リトグラフ診断

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火曜クラス以外はもう次の「自分で作ったモチーフに和柄のペイントをし、それを日本画で描く」という2段仕込みの課題が始まっています。岩絵具を使った本格的な日本画です!リトグラフに日本画にと、大人がやっても複雑な課題続きになってしまいましたが、モチーフ作りで粘土を触ったり、和柄や家紋のペイントをするなかでうまく気分転換して日本画に挑んで貰いたいと思います!

さて、1週遅れで先週みんなのリトグラフが刷り上りました!他の先生も紹介にもあったように、木版リトグラフは私たちもほとんど制作する機会の無い珍しいものなので、どんな作品が出来たか一挙にご紹介します。(画像クリックで少し大きくなります。) 普通に版画を彫って刷る「木版画」と比べてどうでしょう?「描いたモノがそのまま刷れる」と以前書きましたが、実際に刷ってみると同じように黒く塗っていた場所でもインクの載り具合や、どれだけ力を圧力をかけられたかで、かなりの違いがありました。白地もただ真っ白にならず木目が刷りとられ、絵の一部になっているのがすごく素敵です。
出来上がってみて気づきましたが、絵の具で描く絵は一番始めのタッチが下に埋まって行きますが、リトグラフは線のみのシンプルな表現なので初めから最後まで、どんなふうに描いて行ったか想像できるのが面白いですね。線が太いのは意識して力を入れたのか、ただ癖なのか。この子だったら前者かな?とか、この毛並を表現するためにタッチを工夫したんではないかなど、そうした本人の制作風景や性格がいつもよりはっきり見えてくる気がしました。ちょっとした診断書になったリトグラフでした。

余白がひかりに

St330321_2菊地 「入り江」 透明水彩

チノです。今日は菊地さんの水彩画をご紹介します!
木漏れ日のなかおだやかにボートをこぐ人の姿が描かれています。透明水彩は紙の色をそのまま白として使用するという話は何度かしましたが、この作品では「色」ではなく「光」の表現になっていて、いつまでも眺めていたい気分にさせてくれます。派手な作品、色使いではないけれど、細かく描かれた枝と葉っぱがレースのように美しく、思わずほうっとしてしまいます。

人体 クロッキー

Takebechaina竹辺 『チャイナドレス』 透明水彩

今年最後の人物クロッキー会のお知らせです。
20分ポーズを5回とも同じ姿勢でとってもらう固定ポーズです。
今回は、20代前半の女性にモデルをしてもらう予定です。
ミオス生徒さん以外の方も参加していただけます。
アドバイスが必要な方はお申し出下さい。

日時   11月6日(土) 16:00~18:00
参加費 1500円 (ミオス生徒 1000円)
持ち物  スケッチブック、画材etc (イーゼル、画板、イスなどはご用意してあります。)
お申し込みはお電話でお願いします。   044-411-1600

ぜひ皆様のご参加お待ちしております!

もう一つイベントのお知らせです。
大人クラスの生徒さん4人がデザイン・フェスタに出展します。
大勢のアーチストが作品を発表・販売していますので、とても楽しいと思います!お時間ある方はぜひ♪

デザイン・フェスタvol.32
2010年11月6日(土), 7日(日) 11:00 – 19:00
東京ビッグサイト 西ホール全館
入場料―1000円

はじめての・・・

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伊藤です。
最近急激に寒くなったり、雨続きですが、こんなにきれいな「にじ」の絵を見ると気持ちが晴れ晴れとしてきませんか?

こちらの作品は、親子クラスの2~3歳のお子さん達が制作しました。
ほとんどのお子さんがアトリエに来て始めて触れる水彩絵の具です。

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親子クラスでは、授業のはじまりと終わりに絵本を読んでいます。
小さい時から、美しい絵やことばに触れて感じて欲しいなという思いもあり、またその日のカリキュラムの導入として、イメージが広がりそうなものを選んでいます。

この日に読んだ絵本の中の1冊「にじ」は、詩:新沢としひこ / 絵:あべ 弘士 お2人が書いた絵本です。
新沢としひこさんは、以前の私の職場関係で何度もお会いしたりお話しする機会があった方で、とにかく気さくで、どんなにかたい場でも最後にはギター片手に歌が始まり、場が和んでしまうようなムードを作ってしまう方です。

あべ弘士さんは、北海道旭山動物園の飼育係を経て絵本作家になり、「あらしのよる」シリーズが大ヒットしたのでご存知の方も多いはず。

この絵本は文がとても短いので(歌の詩なので)、ゆっくりページをめくり、絵をじっくり見てから描き始めました。

まだ筆を使う事に慣れていないので、最初は何も持たないで、空中に腕を左から右へゆっくりと動かして、アーチ型の線が描けるようにイメージします。

そして、
いよいよ筆に絵の具をつけて描きます!
にじの色の順番は、一人ひとりが好きな順番で描いたので、それぞれの色の混ざり方がとても美しい!

最初は慎重に画用紙に絵を描いているけれど、1枚しっかり描けたら次の画用紙では、色遊びに夢中になり、いつも終わり頃には手も足も顔も絵の具だらけ!

親子クラスのお子さんは、集中できる時間が短いので、1時間の授業の中で絵画と工作をひとつずつ制作し、途中に新聞紙遊びなどお友達と一緒に遊んだり関わりあえる時間もあります。

11月の授業日は、11月9日(火)と30日(火)の10時30分~11時30分です。
前日までのご予約で、定員に達していなければご受講できますので、ご連絡お待ちしてます!

詩集の表紙のような・・・

Kosaki_2小嵜 鉛筆 透明水彩

赤尾です。展覧会前にちょこっと水曜大人クラスにお邪魔させていただきましたが、皆さん作品もご本人も個性とパワーあふれる方ばかりで楽しませていただきました!ぜひまた宜しくお願いします!!
展覧会でも眠るご主人の傍らに銃を描いたり、哀愁漂う犬が見る人の注目を浴びていた小嵜さんの最新作です。
小嵜さんが絵を描かれると、ものの表面を細か~く観察した目線といい何重にも消して重ねた線といい、小嵜さんにしか描けない独自のタッチが出来上がるのです。何気ないモチーフでも詩的な印象を与える日本人離れした作風は、ぜひ見習いたいものです。
今回はフランスパンの質感と小嵜さん独自のデッサンが非常にマッチして、魅力的な作品に仕上がりました!!まわりを白や透明のモチーフを多めに構成したところも、フランスパンの重厚な色味が引き立っています。これからもさり気ないモチーフの中にハッとさせるような観察眼を持つ作品を期待しています!

熱いちから

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外はもう木枯らしが吹き始め、夜は急に冬らしくなってきましたね。
こちらは学生クラスの木版リトグラフ作品とその授業の様子です。まだ下書き段階の写真ですが、そんな外の寒さとは対照的に作品には熱が込められきて完成までとても楽しみにしています!

小学生クラスでも続々とリトグラフが完成していますが、今回の技法はマーカーで陰影を出して版を刷れる特殊なやり方なので、悪戦苦闘しながらも大胆に明暗をつくることにも挑戦ができています。
学生クラスではデッサンや油絵などの基礎の経験を積んでいる生徒さんも多いため、このような応用編の作品にその成果が活かされてきていると感じます。

ある作家の言葉で、「同じ風景を見ていても、その人その人で目に映るものは違う。それはみなひとりひとり大切にするものが違うから、自然と目に映るものが異なるのではないか。」 というのがあります。
自分自身が大切に思うことや、気持ちが動く出来事などに出会った時というのは、ぜひ「これぞ!」と思って留めておいてほしいです。いつのまにか自分のアンテナにかかるものは、自然と「自分にしかできないこと」として結びついていきます。
と、実は私が一番自分に言い聞かせていることだったりするので・・・
学生クラスのみんなの声を聞くと、まだまだ未知の伸びしろを備えているので、その少しプラスαの部分を意識的に持つことで、より絵の内容が変わってくるのではないかなと感じています!

さとう

天才の芽?

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どうも幸介です。今日は最近気になっている作家を紹介いたします。上記画像の4枚、いかがですか!?ウォーホルのマリリンとバービー人形の掛け合わせがもの凄くキュートな作品も良いですが、モノトーンのエルビスや金色の地に胎児を描いたものも、どれも構図がクール!!!風景画なども良いですが、モダンな切り口で自分の良いと思った物を大胆に構成するのも素敵な手法ですよね。4枚とも、迷いも屈託も無いカラっとした空気が素晴らしい。正直マリリンの絵は、ポップアート好きとしてはテーマ的にも絵的にも買いたいぐらいですね。

この絵を描いた作家は、アメリカに住むオータム・デ・フォレストちゃん。8才の少女です。正真正銘の子供です。しかも彼女、これらの自分の作品で2000万円以上も売り上げているとか!!……いやぁ、これは売れるのも分かりますね(日本では売れないでしょうけど)。まさに天才、神童ですね。

アトリエで小学生を教えていると、よく「この子は天才では?」とか「値段付けてしかるべき場所に飾れば、売れるよな」と思うことが多々あります。さらには「もしかして、堅苦しい技術先行の日本の美術教育で、天才の芽を摘んでしまってはいないだろうか」とさえ思ったりもします。それが何より怖いですね。

毎年小学生クラスの課題は講師陣で試行錯誤してアイデアを出し合って決めているんですが、今年は少々固い課題が続きました。油絵にリトグラフに日本画と、物を描く力を培ってきました(日本画はこれからだけど)。物を描くのはアトリエだから当たり前のように取り組んできたけど、今思えばキャンバスは長方形や平面である必要は無いし、モチーフもオーガニックだったりアンティークだったりナチュラルなモノが必ずしも良いわけではありません。もしかして、今年の課題がわりと落ち着き気味だったから、皆の芸術性も技術は高くなったけど奇抜さは少し身を潜めてしまったかな?なんて危惧していますがいかがでしょうか。

来年の課題は奇抜な発想ウェルカムな楽しい課題を出来ればなぁと、今から試行錯誤しています。生徒みんなを天才にしたいので、デザイン科出身ならではの「何でもアリ、かつ完成がクールorキュートになるような課題」を発案出来ればなぁと思っております。みんな、来年の課題にも期待してね!!

田中幸介

before,after

Litho_2
はやしです。
ちょっとずつ紹介されていたリトグラフ。火曜日もついに刷りました!写真は左が版、右が出来上がりです!
私も初めての経験。工程の多さと意外な力作業にふきだす汗と格闘しながら刷っていました。
本来はインクを付けたあと重~いプレス機で圧をかけて刷り出しますが、プレス機の代わりにバレンで刷ったあと生徒に版を上から踏んで貰いました。珍しい作業にみんな大はしゃぎ!!裸足になるだけでテンションがアップするので不思議ですよね。作品もリトグラフならではの「風合い」がうまく出ているんではないでしょうか。本当に線のまま刷れるんだな~と当たり前の事ですが出来上がって感心しました!木版リトグラフは、「ソリッドマーカー」と言う油性のマーカーで描きますが、これがクレヨンのような感触の上に太めなので細かい絵は描けませんが、濃淡をつけ易く、それによって絵の表情がかなり豊かになります。
今回の課題では2枚ずつ刷って、1枚は着色します。そっちもどんな出来上がりになるか楽しみです♪

そういえば、火曜日は風景や風景+動物や人物が多かったのですが、他の曜日は建物や人物が一人どーんと描いてあったり・・・これは曜日ごとの個性?生徒の個性?はたまた先生の個性?それとも全部?なんて考えていました(笑)

ロ~ングな大作!

St330324佐藤 「向こう岸」 水彩

チノです。土曜午後クラス佐藤さんのロ~ングな大作、ついに完成しました!パノラマならではの、ゆったり広々とした空や草原のすがすがしさを感じます。様々な建築物の形や色がアクセントになっていて、見る楽しみも満載のこの作品、長さはなんと1メートル以上!もともと長い額をお持ちで、それに合わせて描かれた作品なのです。額を先に買うのも、「この額にはどんな作品が良いかな?」と創作意欲がわいてくるのでオススメですよ♪

多摩川の土手で何枚も写真を撮り、それを合体させ、少しずつ下書きをしていく作業・・・。ちょっと気が遠くなりそうだと思いませんか?
丁度この作品を制作している途中に、土曜午前クラスで「男性は透視法などを駆使して風景(建物)描く方多いですよね?」というご指摘がありました。

・・・今まであまり考えたことありませんでしたが、確かに土曜クラスの男性陣は午前午後とも建築物のある風景画描かれる方が多いですね!(他のクラスでもやはり建築物メインで描かれてるのは男性が多いような・・・?)
例外なくこの作品も、これでもかという程建物だらけのパースだらけです。

この男女さは一体なんなのか?秋の夜長にちょっと考えをめぐらせてみるのも一興かもしれません。

どれに決まるかな?

Konsato
まだちょっと展覧会ボケしているオバラです。
今日は私の受け持っていたプライベートレッスンがキャンセルになって、何ヶ月かぶりに丸1日お休みだったので、アトリエでお菓子を食べながらのんびり事務仕事できました。(仕事中毒なので、やらないのは不安)

展覧会中、“繋がり”を感じたできごとをご紹介します。

昨年生徒の音楽家のご両親からミオスの学生達に、コンサートのポスターコンペを頼まれたのを覚えている方はいらっしゃいますか?
今年はご両親と広告デザイナーのお二人に展覧会場へおいでいただき、その中から自由に選んでいただきました。
早速仮のポスターが6案届きましたので、ご披露します。

もうあまりに素晴らしすぎて、次回のアトリエのDMにそのまま使ってしまいたいくらいです!
皆さんはどれがお好きですか?

大西夫妻主催のアディ・コンサートの詳細は、3月の演奏会が近くなってからご紹介します。