ちょっと気だるい感じ。去年までランドセル背負ってたのがウソのようです。そういえばこの前、あまりにも大人っぽいから「好きな人とか彼氏とかはいんの?」と聞いたところ、「いや気になる人はいるけど」と写真を見せてもらうことに。写った男子は、もうほんとにただのそこら辺の公園で走り回ってそうな男子で、「あ、やっぱ大人っぽく見えてもこの子はまだ中1の社会で生きてるんだ」とホッとしました。こんな話ブログに書いたら怒られそー!!

旭(高2):受験、将来、自分、友人、恋愛、家族。もうすべてに悩まずにはいられないお年頃の彼。文化祭にテストにと話を聞いていると、まるで自分も当事者で高校生に戻ったよう。僕は夕飯をひとりで食べるのが寂しいので、カレー屋にラーメン屋にと彼に付き合ってもらっています。いつからか、頼られていたのが頼ることもあるようになりました。ちょっとずつ関係も対等に近付いてきたのでしょうか。ちなみに服装のコーディネートは、僕の案を採用してもらっています。靴も財布も一緒に買い物に行って選びました…って、いったいどんな関係だよっていう(笑

萌恵(中2):やる時はやるし、友達とも楽しめる。理想的な育ち方をしたといっても過言ではないでしょう。小学生の頃はすごく優しくて、優し過ぎて心配しておりました。自分を犠牲にするようになってしまうのではないかと。しかしそんな心配はご無用。大きなお世話ですね。今アトリエではメチャクチャ細かい切り絵を、一心不乱に切り抜いております。わき目も振らずに。昔「アトリエで描いた油彩を部屋に飾ったよ」と写真をわざわざ見せてくれたこともありました。あの時の優しさはどこへやら、先生のアドバイスなんて不要よ!ストイックに切り込んでいます。日本画のモチーフ描かれたオランダカイウのピンとまっすぐ伸びた様を見て下さい。彼女はまっすぐ育っています。

ということで、あとで彼らに怒られそうな内容うけあいですが、アトリエでの授業は皆きちんとやっていますので、親御様もどうぞご安心下さい!
田中幸介

基本を押さえてる!


左 中鉢 / 中央・右 江田   鉛筆デッサン

岩田です!やって来ました。今週は土曜クラスの中鉢さん、江田さんのデッサンをご紹介致します。
お二人ともアトリエにはほぼ同時に入られて、皆さんと同じくデッサンからということでスタートしたんですが何かもう描けるじゃん!て感じで。基本的なデッサンで押さえるべきところをしっかり押さえているんですね。
私と比べてみてもしょうがないですが思い出してみれば自分なんて瓶などの形がまともに取れるようになったのはデッサンを始めてから何十枚も描いてからだったよなあと・・・。

こうなると私としても性格上もっとハイレベルなモチーフを描いたのを見てみたいと思ってしまい、まだデッサン数枚ですが江田さんは大きい牛骨を描いていらっしゃいます。最初は画用紙も木炭紙大になったこともあって部分的になってはいましたが時間を追うごとに全体感が整ってきたのには流石というしかありません。

ここまで描くことが出来ればお二人には人物モチーフといった、更に複雑なモチーフにもチャレンジして頂きたいものです。又、油彩、水彩といった色を使った表現などその幅を広げていって欲しいですね。これからの展開が楽しみなお二人です!

人物画を練習しませんか?


前回のクロッキー会の様子

人物クロッキー会のお誘いです。
アトリエでは第1土曜日に着衣の人物クロッキー会を行っています。
今回は女子中学生をモデルに、20分×5ポーズ(ポーズとポーズの間に5分休憩を挟む)のクロッキーです。5回ポーズを変えていく予定ですので、早描きの練習にどうぞ。指導・講評はいたしません。ご自由にお描き下さい。アドバイスをご希望の方は、お申し出頂ければモデル休憩時間に拝見させて頂きます。
美術を勉強中の学生や、外部の方でもご参加頂けますので、どうぞ多くの皆様のご参加お待ちしております!

日時   10月3日(土) 16:00~18:00 (入室は15分前より可能です。)
参加費 1500円 (ミオス生徒 1000円)
持ち物  スケッチブック、画材etc (イーゼル、画板、イスなどはご用意してあります。)
お申し込みはお電話でお願いします。   044-411-1600
2015年の予定は来月11月7日で最後となります。

ダンボールで大作!


今日はシルバーウィーク明けの久しぶりの授業でしたが、皆様お休みの間はいかがお過ごしでしたか?(私は、10年振り位に山登りしました!)
さて、今日の写真は親子クラスの授業風景です。9月は参加者が少なく、この日は1組だったのですが、大作ですよ!!
ダンボールでこどもの体より大きなものを作りたいなと、たくさん材料を用意しました。参加してくれた男の子は、とにかく電車が大好き。いつもアトリエに来るときは、洋服も靴も靴下もオール電車でコーディネートしています。当然作るのは電車だなと思っていたところ、数日前に江ノ電に乗ってきたばかりと言う話を聞き、この日の制作テーマは『江ノ電』に即決!
まずは、先生と一緒にダンボールを重ねて運転車両を作りました。江ノ電の車体の色は、絵の具の青と黄色を使って、微妙なレトロな感じのグリーンを出すまで、少しずつ混ぜていきます。
運転席には、運転レバーを作ったり、ボタン、メーターなどをクレヨンで描いたり、細かいアイテムを加えていくと、テンションが上がってきて、完成が待ちきれず遊びたくて仕方がない様子です。運転手の帽子は、私からのプレゼント。帽子を被って「しゅっぱ~つ!しんこう!」となりきってますね!
こんなに大きな電車が出来たけど、さすがに持ち帰ることが出来ず作者は相当残念がっていましたが、こういう制作はきっといつまでも心に残りますね。
伊藤 絵里

バイオリンできました!


ボンジュ-ル!元ミオス学生クラス、現在イタリアのバイオリン製作学校に留学しているエリナです!日本にお忍びで帰国してます!今回は札幌まで出来上がったバイオリンを売りに行ってきました!
というのも、普段は学生なので、外で働くことができません。この2年で貯金もつき、これからは外で仕事をもらわなければ、生活できません。
でも私は頑固で意地もあり、なんとしても自分のラベルのついた楽器を売ったお金で生活したいので、コンクールに出て入賞でもしないと。。。想像以上に厳しい世界です!
というわけで、コンクールに参加する事に決めました。そのために作り始めたのが、この楽器です。
残念ながらコンクールには間に合わず、楽器は会場に並びませんでした。
ですが、偶然イタリアの楽器屋で知り合った日本人の方に「あなたの楽器を買う」と言っていただき、今回日本に届けることになったのでした。
通常クレモナで学生の楽器を売ると、1000ユーロ~2000ユーロぐらいでしょうか。
その方に「自分で自分の楽器の値段を付けなさい」と言われ、すごく悩みましたが、自分でもかなり器用な方だと自負もあり、新人にしてはそこそこいい値段で買ってもらう事ができました。
初めてのお客様の期待に応える為にも、来年のコンクールに楽器を出して入賞することが、今の目標です!頑張ります!

なんだ、これは! ようじの巻


先日のブログで、岡本太郎美術館主催の展覧会に応募する為の小学生クラスの作品が紹介されましたが、幼児・親子クラスでも同じく『なんだ、これは!』というテーマで制作しました。
普段のお絵描きでは、あまり空想・想像画を描くことが少ないので、どのような展開になるか楽しみな課題でした。とはいっても、意外性のある現実離れしたような想像の世界をイメージすることが苦手な子も多いので、「自由に描いてね」という描き出しは、幼児は取っ掛かりが難しい・・・。なかなかリアルな事柄から飛び出せない子も多いので、『なんだ、これは!』と思わず言いたくなるような作戦(仕掛け)を2種類用意して描き始めました。

一つ目は、くじ合体作戦!
星、半円、四角などの図形が描いてあるくじと、生き物、乗り物、人物などの絵が描いてあるくじをそれぞれ1枚ずつ引いて、2つのくじに描かれたものを合体させた絵とその情景を描くというもの。
二つ目は、開けてびっくり版画作戦!
ダンボールの内側の波型やプチプチ梱包材の丸い凹凸に絵の具を付けて他の紙に写し取り、できた版画の模様から何かストーリーを考えるというもの。
どちらの作品も非現実的な絵となり、そこからの発想はどんどん膨らんでいきました。私達が思わず「なんだ、これは!」と言ってしまうストーリー展開になってなかなか面白いです!
今年はアトリエの展覧会はない年ですが、外部での発表の場がもてたので、会場で作品を見るのが楽しみですね!!
伊藤 絵里

自分に合った描き方で


水曜朝大人クラス 佐藤T 油彩

段々と風が秋の匂いになってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。磯辺です。
今回紹介させていただくのは、水曜朝大人クラスの佐藤さんの描かれた、桜の絵です。

どっしりとした幹から伸びる無数の枝、その先についた鮮やかな色のたくさんの花たち…とても大きな、長く生きている桜の木に見えますね。花も、手前と奥が描き分けられていて、しっかりと奥行きが出ております。そして何よりもこの作品から溢れ出る、「勢い」がいいですね。木がとても楽しそうに描かれていて、桜なのに花が散るのに2ヶ月くらいかかりそうな雰囲気が漂っています(笑)

ここで質問です、油絵を描かれているみなさん、ペインティングナイフって使ってますか?
長く油絵を描いているけど使ったことがない、という方が意外と多いのです。
この桜の絵、実はほとんどがナイフで描かれていて、その他の部分は太い筆で描かれているんです。細かな花の表現も、細い筆ではなく、ナイフの先端だけに絵の具をつけて。
なぜナイフにこだわった描き方をするのか、佐藤さんの言葉をお借りすると、「自分に合っている」からです。この作品で初めてナイフを使ったそうなのですが、筆で描くよりも大胆に勢いよくたくさん描け、とても楽しかった、とおっしゃっていました。

私はこの、「自分に合っている」方法をみなさんそれぞれに見つけていただきたいと思っています。それは例えば、「太い筆でさらっと描く」かもしれないし、「細い筆を序盤から使い続ける」かもしれないし、それこそ「ナイフで大胆に」かもしれません。それが見つかるとぐっと絵が変わる感じを体験できると思いますので、まだ見つかってない方は、色んな描き方を試してみてはいかがでしょうか!