最後の一枚

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ユンヨン 中1 油絵

酒井です。最近なんだか雨が降ったりやんだり、変な天気が続いていますね!洗濯が出来なくて困っています。さて、今日は、新しい習い事のため、今日で学生クラスを離れてしまうユンヨンの最後の油絵を紹介します。

ウクレレ、ガラスの瓶、赤いハイビスカス。このウクレレの持ち主は楽器をを置いて休憩中なのか、それとも誰かが持ち主の思い出の品を描いたものなのか、ストーリー性を感じられる夏らしいモチーフです。今回は最後の油絵!ということで本人も気合が入っていた様子。絵の具が乾いていないうちに濃い色をのせるのが上手くいかなかったり、ウクレレの弦を細~く描くのに苦戦したり、難しくて悩んだ所は沢山ありましたがユンヨンはどれも確実にこなしていってくれました。中学生とは思えないような、シックで落ち着いた色づかい。特に背景の色やウクレレの部分など、下地の生かし方がなんともお洒落!中学生とは思えませんね。

最後に、「この絵は一生とっておきます!」と言ってくれた彼女。これが最後と言わず、たまにはお家でも絵を描いてみたりして欲しいなぁ・・・。絵は道具さえあればどこでも描けますからね。新しい習いごとも、これから頑張って下さい!!

ダンボール額はいかが?

Rimg0285ダンボール (中の油絵は小学生クラスの子どもが描いたものです♪)

チノです。
今年はミオスの展覧会はありませんが、もう来年の展覧会に向けて何を制作しようか考える!という話題になりました。えっ?もう!?という気もしますが、年2~3作ぐらいをじっくり制作するかたは、今のうちから考えた方が良いかも知れません♪

ミオス歴が長い方は、技術も身に付き、表現の幅が広がってきていますので、次に考えることは「作品の見せ方」なのではないかと感じています。・・・というか、完成した作品を見て、私が「この色のマット(額と絵の間にある厚紙ボードのこと)つけたら素敵だなぁ」とか勝手にイメージを膨らませています。楽しいひとときです(笑

作品の中身はもちろん大切ですが、意外と額も絵に大きな影響を与える、スパイス的存在です。

以前、どこかの展覧会で学生の油絵がダンボールで作られているのを見て、私は衝撃を受けました。額って、大抵重くなってしまうのですが、ダンボールなら、どんなゴテゴテの装飾をしても軽い!そして材料費無料なのに、立派に見える不思議。(金のスプレーをかけると金属らしくもなります)

これを見て以来、ミオスでもやりたいな~とずっと心のうちに暖めていました。
なので、今子どもたちの作品が完成していく様子を見るのが嬉しいのです♪

そして大人クラスの方にも好評のようで、ちょっと驚きました。
でも、大人だからこそ、大人げなく技術を駆使して、ダンボールで出来たとは思えない額を作るのがいいかもしれません!(アトリエに石川先生作の精巧なダンボール額があるので是非見てみてください♪)

小学校受験 夏期講習

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本日小学校受験クラスの夏期講習・第1回目の講座が行われました。
今日の課題は
★集団製作でのお菓子の家作り
★絵画で顔の表情の描き方を練習
でした。
集団製作の課題には、手先の巧緻性だけでなく、目的をもっていかに楽しく集中して取り組む事ができるか、そしてお友達との協調性という行動観察の観点が含まれています。
短い時間(30分)の中で、段ボール製の大きなおうちに小さな飴玉をつけても飾りになりません。バランス感覚や時間配分も必要となります。
出来上がった2軒のおうちは、重ねて二階建てに建築し直し外に置いてありますので、ぜひご覧下さい!

●対象 小学校受験予定の年中・年長
●今後の日時
7月31日(日) 13:30~15:00
8月 5日(金) 13:30~15:00
8月28日(日) 13:30~15:00
キャンセルが出て、若干の空きがございます。くわしくはこちらをご覧下さい。

夏休み特別教室 第2弾!

伊藤です。
今までの自宅からアトリエまで自転車で5分という近さから、つい先日引越しして20~30分自転車こいで通うようになり、お天気が気になるようになりました。いつまた猛暑が戻ってくるのか怖いです。

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さて、
幼児クラスの夏休み特別教室全5回のうち、今日は2回目の授業報告です。
鳥の巣のようなものに何やら不思議な色合いの卵がのってますね。これ、何の卵なんでしょう・・・・?
どんな生き物の卵なのかなぁ~と想像して、まず最初は卵の殻を塗ります。塗っている時にちょっと力を入れるとすぐに割れてしまいそうですが、みんな優しく丁寧に塗れましたよ!

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動物園や地球には存在しないような楽しい生き物を想像して、卵から生まれる生き物を画用紙に描きました。実存する動物でもその色を変えたり配色を考えたり、羽を生やしたり、一工夫すると随分と印象が変わりオリジナルな生き物になり、ワールドが広がりますね!
今日は全員の作品はご紹介できませんが、授業の時には終了時間前に、全員の作品を展示会のように床に並べて、一人一人絵の発表をしてもらいました。
大勢のお友達とお母様方の前での発表は、堂々としてなかなか立派でしたよ!
お母さん方からは盛大な拍手をたくさんいただきました!
伊藤

中学生になって

Photo晴香 中1 水彩、色鉛筆

田中先生の記事にあった横浜トリエンナーレ、今回も開催するんだー!と楽しみにしている赤尾です。
個人的にはカールステン・ニコライの展示がとても楽しみです。来日したとき行ったイベントがとても素晴らしかったので!

今日は4月から中学生になり日曜午前クラスに通っている晴香の作品をご紹介します。
小学生の頃からストイックに黙々と描き続けてきた彼女は、中学生になってからもその姿勢は変わらず毎週コツコツと制作しています。
元々描写力は高かったのですが、描きたいもの、使いたい画材を自分で決めることができる学生クラスでさらに力をつけています。
日曜クラスにはもう1人珠乃ちゃんというスーパーストイック中学生(現在は透明なガラス4個の静物画を透明水彩で制作中)が在籍しており、2人で大人や高校生も顔負けの集中力とこだわりを発揮しています。
左側の狐は背景の透明感と狐の毛並みの質感の差をうまく表現できていますね。右の虎は色鉛筆のみでの制作でしたが、背景に思い切って暗さをつけてから絵がぐっと引き締まりました!両方とも顔にこだわりがあり、いい表情を拾えていますね。
凛とした空気が伝わってくる晴香の野性動物シリーズ、今後も楽しみにしています!

油絵の基本的な道具類(筆編)

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油絵の具は、絵具の層を重ねることで絵に深みを出し、様々なマチエール(絵肌)を作ることで絵に空間与えていく画法ですので、それに応じて使う道具も色々あります。
筆には、毛の質と形にバリエーションがあります。

『毛質』
筆の毛質は、豚(硬毛)、イタチ、テン、馬(軟毛)、狸、牛、ナイロン毛(軟質)様々な動物の毛のタイプがあります。

ちなみに豚毛だけで描こうとするとなかなか絵を仕上げるのは難しいです(不可能ではありませんが)。なぜかというと、豚毛だけで描くと絵の中の質感が単調になりやすいからです。
油絵というものは画面内に様々な種類のマチエール(絵肌)をつくることで組み立てていくという特性があるので、硬毛と軟毛の筆を使い分けて描くのが基本です。(逆に一つ要素だけで描き、独特な雰囲気の作品を創る方もいらっしゃるかもしれませんが、ちょっと例外的です。)
それに、硬質な毛だけで描くと、描くと同時に一層目に描いた絵具層を削り取ってしまい、加筆しづらいこともあります。

『形』
また、筆には様々な形のものがあり、ざっと、フラット、ブライト(毛短平筆)、フィルバート、ショート(ロング)フィルバート、ファン(扇型)、ライナー(面相型)、ラウンド(丸筆)、ダガー(先端が斜めにカットされている)、アングル、ゴム質の筆、刷毛、などなどあります。
これは様々な絵肌を創るがために創られたのであります。
作家によっては、あえて自分で筆を折り、短くした筆で描く方もいます。その方が体にフィットするそうで、描きやすいそうです。どういった筆を使うのかも人それぞれですし、表現によって違うものですね。

絵画表現というものは、気持ちや情熱だけでは上手くいかないこともあります。
ちょっと技術面に変化を与えてみると、以外と簡単に描きたいイメージに近づくことが出来るかもしれませんよ。

3年に1度の

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どうも!予定をすし詰めにするのが特技の男、幸介です!!

今年も横浜にて、3年に1度の現代美術の祭典、横浜トリエンナーレが開催されます。美術は文字通り「美しいもの」を追求する文化、学術として培われてきた分野ではありますが、「現代美術」には美しいだけでなく退廃的だったり懐疑的だったり、なんだか理解不能な作品も多く存在します。有名なマルセルデュシャンの『泉』という作品(男子小便器にサインを入れただけのもの)などを思い浮かべてもらえれば分かりやすいかと思いますが、現代アートは日常生活においておよそ美術とは遠いような、汚かったり暗かったりするモチーフを使用したものもありますので、見る前にある程度の心構えも必要かもしれませんね。

前回のトリエンナーレは正直な感想を言えば、作者の意図が見えない展示方法やお粗末な会場設営で、100点満点中12点くらいの出来だった気もしますが、今年はどんな作品展示になるんでしょうか。ちょっぴり楽しみです。

横浜トリエンナーレは参加作家の数もものすごく多く、例えるなら普段上野の美術館でやるような展示は「東京ドームでやる人気歌手のコンサート」で、トリエンナーレは「都心から離れた場所でやる野外ロックフェス」みたいな感じでしょうか。一人でじっくり見るよりも、いろんな作品を仲間とともに「あーでもない、こーでもない」と話しながら見るのが良いかと思います。

前回が悪かっただけに今年のトリエンナーレには期待したいのですが、キャッチコピーのダサさ&言いにくさや上記ロゴやパンフレット及びチケットデザインの生温さ(淡いレインボーに丸いゴシックの文字って教科書の表紙みたいでカッコ悪いです)などからして、早くもキュレーターやディレクターに制作の意図を問いつめたい気持ち満々です。どうなることやら。

というわけで、来月8/6から開催です。芸術や作品制作について考えさせられる良い機会ですので、自身の作品制作に一石を投じたい方は是非とも足を運んでみてください!!

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みんなの宝物!

酒井です。割と涼しい日が続いていますが、学生たちはとうとう夏休みが始まったみたいですね。今日、アトリエに鈴虫がやってまいりました。日曜大人クラスの佐藤さんから、子どもたちをプレゼントして頂いたんですよ!まだ小さいので鳴くこともないですが、秋頃には涼しげな声を聞かせてくれるのではないかと楽しみです。皆さんもこっそり、小さな鈴虫を覗いてみて下さいね。

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さて、小学生クラスの工作課題、「宝箱」が完成しましたので、今日は火曜クラスの作品を紹介します!ベースは木の箱ですが、ペンキ、水彩絵の具、木っ端や紙粘土、蝶番の金具などなど、いろんな素材を使った工作でした。小学生クラスの生徒たちは案外「絵をかくよりも工作の方が好き!」という子も多いので、今回の課題では彫刻刀やドライバーを使うのが楽しくてしょうがなかったみたいです。特に低学年は、まだ学校で彫刻刀を使う授業をしていないので新鮮だったようですね。力が足りなくてなかなか思う通りに彫れず、苦労しながらも一生懸命になって模様を彫っていました。三角刀で少し彫りこむだけで、とってもお洒落な印象になります!ちょっと難しいかな?と思っていた金具の取り付けも、みんな頑張って取り組んでくれました。頼もしい!!

箱自体をケーキやくま、本などに見立てた作品や、シンプルな見た目でも蓋を開けるとカラフルなお菓子が沢山描いてある作品、持ち運べるように取っ手がついたものまで・・・。それぞれ四角い箱を思い思いに装飾していってくれました。みんな家で一体どんな宝物をいれるのでしょう?想像するのが楽しいですね!

和のこころ

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左から 菜摘(高1) 真惟子(中1)  日本画

チノです。
ミオスの日本画ブームは土曜クラスの学生たちをも巻き込んでいます!現在6人が日本画を描いていますが、今日は先に仕上がった作品二つをご紹介♪

「和のこころ、わかってるねぇ!」と、思わず言いたくなります。

日本画(いわゆる伝統的な和風と呼ばれるもの)に共通して言える特徴は、

・浅い遠近感
・装飾性
・余白の美

だと思うのですが、見事にそれらが表現されています。
モチーフにしても、構図にしても、細かく指示を出した訳でもないのに、自然と表現できているのがオドロキなのです。

イメージというか、やはり染み付いているものがあるんですかねぇ~?

菜摘ちゃんは、名前からもぴったりな題材です。日本画は、大体最後「あ~やっと解放された~☆」となる方の方が多いかなーと思う程、もどかしいところもあるのです。しかし、彼女はこちらがそろそろ終わりで良いんじゃ?と言っても「いえ、まだ描きたいです」と言って描き続ける強い精神力の持ち主。最初の説明以外は、こちらが指示を出すことが無い程スムーズに制作が進みました。

真惟子ちゃんは背景に金箔を貼ったのですが、その貼り方の美しいこと・・・!古典的な題材、方法でありながら、水色とピンクと金という組み合わせで、フレッシュな感じがします。和室に飾ってあったら素敵だなぁ。

他の学生たちも、じぃ~~~っくり描いた力作ぞろいなので、お楽しみに!

仏にミヤマはいるのか?

Isiyamamori_2石山 油彩

おとぎ話に出てきそうな、湖水のほとりに広がる森の中の一軒家。
40年以上前に発刊されたフランスの写真集から選んだ1ページだった為、当然印刷技術がイマイチで、忠実に再現した訳ではありません。
構図と雰囲気だけを借り、色合いは自分で少しずつ変えて全体の色調を整え、何層も絵の具を重ねた(先々週の石川先生の油彩技法を使っています。)重厚な油絵として仕上げました。なにより木々の間からチラチラと差し込む夏の木漏れ日・青空が美しいですね!
今の季節の中で見たら、「もう絶対今度の夏休みはここの別荘で過ごす!着いたらまずはボート出して、日傘さしながらのんびり漂って、戻ってアイスコーヒー飲んだら虫除けスプレー掛けて森を散策。目標ミヤマ雄10匹!」とこの絵の前でわーっと想像が広がってしまいそうな作品です。
絵は見る人の気持ちをいかに動かすことができるかも重要。楽しい気持ちにさせる絵だったり、悲しい出来事を切なく振り返ることができる絵だったり、自分の足元にある不安を揺さぶられる絵だったり、元気になれる絵だったり。
石山さんの、「こんな場所で一夏過ごしたい。」と、心惹かれる想いをしたためた絵は、ストレートに見る者に伝わります。すり込まれると言ってもいいかもしれません。こんな素敵な想いなら、ずっと浸っていたいですね。この絵を見ていたら、いつか実現しそうな気がしてきます。   オバラ