木のリトグラフ

Photo_2赤尾です。みなさん、版画の「リトグラフ」という技法はご存知ですか?木版画、銅版画は経験のある方も多いと思いますが、リトグラフは未経験の方がほとんどではないでしょうか?

参考までにリトグラフについての説明:リトグラフ (lithograph, lithography) は版画の一種で、平版画にあたる。水と油の反発作用を利用した版種で、製作過程は大きく「描画」「製版」「刷り」の3行程にわかれる。

私もリトグラフの作品自体はよく見かけるのですが、どうやって作るのかはこういった説明だけ見てもちんぷんかんぷんでした。
今回大学の講習でリトグラフを刷る機会があり、「なるほど、こんな風にできるのか!」とようやく理解できました。

作り方としては、版にクレヨンやソリッドマーカーなど、油性の描画材料で絵を描き、描いた上からアラビアゴムという水彩絵の具の原料になる液を塗り、乾かします。乾いたらインクを塗ったり水彩絵の具で着色し、プレス機で刷れば出来上がりです。
リトグラフは版を掘らずに上から絵を描くので、思い通りの作品が作りやすい利点があります。
また同時に油性のインクと水性絵の具を使うことができ、表現の幅もすごく広いのです。

またリトグラフは元々石に絵を描いて刷っていましたが、持ち運びなどの点で不便なので、現在はアルミ版が主に使われています。
私が今回受けた講座では、多摩美術大学オリジナルの技法と言われている、木を版として使いました。
この木のリトグラフは、もともと日本ではリトグラフに使われるような石が採れず高価なものであること、また日本では建築物なども木が主として使われていることから、何とか木を使ってリトグラフができないかと試行錯誤して発明されたそうです。
木を使うことで木目が少し出ていたり、描くだけではなく掘る作業もできるため、現在では多くの作家が木のリトグラフを制作しているそうです。
この講座を受けてみて、この木で刷る技法ならミオスでもできるかも?!と感じました。
材料費も他のリトグラフより少なめ、プレス機もいらず足で踏むだけで刷ることができるので、自宅でも挑戦できる技法だと思います。
いつか小学生クラスなどで実現できたらな、と野望が持てました!大人クラスでもチャレンジしてみたい方はご相談ください。

立体コピー

P1000207_3P1000218_3

幼稚園児も夏休み真っ只中ということで、「夏休みこどもプログラム」と題して、通常の幼児クラスの授業とは別にその第1弾のイベントがありました。今回は「石膏で自分の手をコピーしよう!」です。

1枚目の写真・・・牛乳パックの中に片手を入れている写真は、石膏を流し入れる為の型取り樹脂が固まるのをじっと動かずまっているところです。
ドロドロになった樹脂の中に手を入れて待つこと10分・・・。

次に手の型に石膏を流しいれ、石膏がしっかり固まったら樹脂をはがしてできあがり。
この樹脂をはがす瞬間が期待でドキドキです!

見事、手のしわの1本1本までくっきりコピーされています。
この立体コピーは超リアル!
P1000214P1000215
小さくてかわいい手。お子さんの成長の記録になりますね。お子さんが大きくなってから見せてあげてもきっと喜ぶと思います。

ちなみに、アトリエにはノリ先生の美しい手の石膏があります!こちらは手のデッサンにいかがですか?

そして、「夏休みこどもプログラム」第2弾のお知らせです。

8月26日(水)10:30~12:00
内容:絞り染め オリジナルデザインTシャツを作ろう
参加費:1500円
持ち物:Tシャツ(白無地・ワンポイント可、綿100%)、タオル、作品持ち帰りのビニール袋

こちらのご参加お待ちしています!!

伊藤 絵里

小学校受験 工作

Jyukenkoppu『紙コップ1個と紙皿2枚、ハサミ、セロテープ、ホチキス、クレヨンを使って、生き物を製作しましょう。』という課題を、小学校受験を控える年長さんのプライベートレッスンで行いました。
左の金魚は講師、右の孔雀は本人が一人で作りました。
最初に紙コップ1個で、ペンギンを作ってしまったのですが、途中「はじめに先生が言ったことをもう一度思い出してみましょう。」の問いかけに、与えられた材料全てを使わなければならないことを思い出し、ペンギンの背中に紙皿を2枚重ね、かんむりをつけ孔雀に変えました。
小学校受験は幼児が受けるテストですので、間違えたり失敗したりはよくあること。それをいかに軌道修正できるかで評価が大きく変わりますので、これは非常に見事な成功例といえるでしょう。
しかしこのお子さんの臨機応変、柔軟なアイディアには驚かされました。この調子で夏休みに本番に強い度胸をも身に付けていってもらいたいものです。   オバラ

染まってます

みなさまこんにちは。石山です。

もう小学生は夏休みも始まり(うらやましい!!)この時期はアトリエでも、いつもと違って各自いくつかのカリキュラムを選んで制作しています。

学校の宿題・自由工作をする子、ポスターコンクールの絵を描く子、石膏で手を作る子…その中で、今日は「Tシャツ絞り染め」が完成しましたので、そちらをご紹介します!
T01_3

白いTシャツに、好きなところを輪ゴムで縛り、染料を混ぜた溶液にひたすことしばし…まっ白が濃い青に染められるのは、なかなかエキサイティングな瞬間です。
そしてどんな柄になるか、最後に輪ゴムを取るまで分からないのが、一番のお楽しみ!
T02_2

一カ所をつまむだけでなく、Tシャツの裾や袖を大胆に縛ってラインのようになったものもありますね!みんな格好よいです。
「このTシャツ、サイズちいさいから弟にあげるんだ!」と言っていた子も。夏のお気に入りの一枚として、これを着てどんどん海に山にお出掛けしてほしいと思います!!

石山慶子

涼しげ…?

Sumikaabura_2純茄 高1 油彩

どうも幸介です。本日は学生クラスより高校生の作品を紹介したいと思います。まずは本人のコメントから↓

「初めて油絵らしい油絵を描きました!中学でどれだけ適当に描いていたのかよく分かりました(^_^;)
反対色もおつゆ描きも始めて知って、油絵の難しさと良さがいっぺんに押しよせてきた感じです。
こんなに変更と時間を重ねたことありません(笑)
でも布とかボトルとか、”それっぽい”印象になったかな。」

彼女の通っていた中学は油絵を描く授業のある学校だったので、「初心者じゃないならもっともっと技術の向上を!」と思い、僕も小原先生もかなり沢山の注文を出してしまいました。描き直しに描き直しを重ねて完成した作品です。

本人も「こんなに変更したこと無い」と言っておりますが、今回の作品は背景も描き直したし(最初は壁ではありませんでした)、台も無地だったのに途中からチェックに変更したし、モチーフのリボンの色も赤で完成したのに青に直したし、さらには途中から「なんかモチーフが物足りないね」って言う事でヤカンを追加したし、もうほんとに最初に塗った反対色が何色だったか分からないくらい色を重ねています。まぁ油絵だからこその醍醐味ではあるんですが。

その甲斐あってか、純茄ちゃんの作る作品はエネルギッシュな作品が今まで多かったんですが、初めて「ちょっと涼しげで落ち着いた雰囲気」が出ていますね。彼女の性格上、中々大変だったと思います。

まぁ涼しげと言っても、実物の絵の細部をよく見ると彼女らしいパワーが随所に込められていて、どっちかって言うと「軽井沢のような避暑地的な涼しさ」ではなく「クーラーを効かせた部屋であえて布団をかけて寝るような涼しさ」なのが彼女らしいですね!!…ていうかこの微妙な比喩が皆様に伝わるのかどうか疑問が残りますが、分かっていただけますでしょうか。

…まぁそれはともかく、彼女の新しい一面を見れたのでここまで描き直して良かったなぁと思っております!!

田中幸介

作品展のお知らせ

Okupiero奥 油彩

生徒さんの展覧会のご案内をします。

第50回記念展 鳳美会展
会期 7月28日(火)~8月2日(日)
時間 11:00~18:00(最終日17:00まで)
会場 ギャラリーパレット 綱島駅西口イトーヨーカドー裏手
    綱島西パーキング380ビル1階 かゆう堂画材店内
    045-541-7735

奥さんが以前在籍していらした美術団体で行うグループ展です。ご近所ですので、ぜひ皆様お出かけ下さい!

まさに!弘法筆を選ばず・・・

St330222_2
St330221ハルサ 中3 水彩 「景色」

チノです!今日の作品は、もう、「すごい~」と言わずにはいられません!

まずはコメントから↓

「今まで描いた絵の中で一番時間がかかり、大変でした。手前の方をもっと頑張りたかったです。」

この作品、写真を見ながら描いたのですが、毎回、黙々と描き進める姿勢もあっぱれですが、二枚目の写真に写っている絵具にご注目です!

なんと小学生の絵具セットで描いているのです!もちろん筆も!
まさに、「弘法筆を選ばず」
この言葉を中学生を見て実感することになるとは夢にも思っていませんでした。もう、ただただ感心してしまいます。
講師、ほとんど口を出していません。なのにこの滝の自然さ・・・・。
実は、本人のコメントにあるように、右手前が少し未完成なのですが、ハルサちゃんは中国に行ってしまうので、今日がアトリエ最後だったのです。ぜひ最後まで仕上げて欲しいですよね!そしてこれからも絵を描き続けてね^^

人物画

Kurokki097人物クロッキー会のお知らせです。
20分ポーズを5回とも同じ姿勢でとってもらう固定ポーズで、今回はモデルさんに浴衣を着てもらう予定です。
ミオス生徒さん以外の方も参加していただけます。
アドバイスが必要な方はお申し出下さい。

日時   8月1日(土) 16:00~18:00
参加費 1500円 (ミオス生徒 1000円)
持ち物 画材 スケッチブックetc (イーゼル、画板、イスなどはご用意してあります。)
お申し込みはお電話でお願いします。   044-411-1600

ぜひ皆様のご参加お待ちしております!

くるくる棒

P1000196_3P1000195_3

伊藤です。

こちらの写真、小学生クラス「かご編み」の製作途中の様子ですが、ものすごく真剣な眼差しです。
今月は油絵の額作りも終わり、来週から夏休みの自由課題に入る前の短期集中カリキュラムです。

かごを編んでいる材料は、何だかお分かりですか?ナント新聞の折込広告チラシです。チラシを斜めにコヨリ状にくるくる巻いた棒で編んでいます。

初日は、この棒をひたすら、くるくる・・・くるくる・・・、細く、硬く、巻きました。この「巻く」作業が意外と難しいようです。一枚の紙を一気に巻かないと途中でゆるく太くなってしまいます。気を抜かず一気に!
そして二日目となった今週は、こちらも土台組みから仕上げまで一気に編み上げました。

かご編みのコツをつかむまでは、あちこちからヘルプの声が聞こえていましたが、行程をマスターしたとたんに手を止めることもなく集中。普段1ヶ月かけて製作する作品とはまた一味違う経験になったのではないでしょうか?

写真のかごは、製作途中なのでチラシの印刷が見えていますが、仕上げに色つきニスを塗るので、さらに完成度が上がります!

さて、来週からは夏休み自由課題にとりかかります。
ポスターコンクールに出品する絵、工作、石膏、絞り染めなど、夏休み期間中だけは個人がやりたいカリキュラムを選ぶので内容もバラエティに富んだ作品になるでしょう。
夏休みの思い出になるような魅力的な作品を期待してます。

あたらしい発見

Photo
Photo_2
3

赤尾です。
今日は普段なかなか使わない素材のご紹介です。
最初の2つ、どんな画材で描いた作品に見えますか?
実はこれ、その辺から集めてきた土なんです!
普段歩いてはいるけれど、土の色にまで目を向けることって少ないですよね。
地面をよーく観ながら歩いていると、違った色の土を何種類か発見することができます。
色々な場所から土を集め、よく乾かしてふるいにかけたものが、日本画でいう水干や岩絵の具と同じような役割になります。
土をにかわで溶き、指や筆を使って絵を描いてみると、意外に魅力的な線が引けるのでびっくりされると思います。

また、最後の焦げたアルミホイルのような画面、これは紙に銀箔を貼り、その上に硫黄のシートを載せてアイロンがけしたものなんです。
絵の背景にお困りの方は、こんな銀箔画に挑戦されてみると楽しいかも!
美術というより理科の実験のようですが、素材に目を向けてみると絵を楽しむ面白さも広がっていきます。

ちなみに土で絵を描く授業は9月からの小学生クラスで行いますので、大人の方もよかったら1回チャレンジしてみてください!
綺麗に精製されて売られている絵の具と比べてちょっと描きにくい分、偶然性による思わぬ美しさに出会える可能性がありますよ。