季節はずれのクリスマスケーキ

201406301
小学生クラス 夢のクリスマスケーキコンテスト

どうも!!梅雨真っ只中ですが、雨の合間の日差しも強くなり、昨日なんかは蝉も鳴きはじめておりました。夏ですね!!!そんな今日このごろ、本日お伝えするのは小学生クラスの皆が応募した「夢のクリスマスケーキコンテスト」のケーキ図です!!季節はずれ!!!

こちらはコージーコーナーで開催されている「ケーキを考えて応募して、グランプリと準グランプリにはイラストを本物のケーキにしてプレゼント!」というコンテストです。小学生のアイデアを立体化する、もしくは大人が具現化する、というのは、クリエイターなら誰もが興味をそそられます。打算的なものも無く、偶然性を孕んだ美があります。ひとつの美の完成形ですね。それは成長と共に失われ、一般的には決して大人が到達できないものですが(到達できたのは天才と呼ばれるピカソやマティスぐらいでしょうか)、そこらじゅうの子どもたちから面白いほどポンポンと生まれます。

今回アトリエで描いた彼らも、「甘いものが好きじゃないから、こんがり焼けたターキー型にした」とか「サッカーとクリスマスを合わせて赤いサッカーコートにする」だとか、「クリスマスツリーにプレゼントが実ってさらにそこからまたツリーが生えて」などなど、彼らの想像力を生かしたケーキがたくさん生み出されておりました。

今回のこのコンテスト、小学生以下なら誰でも応募できますし、しかもグランプリでケーキもらえちゃうなんて出血大サービス!来年機会があったら、お子さまのいる家庭は是非参加してみてはいかがですか?

田中幸介

ズルイ絵

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左上から  萌花 4年 / 操希 3年 / 健生 3年
下段  啓人 2年 / 晴基 4年 / 蒼良 2年

岩田先生欠席の為、オバラです。
1年で一番楽しみな小学生のカリキュラムである『油彩の授業』ですが、1ヶ月半掛け続々仕上がって来ました!
まずは第一弾、題して『ズルイ絵』。
10才までに与えられた特権である『稚拙美(幼稚でつたないが、素朴さ・純粋さが感じられる美)』が顕著に現れた作品達のご紹介です。

萌花 – 持って生まれたほのぼのとした性質から、私と田中先生の寵愛を一身に受けて自由でゆったり伸び伸び育っている萌花。選んだ写真もお花畑の向こうに見える水色の屋根の教会とペンションという幸せの象徴とも言える風景。どんなに心が荒んだ時でもこの絵を見れば爽やかな涙を流して終わりにできそうな気がします。寵愛昂じて尼になす…(かわいがるのも度が過ぎれば本人のためにならない)わ、わかっていますって!

操希 – 私の「なんでこの写真選んじゃったかなー?」第一声から始まった今回の制作。「そう?でも綺麗でしょ?」と、本人はいたってのんきに描き始めましたが、賢い子なのですぐに台詞の意味がわかり始め「何を描いているかわからなくなっちゃうから難しいって言われたんだね?でも自分で選んだんだから頑張るぅ。」と健気に微妙な色を数種類作り出し、少しずつ塗り重ねました。見事なダイヤモンド富士になりましたね!
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健生 – 飽きっぽいが為にすぐにイタズラをはじめ、何度私に激怒された事か。しかしビビるのは周りだけで本人は全くへこたれないという強い精神力?の持ち主。飽きて絵を台無しするのを防ぐ為に薦めた“絵の具を厚く塗り重ねるマチエール技法”にハマリ、これでもかと盛り上げました。「でもお花は綺麗に残さなくっちゃ!」と、うっかりはみ出すと丁寧に拭き取るマメさも加わり、目を惹く完成度になったのは、なんとなく悔しい。

啓人 – 手前の植物の輪郭に補色で描いた下塗りの赤を残したのが、この絵を成功に導きました。大胆な赤の輪郭の中をガサガサと荒っぽく緑で塗った手前の山と、深みのある水の色を引っ張るような塗り方で描き分け、自然な遠近感を出しています。もちろん狙って出した技ではないので、褒められても本人全く分からない様子。同じようにとぼけた顔してさりげないイタズラを繰り出すヒロトならではの技法に思えます。

晴基 – 聞いていないようで聞いている、わかってるようでわかってない、意外性のある外し技が得意のハルキ。作品もまさにそんな感じの、狙っているように見えて遊びから偶然できただけの形・色・マチエールが絶大な効果を発揮しています。富士山も空もこんな色ではないし、花畑も黄色と緑のチューブを直接画面に押し付けて絵の具を出してみただけ。なのになぜだ!この色使い!この迫力!真似出来ない…

蒼良 – エンゼル・スタジアム(カリフォルニア州にあるMLBのロサンゼルス・エンゼルスのホーム球場)に自分が行ったならともかく「お父さんが行って撮ってきた写真」である事と、キャップ型の複雑な建築物でなので、イマイチ魂が込められませんでしたが、勝気で生意気な性格を逆手に取った煽り文句に騙されて「やってやるぜ!」とばかりに細かいところはクレヨンまで駆使して鉄骨一本一本まで描きました。

こんな名作に囲まれたアトリエで、展覧会に出品する為の作品を夜な夜な制作する私。来週の土曜日に搬入ですが、挫折感と敗北感に苛まれ鬱屈しつつ毎日朝帰り。

空に解ける山

Kamai_13釜井 油彩

傘を忘れた日に限って雨が降ってくることが多いので、なるべく降られない道を探しウロウロしてしまう日々です。そろそろ梅雨も明けて欲しいところですね。

さて本日ご紹介するのは、水曜午前大人クラスより釜井さんの油絵です。
釜井さんは油彩を始めてから、気に入った写真やご自身で撮った写真から風景を主に描いてきました。
今回も海外で撮った実際の景色を描きながらも、どこか非現実的で古代にタイムスリップしたような気分を感じさせる作品です。木々の濃厚な緑からも熱帯の空気が感じられ、ひょっこりと恐竜が顔を覗かせそうです。

実は今回は、下地にあえて薄い色を使い描くことに挑戦しました。油絵に慣れていないとどうしても軽くなってしまい難しい描き方ですが、おつゆがけで空にピンクや紫、ライム色をたらしこんだりして薄く明るい色味を追求しました。

そびえ立つ山の青も美しいです。山の描写などは、かなり枚数を描いていることもあり安定して筆を進められています。
画面の半分を占める緑の表現も苦労させていましたが、思い切った赤を入れ、絵が引き締まりましたね。陰の部分などに青や紫を入れたりとしていくことで、暗い部分も単調でなく深みが出ます。手前の芝生のなだらかなカーブも、タッチと色彩で見事です。こうした着実に描く部分が画面を支え、不思議なリアル感が現れ作品を面白いものにしているのですね。

たくさんの場所を訪れ滞在していた釜井さんの作品からは、その土地々々の空気や魅力に作者の愛着といったものが感じられます。行って、帰って、思い返すその時の気持ちが伝わってきて、ワクワクするような懐かしいような不思議な気持ちになります。見る者の気持ちを刺激する作品に仕上がりましたね!

そんな釜井さん、次回は川崎の夜景を描こうかなぁ…ということですので、皆様お楽しみに! 庄司でした。

サッカーの絵

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幼児クラス 

ワールドカップ終わってしまいましたねぇ。
ちょうどサッカー最終日となってしまった水曜日、幼児クラスの子達も朝から試合を見ていたそうで、選手のプレーは脳裏に焼き付いているようです。
授業中にも試合の写真を見せて、選手の動きがどのようなフォームになっているか再度確認。
上の写真は年中&年長さん作品ですが、筋肉質なボディでボールを蹴りあげている様子や堂々とした構えのポーズのキーパーも力強さが良く出ていますね。
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そして、こちらは入会して間もない年少さん達の作品です。
3か月前には親子クラスに在籍していた子もこんなにも迫力のある絵が描けるようになり、急激な成長にドキッとしてしまいます。これから先が楽しみで仕方ありません。

お知らせです!!
夏のワークショップのお申し込みが始まりました。
幼児クラスは、毎年通常クラスの授業に一般の方も合同で参加していただくスタイルでしたが、すぐに定員に達してしまい参加できない方が多くいらしたので、今年は通常授業とは別にワークショップを企画いたしました。
幼稚園生対象の内容と幼稚園生・小学生合同のワークショップがあります。
お申し込みは、お電話で受付いたします。(044-411-1600)

伊藤

はじめまして、安本です。

Erika
木曜学生・大人クラス担当の安本依里花です。

小学六年生から高校三年生の五月までミオスの生徒として在籍し、六月~受験終了まで美大受験予備校に通ってから多摩美術大学統合デザイン学科合格後の現在、ミオスの講師をやらせていただいています。
画像は右上2枚が受験期のもの、他は大学の課題作品で左が基調色調の色彩演習と右下が空間構成スケールモデルの写真です。まだ自主制作の作品も少なく経験も浅いですが、その中でも私が大切だと思っていること、私にしか感じられないことを担当させていただく方全員に伝えたいと思っています。
私の作品はとても上手いと言えるものではありませんが、一つ一つの作品に好きなところがあります。このことが作品制作や絵を上達させる上で一番大切だと思っていることなので、今後一緒に「好き」な作品を作っていきましょう!一つ大切なことは言ってしまいましたが、もっとお伝えするのはまた制作を手伝わせていただく際に。
どうぞよろしくおねがいします。

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はじめまして、関です。

Kan6
はじめまして、木曜小学生クラス担当の関栞奈です。
ミオスでは、高2の冬から受験の終わりまで生徒として在籍し、長期休暇に大手美術予備校に通っていました。現在は武蔵野美術大学映像科に所属しています。

画像のケンタウロスが棲む森やシロクマと一緒に空飛ぶ鯨の観測など、想像の世界を描くことが好きです。自分の頭の中の景色を私以外の誰かに見てもらえるのはとても嬉しくて、楽しいことです。また、自らデザインしたエコバックなども自主的に製作したりしています。
青い四角が目立つ画像は感覚テストと言って、映像科を受ける際の実技のひとつでした。テーマに沿った場所や出来事のイメージを文章と絵で表現する、というものです。(画像は使われていない部屋というテーマでした)

大人なら難なく伝わる事でも、子どもに説明する時はある程度噛み砕かないとほとんど伝わりません。それは難しくてとても頭を使います。そして、子どもはアドバイスしたことをものすごく素直に反映するので伝わっていること、いないことがよくわかってしまうのです。恐ろしい!

どうしたら、上手く伝わるのかな。無理やりやらせても楽しくない、面白いと思わせながら絵を描いてもらうにはどうすればいいのかな。講師、だなんて名乗るのは余りにもおこがましくて日々が勉強です。
他の先生方と比べて彼らと歳が近い分、気軽に何の気負いもせずに楽しく絵を教えていけたらと思っています。頑張ります!

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鬼教官月間!

20140623
学生クラス 習作

どうも!!もっぱら学生には厳しい、幸介です!先週の小原先生のブログにもありましたが、美術系の大学への進学を考える学生の育成・および指導について、毎週のように小原先生と頭を悩ませております。

ちょっとでも良い所を見つけて、それを大事に大事に伸ばして、じっくり時間をかけて確固たるものにしていくやり方もあるんだと思い、やってきた部分もありました。それは自己主張の弱く「他に特技が無いから消去法で美術系に進学」という生徒が増えたからです。手を変え品を変え、毎週さまざまな課題を考えていました。そしてちょっとでも何かが成長しそうになったら「そうだよ!!良いよ!!」と褒めてみるのです。それは生徒の成長が嬉しくて褒めていた面もあります。しかし『何か良いとこ探さなくちゃ』と思って褒めてみたりしたのも事実。

最近気付いたのです。ヤル気のある生徒、例えば「こういう職業につきたい!絵が描きたい!!これが将来の夢!!!」と意欲的な生徒は、自ら様々なことに興味を持ち、どんどん上手くなっていきます。講師の言葉を反芻し、自分のものにしようと必死です。そんなどんどん成長していく生徒に対して僕らが言うのは「甘えるな!!まだまだ上がある!!」と、賞賛の言葉ではありません。

ヤル気があまり表面に出ない生徒、受身で講師から指示を待つような生徒の場合、自分で考えて吸収しようと言う意欲が少なく、やはり上達も遅いです。でも、先にも書きましたが、少しの成長を見て「よくなってるよ」と僕は褒めます。

上記二つのパターン、一方は成果を100出しても「おまえなら150出せる」と良い、かたや一方には10の成果で「すごい!10も伸びたね」と言う。これは間違ったことなんじゃないか。だって100と10の伸び率なら、100の成果を出したほうが頑張ったに決まってます。10しか成果が出ないような努力なんて、努力のうちに入らないと思います。僕は100成果を出した方を褒めたいです。やっぱり、性格とか性質によって評価を変えるのは正当でないし、両方に失礼ではないかと思うようになりました。

個人差はあるけど、もし10しか成果が出なかったらやっぱりダメだし、例えばもしそうなってもそこで「ヤバイ!!100やらなきゃ!!」って焦ったり危機感を覚えるぐらいでなければ、美術系への進学は無意味になりかねません。そもそも、デッサンとか絵を描くのが受験勉強って、物理や数学を必死に勉強しなきゃならないよりよっぽど恵まれてるというか幸せなことなのに、それすら怠けるようならもう、良い人生は訪れないです。良い成果は着いてこない。

最近は「やれることをやらなかったり、嫌なことを避けて通るような人間は先生は許せない!!そして嫌なことから逃げた後にはそれなりの結果だから覚悟しろ!!何かを得るためには何かを失うんだ!!」と断固たる決意で生徒に言葉を投げかけています。これが合う人合わない人もいるんだろうけど、しばらくは学生に対しては鬼教官月間で行きたいと思います!!

田中幸介

クロッキー会中止のお知らせ

20146『前回6月7日のクロッキー会にご参加頂いた方々の作品と、モデル』

7月5日に予定しておりました、『人物クロッキー会』は、都合により中止させて頂きます。

楽しみにされていらっしゃいました方、大変申し訳ございません。

8月のクロッキー会はお休みですので、次回のクロッキー会は9月6日(土)16:00~18:00となります。

またのご参加、お待ちしております。

人待ち時

Nagase_20永瀬 アクリル

『待ちくたびれて首じゃなく腕が伸びちゃった』(と、永瀬さん談)

本日ご紹介するのは水曜午前大人クラスより、永瀬さんのアクリル画です。何枚もアクリル画を描いている永瀬さんですから、もう画材の扱いはお手の物といったところでしょうか。現在は、より深く、鑑賞する者の想像を刺激するような作品を目指して制作に勤しんでおられます。

今回の作品では、部屋の隅で頬杖をつき、思い悩んでいるような、誰かを待っているような女性の姿を描きました。一目見てぐっと惹きつけられ、また彼女の心情に思いを馳せてしまう…そんな一枚になりました。

途中まで、背景のドアはもっとおぼろげで、窓とも取れるように描いていました。しかしそこからドアを少し開け、壁と床をしっかり描き込んだことで、より物語性が増し作品に感情移入できる入り口が開いたように思います。曖昧にしたり、描かないことだけが想像を刺激する術ではありません。よりはっきりと形作ることで、かえってこれはどういうシチュエーションだろう…と気を引き、見る者に考えさせる事ができるのです。
そして出来上がった背景、この色合、まさに永瀬さん節全開!憂い顔の表情と白く浮かび上がる腕が、背景の分割の中で美しく浮かびます。

頬杖をついている腕は、実際の人体と照らし合わせればリアルな長さではありません。しかしこの作品をしっかりと支えています。ところどころに嘘が入っていますが、それをすんなりと受け入れさせるのは、この空気の中ではこの長さでなくてはいけないような、そうした画面作りが出来ているからこそと思います。それは感覚で描く永瀬さんが、これこそが心地良い形、という気持ちを大事にしているからではないでしょうか。
そうして作り上げた画面に、感覚だけでなく、画面の中でしっくりときているか、冷静に他人の目になって見ることと理論立てて構成する余地が入ってくることでより魅力的になり完成されていくのですね。

ドアの下部分に入る水色なども、ここになければ絵がたるんでしまいそうです。ほんの些細なところですが、チラリと見えるだけでグッと引き締まりお洒落になるということは、ファッションでもよく感じられますよね。永瀬さんはファッションセンスも素晴らしいので、それが遺憾なく発揮された色選び、差し色にはいつも唸ってしまいます!
遊び心を常に持って生活していくことで、より美術的な感覚も鍛えられますね。手に入れたものは自分の中、作品にどんどん取り入れて、永瀬さんのように絵の具と遊び、楽しみましょう! 庄司でした。

小学校受験保護者座談会

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今秋小学校受験をされる生徒さんの保護者様を対象とした座談会が行われました。
あと4か月で本番を迎え、緊張感も徐々に高まる時期です。これから大きな山を乗り越えていくために、日頃絵画制作について気になっていることを少しでも解消し、これからどのように対策をしていけばよいか、参加者の皆様とお話をしながらそのヒントを探っていきました。

まずは、お子様がいつもどのような気持ちで制作に挑んでいるかを体験していただく為に、10分という制限時間を設けてクレヨンで絵を描いてもらいました。(写真はその様子です)
事前に回収した「絵画制作のアンケート」には、様々なお悩みや質問が寄せらました。それには過去に幼稚舎・早稲田に合格された生徒さんの作品を参照しエピソードを付け加えながら解説いたしました。今年の参加者は、10名と多くの方にご参加いただき、すべての疑問・質問にはお答えができませんでしたが、これから迎える夏休みと入試直前にやるべきことが少し見えてきたのではないでしょか?

アトリエミオスの小学校受験クラスでは、『表現したいイメージを具体的に形にする』『完成した作品を自分の言葉で相手に伝え理解してもらう』能力を鍛えること、そして自分で知識を得る喜び、達成する満足感を味わえるように、まずは“自分で考え、積極的に行動し、発信する”ことを重要視しています。教えられた通りに答えることよりも、自分で発見したものを発展させていく創造性にあふれていることが大切です。
子どもらしい素直な反応で楽しく意欲的に取り組む姿勢で、いつも通りの自分らしさを試験当日に出し切ってほしいと願っております。

一つ目の山=夏休みは、もうすぐです。私達も全力でサポートしていきます。         

伊藤