雰囲気の良い秀作

Uenoyokohama1上野 『暮れる街並み』 油彩

本日は土曜午後クラス上野さんの作品です。こちらもブログで続けて書いて来た「THE横浜展」に出品された作品です。海の向こうに夕日を背にしたみなとみらいの風景を描いています。こちら上野さんの作品としてはちょっといつもと雰囲気が違います。良い意味で。

絵具ののりがいつもにも増して良いですね。そして色合いもとても美しい!空にしても海にしても色が実に活き活きとしています。空に浮かぶ雲の中でも色相のバリエーションがとても豊富で見飽きません。しかも沈み行く夕日の中に使われている色にもかなり工夫を凝らしているのです。どういう風に描いたのか近くに寄って見てみたいという気にさせてくれますよね。

更に感心してしまうのは、画面の中の空間性です。限られた明度の中で印象、色相、空間などのことを考えながら描き進めるのは大変神経を使いますしスキルも要します。そういった意味でもこちらの作品、気遣いがなされた秀作と言えるでしょう。最後にワニス仕上げにしているところも全体の艶を上げながら色彩を一層鮮やかに見せています。こういったことも実に良い効果を上げています。

私が上野さんがこの作品を描いている時に気付いたことがあります。それはいつも以上に自分の作品を離れて見られているなという事です。上記のように描きながら色々とバランスを取ろうとするとやはり座って描いているだけでは中々難しいです。特にフィニッシュに近づいて行けば行く程、一筆置いては離れるといった感じで良いのです。

そして今回上野さんの作品はTHE横浜展において見事佳作を受賞しました!やはり賞を頂くのは嬉しいですとご本人もおっしゃっていました。
いよいよ来年はアトリエミオスの展覧会ですね。皆さんも来年に向けて作品作り頑張ってくださーい!   岩田

空に伸びる聖堂

Sato_01佐藤 透明水彩

お隣日吉駅の慶応の銀杏並木、見事に色付いていて素晴らしいですね!思わずおお~と声が出てしまいました。秋も深まりましたね。

さてさて、本日はチケット制佐藤さんの水彩画をご紹介します。今回佐藤さんは、旅行で訪れたというオーストリアの大聖堂を描かれました。
この作品、何と言ってもスケール感が素晴らしいですね!尖塔が空に突き刺さるほどに伸びている様子、そしてそれを見上げる地上の人間。高くそびえる大聖堂の大きさがこれでもかと伝わってきます。

手前は濃く強く、奥は薄く弱く、基本ですが、これを意識するだけでぐんと作品が変わります。
今回も手前を暗くしコントラストを出すことで遠近感が強調され、建物がより前に迫り出してきています。よりエッジィになり、荘厳さや迫力が際立ちました。影の部分にのせた紫や暗い緑も主張し過ぎずに壁肌を引き立てています。この色の幅もじっくりご覧下さいね。左の影に入るブルーなど素晴らしく美しいです!

また、近くで見るとペンで描かれた線がとても美しく、魅力的なんです。
ペン画はラフな線やガサついたタッチ、インク溜まりも見せ所!そこもとても素敵なので、ぜひ佐藤さんのペン画なんかも見てみたいなぁ…なんて思います。

この大聖堂、とても立派なゴシック建築ですし思い切り冷たい印象にも振れそうな題材ですが、そこに暖かみやユーモラスな雰囲気が加わっているのがこの作品の魅力だと感じます。サインからも大胆なお人柄が伝わってくるようで、自然顔がほころんでしまいますね。次の作品にも期待が高まります! 庄司でした。

小学校受験 秋の親子体験授業

Akioyako
引き続き今日も小学校受験クラスよりお伝えします。
東京・神奈川の私立小学校入試が終わり、今年度は多くの朗報をいただきました。夏休みから秋にかけて、志望校対策の問題を何度も何度も制作して本当によく頑張っていました。入試直前にはみんな自信に満ちた頼もしい表情で、私達も笑顔で見送ることができました。
試験当日の様子を伺うと、どんな問題が出題されても今までやってきたことを思い出し、柔軟な発想力で自分が大好きなものや得意なもので応用する力を見事発揮できたお子様が多く、作品について多様な質問を受けても堂々と自分のことばでしっかりと表現できたようです。

さて年長さんの授業が終わり、来年1月からは新年長さん対象の『小学校受験クラス』そして4月からは新年中さん対象の『プレ受験クラス』が始まります。これに伴い新しい講座が始まる準備として、またこらから小学校受験をお考えのご家庭対象の<秋の親子体験授業>が先日行われました。
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今回のテーマは、赤・青・黄・白の粘土を使い、親子一緒に『生き物』制作を楽しむ内容です。
まずは、3原色の混色の実験からスタートです。3つの色から2色選んで混ぜていくと、何色ができるかな?と予想しながら混ぜていきます。最後は3色全部混ぜるとどうなるかな?予想通りの色になったかな?
クイズ感覚で問題を考えて、実験して結果を知る。生き物のパーツごとに色を変える。
ただカラー粘土を混ぜるのでなく、ひとつひとつ制作の意味を知りながら、お母さんと相談しながら、楽しく粘土に触れる授業となりました。

教室では受験絵画だけではなく、このような粘土制作や立体工作も様々なカリキュラムに基づいて制作しております、
またプライベートレッスンでも絵画以外の制作も承りますのでご相談ください。
伊藤

<おまけ>
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オバラ先生が授業のデモで制作した恐竜です。こんなに狂暴そうな恐竜なのに、授業中生徒さんを見つめる眼差しのままだんだん力尽きてきて、ついにダウンしてしまいました。

小学校受験合格2

20142
年長 小学校受験クラス授業中やプライベートレッスン、講習会で作った立体工作

成績優秀な子でも入試本番で緊張し実力を出せず不合格というケースは少なくないものですが、お母様が過保護気味な子にはそういった面が多く、危険を感じます。
小学校受験でどの学校でも求められるものは、旺盛な好奇心や人懐っこさであると思います。思考力を身につけておくことは大切ですが、なにより子どもらしさを失わないことが一番です。
どんな相手にも合わせられる寛容さを持ち、人を警戒しすぎず気軽に接することができる。かと言っていつも人の提案に乗っかるだけ、適当に相手に合わせるだけの受け身にはならない。(相手が例えプロの先生だとしても、反応が薄い子は一緒にいて楽しいと感じさせる力がないのでつまらないのです。)
目の前の事に夢中になり全身で楽しみ、積極的に周りの人に働きかけられる子は、試験にリラックスして挑めるのでやはり難関校に合格しています。
小学校受験の美術の試験では素晴らしい作品を作ることが一番の目的ではなく、こういったことが見られていますので、これから準備をされるご家庭では、まずは楽しく制作できる環境を作ってあげて下さい。
来年も「あんまり楽しくて試験だって知らなかったよ!」という台詞が聞けるよう、私たち自身も楽しめる授業にしていきたいと思っております。   小原

小学校受験合格報告1

2013
年長 小学校受験クラス授業中やプライベートレッスン、講習会で描いた平面作品

ようやく小学校受験がひと段落つきました。
私どもの絵画教室の小学校受験クラスへ入会を希望される方の多くは、早稲田実業学校初等部、慶應義塾幼稚舎、慶應義塾横浜初等部の受験を希望されており、どこも倍率が10倍以上ある難関校である為私たちも一年間気が抜けませんが、毎年大変良くおできになるお子様ばかりの入会とあって、確率で申し上げますと上記の小学校を受験した1/3のお子様が合格を頂きました。うれしく思います。
もちろん上記以外の私立小学校が第一志望ですでに合格された方々もたくさんいらっしゃり、ほっと胸をなでおろしております。
保護者の皆様には心よりお祝いと労いをお伝えしたく思います。
合格おめでとうございました。   小原

1月からの新年長対象の小学校受験クラスは現在、月曜クラス・金曜クラス共にキャンセル待ちの方が数人いらっしゃる状況です。プライベートレッスンの受講は可能ですので、HPの方で詳細をご確認後、お電話で体験のご予約をお申し込み下さい。

思い出と共に

20131125
梅田 油絵 「習作」

どうも幸介です!本日は大人クラスより梅田さんの作品をご紹介いたします。こちらは私が描いたデッサンを元に制作されました。まずはご本人のコメントからどうぞ↓

『或る日、ミオスに生徒のお母さん(美人)と思われる人が尋ねて来た。教室に入るなり、田中先生の樽のデッサンにうっとりと見とれていたんです。あのデッサンは教室の風景の一部になっていて、いつも来ている私たちはその素晴らしさを見過ごしてしまっているのではないでしょうか。ちょうど油絵で形を取る練習をしたかったので、人を感動させる素描が目の前にあるならと田中先生のデッサンをモチーフにして描くことを決めました。

ところが細かい観察を続けていくと、このデッサンにとんでもない仕掛けがあることに気づいたんです。全体を見ると人を感動させる素描なのに、ディテールには矛盾がある。正確に描ききることよりも、全体の絶妙なバランスを表現したデッサンだったのです。しかもこれは田中先生が高校生の頃に仕上げたデッサンですからね、十代の学生にしてやられた感がありました。

それからというもの、ディテールのない傑作を目前に試行錯誤を重ね、私なりの模写を仕上げました。この拙作は迷いや苦労の後が見えてしまっている作品なのです。習作に過ぎませんが、私には見る目を鍛えられた大きな課題でした。』

僕自身もこの絵を描いたのが10年ほど前ですし、そんときの「誰よりも良い絵をかくぞ!!」って意気込みすらもうっすらとしか覚えていないのですが、梅田さんのコメントを聞いて少しだけ記憶がフラッシュバック。たしか手前のトマトと樽の木目を目立たせるために後ろモチーフの存在を殺し、そして浪人生の先輩たちのデッサンが僕にとって魅力的でなかったので「これがデッサンだぞ!」って描いた絵なんです。予備校の先生とも犬猿・かつ一触即発の仲で、そういう環境で描きました。梅田さんのコメントに「迷いや苦労が見えてしまっている」とありますが、この絵自体に僕の迷いや苦しみも書き記してありますので、当たり前のことなのかもしれません。血を吐いて描いてましたからね。

それにしても良くこの絵を油絵で描く気になりましたね!!と疑問に思っておりましたが、梅田さんの「生徒のお母さんが見ていて~」のくだりを聞いて納得。この絵では無く、年月を経て発生したストーリー(あと美人のお母さん)に惹かれたのですね。これは納得せざるをえません。

個人的にはもうちょっと描きこんどくれよ!という気持ちもありますが、少しでも梅田さんの何か技術の向上などに繋がるのであれば幸せです。ちなみに血を吐いて描いていたと先述しましたが、それは美人の予備校の先生に「毎日座って絵を描いてるだけなのに、昼ごはん食べすぎじゃない?そんなカロリー使う??」と問われ、「確かに!!」と思った僕が一日の食事をボルビック一本、おにぎり一個に削った結果、栄養失調と胃潰瘍になり血を吐いたということでした。

そんなこんなでこちらは習作とのことなので、今回の作品を生かした梅田さんの次回作、きっと予想を上回るに違いありません。皆さんと共に、期待して待ってます!!

田中幸介

赤レンガ倉庫

Ishigakiyokohama1_2石垣 『赤レンガ倉庫』 油彩

今回は石垣さんの描いた横浜の風景をご紹介致します。「THE横浜展」ではこちらの作品と合わせて2点を出展しました。先日お伝えした賞をお取りになった作品は以前お描きになった作品だったのですがこちらの新作も対岸から見た赤レンガ倉庫を面白いアングルで描いています。

手前に描いてある鮮やかな色で描かれた船艇と遠景に見えている倉庫を中心にした風景が美しく対比されています。重ねて船が醸し出しているメカニカルな印象と赤レンガ倉庫の素朴でクラシカルな印象の対比も良く考えられているのではないでしょうか。

本日、私も「THE横浜展」に行ってきましたが以前描かれたみなとみらいエリアを描かれた作品も良いと思ったのですが私としては今回ご紹介の新作も良いなあと感じた次第でした。
「みなとみらい」の作品もとても繊細で緻密な仕事が石垣さんらしい!と感じましたが新作の方は繊細なだけでは無くしっかり絵の中で大胆さと繊細さが同居していて表現の幅が広がっている気がしたのです。

作品の中に描かれているインターコンチネンタルなどの建造物に関しては、更に描き込めば絵としてのクオリティーが上がって来るとは思いますが石垣さんも出展された他の方々に違わず、時間の無い中で本当に頑張って作品を仕上げておられました。その辺りご本人もちょっと悔しい思いがあるのではないでしょうか。

私がアトリエミオスで講師をやらせて頂いてから海や川などの水のある風景を描かれてきた石垣さん。新たに描かれる新作は京都にいらっしゃった時の神社のある風景です。私にとってはとても新鮮にうつります。

石垣さんには、今回の公募展のように出品する機会がありましたら是非又、チャレンジして頂きたいと思います!  岩田

緑の邂逅

Takeda_01武田 日本画

庄司です。日曜クラスに入らせて頂いてそろそろ1ヶ月になります。その中で感じたこと…。日曜クラスは動物を描かれる方が多い気がします!

さてさて本日はそんな日曜大人クラスより、武田さんの日本画をご紹介します。ご覧の通り武田さんも動物組!木々の上に立つ豹を描かれました。

色使いやタッチからでしょうか、日本画ですがどことなく東南アジア的な印象も受けます。亜熱帯のような、湿気も伝わってきます。木々の中からがさっと現れた豹、一瞬の邂逅の驚きと興奮。この目線の先には何があるのか、何を思っているのか、想像が膨らみますね。
またこの構図が格好良い!見上げているような視点から、豹に対する敬愛と憧れのようなものを感じます。

今回写真を見ながら描かれていらしたそうなのですが、豹の周り以外の画面下部の木々は全て想像。木の枝葉というものはランダムでありながら規則にそって生えているものですが、それを想像で描くというのはなかなか難しいものなんですよね。武田さんも、もう想像で描くのはこりましたーなんておっしゃっていましたが、いえいえ、素晴らしいです!枝は縦横無尽に走っていますが、視線はごちゃごちゃとせずスッと豹に惹き付けられます。これもやはり画面内での強弱をしっかりと意識して描かれたからこそでしょう。幹や枝をどのようにぼかして描くか、奥行きを表すために、節まで描き込むところとさらりと色をのせるだけの部分との違い、等々参考になる箇所が沢山ありますのでぜひじっくりと見てみて下さいね。
豹の身体の立体感も毛皮の様子もよく表現されています。ネコ科の動物の身軽さで木の上を飛び歩く様が浮かんできます。今にも動き出しそうですね。

完成作を見ていると、じっくりと時間をかけて作品と向き合っていらっしゃるのであろう武田さんの姿勢が伝わってきます。次のモチーフには何を選ばれるのだろう…と今から期待が膨らんでしまいます!

紙版画

Youji_2
幼児クラス 

オズ通りに面したギャラリーと化した小学生自画像版画の反響もなかなか凄いものがありますが、これに続いて幼児クラスも版画に挑戦しました。さすがに幼児には彫刻刀を使った木版は危険すぎるので、画用紙と段ボールを使っての紙版画です。
画用紙をハサミで切った形がシャープに浮かび上がり、また紙を重ねた凸版部分が紙質の柔らかさが美しく表れています。
クレヨンや絵の具で描くのとは違い、版作りの途中ある程度想像はできても、版画が摺り終わるまで果たしてどんな顔になるか非常に楽しみであります。
顔や手のパーツを切るには、大小様々な形や入り組んだ線もあり、慎重に丁寧に切っています。微妙に歪んだアウトラインも顔の表情の一部として見ると、とても愛らしいですね!

幼児クラスの作品を見て、親子クラスでもぜひやってください!という声も聞こえたり?
大人クラスでも、私も自画像版画やりたい!という方がいらしたり?
今やアトリエは版画ブーム?

こちらの幼児クラスの作品も近日中に屋外ギャラリーに展示予定です!!
どうぞお楽しみに・・・!!

↓ 以下制作風景
Youji2_2

伊藤

おめでとうございます!

Sachiko橋本 『花飾りをつけた人』 パステル・水性マジック

オバラです。昨日に引き続きうれしいご報告ですが、小学校受験クラスでも合格者がたくさん出ています。作品などは来週まとめてご紹介いたしますが、中でも倍率が10倍以上の早慶を受験された方1/3が合格されたのには驚きました!小学校受験は、絵画制作以外の体力・精神力や生活面などの総合力あっての入試ですので、ご家族の皆様の努力の賜物だと思います。本当におめでとうございます。

いやもう私昨日から浮かれっぱなし。指導者冥利に尽きるとはこのこと。
『THE 横浜展』はまだ見に行っておりませんが、神奈川県民ホールの第1展示室~第5展示室までの全ギャラリーを貸切っての展示ですので相当数の出品量のはずですが、その中の15賞の中で3人も受賞してしまうし。
営業は「勘」と「経験」で見定め、「ハッタリ」でお客さまにすすめる「度胸」があるかないかでキマるそうですが、勉強ができないから背水の陣で美大に行くしかなかった我々(一部例外も含む)スタッフのハッタリを信じてついて来てくださる生徒さんは、相当のギャンブラーだと思います!ハイリスクハイリターン!
しかし皆さんは賭けに勝ったんですね!゜+。ヤッタァ★(o゜∀`从’∀゜o)★ヤッタァ。+゜!