次のチャンスに向かって

 中野 『アンヴァリット』 透明水彩

土曜日にいつも現れる岩田です。今回はチケットでいらしゃっています中野さんの水彩をご紹介致します。

中野さんのこちらの水彩画、松涛美術館公募展(会期は先週終了致しました)の入選作品です。先日のブログで同じ構図で油彩で描かれた作品をご紹介しましたので、記憶に残っている方も多いかと思います。「ブログを見て展覧会に行って来ました。」という方もいらっしゃり、誠にありがとうございます。

しかし当の中野さん展示会初っ端から「公募展内覧会で入選者皆さんの絵の中で自分の作品を見まして、皮肉にも何とホームセンターで買った700円の木材の手製の額の方が絵よりも立派に見えました。審査委員より自分の実感が大切で、拙劣で恥ずかしい思いで早く外して欲しいです。」と意気消失気味でした。

とはいえ中野さん、自信を持って下さい!油彩の方も拝見しましたがこちらの水彩もとても良いじゃないですか。こちらの作品が入選したのは、見せたいものがとても明快だというのがその理由の一つではないでしょうか。主役のアンヴァリットが一際、煌びやかに見えますしね。

絵にもよるのでしょうが画面の中全てに力を注げばよいというものでは無く、見せ場がここと決まっている絵はある意味脇役は主役の引き立て役ですから、他のところが主役のお株を奪ってしまわないような配慮が大切ですね。

お話をする度にいつも目標に向かってチャレンジをされていらっしゃる中野さん、素晴らしいですね。今回の審査はとても悔しい思いをしたとお察しします。自分が想像していた結果とのギャップが大きい分落ち込んだのも分かりますが次のチャンスに向かって虎視眈々と腕を磨いて下さい。

水田を望む

菅原 油彩

暖かくなったり寒くなったりと、そろそろ春の気配もしてきましたね。

本日ご紹介するのは日曜大人クラスより、菅原さんの油彩画です。写真集の中の1ページから猫と田園風景をモチーフに選ばれました。手前の猫の哀愁ただよう後ろ姿と眼下に広がる水田の風景が美しい作品です。

猫の姿、毛の細やかさも、苦心しただけある出来栄えです。毛の柔らかさは鉛筆や色鉛筆では描きやすいけど、油だと難しい!んですよね。手前の草もナイフを駆使して描きあげました。背景のタッチとの差でグッと手前に出てきています。

またこの作品、背景が素晴らしいです。イエローオーカーで下地を塗り、その上に色をのせていきましたが、あまり色を重ねすぎずさらりと描かれています。その力の入りすぎていないところが上手く作用したように感じます。遠くの山々も間の空気の層を感じさせられますよね。水田に映り込む空も、ごくごく控えめでありながら美しいです!
このバランスがうまくいっているので、とても自然で広がりのある景色が画面に表れているのですね。
猫の気持ちになって風景を眺めるように感情移入させられます。この猫はどんなことを考えているのか…寂しさを感じる方も温かみを感じる方も、人それぞれの感想がありそうで面白いですね。 庄司でした。

ドキドキッ!発表会


幼児クラス

水曜幼児クラス担当の伊藤です。
今年度は、幼児クラスに年長さんが多く在籍しているのですが、来月で幼児クラスを卒業することになり、残り授業日もわずかとなってきました。

毎回の授業でメイン制作となる作品は、絵画だったり立体制作だったり、グループによる共同制作だったり、いろいろありますが、どのような授業であっても毎回必ずB4サイズのスケッチブックにお絵描きすることを継続してきました。その成果が力いっぱい発揮できた作品を本日ご紹介します。

テーマは、『自分が外で誰かと遊んでいる場面』
自分と一緒に遊んでいる人を想定して、自分とその人物の関係性も考慮した構図を先生達と考えて描きました。

「自分の体の大きさがこの位だったら、お父さんはもっと背が高いので画用紙のこの場所から描こう」

「お兄ちゃんは遠くで縄跳びしているから、画用紙の上の方に小さく描こう」

といったように、具体的な場面をこども達の言葉から聞き取ったイメージで私達からの構図のアドバイスもどんどん盛り込んでいきました。

人物の描き方は、毎週のお絵描きで繰り返し描いているので、年中さん年長さんは複雑な動きのあるポーズも積極的に描けます。
年少さんは、まずは正面向きの人物で体の仕組みをひとつひとつ確認しながら、人物全体の描き方を覚えていきます。

同じテーマでありながら、場面設定がいろいろで楽しいですね。
絵の中の人物の表情から、その一場面の本人の気持ちまで伝わってきます。

この日は、お友達や保護者の方合わせて30人の前で作品の説明をするという発表会も行いました。
幼稚園生が一人で前に出てお話することは、なかなかできない経験です。
自分で考えて、自分の言葉で発表出来て、とっても立派でした!

春のスタート体験講座


春のスタート体験講座として、【新年度 無料体験授業・入会説明会 / 美大進学オリエンテーション】を行います。
全ての講座が参加費無料・画材不要ですので、新年度(2015年4月)からご入会をご検討中の方は、是非ご参加下さい。こちらの体験授業にご参加後、4月中にご入会される方は、入会金から2,000円を割引いたします。(4月中の途中入会の場合、月謝は日割り計算いたします。)
希望者には個別に相談 / 説明 / 質問のお時間もご用意致します。ご予約は前日までにお電話でお申し込み下さい。(各クラスの詳細は、青い文字をクリックして頂くとHPでご覧頂けます。)

幼児クラス体験授業◆(対象・新年少さん~新年長さん)
3月19日(木)14:30~15:00
クレヨンでお絵描きした後、保護者様に見本作品や授業写真をお見せしながら、指導方針や制作内容などを詳しくご説明致します。乳児・幼児の教育に携わり、子育てママのアドバイザーとして15年活動するベテラン講師が担当します。

小学生クラス体験授業◆(対象・新1年生~新6年生)
3月26日(木)14:30~15:00
学生クラスの先輩をモデルにして鉛筆で人物画を描きます。動きのあるポーズを描いてみましょう!この1枚を上手に描くだけでなく、一人でも自信を持って描けるようになるコツを覚えましょう。保護者様も授業参観できます。

学生クラス体験授業◆(新中学1年生~新高校3年生)
3月27日(金)19:00~20:00
静物デッサンをします。鉛筆の持ち方、イーゼルに向かう姿勢、モチーフの立体感(陰影)のつけ方、遠近感の出し方まで、テクニックを一人ひとりのレベルに合わせて丁寧に指導します。先鋭講師が実力アップを全力でサポートしますので、今までの人生の中で最高の絵が描ける日になるでしょう。

◆学生・保護者向け美術系進学オリエンテーション◆(将来美大/美術高校へ進学をお考えの皆様)
3月27日(金)20:10~21:00
美術の世界に興味のあるお子様をお持ちの親御様、アートを極めたい学生の皆様、美大にはどのような学部があり、受験に必要な制作はどのようなものか、また卒業後の進路についてなど、油絵科出身とグラフィックデザイン出身の講師が体験談をふまえてお話し致します。今年美大に合格した先輩を呼び、インタビューする予定もあります。

展覧会のお知らせ

 竹辺 透明水彩

毎月第一土曜日に開催している人物クロッキー会常連さんの竹辺さんの展覧会のお知らせです。
今回のグループ展には、うちのモデル(学生達)を描いた作品も出品されるとのことで、私も楽しみにしております!いつも描いた作品を絵葉書にしてモデル達にくださるので、今回の展覧会にピックアップされた学生もとっても喜んで「なんか照れくさいけど見に行きたい!」と申しております。
少女のピュアな部分だけを取り出しているような、あたたかくやわらかいタッチが魅力です。モデルがフラフラ動いてしまっても、「大丈夫だよ。」と目を細めて優しく許して下さる竹辺さんのお人柄が出ているような作品ですので、ぜひ皆様、足をお運び下さいませ!

「5人の 水彩画展」
会期:3月1日(日)~7日(土)午前11時~午後6時30分(最終日は午後5時まで)
場所:ギャラリーこやま 綱島駅下車 東口徒歩1分 東京園(温泉)前

美術の道に進むとは


加余子(高3) デッサン/木炭紙

どうも幸介です!本日ご紹介するのは、花の女子高校生&春から美大生な加余子の作品。とは言っても彼女、小学生クラスの時から知っている間柄ですし、最近ではアトリエの小学生クラスの手伝いもちょくちょく来てくれたりしてまして、わりと生徒というよりも身内に近い存在です。

小学生の時から油絵などではなかなかのセンスを見せていた彼女。ですが、まさか本当に美術の道に進むとは思っていませんでした。美大進学が決まったくらいからは、僕や小原先生に『頭を使って描くこと、頭を使って生きていかなければ意味が無い。考えられない・動けない人間はいらない』と理不尽なことを言われたりしながらも、その期待に応えようと彼女なりに作品と向き合い、考えて行動していました。小学生クラスの手伝いのときも、講師陣の動きを見て手薄なところに回ったりする姿を見て、頼もしく思います。まだ未熟な面もありますが、しっかり周囲を見て、自分の居場所を確認できているようです。

ただただ描かず、わざわざ頭を使って描く。「ただのデッサンでそこまで考えなきゃならないの!?」ってレベルまで考えないと、美術を仕事にしていくのは難しいと思います。まぁ加余子は勘の良い子ですから、きっと大丈夫だと信じております!!

そういえば今日載せた彼女の作品に触れてませんでした。左から講評すると↓

左:手前の手が表面的。裏側を感じない。手首の回りこみなどが弱い
左中:上下の骨の接点などに、ぴんと張り詰めるような緊張感が無い。繊細なのか土臭いのか、絵の方向が定まってない。
右中:全体的にデッサンがくるっている。写真を元にしたせいか、床も手も歪んで見える
右:手前の足に光りが足りないので前に出てきてない。結果、下半身のデッサンがくるって見える。

…と、絵に関してまだまだ考えられる点は沢山ありそうですね…!!のびしろもたっぷりな彼女、これからの作品にも期待です!!
田中幸介

美しき制作風景

 山本 油彩

こんにちは。土曜・大人クラスの京谷です。前回ちらっとお伝えしておりました引っ越し。お陰様で無事に大量の荷物を運び終えました!そして引き続き全身筋肉痛でございます。アトリエの皆さま、ぎくしゃくとした挙動で申し訳ありませんでした。

さて、今回ご紹介いたしますのは、山本さんの大変個性的な油彩作品です。昨年の展覧会で出品していらっしゃった「コンフェッティ/コンポジション」前作に続く第二弾です。前回作品では、ドットによる彩色が基本ではありますが、画面内で複数の色面を意識した構成になっていました。明るく軽やかで美しいピンクの世界でしたね。白いフレームに納まってとてもお洒落な作品でした。続くこのシリーズ第二弾では、山本さんのなかでひとつの風景的なイメージがあり、それを同じくドット彩色にて表現していらっしゃいます。どちらかといえば抽象的な作品ですので、自由に鑑賞していただくのが楽しいですが、やはり出発点となったイメージは大切だと思いますので少しだけお伝えしますと、「月明かりを受けてきらきらと静かに輝く水面」だそうです。山本さんの素晴らしいところは、このイメージを発展させて独自の表現方法で制作を進めていらっしゃるところ。そして、その制作過程で次々と新しい発見や工夫をして、次に繋がるアイディアが湧いてくるところ。お話を伺っているだけで、私だけでなく、きっとアトリエの他の皆さまも、沢山の刺激をいただいていると思います。今回の作品では、月の「光」や水面の「陰影」を「色」というドットに置き換えて再構築していらっしゃる訳ですが、本当に根気のいる作業ですね。点の積み重ねと密度が十分でないと、バラバラなままで一向に「色彩」として成り立たないのですが、山本さんはドットの大きさを変えたり、あえて筆跡を生かしたりして工夫しながら、数えきれない程の点を打っていらっしゃいました。またとても興味深いことに、ある過程まで制作が進んできたころでしたが、画面に立体感と動きが出てきました。画面を見つめていると、まるで本当の水面のように静かに、なんとなく様々なカタチが見えてくるのです。この辺りまで作業が進んだ時の山本さんの悩みは、「さて、いったいどこでこの作品の制作を終了するか?」ということでした。まさに、ものをつくっている者の最大にして最重要課題ともいえます。終盤に打った小さな黄色い点がふわっと浮き上がって見えてきたとき、山本さんは制作を終了されました。

制作過程、引き際、素晴らしい作品。
もう絶妙です!

初!木炭デッサン

 織人 中3 木炭/木炭紙

少し花粉が飛び出した気がします。もう2月も後半なのだと、時の進むのが早く感じます。

さて本日ご紹介するのは、日曜学生クラスより織人の木炭デッサンです。アトリエに飾ってある鹿の骨を描きました。
本人から木炭デッサンをやってみたいとの要望で今回チャレンジしましたが、初めてとは思えない出来栄えではないでしょうか。

角のゴツゴツした硬さや頭蓋骨の滑りのある質感も表れています。中々に堂々として雰囲気もありますね。
木炭デッサンは中間のトーンを作るのがとても重要で難しいところなのです。木炭をのせた後に手で押さえたり払ったり、弾いて木炭の粉を落としたり…といった技法を使いながら描きます。
ちなみに普通食パンを消しゴム代わりに使うのですが、忘れてきたりで今回は手と練り消しだけで描きあげました。それもかえって良かったかも?しれませんね。
真白い木炭紙に木炭をのせるのは思い切りも必要ですが、今回はそこもとても上手く行ったように感じます。本人のやりたいことがしっかりと自分の中にあるので、学んでやろうという気迫でより飲み込みも早くなるのではないかと感じます。自信を持ってどんどんと進んでいってもらいたいものです。

そんな彼ですが、次回はそのまま木炭デッサンで石膏像を描く予定です。ますます楽しみになりますね。 庄司でした。

絵の具で遊んじゃおう!


親子クラス

ちっちゃい手にたっぷりの絵の具がついても、顔に絵の具がついても、洋服に絵の具がついても、この日はOK!!
2・3歳児のいる家庭ではなかなかできない絵の具をお友達と一緒に遊びながら制作しました。

制作の前には『ころころころ』という絵本を読んで、小さな色玉がいろいろな道を転がっていく様子を見たり、鮮やかな色の世界を感じてもらいました。
そして絵本にも出てきた色玉を再現するように大きな箱の中にたくさんのビー玉を入れて、箱から落とさないようにバランスをとりながら、転がして遊びました。
ちょっとバランスを崩しビー玉が箱の外に飛び出した時は、大変。大急ぎでビー玉を集めてまた、コロコロ、コロコロ・・・。
この繰り返しの遊びが止まらなく楽しそう。
転がす要領を得たところで、今度はビー玉全体に絵の具をつけて、それを箱の中に入れてみました。
ビー玉が箱の中の画用紙の上を転がり、転がった跡に絵の具の線ができ、そのできたラインがとてもきれいなんですよね。
ビー玉が思わぬ方向に転がったりして、偶然にできたラインとはいえ、3原色の色の組み合わせや濃さなどは、一人一人違って美しい!

そして、額も2・3歳による自作です。
色を塗った卵の殻を細かく砕いて、作品の周囲に貼り付けると素敵なモザイクアートですね。

親子クラスは、2歳のお誕生日を迎えたお子様からご参加できます。
まだクレヨンを使ったこともなく参加することを不安に思う親御さんもいらしゃいますが、この作品のように遊びながら徐々に絵の具に移行していき、作品作りをしていくこともできますので、ご安心ください。毎回参加されるお子様の月齢も異なりますので、無理なく制作できる内容を用意しております。まずは、お電話でお問い合わせください。
伊藤絵里

旅に出なくても風景画は描ける


西山 透明水彩

このたくさんの写生、場所は全て川崎市内だそうです。皆様お分かりになる場所はありますか?
SEKAI NO OWARI(日本の4人組バンド。紅白でトランシーバーをマイク代わりに歌っていた人達と言えばわかる人も多いでしょうか?)のFukaseが矢向まで自転車に乗り工場夜景を見て歌詞を考える(「スターライトパレード」の歌詞も川崎の工場地帯で出来たとのこと)そうで、一躍日本中にそのカッコ良さが有名になりましたが、そんな川崎の魅力を伝える使命を担う西山さんが、こちらの作品をイベントに出品します!
川崎の愛に溢れた…なんてドン臭い作品ではありません。描き過ぎない抜き加減もトリミングも非常に洗練されています。ぜひ皆様、足を運んで生の作品をご覧になって下さい!   オバラ

日時 2月21日(土)13時から16時(12時30分開場)
場所 幸区役所5階 〒212-8570 川崎市幸区戸手本町1丁目11番地1 (西山さんは【川崎の産業観光を支援する会】として出品)
電話 044-556-6609
以下 幸区役所HPより抜粋
幸区市民活動交流イベント「さいわいみんなの交流広場」は、幸区内の市民活動の活性化を目的に、市民活動団体の活動発表やワークショップを通して、団体同士やこれから活動をはじめてみたい人が出会い、つながる市民活動のイベントです。
当日は、活動の実演や体験に加え、落語講演もあるなど、充実した内容になっています。詳しくはこちら