
どうも幸介です!本日ご紹介するのは、美大受験を控えた高校生の作品。…といっても彼女は今現在、ミオスではなく大手の美術予備校に通っています。
今年の春頃「美大考えてるなら大手予備校に通って、同じように美大を目指している生徒の中で切磋琢磨して揉まれるべき!!ミオスのぬるま湯の中じゃ危機感も生まれないし、美大に受かるかも分んないよ!!」と追い出したんですが、しばらくぶりに「作品を見てほしい」との懇願を受け、アトリエに来たのでした。
久々に見る作品には彼女の半年間の頑張りが目に見えて表れています!!デザインは全体的に色調が乏しく美しさに欠ける印象ですが、デッサンには率直で勢いのある画面構成に光るものが見えます。しっかりスキルアップしているようで心強く思いました。しかし美大は、その程度で受かるものではありません。だいたいデザイン系の科だと10倍以上の倍率だったりするわけですから、1人受かったら10人落ちるわけですね。そして、おそらくその10人が皆必死に絵を練習してきている。全国のそれぞれの高校で一番絵がうまい人たちが、さらに磨きをかけて受験しに来ているということだと思います。
数学などとは違い、絵は答えがいくつもあります。各々の身の丈にあった答えです。どんなに練習しても、受験会場でアイデアが降りてこないかもしれません。僕自身、武蔵美の受験のときにデザイン試験時間3時間のうち、1時間近くも頭ををひねりましたがアイデアが出ず、とにかく制作をはじめたものの2時間過ぎたあたりで「もうこの絵はダメだ!!」と思い、急遽水で絵を流して残り一時間でなんとか制作!!…なんてこともありました。
きっと、日々の学校や友達と過ごす時間、そして絵を描く時間と、悩む暇もないくらい目まぐるしく日々が過ぎているはずです。でも何だかこう、もう一皮むけたいのに行けそうで行けない。解決策の無い悩みがあるんではないでしょうか。彼女のどこか寂しげなデザイン課題には、それが顕著に表れている気がします。
アドバイスとしては、もうとにかく描くことですね!あたりまえですが大事です。そして出来る限りたくさんの作品を見る事!そこにはヒントが多く隠れていますので。そして極めつけは、いっそのこと絵なんか全然興味無い人(八百屋のおじさんとか)に作品を見て感想を言ってもらう事!!絵のことなんか普段全然考えないって人の感想のほうが、素直で的を得ていたりするもんです。(その分、作者としては傷つくこともありますが…)
ということで、これから冬が受験本番となります!!この冬休みが勝負ですね。小学生の時から教えている生徒が今こうして美大に入ろうとしている事実に、普段考えないようにしている己の老化を思い知らされた気もいたしますが、とにかく彼女がこの冬何かを掴める様に祈っています!!
田中幸介