観世音

Matuoka_05

家で貰ったオレンジを食べて柑橘類の美味しさを再発見。最近は、スーパーに行くと伊予柑やデコポンコーナーに直行してしまいます。以前より皮が剥きやすくなっている様な…気のせいでしょうか。庄司です。

さてさて今回は水曜午前大人クラスより、松岡さんの日本画をご紹介します。5ヶ月間じっくりと時間をかけ観音様を描きました。

本来は白い観音様なのですが銅に緑青が吹いているような色味にアレンジ。銅の質感も覗くように、緑青に暖かみを与えるオレンジや黄系の岩絵具を重ねたことにより、悠久の時間と流れを感じさせるなんとも味わい深い絵肌が出来上がりました。
そして一目見て惹き付けられるのがこの穏やかで慈悲深い微笑です。唇にはこだわり、かなりの時間をかけました。TV画面で映った女優の美しい唇を写真に撮ってそれに近づくよう…立体感は必要ですが肉感的になりすぎないよう気を配っています。

松岡さんが撮ってらした経過写真一覧もご紹介します(裏にはしっかりその日の作業の覚書き付き!)
Matuoka05_2今回、下地の色はかなり激しいピンクの水干絵具を使用しました。重ねる色を引き立たせ、透けて見える部分が凄みを与えていますね。背景に粒子のとても細かい水干絵具を使用しているので、粒子の粗い岩絵具を使用している観音様と比べてマチエールは平坦になります。ですから軽く見えないよう、暗い色も重ねて深みを出していく事が重要になってきます。筆の動きも荒々しさを加え、幽玄でありつつ迫力のある画面を演出しています。骨書き(下書き)の段階でしっかりとどのような印象の作品に仕上げるかが決まっているので、描く過程で思い切った筆使いをしたりなどの遊び心や工夫もどんどん浮かんでくるのでしょう。そしてそれに振り回されすぎず、狙ったところに辿り着くのは流石ですね。観音様の静かな優しさの伝わってくる作品に仕上がりました。

実は松岡さん、観音様を水墨画でも描かれています。日本画と水墨画の描き比べというのも面白いものですね。次回作では更に鉛筆画・日本画・水墨画と3作同じ構図で描く予定です。白と黒の世界で表現する時にも、松岡さんのこの色彩感覚は活き活きと活躍してくれるでしょう。楽しみですね!