限りなくあおい青い蒼の風景

堂本 透明水彩

こんにちは。土曜・大人クラスの京谷です。
受験シーズンまっただ中、中学生・高校生のみなさんが、アトリエで最後の調整を頑張っていらっしゃるのを見て、私にも必死になってがむしゃらにゴリゴリとデッサンに取り組んでいた時代があったことを、感慨深く思い出したりしています。

さて、今回ご紹介する堂本さんの水彩画、この時期大変に縁起の良い作品です!
晴れ渡る青い空、ふわりと二つ三つの綿雲。冬の木の枝の向こう、これもまた蒼い水面を足下に、堂々と富士の山。美しいです。気持ちが落ち着いてきます。限りなく蒼いあお。堂本さんは、一連のぐいぐいと描き込む鉛筆デッサンシリーズから、最近は透明水彩へと画材を変えての制作が続いていらっしゃいます。モチーフは演習的な、絵画技法紹介書の作品の模写から、新聞に掲載された小さな写真まで様々ですが、この「限りなく蒼い富士風景(勝手にそう呼ばせていただいてます)」は、後者の新聞掲載写真(お正月)をもとに、主にご自宅で制作なさったそうです。縦長の構図も良く納まって、写真に忠実に描き起こされたのかもしれませんが、あえて広く高くスペースを取った空が効いています。大きな山を描く時、このように上部に空間をたっぷりと割くことによって、山の姿形が一層際立ち、ゆったりとした印象になることが多いです。構図についてもうひとつ。小原先生からちらっと伺ったところ、一番の前景に位置する細く繊細な木の枝の配置で、山のラインを突っ切るように描くことで、奥行き感がぐっと出てきたそうです。前景は、観るものの視線を作品世界のなかへ導いてくれる装置でもあります。画面左下の水辺の草の存在と合わさって、まさに視線が主役の山へフォーカスされていきます。色彩の構成、あお・青・蒼のグラデーションも、扱いの難しい水彩絵の具を駆使されて、ほんとうに美しい仕上がりになっています。
現在堂本さんは、水鳥が魚を捕えた瞬間を納めた写真をもとに作品を描き起こしていらっしゃいますが、こちらもまた背景の色が素晴らしく、仕上がりがとても楽しみです!

泡沫のなかで

松岡 日本画

雪が降りましたね!私は冬は好きな方なのですが、やはり寒いのには参ってしまいます。

本日ご紹介するのは水曜午前大人クラスより松岡さんの日本画です。
今回は、広告写真をモチーフに艶かしい女性の姿を描かれました。松岡さんは描きたいイメージがいつも面白く、色々なところに目をやってモチーフを探しているのだなと感じます。

女性の顔は、眉や唇の角度からまぶたの様子まで何度も修正しこだわり抜いて描きあげました。唇は特に苦労されたところでこの作品でも見所のひとつでしょう。それから、生え際も中々に大変だったと思います。細かく描き込んで自然な髪の流れが表れています。
恍惚としたような表情も、白い泡に包まれてなんとも美しいですね。背景も鮮やかな色で、上に乗る白い色を活かしています。

実はこの白い泡のような部分は、アルミホイルで白い色をポンポンとスタンプするようにのせていきました。ランダム性と質感が、とても面白い画面を作り出しています。このような技法もすぐに取り入れて、思い切り楽しめるというのは松岡さんの素晴らしい才能だと感じます!いつでも新しいものを模索し、 研究するその姿勢、見習わなければと感じ入ってしまいます。

次は何が飛び出すか!?と、 これからの作品もますます楽しみになりますね。庄司でした。

オニがお出迎え


昨日一昨日と二日連続で制作したダンボールの巨大オニがアトリエの外入口に只今展示中です。
幼稚園児の背よりもかなり大きいオニが3体もいると、ド迫力ですね~!!

制作の様子はというと、最初にダンボール遊びから始めました。
一人では抱えきれない大きさなので、お友達と一緒に運んだり、全部の段ボールを積み重ねて天井まで届くようなタワーを全員で協力して作ったり、制作前に一盛り上がりでした!

幼児クラスでは2つのチームに分かれて(年少さんから年長さんまで混合のチーム)制作しました。
1グループに7人もいると、みんなが一斉に同じ所を塗り始めても制作しづらいので、グループ内でさらにペアを組んで色塗り場所の担当を決めます。
顔のパーツ作りも各ペアが何を担当するかグループ内で作戦を練って、効率よくお友達と関わりあいながら楽しく制作できるような仕掛けを作っていきました。
担当を決めることで、「わたし ここやるから!○○ちゃんはこっちね!」と、自分のやるべきことを責任もってやろうという気持ちがうまれ、グループ制作ならではの協調性があちこちで見られ大変嬉しく思いました。

そして、こちらは3歳児とお母さんが参加する親子クラスです。
2歳からアトリエに通っていた子が3歳になって活動範囲が広がり、このような全身フル活動の制作は一番楽しい時かもしれませんね。
ペンキ塗りのような筆で大きな立体キャンバスに四方どこから塗ってもOK!
お母さんに抱っこしてもらったり、椅子によじ登ったり、小さい体でも夢中になって筆を動かし描いていました。

作品は来週中まで飾りますので、ぜひご覧ください!(青鬼の手は、親子クラスに参加してくれた子の手形です)

伊藤

人物画を描きませんか?


学生クラス内のクロッキー会にて(モデル・作品ともに中学生)

久し振りの人物クロッキー会となります。
アトリエでは第1土曜日に着衣の人物クロッキー会を行っています。
固定ポーズを20分×5回(ポーズとポーズの間に5分休憩を挟む)行います。指導・講評はいたしませんので、ご自由にお描き下さい。アドバイスをご希望の方は、お申し出頂ければモデル休憩時間に拝見させて頂きます。
外部の方でもご参加頂けますので、どうぞ多くの皆様のご参加お待ちしております!

日時   2月7日(土) 16:00~18:00 (入室は15分前より可能です。)
参加費 1500円 (ミオス生徒 1000円)
持ち物  スケッチブック、画材etc (イーゼル、画板、イスなどはご用意してあります。)
今回のモデルさんは女子大生です。
お申し込みはお電話でお願いします。   044-411-1600
2015年の予定は3/7、4/4、6/6、7/4、9/5、10/3、11/7です。
※都合により授業日が変更になる場合がございます。予めご了承下さい。

来月も続くよ


小学生クラス2月課題見本 粘土造形

どうも幸介です!昨日のブログでも触れておりましたが、小学生クラスの「起承転結」の絵は、中々動きもあってアイデアが詰まった面白い作品がたくさん出来上がってきております。昨年クロッキーで人体をあれだけ描いた成果ですかね!!

そして、動きのあるポーズを描いただけではもったいない!ということで、来月の課題は「起承転結の絵の立体化」でございます。今日の写真は、昨日のブログの菅原先生が作った粘土人形に、僕が着彩したものです。この粘土の人形は、中に針金の骨組みと、アルミホイルの補強が入っておりまして、わりと頑丈に出来ております。

ちょうど2年前ぐらいに「キメラの動物の粘土」を作った生徒も多いかと思いますので、みんなもガンガン制作を進められる課題になるんではないでしょうか!?

ということで、起承転結の課題も折り返しです。来週あたりには皆「転」を描けるかな?どんなドンデン返しが見れるのか、楽しみにしております!!

田中幸介

4コマ絵本製作!

今、小学生クラスでは4コマ絵本を製作しています!
というのも、10月にクロッキーで練習した人物画の実践を兼ねての妄想4コマを描く課題なので、ただの4コマ漫画とはガチさが違います!

物語のルールは到ってシンプル、【起承転結で収めること】、【理想の自分を主人公】にすることだけです。
先々週の月曜日に田中先生がアップしていた仁義なき見本は皆様記憶に新しいと思いますが、私もかねてから憧れていたモテモテ美人女子高生から一転して夢オチのお話をラフスケッチ(左上)で描いてみました!
好きな子にはたまらない【物語性のある絵を描くテーマ】ですので、みんな苦戦しながらもなかなか楽しんでくれています。
実は学生クラスでも同様のテーマをやらせているのですが、細かいことを考えると止まらなくなって、自主的に宿題として持ち帰る生徒もいました(笑)
ストーリーは、本の中に入ってしまったり、宇宙飛行士になったり、天才剣士になったり、魔女になったり、忍者になったり…まだ「起」「承」の段階ですが、「転」で何が起こってしまうんでしょう…!?
ボタンがたった2つしか描いていない絵でも、「ここは飛ぶためのガスが出て、ここからはワイヤーが出る!」なんて熱く語る説明を聞くと、なおさら次の展開が楽しみになっちゃいます!私もニヤニヤしながら指導しています。
完成した絵本をお楽しみに!

菅原

久しぶりの飲み会です!

土曜午前クラス新年会

本日、午前クラスが終わった後、生徒の皆さんで銀座・京橋の画廊巡りをされに行かれましたが、その後飲みに行かれるということで、午後クラスの終わった我々スタッフ(小原、京谷、岩田)もご招待され、銀座まで新年会に行って参りました!
久しぶりのお誘いでついつい飲み過ぎてしまいました。飲み会の前には皆さんなんと6軒のギャラリーを見て回ったそうです。熱心ですね。
銀座という土地で飲むことも中々無い私ですがお酒も食べ物もとても美味しかったでーす。
又誘ってくださいませ。岩田でした。

今年の年賀状は…


左より 木村 油彩/出町 パステル/武田 墨

毎日雪が降ったり雨が降ったりと不安定な天候ですね。

本日は日曜大人クラスより皆さんの年賀状用の作品をご紹介します。ご紹介が1月中に間に合った!とちょっとほっとしております。皆さん11月から12月にかけて制作された作品です。

お正月らしくめでたい雰囲気の木村さんの七福神。こちらはかなり小さい作品なので筆も細く描き入れなければならず、苦心なさっていました。そのかいあって、弁天様や大黒様…と誰が誰だかはっきり分かり、見ていても楽しい作品になりました。ギリギリまで妥協せず対峙したからこそですね!

出町さんは毎年恒例の干支の置物。御本人の雰囲気とはまたちょっと違ったような可愛らしさ、いやでもけっこう出町さんらしいようにも感じる…という気がします。モチーフの置物も、毎年同じお店で購入しているのだそうです。かなり年数を続けていらっしゃるようで、素晴らしいですね。

武田さんは墨で羊を描かれました。可愛らしいだけでない、動物らしさや毛の質感が伝わってきます。二時間の授業でさらりと仕上げるこういったスタイルも、年賀状に添えると大人な雰囲気で格好良いものです。武田さんは墨で描くシリーズを続けていらしたので、またいろいろな作品を見てみたいですね!

ミオスでも、ご自身で描かれた作品を年賀状にする方も多いかと思います。そうした年賀状はもらう方も特色があって楽しくうれしいものではないでしょうか。気が早い話ですが、興味のある方はぜひ今年の年賀状では自分の作品でチャレンジ!してみてはいかがでしょう。 庄司でした。

テクニックがいっぱい


幼児クラス

日本の新年の伝統遊びである凧あげの光景は、あまり見られなくなりましたね。
幼稚園の行事ではやるけれど、家庭ではなかなか・・という感じでしょうか?
幼児クラスの生徒に聞くと、ほとんどの子が凧あげ経験者なので、その場の様子が想像しやすくスムーズに制作できました。

まずは、凧糸を持っている自分のポーズをイメージして、さらに空高く上がっている凧を見上げている動きはどうなっているかな?と
体の動きをひとつひとつ追いながらフォームを描いていきます。
全員にこの描き方だけ説明し、その後は一緒にいた家族やお友達が何をしているか自分で想像して描きましょうと言ったところ、上の作品を見て頂ければお分かりですが、構図や場面が全部違いますね。
それぞれの作品から見えるご家庭の様子が非常に面白いです。

子どもが凧あげしている横のシートでおにぎりを食べているお父さんとお母さん
ベンチに座って見ているおじいちゃんとおばあちゃん
お父さんとお母さんも一緒に凧上げしている家族凧あげしている横のシートで寝転んでいるお母さん
凧糸を離してしまって凧が飛んで行ってしまったところ
凧が木に絡まって困っているところ
等々
これは全部自分で考えた場面です。

最初に描いた自分と他の人物との関係性が上手く表現できるようになって本当に驚きです!!
遠くにいる人は、大人でも小さく見えるから画面の上の方に小さく描こう
自分の後ろにいる人は、重なって見えるから全部を描かないで見えるところだけ描こう
ということを自ら意識できるようになってきました。

単体の人物の動きの表現が広がっただけでなく、複数の人物の表情や人と人との関わりが見て取れる作品に仕上がり、幼児クラスのお絵描きのレベルアップに今後も期待できます!

伊藤

取り組む姿勢


左から3枚 高2 右 中3

受験生ネタは昨日の田中先生の記事の焼き直しのようになってしまいますが、1年で一番胃の痛くなる季節到来で、常に学生の事で頭が一杯ですので今日までお付き合い下さい。

学生にとっては人生最大の関門となる受験は画力、精神力を鍛えるチャンスで、この経験がないと美術系人材の差に繋がります。
・今、取り組んでいる作品を大切にする。好き嫌いに関わらず、目の前の課題に夢中になる。どうしても気が乗らなければ、好きな部分を無理矢理でも探す。
・漠然と手を動かさない。課題に取り組むとき、目標や仮説を置いて考えることによって、こうしてやろうという分析力が身につき、作業効率が上がる。
・言い訳をしない。「この課題は自分に向いていなかっただけ」など何かのせいにすれば気は楽になるが、その楽と引き換えに成長を失ってしまう。しっかりと自分と向き合って反省し責任を取る。
・自分からアクションを起こす。失敗しても志を持って制作する。上手くなりたければ、積極的に自分からアクションを起こすしかない。自分が一番表現したいことの本筋を見失わないこと。
・相手を気遣う。「いかに自分の個性・作品を理解してもらえるか?」に心を注ぐより、「いかに出題者の意図を理解できるか?」に切り替えたほうが、簡単に、そして絶大に効果は上がる。

常に我々講師の言いなりで「次にどんな仕事をするか」を決められない学生は、自分からアクションを起こすことができず、結局私がアドバイスをしていてもどこか上の空という傾向があります。
私と反対の立場でも構わないから、批判精神をもってほしいと思います。「決められたレールの上で、誰かが与えてくれた合格点を取り、受験選抜という難関を乗り越える」ことがゴールではなく、「クライアントのニーズを満たすために自ら考えてサービスを創出し、その対価を得る」ことができる人間にならなければならないのですから。
そして私達にはそういう人間を世の中に送り出す使命を自覚し、受験までの追い込み1ヶ月弱を駆け抜けます。   オバラ