山本 油彩
こんにちは。土曜・大人クラスの京谷です。前回ちらっとお伝えしておりました引っ越し。お陰様で無事に大量の荷物を運び終えました!そして引き続き全身筋肉痛でございます。アトリエの皆さま、ぎくしゃくとした挙動で申し訳ありませんでした。
さて、今回ご紹介いたしますのは、山本さんの大変個性的な油彩作品です。昨年の展覧会で出品していらっしゃった「コンフェッティ/コンポジション」前作に続く第二弾です。前回作品では、ドットによる彩色が基本ではありますが、画面内で複数の色面を意識した構成になっていました。明るく軽やかで美しいピンクの世界でしたね。白いフレームに納まってとてもお洒落な作品でした。続くこのシリーズ第二弾では、山本さんのなかでひとつの風景的なイメージがあり、それを同じくドット彩色にて表現していらっしゃいます。どちらかといえば抽象的な作品ですので、自由に鑑賞していただくのが楽しいですが、やはり出発点となったイメージは大切だと思いますので少しだけお伝えしますと、「月明かりを受けてきらきらと静かに輝く水面」だそうです。山本さんの素晴らしいところは、このイメージを発展させて独自の表現方法で制作を進めていらっしゃるところ。そして、その制作過程で次々と新しい発見や工夫をして、次に繋がるアイディアが湧いてくるところ。お話を伺っているだけで、私だけでなく、きっとアトリエの他の皆さまも、沢山の刺激をいただいていると思います。今回の作品では、月の「光」や水面の「陰影」を「色」というドットに置き換えて再構築していらっしゃる訳ですが、本当に根気のいる作業ですね。点の積み重ねと密度が十分でないと、バラバラなままで一向に「色彩」として成り立たないのですが、山本さんはドットの大きさを変えたり、あえて筆跡を生かしたりして工夫しながら、数えきれない程の点を打っていらっしゃいました。またとても興味深いことに、ある過程まで制作が進んできたころでしたが、画面に立体感と動きが出てきました。画面を見つめていると、まるで本当の水面のように静かに、なんとなく様々なカタチが見えてくるのです。この辺りまで作業が進んだ時の山本さんの悩みは、「さて、いったいどこでこの作品の制作を終了するか?」ということでした。まさに、ものをつくっている者の最大にして最重要課題ともいえます。終盤に打った小さな黄色い点がふわっと浮き上がって見えてきたとき、山本さんは制作を終了されました。
制作過程、引き際、素晴らしい作品。
もう絶妙です!