念入りに

Nonaka_04野中 鉛筆

今年初の冷やし中華食べました!一口食べた途端にしみじみ夏だなぁと感じ入ってしまうのはさすが定番メニューの風格ですね。庄司です。
さてさて本日は賑わいの水曜午前大人クラスより、野中さんの鉛筆画をご紹介します。

今回の作品は、12月初めから描いてましたので丸々半年かけた大作!素晴らしい根気と執念です!はじめは水彩画にする予定だったのですが、下描きのデッサンの時点で魅力的でしたので色は少しだけ入れることにして進行…。そしてまた描いているうちにこれは全て鉛筆でいった方が格好いい!ということで、二転三転しつつ先週完成と相成りました。

この堂々としたタッチと構図、デッサンは何枚も描かれていますが、その度にモチーフに対する視線の真摯さを感じます。こんなに強いタッチで描くのは初めて、とご本人がおっしゃる通り、繊細さに激しさも加わり、更に深みが増したように感じます。
今回は線の強弱に力を入れて、一本の線を描くにも気を抜かずに仕事を重ねていきました。紙風船のかさついた質感、複雑な影の形。鉛筆を寝かせたり尖らせて強いタッチを入れたり、練り消しを上手く使い光の当たる部分のコントラストを上げることで白い部分もきちんと白く見えます。もちろん強い調子だけではなく、柔らかい鉛筆を寝かせて描いた毛糸の描写も見事です。それぞれの触感がしっかりと伝わってくる、質感の『違い』がよく表れた美しい作品になりましたね。

Nonaka_05絵を描きながらの御自身の変化が楽しいとおっしゃる野中さん、歳を重ねながら常に学び、受け入れて変わっていくというのは並大抵のことではいきませんよね。私もそんな風に柔軟に変化を受け入れていきたいと感動してしまいました!

そして、マル秘!?な野中さんメモも少し公開…。毎回このメモをノートに纏め、見返して理解を深めるのだそうです。素晴らしい勉強家ですね!

乾燥中

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親子クラス
伊藤です。クレヨンと絵の具でのお絵描きも画用紙の形をちょっと変えるだけで気分も変わり楽しさもアップします。あらかじめTシャツとズボンの形の画用紙を用意してお絵描きしました。
クレヨンでのグルグル描きに上から絵の具で着彩したはじき絵。絵の具の色を変える度に他の色と混ざり合って、また違う色がうまれる。ほとんどのお子さんが絵の具は初めてなので小さな発見がいっぱいです。
絵の具で湿っているTシャツズボンをお母さんがいつもしている洗濯干しを真似して、ずらっと紐に吊り下げて乾燥中。
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洗濯物乾燥中の間に、親子クラスでは定番となっているビー玉を使って絵の具遊びです。ビー玉に絵の具をつけて箱の中でコロコロ転がして偶然性の線を描く作品です。今回はその模様を利用して紙袋にコラージュして別の作品に仕上げました。
本物の葉っぱを使ってのスタンプもきれいにできましたね!

親子クラスに参加するようになって、お子さんと一緒に制作することで、色々な画材・材料・道具を新たに知るお母さんも多いようです。わざわざ高価なものを買わなくても身近なもので代用できる道具、画材選び、家庭でできる応用編などご質問にもお答えします!

2013-05-30 01:32:30

Shougakuseiaburasitagaki_2
小学生クラス 油絵下塗り

オバラです。先日小学生に「なんで私の絵をコンクールに出しちゃったの?戻って来ないなら出したくなかったのに!」と去年の夏の話をえらい剣幕で怒られました。
「完成した時にちゃんと説明して『出したくない子は持って帰れ!』って言ったでしょ?」
「そんなの聞いてない!ってか、多分聞いてなかったの!なんで大人って、子どもはいつも集中力がある訳じゃないってわかんないの?そんなの常識じゃん!」と抗議され、その素晴らしい説得力に苦言も言い訳も思い付かず平謝りしました。
先生達は大事な話が全員の耳に入るよう、工夫が足りなかったよ。ごめんね。

という訳で、油絵の道具の説明も、間違えて危険がないようかなり大袈裟に話します。
筆洗(ブラシクリーナー)は皮膚の弱い子が長時間触れると炎症をおこすこともあるので、「デンジャラスウォーター」と呼ばせ、白目が溶けたりすると脅します。
ペインティングナイフは殺人事件で凶器がこれだった為、画家が犯人だとバレた火サスのストーリーまで話し、人が殺せる武器だと脅します。
絵の具の蓋を開けるライターは筆洗(石油系)と混じると火事なんてもんじゃない、引火して一気に火柱が上がると脅します。

が、毎年同じ話ではつまらないだろうと思うでしょう?
意外にも「今年もあの怖い話してぇ!」とせがまれるのです。
鉄板ネタのレパートリーを増やし、上手く使い分けて、聞き逃し0を目指します!
以上、油絵制作と全く関係ない文章でした。

人体デッサン会

Kurokki134前回のクロッキー会の様子

どなたでもご参加頂ける、人物クロッキー会のお知らせです。
アトリエでは第1土曜日に着衣の人物クロッキー会を行っています。
固定ポーズを20分×5回(ポーズとポーズの間に5分休憩を挟む)行います。
今回は女性の寝ポーズで考えております。
皆様のご参加お待ちしております!

日時   6月1日(土) 16:00~18:00 (入室は15分前より可能です。)
参加費 1500円 (ミオス生徒 1000円)
持ち物  スケッチブック、画材etc (イーゼル、画板、イスなどはご用意してあります。)
お申し込みはお電話でお願いします。   044-411-1600

次回以降の予定はコチラ

緊張感を得る

20120527_2上橋 水彩画

どうも!!最近アトリエに来ると必ず蚊に刺されるので困っている幸介です!本日ご紹介するのは大人クラスより上橋さんの水彩画です。筆の遅い月曜大人クラス、例に漏れず上橋さんの作品作りも、念入りに資料を用意したり練習に練習を重ねるなどじっくり堅実派の製作スタイルです。しかし本作は「描かない」ことをコンセプトに、なんと1ヶ月あまりでの完成となりました!!(制作アベレージ半年以上の月曜クラスではかなりの速筆!!)

しかし早く描くということは、すなわち必要な部分のみを描き、余分な時間を削ぐということです。一筆一筆を、的を射て置いていかなければならないわけですね。明るい場所は画用紙の白をそのまま活かすので、始めから完成まで手を入れない、暗い場所は大きな筆ではっきりとざっと色をのせなければならない。つまりはデッサン力や今まで培った描写力が問われるというわけですね。

今回のこちらの作品では幹の立体感や反射光、花びらの薄さや光の透けたような、「光・明るさ」を感じる色彩がとても美しいですね!そして花びら自体にはあまり筆を入れていませんが、バックに柔らかく入れたグレートーンで花びらが際立って見えます。描いていなくとも存在感は失わない、とてもオシャレなポイントですね。背景も、幹や花にも紙の白を残し多用していますので、白が自然に見えます。全体がひとつの明確な光でまとまり自然な印象を与えながらも、ある一定の緊張感を持っているという、大人っぽい作品に仕上がったのではないでしょうか。

練習の練習、の資料までも集める、徹底した製作スタイルを続けた上橋さんだからこそ辿りつけたのかもしれません。次回作はじっくり系か速筆か?楽しみにしております!!

田中幸介

モチーフ冥利に尽きる

Photo_2福本 鉛筆デッサン

酒井です。最近暑い日が多いですね!日曜クラスでモデルのバイトを始めたうちの亀も活発に動き始めました。

さて今日は、日曜クラスの福本さんの作品をご紹介致します。基本のデッサンが終わってから人物のスケッチを中心に練習されていたのですが、やはりデッサンに立ち返りたい!とのことでこのサックスを描き始めました。ブログで紹介するのは今回が初めてとなります。

人によっては「何があっても描きたくない!」というほどパーツが細かいこのモチーフ、福本さんもかなりの苦戦を強いられていたご様子です。サックスを手にとっていろんな角度から見てみたり、キィを押して確かめたり、構造把握からきっちり時間をかけてデッサンに取り組んできました。受験時代「デッサンは形が4割、それ以外が6割」と教えられてきた私から見ても、このデッサンは「形が7割」位だったように思います。楽器などの機能を持ったモチーフは、どんなに小さなキィもそれぞれが繋がって1つの構造を作っているため、少しでもパーツを削ったり誤魔化したりすると違和感が生まれてしまうからです。これだけパーツが多いと、それを損なわずに立体感や質感を出すのもかなり難しくなってきますが、福本さんはそういった部分にも最後まで手を抜くことなく完成させました。お見事の一言です!

実はこのモチーフとなったサックスは、私が中学時代に捨てられていたのを譲り受けてきたものなので、かなり古く音を出すことも出来ません。しかしこの作品からは楽器の堂々とした佇まいが感じられ、とてもそうとは思えませんね。絵の中とはいえボロボロのサックスに生き生きとした輝きが戻り、このサックス自身も誰かの手元で美しい音色を奏でていた頃を思いだしたかのようです。サックスとしても、これだけ丹念に描いて貰って「モチーフ冥利につきる」のではないでしょうか!

毎週ミケランジェロにも声をかけて下さる心優しい福本さん、今後の作品も楽しみにしております。

日曜画家展

Okuneko奥 油彩 (右は本日30分間で描いた下描き)

今日は岩田先生がお休みなのでオバラです。
奥さんが横浜市で募集していた『日曜画家展』に出品されることになりました。
お近くにお越しの際はぜひお立ち寄り下さい!

第37回ヨコハマ日曜画家展
5月28日(火)~6月2日(日)
10:00~18:00(最終日~16:00)
神奈川県民ホールギャラリー第2~第5展示室
日本大通り駅より徒歩5分

オマケ
岩田先生のセットしたモチーフを唯一自ら「あら、これが一番魅力的!」とおっしゃった奥さん。
「小学生の作品こんなに進んだのね!私も負けていられないから、描いたら壁に掛けてある子ども達の作品の中に溶け込ませてくれる?」と意気込んで取り組まれました。
私としては岩田先生が調子こくので、このモチーフは封印したかった為、複雑な気持ちです。

劇的なビフォー!?

焼き付くような日差しも吹っ飛ばす勢いの小学生クラスの油絵。下絵から色が着きはじめたかな?と思っていると、日に日にカラフルになっています!油絵というのは描く過程での劇的変化も面白いところです。見逃せませんよ!

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どうでしょう、こういう作品なのかと思ってしまうくらいビビッドな色使い。なかなかに面白く、美しいですよね。そう、今年の下塗りは途中経過も鮮やかに補色を置いていく技法で描いています。

風景画がテーマだった昨年の油絵では、このように下地は一色で塗り進めていました。一連なりの風景を表す時に、下塗りから激しく差を付けてしまうとバラバラな印象になりかねません。一体感を得るためあのような技法で描きました。そして今年は静物画ですから、個々のモチーフを引き立たせていくために補色を利用しています。右上が最近アトリエの壁のあちこちに貼ってある色相環です。名前のそのままズバリ色相を円環で表したもので、この環の中の反対側同士が補色になります。下塗りと見比べてみると、モチーフの元の色を想像できるのではないでしょうか。今回は透明、白のモチーフの下塗りには黄色を置いています。こうすることで光を湛えたように美しい色味を得ることが出来ます。

さてこのように鮮やかなモチーフに対して、背景は沈んだ色合いで色を置くように伝えています。それはどうしてだと思う?と子供たちにたずねてみると、背景だから目立たないように塗る!と即答!(凄い!やるぅ!)そう、背景が主張しすぎてはモチーフが埋もれてしまいます。講師が説明するより前にしっかり分かってるのですから、なんとも頼もしいことです!期待が更に高まりますね。

こうして賑やかにアトリエの壁を飾っている油絵たちですが、よくよく見るとなぜか金魚鉢の中に違う生き物が住んでいる絵が1枚あります。下地も補色も何のその、小原先生の目を盗んで速攻で描いていたとか。これまた頼もしいかも!?なんて、見つけた時にはついニヤニヤしてしまった私です。皆さんもぜひ探してみて下さいね。庄司でした。

2週にかけて制作中

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伊藤です。昨日に続き幼児クラスの授業風景をご紹介します!
こちらは、今週来週と2週にかけて制作する立体造形の導入編です。木片と粘土で立体作品を作るので、絵の具を乾かしたり、粘土を乾燥させたり、少々お時間がかかります・・・。
色を塗ったり組み立てる前に、せっかくの大量の木片を存分に使い、積木遊びからスタートです!
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木片の数々、色々な形があるのですが、中でも一番多いのが薄手の拍子木風な形の板。この形、積木遊びには最高のサイズなんですよ。フランス産まれのKAPLAという木の造形ブロックをご存知の方いらっしゃいますか?厚さ:幅:長さ=1:3:15という、全く同じサイズの板だけで構成して積み上げてものづくりをする玩具があります。今回の木片がKAPLAと同じサイズという訳ではないのですが、偶然にも非常に似た大きさだったので、きっと幼児クラスのみんなも楽しく遊べるかなと思い、導入時間をたっぷり設けてしまいました。
一人でいくつものアイデアを出して制作する子もいれば、ひとつの建造物を丹念に積み上げていく子もいて、思惑通りかなりの熱中ぶりでした。(写真には撮れませんでしたが、他には新幹線・滑り台・宇宙船なども!)
KAPLAは右脳と左脳を刺激し、大人もハマるといわれています。よくイベント会場では大勢が一緒に超大量のKAPLAを使い人が入れるくらいの建物を作ったり、身長を超えるタワーを作ったりするので、機会があれば参加してみてくださいね。(お近くでは、トレッサ横浜でよくやってます。6月にも開催予定のはず?)
何だかKAPLAの宣伝になってしまいましたが、色塗りも終わったので、いよいよ来週は組み立てです。お楽しみに~♪

本性現る!

こんばんは!
小学生達に油絵の具で服をアーティスティックにしてもらった講師の拓也です♪
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最近久しぶりに鉛筆で絵を描き始めました、大学時代に絵の技術を上げる為逃げ道の無いボールペンで絵を描き始めてからもう3年になります(笑)三年ぶりの鉛筆です。線描で色幅も中々出すことが出来ないボールペンで絵を描く日々は巨人の星の矯正サポーターをつけている星の心持ちさながらでございました。制約を付けて描くことが最近自分にとって当たり前になってきていて、その制約を反動にして絵を描いている節があります。今回はHBの鉛筆だけでどこまで表現出来るかに挑戦してみています。まだ製作途中ですが、人物を描くのも本当に久しぶりで新鮮な気持ちで描けていて楽しいです♪多少の開放感すら感じています(笑)
抽象と具象の間を行く絵を描いてみようと今回の絵に取り組んでおります。絵画とイラストの境界も探っております。それもこれも先日観ましたフランシスベーコンのせいなのですが。とにかく完成まで直向きに鉛筆を走らせてみます。

さてお話は代わりまして、こちらは幼児クラスの模様でございます。
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相撲ですね、トイレットペーパーの芯を加工して動物と人間の相撲レスラーを作ってもらいました!顔は自分達の絵を切り抜いて貼っています。動物レスラーの方は中々面白いアイディアも出ていまして、キリン、カバ、クマ、ネズミ、兎などなどの戦士たちを子供達は生み出し、異種格闘技さながらでした(笑)大分工作の腕も上がったのか、はみ出しや塗りムラなど最近は減ってきています。この間まで出来ていなかった事が気がつくと出来るようになっている子供の成長パワーは本当に凄いです。ですが僕はこの日、子供の本当の力を思い知る事になりました。二体のレスラー達が完成し、じゃあいよいよ遊んでみようとなった時です、段ボールを台にし、その上に皆の戦士たちが向かい合う形で立ち並びます、そして戦いの火蓋が落とされた瞬間それは始まりました、男女共に何かにとり憑かれたかのように一心不乱に台である段ボールを打ち鳴らすのです、もうそれはまるでアマゾンの秘境にいるシャーマンの儀式様でした。飛び上がるスモーレスラー達は全滅しておりました。この時僕は思いました、普段もエネルギッシュだけどあれはちゃんと手加減していたのだな、秘めているパワーを開放するとこんなに爆発するほどのエネルギーを持て余しているのだなと。とにかく子供の破壊衝動はものすごかったです、成長のスピードの秘訣はこの破壊衝動と創造力にあるのではと勝手に思惑した一日でした。この日の子ども達はとても満足し何かをやりきった顔で帰って行きました。