春の遠足!2009

こんにちは、石山です。

行ってきました、小学生クラス遠足!これから数日間、講師陣よりレポートさせていただきますので、どうぞミオス春の風物詩を少しの間お楽しみください!!

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・最初の目的地は目黒にあります「庭園美術館」。旧朝香宮邸をそのまま美術館として公開しているところで、その美しい建物を敷地の中心に据え、そのまわりを立派な西洋庭園&和風庭園が囲んでいます。
風情よく鯉が泳ぐ池を描く子、アトリエの中とは違う生きた水仙に狙いをつけたり、はたまた置いてあるベンチを細かく観察し続けた子まで。それぞれ自分の好きな場所でのスケッチです。

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・その後は、となりの「自然教育園」にて昼食。みんなとのおやつ交換により、お腹は通常時3倍にふくれます。なんといっても緑の中でのんびり食べるお弁当は、おいしい!

・遠足の最後を飾るは、そこから10分ほど移動したところにあります「松岡美術館」。元個人蔵だったコレクションを公開している、小規模ですがとても品のあるところです。ゆえに大人向けな雰囲気も漂う場所。
いささかの不安もありましたが、終わってみればそんな心配はどこ吹く風。古代エジプト遺産から抽象的な現代彫刻、また美人画を中心とした日本画や、インドの神殿彫刻までとても多用なジャンルの部屋があることを生かして、
小学生にもより楽しんでもらえるように部屋ごとに講師による趣向を凝らした解説を織り交ぜつつ、みんなしっかりと鑑賞してくることができました。
一人ひとりに、何かこころに残った作品やお話がひとつでもあれば幸いです。そんな思いも馳せつつ、今年の遠足も無事に幕を閉じたのでした。

(各シーンのエピソードや先生ごとの興味深い解説など、明日以降のブログをお楽しみに!)

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・そして遠足の後は、学生クラスの生徒たちとお花見でした。普段の授業とは一味違う?たまには美術以外の何か妙味も学んでくれた宴であったかな…
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いしやまけいこ

視点

20090330「2度見」 鉛筆 寺山

どうも幸介です。本日は大人クラスより寺山さんの絵をご紹介いたします。まずはご本人のコメントから↓

「以前、自分が撮った写真を基に描いた絵です。写真の時点で気に入っていて、いつか絵にしようと寝かせていた写真でしたが、今回こういう形で鉛筆で描いてみました。
奥行きとメリハリを意識して描いたのですが、それなりに上手く表現できたかなぁと思っています。
また、後付けした余分なものが今回目立ってしまって、見る人にとってそれがプラスなのかマイナスなのか不安なところではありますが、自分としては楽しんで描けたのでアリとしています。
(長文でスミマセン…。)」

写真模写、というと別段新しい響きはありませんが、今回の寺山さんのこの作品の素晴らしさはその「視点」ではないでしょうか。もはや絵の中に視点が入っています。普通、写真模写をするとただの模写・きれいな絵になってしまいがちですが(そのただのきれいな絵にするのにももちろん相当技術は必要なのですが…)今回のこの作品は模写とは思えない、まるでこの場所でこの景色を見て描いたような「視野・視界の広さ」にあると思います。

道路の広さ、空と地面との空間、この場所に流れる空気の見えるとても視野の広い絵です。模写でこの「空気」を出すのは、ほんとうにすごい事なんです。視点がしっかりしているからこそ、ご本人曰く「後付け」の部分も蛇足にはならずに絵の一部として成り立っているのではないでしょうか!!

絵の中に視点を持って行ってくことは、なかなかやろうと思っても出来る事ではありません。僕自身、絵の中の空間を描くことについて常に悩んでいますので、この作品には「これだ!!」と感じるものがありました!!

田中幸介

鏡の国の

Hannzawa01半澤 ポスカに色鉛筆

みなさまお久しぶり、講師の石山です。
今日は見る者もインスピレーションがもらえるような、素敵な作品をご紹介します。

一瞬、その不思議で独特な表現に目が持っていかれます。

心奪われるのはこの構図。
鏡に映る自分と背景(モチーフ棚)・その鏡を持つ手・そしてそれらを描写するこの絵自体が(!)絵の中に存在しているのがお分かりでしょうか。
自らが描いている状況を絵の中に描く、という表現は近代絵画などにも度々登場しますが、それらにも引けを取らないような構成の巧みさを感じます。
背景の白い影はご本人いわく「まわりの人たち」、つまり石膏像なのですが、下書きの段階ではこの像、すべてご自分の顔だったのです。塗っていく途中で白いものに変わっていきました。

全く表現は違いますが、マグリットの<球体と自画像>のように、見ているのは絵なのか自分なのかという倒錯感が心地良くすらあります。

ところで、そういえばアトリエで自画像を描く方って少ないかもしれませんね。こうやって素晴らしいモチーフになりえる自分の顔。(自分の不得意は棚に上げつつ)ひとつの表現として、たまにはチャレンジしてみてはいかがでしょう。

ちなみにただ今アトリエあげて、小学生クラス(&幼児クラス)の遠足準備は最終調整中!
当日のわくわく&(ドタバタ!?)な様子はまた追ってご紹介しますので、どうぞお楽しみに。

いしやまけいこ

小学生のくつ!

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千野です。小学生クラスの靴の絵が出来上がってきましたので、火曜クラスの完成作品からご紹介です!カラフルな色ももちろん綺麗で素敵ですが、靴の黒い部分の色も、黒い絵具をあまり使わず、自分で色を混ぜて作ってみたり何度も重ねたりする事で、深みのある濃い色を作る事が出来ました!運動靴のメッシュの部分も、一つ一つペンで◯を描いて表現したり、みんなよく見て頑張った!!

春期講習

P1000376_edited_3本日小学校受験を控えたお子さん対象の『春休み特別体験授業』の一日目が行われました。
今回の授業は基本的な人物の描き方の復習と、色画用紙のお弁当製作です。
製作は巧緻性のひとつですが、小学校入試で試される巧緻性テストは『日常生活の上で必要な作業』(箸を扱う、紐を結ぶ、衣類をたたむ、ハサミを使う…etc)ができるかが着眼点です。
製作もこうした指先作業の延長上にあるものと考えられます。たんにできるようにするだけでなく、楽しみながら余裕を持って生活上必要な能力を身につけていく為に、絵画だけでなく立体工作も取り入れていく必要があるでしょう。

来週の春期講習はすでに定員に達し、募集を締め切らせて頂きました。たくさんのお申し込みありがとうございました。   オバラ

アーツ&クラフツ展

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昨日の赤尾先生のブログに続き、私も先日行った上野の東京都美術館で開催されている(~4/5まで)「生活と芸術 アーツ&クラフツ展・・・ウイリアム・モリスから民芸まで」がとても良かったのでご紹介します。

まずこの展覧会のチラシを手にした時、とても惹かれました。魅力的な作品の写真がカラフルで目立つ一方で、チラシ全体の白と黒の美意識が光りその両方のバランスが好きです。

いつ頃だったか、かなり前にモリス展を観に行ったことがありますが、今回の展覧会は「モリスから民芸まで」という副題がついていたので、大陸を越えたデザインが同じ空間にどのように展示されているのかとても期待して行きました。(ただ最後の日本の部屋で、木彫りの仏像から始まり、棟方志功の版画で終わっていたのが・・・???無名だった棟方志功は、柳宗悦に才能を買われ有名になったそうですが。)
この展覧会、3部構成になっているのですが、さすがに各国の作品を一気に鑑賞するのは見ごたえのある展覧会でした。

モリスの遺した言葉、「役にたたないもの、美しいと思わないものを家に置いてはならない」・・・・、これ、理想ですが現実的にはかなり難しいことですね。この展覧会にある作品は、これぞ生活に密着した芸術!と言えるものばかり。私はおしゃれな雑貨屋に入るのが好きなんですが、そこで出会う素敵だなぁと感じる家具や日用品のルーツがこれなんですね。

この展覧会の作品はタペストリーや家具、テーブルウェアなど生活用品がほとんど。
私が好きな作品は、家具の中で数多く展示されていた椅子。椅子をこれほど眺める事ないと思うけど、見ていて飽きない・・・椅子なのに。どこから見てもラインが美しい。作品を見ながら、展示されている美しい椅子とモリスの壁紙を頭の中でインテリアコーディネートしながら鑑賞するのもおもしろいです。

またモリスの思想とは異なる(大量生産)作品ではあるけれど、「スープ用の鉢とレイドル」(写真がないので分かりやすく書けば、鍋とお玉)という作品が現在にも通じるとても洗練されたデザインで目に留まりました。1800年代に日用品としてこのようなモダンで機能的なフォルムが世に誕生していたとは衝撃的でした。

それから、民芸サロン「三国荘」の再現空間。家具があり、その上に日用品が置かれ、飾り物ではない日常の中の暮らしの美が展示されていました。

この展覧会は4月5日まで東京都美術館で開催されています。あと1週間ほどですので、興味をもたれた方はお早めに! 伊藤

アーティスト・ファイル展

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赤尾です。本日で学内展示も終了し、2~3月にかけての全部の卒業展示を無事終えることができました。
多くのの生徒さんに観に来ていただけたようで、とても嬉しく思っています。足を運んでいただきありがとうございました!

先日六本木の国立新美術館で行われている、「アーティスト・ファイル2009?現代の作家たち」へ行ってきました。
前回のアーティスト・ファイル展は見逃してしまったのですが、今回は大ファンの石川直樹さんが出品されていると聞き、張り切って観に行きました。
この展覧会は現代で活躍している作家さん達を集め、一人一人の作家のスペースを広い空間でじっくり紹介しています。

絵画だけでなく、映像、写真、インスタレーションと幅広い作家さんの作品を観ることができ、しばらく美術館に行けなかった事もあってすごく楽しかったです。美術館って色んな発見があって心が潤いますよね。
またこの「アーティスト・ファイル」展は、統一的なテーマを設けておらず、作家はそれぞれ独自の世界を展開しているのですが、不思議とバラバラにならず、つながりを感じる展示でもありました。
とくに空気や温度、匂いなどの感覚的なものを表現した作品が多いように感じました。

また一番目当てで行った石川直樹さんの写真も堪能できました。
石川さんは10代の頃から世界中を様々な手段で冒険されている方で、七大陸最高峰登頂の最年少記録を塗りかえたり、熱気球で太平洋横断に挑戦されたり、伝統航海術を一から勉強したりと、まだ30代前半なのにびっくりするような挑戦をたくさんされている方です。よりみちパンセ!という子供向けの進路案内本シリーズで、今までの冒険を記したエッセイを書かれているので、ご興味のある方はぜひ読んでみて欲しいと思います。
そんな石川さんは写真も撮られており、今回も世界の様々な一場面を見ることができました。
風景の写真は色々な媒体で見ることができますが、石川さんの写真は旅人の目線を強く感じます。
私も旅行が大好きなので、自分の行ったことのある場所を見て懐かしく思ったり、まだまだ観たことのない景色がたくさんあるのだなあ、もっと観たいなあと好奇心を揺さぶられます。
今回見た中でも、わーっと思った写真が、上記の写真です。
この山はなんと日本の富士山なんです。雲の中から光の射した頂が見え、とても神聖なオーラを放っています。
最近樹海の写真を見る機会があり、丁度富士山に行ってみたいなあと思っていたのですが、これを見てますます興味を持ちました。
世界には息を飲むような風景がたくさんありますが、日本にも負けない程素晴らしい風景がたくさんあるのだなあと実感できますよね。
長くなりましたが、気持ちがリフレッシュできる楽しい展覧会でしたので、生徒さん方にもおすすめしてみました!
5月のゴールデンウィークまで開催されているようなので、私もまた足を運びたいと思います。

展覧会詳細HP
http://www.nact.jp/exhibition_special/2009/af2009/index.html

クーーール!

Saekikutu佐伯 色鉛筆

オバラです。
「おっしゃれー!」「センスいいー!」「かっこいい!」
と誰もが思う作品ですよね!
描くところと、手を抜くところの力加減が絶妙なバランスを保ち、またそれにプラスして一部分だけ色をつけたことがより人目を惹きつけています。
わざと偏った構図で少々不安を煽り、黄緑の床がノスタルジックな光彩を放ち、独自の世界観をかもし出しました。
お見事!すばらしい作品です!
次作に期待大!

火曜担当の石山先生の都合で、今度の日曜日とブログを書く日をチェンジしました。

漫画文化

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セル画 左から あかね(中3)みなみ(中3)

どうも、幸介です。今日紹介するのはなんとセル画!アトリエにはデッサン用具をはじめ水彩道具やパステル、油絵の道具など様々な画材がありますが、なんとセル画の画材まであるのは皆様ご存知でしたか!?

本日載せました画像の制作者の中学生の女の子達は普段はデッサンや色鉛筆画など制作していましたが、今回はもう好きなものを作っちゃおうということでセル画への挑戦となりました。バレンタインの時期に制作し始めたため、登場人物はチョコを食べていたりしますが、いつものんびりしている彼女達からしたら上出来のスピードでは無いでしょうか。しかも、この絵は2週間前に終わっていて、すでに次のセル画の作成に取りかかっています。初挑戦でこれだけキレイに塗り分けられたので次はもっと複雑なキャラを期待しています!!

アニメや漫画ってアカデミックな油彩や彫刻に比べると俗っぽいのかもしれないけど、中には人を感動させたりワクワクさせたりする作品や、カット割りや色彩など下手な映画よりクオリティ高いの作品も沢山あります。こういう身近な、アートだなんて気づかないで見てるアニメや漫画からインスピレーションを受けるのも良いかもしれませんね!!

アトリエ講師陣はわりと漫画好きが多いような気がしますので、セル画を描きたい方、もしくは漫画について話し込みたい方など気軽にお声掛けください!

ちなみに僕の最も好きな、そして最もインスピレーションを与えてくれる漫画は「AKIRA」と「スラムダンク」です!!紹介する必要ないほど有名で王道ですが、コマ割りや構図、刹那の人間の動きの捉え方など秀逸ですのでまだ見てない方はぜひご覧ください!!

田中幸介

破格!

Gajo1Gajo2オバラです。目黒にある雅叙園というホテルで開催されている平山郁夫(日本画家)展を見てきました。
この展覧会は昭和10(1935)年に建てられた目黒雅叙園に現在する唯一の木造建築、国の登録有形文化財指定の『百段階段』で開かれています。
ケヤキの板材で作られた99段の階段廊下の南側には7つの部屋があり、各部屋の天井や欄間には、”昭和の竜宮城”と呼ばれた絢爛豪華な装飾があり、平山郁夫の作品がかすむ程。
この破格的な豪華さに、ため息が出るか笑いが出るか、お時間ある方はご覧になって下さいね。

平山郁夫展
3月31日まで  
10:00~18:00
目黒駅より徒歩15分