初めての油彩画

左 原 / 右 鈴木

土曜・大人クラスの京谷です。
今回は、輝ける油彩画第一作目を完成されたお二方、水曜夜間クラスの原さんと鈴木さんの作品をご紹介したいと思います。
小原先生より、確かに初めて油絵の具で制作・・・と伺っていたのですが、お二人とも堂々たる仕上がりです。構図については、今までデッサンなどで鍛えていらっしゃったとお察しいたします。とても安定感のあるモチーフの配置ですね。

原さんの作品の画面下方、ストライプのテーブルクロス部分をやや多めにとって、前景がゆったりとした構図。赤いホーローポットがしっかりと、また表情豊かなタッチで描かれています。モチーフそれぞれの質感をとらえて描き分けるのは油彩だけではなくて、どんな画材でも難しいことですが、洋梨の微妙な肌の色や小さなガラスの花瓶の透明感のあるブルーなどなど、一作目とは思えない描写です。

かわって鈴木さんの作品。やはり三角形の構図なのですが、ここでの主役は花瓶に生けられた大輪の花々。画面からはみ出さんばかりの勢いです。拝見している側に、あふれんばかりの生命力を感じさせてくれます。花弁のひとひらひとひらを丁寧に追いかけて描いていらっしゃいます。チェックのテーブルクロスもですが、その下のテーブルの存在をしっかりととらえていらっしゃるところ、素晴らしいです。

油彩絵の具の本来もっている特徴あるいは魅力として、重厚な絵はだがあげられますが、私はむしろゆっくりと熟成されていく色彩の輝きや艶のような、ちょっと化学反応的な部分にも惹かれます。市販の油彩用画材も、最近では本当にバリエーションに富み、溶き油から各種メディウム、筆洗油に至るまで、沢山の選択肢があります。「環境に優しい」をうたい文句にしているメーカーもありますね。そのどれもが、作者の目指す色彩や絵はだや(ある意味)ポリシーやコンセプトみたいなものを実現するための材料です。色々な画材を是非使って試してみてください。実験のようで、きっと描く事に、また新たな楽しみを感じていただけるかもしれません。

すでに次の作品の構想で頭が一杯だという原さんと鈴木さん、お二方のこの静物画には、すでにそれぞれの個性があります。油彩画はそういうところがすぐに出るので、本当に不思議です。まだご経験のないかたも、是非是非奥の深い油彩画に挑戦してみてください。

原さん、鈴木さん、次回作がとても待ち遠しいです!

簡単に信用するな

 東京新聞
オバラです。先々週、新聞に私のインタビュー記事が小さく載りました。アトリエのHPから取材に結びついたようです。何人かの生徒さんから「見ましたよー!」と言われましたが、実家に画材を取りに行った時に会った両親に「新聞に載った」と告げると父は「なにー!?お前は何やってんだ!」、母は「えぇ、まさか!?やめてよ!」と、全く信用のない言葉をもらいました。年老いた親にいまだに心配を掛ける自分…。

話は変りますが先日、5年生男子の会話が面白かったのでご紹介。「先生何歳?」「よんじゅーご」「結婚してる?」「えーっと、その質問をする意味が非常に知りたいんだけど…」と言うと、隣の親友が「こいつ最近、独身女性への興味が半端ないんだよ!」「あ、それを言うなよー!」と取っ組み合いが始まりました。そばでニヤニヤしながら様子を見ていた6年生女子に「あいつ今10歳だから、9歳までは人妻に興味があったってことだよね?そして、独身であれば年齢は関係ないんだね!」と深読みを耳打ちし、二人で爆笑しました。
だいたい4年生までは、親や教師に言われたことを素直に受け入れます。5年生あたりから反抗期が始まり、言うことをあまり聞かなくなります。そうして、社会や友達の影響を受けながら、自分の意思をもって決断ができるようになっていくのが正常な成長の過程だと思います。親や教師の言うことが、自分と全く同じ考えだったとしても「げー!こんな汚い大人と同じ考えだったなんて、正論だとしてもムカつくから、もういっそ自分の考えを変える!」くらいへそ曲がりで上等です。反抗期がないと、親の言う事を聞かないのはかわいそうだと信じ、大人になっても何の疑いもなく親の管理下にいて、自分の判断基準がない人間になります。安心を保証されたことだけを選ぶようになり、自分の考えで行動する経験値が低い為、騙されやすい傾向があります。
反抗期がない素直な子は心配なので、私は物凄く酷い意地悪や、残酷な悪口や嘘をつくようにしています。「先生はいつも清く正しいなんてあり得ない。こんないい加減な大人の事を自分の考えも無しに信用したらどうなるか、目にもの見せてやるわ!騙されるのは想像力が足りないんだ!グハハハハ-!」です。生徒が強くなるなら悪にでもなります。失敗しても傷付いてもいいから、自分で確かめる経験を沢山させたい。いざという時、自分が頼りになるように。自分で責任を取れるように。
学生達へ
親や先生には心配掛けさせてナンボだ。反抗は遠慮なくしてくれ。その代り新聞に載るような犯行は控えめにして欲しい。でも、やっちゃった時の柄受けは任せなさい!(なんか話が逸れて来たのでこの辺で…)

ぎょうれつ ぎょうれつ 街づくり


親子クラス

本日は、久しぶりのご紹介となる親子クラスの授業風景です。
ただでさえ2・3歳児にとって大きな紙である模造紙ですが、それを何枚も並べて繋げて、さらに大きな1枚の紙にできるかなという制作から始まりました。
紙と紙を並べる(繋げる)イメージ作りを小さい子にも分かり易いように、導入として読んだのが絵本『ぎょうれつ ぎょうれつ』。
この絵本は、主人公であるこどもが、こども部屋からお母さんがいるキッチンまでの距離を積木やおもちゃなど床にどんどん並べて道を作ってたどり着くというお話です。ストーリーの中に度々出てくる「ぎょうれつ ぎょうれつ」という単語が耳に残り、制作中もその言葉を言いながら繋げていくことができました。

教室内いっぱいに広がった白い大きな紙。
この日は、紙の上にのってもOK!
ローラー絵の具を持ってコロコロ転がしながら、紙の上をお散歩していくと、赤や青の線路と道があちこちで交差して、何だか賑やかな街になってきます。最初は、お友達が作った線路とぶつからないように進んでいたところ、どんどん楽しくなってしまい、街中線路だらけ。これでは家が建たないよね~ということで、小さな空き地や道の上に動物やキャラクターをお母さん達が描いてくれました。

街が出来たところで、今度は電車作りです。
電車制作で出来るようになってほしいことは、材料を自分で選ぶこと、色画用紙を糊で貼ること。
予めカットされた色画用紙から、好きな形や色を選んでどのように貼るか、お母さんの手を借りずに子ども自身がやってみる。
毎回制作過程の中で、この部分は一人でできるかな?というところ、ここはお母さんと一緒にやってほしいなと、意図してそんな場面も作っています。
親子で向き合って過ごす時間に、基本のところはしっかり身につけてほしいなと思います。

伊藤 絵里

あめあめふれふれ

5月も最後の週ということで、
本日の幼児クラスの授業はズバリ!「my傘作り」です!
おやこかたつむりの傘、をテーマに制作していきました。
ひたすらに「つるつるな素材×油性ペン」な今日の幼児クラス。

まず、無色透明のビニール傘に油性ペンでおやかたつむりを描き、さらに虹やお花など、各々が好きなものを描いていきます。
正直、ビニール傘にペンで絵を描くのは、紙にクレヨンで絵を描くよりもはるかに描きづらかったと思うのですが、そんな心配をよそに黙々と絵を描く子供たち。
一人一人のオリジナル性が出ていて、見ているこっちまで楽しくなってしまうようなカラフルなかたつむりの殻になりました!
むしろ自分も子供たちと一緒にmy傘にいろいろ描きたくなってきます。

そのあとは、プラバンにこどもかたつむりの絵を描いて、トースターで縮めて傘用のチャームをつくります。
さっき大きなかたつむりを描いたので、ちいさなかたつむりを描くのはもうみんな朝飯前!
中にはこどもかたつむりの上に、まごかたつむり、ひまごかたつむりまで描いている子も。
にぎやかになっていいですね!
トースターの中で小さくなる、と説明すると、やったことがある子もない子も興味津々でトースターの前に大集合!
「トースターさわったらどうなるの?」
「もうね、あちちってなって・・・とにかく大変なことになるよ!(必死)」
なんてやり取りをしながら(失敗したらどうしようと内心激しく緊張しながら)、私が割り箸でプラバンを取り出している様子を、みんな真剣に見守ってくれます。
出来上がったプラバンときらきらのビーズを、テグスで傘からぶらさげたら完成!
自分がすっぽり入ってテントになってしまうような、子供たちにとっては大きな傘でしたが、みんな時には丁寧に、時には大胆に、それぞれが世界に一つだけのmy傘を完成させました。
この傘があれば、これからの梅雨も雨の日が楽しみになっちゃうかも!?

磯辺 弥月

展示会のお知らせ

 Sugawara 『鎮魂』 彫刻

アトリエでは鉛筆デッサンで基礎固めをされているSugawaraさんは、ご自宅では彫刻を制作されています。今までは具象が多かったのですが、今回は抽象的な立体の造形美に挑戦されました。その作品が公募展で入選されました。
「抽象は分からないので困る。説明して欲しい。」とよく聞きます。人体や動物など、何かの形に似せて作っている具象彫刻については「良くできてる」「そっくりだ」と安心して鑑賞できますが、しかしそれだけで満足してしまう事も多いでしょう。本来鑑賞というものは表面的なうまさより、その作者の心の動き、取組みを読み取ることが大事なのです。
良い作品はまず表面上の形状から鑑賞者の視覚的な触覚を刺激し、自然と作者の心の中に引きずり込むような内面に訴えかけるオーラがあります。存在を意識しないわけにはいかない力を感じます。そして、鑑賞眼が豊かであればあるほど、作品の価値は大きくなるのです。
マルセル・ブリョンは『抽象芸術』の中で「芸術は新しい形体を発見するためには、模倣的であることをやめねばならない」と書いています。ぜひSugawaraさんの新しい自己開拓、リアリズムへの反発、抽象的な内面世界をご堪能下さい。   オバラ

第63回創型展 彫刻 立体・空間造形
会期:2015年6月2日(火)~9日(火)AM9:30~PM5:30 (入場PM5:00まで 最終日PM2:00まで)
会場:東京都美術館・ギャラリー(上野公園内)

箸休めの割り箸


小学生クラス 割りばし鉄砲

どうも幸介です!本日ご紹介するのは、小学生クラスで行ったカリキュラムの「割りばし鉄砲作り」です!ここのところのカリキュラムは、難しい手順も多い日本画に、しっかり観察して描く油絵。ハードです。日本画も油絵もクオリティの高い作品に仕上げるため、講師陣もいつもより少し厳しめ。そんなハードな課題ばっかりだと疲れてしまう、ということで箸休めも兼ねての割りばし鉄砲作りです。

いつもだと先生が作り方を説明して、手順を追って生徒の皆と制作していきます。ですが、今回は完成した割りばし鉄砲をポンっと机の上に置き「これを参考に自由に作ってね。先生は特に何も言わないから!」というフリーダムな制作でした。

割りばしも輪ゴムも使い放題で、どんな形になってもOK!!これはさぞ小学生たちが喜ぶであろう!と思っていましたが、中には自由すぎて(放任されすぎて)ヤル気が出ない生徒もいた模様。一から全部オリジナルで考え黙々と作る生徒、ちょっとちょっかいを出して煽ったほうが進む生徒、一緒に組み立てようか!と隣にいることで手が動き出す生徒と、皆のモチベーションの上がり方も実に様々。「好きにやっていいよ=子どもが喜ぶ」という図式は成り立つと勝手に思っていたけれど、全く持って間違いということが分かりました。

そしてアトリエの壁に飾ってある油絵で大人クラスの皆さまもお気づきかとは思いますが、毎年恒例の小学生クラス油絵制作が始まっております。箸休めは終わって、これからは先生達もビシバシといきます。完成へ向けて、小学生クラスのみんなは気合を入れていきましょう!!

田中幸介

日々の研鑽。

小木 『Spring』 透明水彩

もう夏の気配が漂っていますね。土曜日に現れる岩田です。
今回はチケットで来られている小木さんの描かれた作品。水曜日まで新宿で二人展を開かれていらっしゃいましたが、この作品も出品されていました。小木さんは透明水彩一身に制作を続けられています。
とても絵に対して熱心で向上心に溢れた方で、ご自宅でも空いた時間を使っては、何枚も同じモチーフを描いたりと日々研鑽を重ねています。

自分の気に入った風景などを絵にすることが多い小木さんですが、こちらは里山の茅葺屋根のある風景を描かれたものですね。季節的には桜の頃ですが背景にまだ雪が残る山々がそびえ、それが美しい対比となっています。
技法にも徹底して拘る小木さん。今回も空や山、木々などを描いていく上で様々な筆や道具を使って表現しているのが分かります。雪山の影色など絶妙な色使いで表現されていますね。雲の描き方も何度となく練習を重ねて来ただけあります。
透明水彩を始められた頃に中々上手く行かなくて悔しい思いをされていた木の表情なども、それぞれの木の違いも含めてリアルに描かれていると思います。

現在は小木さんの描くモチーフも徐々に変化してきていて、静物や子供をモチーフに描かれることも多くなってきました。風景とは又違って、人の顔を描く上では新たなハードルも多く、ご苦労されている感じもあるようですが、この短時間で凄い速度で上達しているのを見ると難なく突破できることでしょう。

次の展覧会楽しみにしています!

「車窓にて」

 野中 『車窓にて』 油彩

普段は水曜日にブログを担当しておりますが、今日は金曜日に現れました、磯辺弥月です。

今回は、水曜朝の大人クラスの野中さんの作品を紹介させていただきます。
作品の画像を見ていただいても分かるように、とても繊細なタッチで丁寧に仕上げられている作品なのですが、なんと野中さん、油絵の作品はこれが2枚目だそうです。(一枚目はこちら

「以前描いていた水彩の癖が抜けなくて、どうしても細かい筆で仕上げないと完成した気がしない」と仰っていたのですが、その細かいタッチが、人物のコントラストの強さと組み合わさって、絵全体で柔らかさと強さを兼ね備えた美しい光の表現を創り上げていますね。背景のグラデーションの色合い(私は個人的にここの部分の青の色合いがとても好きです)も、そのタッチを活かすのに一役買っていると思います。
そしてタンクトップの赤。ご本人も狙って描いたと仰っていたこの赤色、少し色の判断を間違うと、アクセントを通り越してそこだけが目立ってしまったりするのですが、この絵では非常に良いアクセントになっています。
それから何と言っても、「そろそろ完成しそうですね」と言っても、「まだまだ上手く表現できていないんです」と仰って、時間をかけてじっくり描かれていた、透け感のあるショール。こだわりのポイントで、透け感の出し方に苦労されたのですが、完成した絵ではしっかり透け感の出た涼しげなショールになっております!
実は私がミオスで働き始めた時、野中さんはすでにこの絵を描かれていたので、私は描き始めの頃を全く知らなかったのですが、完成した時は、とても嬉しいような、でも少しこの絵を描いているのを見られなくなるのは寂しいような、不思議な気持ちでした。

野中さんは現在、新しい人物の油絵を描かれているのですが、そちらはまた違ったテイストで、魅力的な雰囲気になっておりますので、是非完成をお楽しみに!

距離感・重なりをイメージ


幼児クラス

『動物園で好きな動物を見ているところを描きましょう』という、一般的な幼稚園生のお絵描きのテーマでありますが、このお題、、、かなり難題です。
動物の檻を現す線の描き方を誤ってしまうと、ナント!動物と自分が一緒に檻の中に住んでいる設定の絵になってしまいます!

そんな恐ろしい絵にならないようにと、動物と自分との間にある檻の位置関係を分かり易く解説するために、人形と動物(ぬいぐるみ)と網を用意して、実際に子ども達の前で動物園を再現して見せました。
頭の中で考えるだけでなく、時には今回のように小道具を使ったり、写真を見せたり、こども達がより分かり易い方法はないか毎回の授業で実践してます。

人物と動物の距離感や重なりを具体的にイメージするのは、年長児でもなかなか難しいですが、先生達の繰り返しの説明を何度も聞き、見事に描くことができました!
年少児にとっては、3つの物の重なりの話はさすがに難し過ぎるので、動物と檻の関係性だけ先に描いて、後から手前にいる自分の絵を貼ることで、重なりのある構図となっています。

今回は、少々ハードルを上げたテーマとなりましたが、どうです?!この完成度!

伊藤 絵里

石から岩絵具作り

オバラです。日本画レポート第2段。

下絵(念紙) 写し(カーボン紙) 骨描き(墨) 青岩絵具(下塗りⅡ)  時間設定90分

①今回は蓮・睡蓮の写真か葉牡丹の植木のどちらか好きな方を選び、コピー用紙に下描き(念紙作成)
②カーボン紙で写すが、小さく描き過ぎた子は拡大コピーをし、構図が悪い子はトリミングする
③墨で骨描き カーボン紙の写りが悪い場合(原因は泥に砂が交じっている)念紙を見ながら描き写す
④青岩絵具(るり色と群青)で絵の構図を考えながら背景下塗り(塗り過ぎると骨描きが見えなくなるので注意) 高学年は完成図を念頭に置き、青のリズムを考えさせる
⑤背景だけを塗るのではなく、モチーフの中も塗るようにする(但し、土の色が残るように荒く塗る)

顔彩・透明水彩で着彩(白はジェッソ) 最終段階で岩絵具を重ねる 例外‐土に直接着彩で終了  時間設定130分

①顔彩・透明水彩で着彩後、最終的に岩絵具(岩絵具はグラム売りで高価な為、無駄遣いを防ぐ)
②3月で卒業や退会する子は時間がないので青下塗りは無し(泥の上に直接着彩すると落ち着いた色合いが美しく、最終的に岩絵具も使わなかったが金箔は散らしたので、渋さと派手さが絶妙にマッチし、また違った作品に活かせそうな完成度があった)

岩絵具作り  時間設定30分

①今回使用した石は紫水晶/ラピスラズリ/ピンクストーン/金鉱石(扱い易いよう、予め5㎜ 程の大きさに割っておく)
②選んだ石を木の器(木片にドリルで穴を開け、ベニヤの底板を貼ったもの)の底に敷いた鉄板の上に置き、ボルトと金槌で粉砕する
③だんだん木の器の底と鉄板の間に石の欠片が入り込み砕けなくなるので、途中で石を皿にあけて再び鉄板の上へ置く(石が小さくなるまで何度か繰り返す)
④タイルの上で/乳鉢で/絵皿の中で/タイル同士でこすりあわせ、更に細かく粉砕し、粉状になったら岩絵具の完成

金箔貼り 自作岩絵具貼り 消しゴム判子で雅印制作(岩絵具が荒いので朱肉ではなくポスターカラー使用)   時間設定20分

①金箔を付けたい部分に膠を塗り、箸で金箔を付けていく
②自分で砕いた石を付けたい場所に膠を塗り、パラパラと撒く あまり細かく砕けなかった石は、花粉の部分に(ボンド使用)

上記行程4時間半(1時間半で1回の授業として3回) 下描きや着彩に時間を掛けたいタイプの子に予備日として2回(3時間)用意

感想
この日本画は『泥で水干絵具作り』『石で岩絵具作り』と、絵画制作と同量の作業があった為、絵が苦手だと劣等感を持っている児童にも受け入れられるカリキュラムである。また技術的指導より作業メインである故、専門が日本画科ではない講師でも容易に指導ができ、完成作品もバラエティに富む。泥の上に岩絵具の青を重ねる発色効果により、透けて見える泥が金色に見えると評判であった。今回は泥と青を活かす為にモチーフを『水面に浮かぶ蓮や睡蓮』『葉の色が豊かな葉牡丹』に絞ったことも成功要因である。