ひっそり

Tohsaka_1遠坂 『フクロウの森』 パステル、色鉛筆

絵の「見方」というのはひとそれぞれ違い、それがまた面白いところだと思います。それが感想や好き嫌いの違いに繋がるからです。ただ『五感をフル活用して感じる』というのはとても重要なことです。
遠坂さんのこの絵をじっくり眺めると・・・?
しーんとした闇の中にふくろうの鳴き声が響いていて、ときどき風が吹いて樹の上につもった雪をバサッと落とす。そんな音が聞こえてきそうです。寒い夜で手や足の先がちりちり痛く、次第に感覚が無くなってくる。この場にいたらまずそんなことを感じるでしょう。
上手い下手、綺麗やきたないではなく感覚を刺激する絵を描き、観賞するときにはそれを感じられるようになると美術はもっと面白いものになるのではないでしょうか。

あかね

絵画の頂点“油絵”

Abura1Abura2Abura3Abura4なんだかんだ言って、やっぱり絵画の最高峰は油絵だと心の片隅で思っているオバラです。(言っちゃった!)
私は油絵科出身ですので、テレピンのにおいを嗅ぐとワクワクしてしまいます。小学生達約70人の油絵がアトリエの壁を埋め尽くしているので、毎晩一人でいい感じに仕上がってくるのを見とれています。来週はどんなアドバイスをしたらもっとよくなるかな?あの画集を見せてみようかな?学生時代に描いた油絵を持ってこようかな?と一枚一枚考え、他の先生達とも相談します。たまに夢にまで見てしまいます。
もう愛着が湧き過ぎて、完成しても持って帰らせたくないでーす(^m^)

スチレン版画

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幼児クラス スチレン版画
スチレン版は、柔らかくひっかくだけで跡がつくので、その性質を利用してスチレン版画をやりました。
まずは、スチレン版にえんぴつで強く線を描きます。描いたところが凹んで彫れるので小さいこどもでも簡単に版画ができます。絵の具が大好きな幼児クラスのこども達は、早くスチレン版に絵の具を塗りたくて仕方ない様子。絵の具は、一色だけではなくて5色つかったので、版の上で微妙に混ざり合う色合いがとても素敵でした。
そしていよいよ版画刷りです!黒い紙にスチレン版をあててバレンでしっかりとこすり、そ~っと紙をめくると・・・・こども達は、わくわくドキドキ!版の上で混ざり合った色が黒い紙にとてもよく映えてきれいで、また線で描いたところが黒い紙の色に変わっていて、こども達はめくった瞬間大歓声をあげていました。
えんぴつで描いた線の絵は同じだけど、絵の具の色を変えて刷ると毎回違うイメージの作品になるので、みんなかなり夢中になっていました。
このようなスチレン版画をご家庭でやるときには、身近な素材として食材の発砲トレイでもできますよ!発砲トレイを小さく切って表に絵や模様を描き、裏にペットボトルの蓋などを貼り付けて持ち手にすると、スタンプのできあがりです。  伊藤

受験生にしてやれる最後の手段

Hight3Hight2左 高校3年
右 高校2年
オバラです。今アトリエが、油絵づくしなので、美術の予備校(研究所といいます)時代に描いた油絵を紹介します。
高2で油彩を始めて、しばらく右のようなアカデミックではありますが、なんとも色気の無いお硬い画風から抜け出せず悩んでいました。(しかも「私結構描けるでしょ?」的な匂いが鼻につくイヤらしい作品なのがイヤだった。)ある日大好きだった先生(当時大学院生)に「お前、ここにいてもダメだ。俺の指導が全然響かない。大手の研究所行け。そこのコンクールで3位以内に入るまで戻ってくんな。」と追い出され、泣く泣く遠くの代ゼミまで通い、こなれた絵を描く浪人生の後ろに座り、何が自分と違うのか、どうすればカッコいい絵になるのか考え制作しました。なんとか公開コンクール(現役生のみですけど)で2位をもらい、故郷に戻ることを許されました。左はそれ以降に描いた作品です。ちょっとはオリジナリティーが出ていると自分では思いますがいかがですか?
先月、その先生の個展に行った時「あの時はまた先生に会いたい一身で頑張ったよ!厳しくされなかったら、私大学にも受からなかったし、薄っぺらな油絵しか描けなかったと思う。」と言うと「俺そんなことしたっけ?格好いい男だな!」と全く覚えていなかったのでショックでした。
今うちにも、我々講師のアドバイスが思うように伝わらない受験生がいます。彼女も悩んでいるのがわかるのに何も力になれないのが歯がゆく悔しい毎日です。思いつく全ての方法は試しました。あとは、あの時先生が私を信じて崖から突き落とし這い上がるのを待っていてくれたように、彼女の力を信じるだけ・・・

着彩のススメ

070617_1514001山本 『水彩画一作目』 透明水彩

日曜午後クラスの山本さんが初めて描いた水彩画です。
山本さんの感想は…「初めての透明水彩だったのでどうやって色を乗せていくのかいまいちコツがわからず、『最初はホントにうすい色から』とアドバイスを受けていたのにもかかわらず強めに色をのせて、後で修正がきかなかったり…と苦労しました。けれど鉛筆デッサンと違って色が付いた絵を描くのは楽しかったです。」とのこと。
デッサンでも繊細なタッチだった山本さんですが、水彩画でも山本さんらしい優しいタッチになりました。ご本人は不本意な部分もある様ですが、とても水彩画一枚目とは思えない程の完成度です。色が入るとますます描くのが楽しくなってきたようですね。次の水彩画もこれから楽しみです!

しまだひろみ

日進月歩

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健人  小5  油絵

子供達の油絵もだんだんと完成に近づいてきました。月曜クラスは高学年も多く、わりかし良い作品が揃っています。中でも今日素晴らしかったのが健人の作品!!

彼は去年は汽車の油絵を描きました。その絵もアースカラーで錆びた金属を上手く表現していたのですが、今年は確実にレベルアップ!!僕たち先生の指摘を受ける事も無く、自分で描き進めて得たこの金属のテクスチャーが素晴らしい!!立体感&金属感がよく出ていますね。

僕がアトリエの小学生クラスを見始めてからちょうど一年ぐらい経ちますが、昨年と同じ課題を見ると彼らの成長を感じます。確実に上手くなっています。

この絵を描いた健人は野球とゲームが好きな少年で、「ほんとに絵に興味あんのかな?」なんて思う事もあります。でも、こんな油絵も描けるんだ、と思うとなんだか嬉しくなりますね。

七月の頭で完成予定ですが、今から完成が待ち遠しいですね。

幸介

点灯式

Tentousiki1Tentousiki3Tentousiki2昨日の土曜日予告通り平和公園で、大人クラスの上野さんが製作された『BAR MIOS―大人の街・裏ミオス』の点灯式という名の飲み会をしました!
参加者15名。保護者同伴の小学生の参加まであり、楽しい宴会となりました♪(ちなみに製作者は集合写真の中で寝っころがっている男性です。)
夜中24:30まで、ひと気の無い公園に怪しいBARの光が燈り、年齢層バラバラの集団がなにやってんだか・・・ですが、『美術』を愛し、『制作』という自己表現をしている者同士、初対面とは思えない交流が生まれたこの出会いに感謝です!
次はどなたの作品のお披露目しましょうか!?常時企画者募集です☆
オバラ

写真の役割

Abotsuta英保 『蔦が絡む校舎』 油彩

英保さんはご自身で写された写真を参考に絵を描くことが多いです。その写真は撮るときに既に絵のイメージができているようで、その景色のどこにどう感動したのか伝わって来るものばかりです。今回はレンガの校舎に紅葉した蔦がからまっている赴きある風景。陽があたったレンガと蔦の葉が輝いて見えます。
描きながら変化していくという描き方も発見や意外さがあり面白いのですが、描きはじめから絵の完成のイメージ(特に一番表現したいこと)が湧いていると、必要なことと不必要なことを整理して描き進めることができスムーズです。自分のイメージにどれだけ近づけるかということに集中できるので、見る人にも同じ感動を与えられます。それが写真よりもリアルと感じさせたりするのですね。
写真を絵の資料としてだけではなく、作品のイメージ作りに活用してみるのもお薦めですよ。

あかね

クレヨン画

Okakutu_1岡 『ブーツ』 オイルパステル

お手軽に深い色味を重ねて作ることが可能な画材のクレヨン。私が描いた人物画を教室の片隅に置きっぱなしにしていたのを見付けて、岡さんも使ってくれました。
いつもはさらさらふわふわのソフトパステルで制作されているので、べっとりと紙に食いつくオイルパステルが新鮮だったようです。黒いブーツには24色のオイルパステルほぼ全色が使われています。これは他の画材ではありえない使用方法。混色を楽しむ最高の画材です。  オバラ

明日6月23日、平和公園で宴会します。18歳以上の生徒さんならどなたでもいらして下さいね!(18:00 ミオスに自分の飲みたいアルコール持って集合。20歳未満はノンアルコールよ!参加費-おつまみ代-1000円)

プライベートレッスン

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プライベートレッスン(幼児)
1枚目の作品は先日雨が降っていたときに描いた絵です。雨の中傘をさしている人をテーマに描きました。しっかりと腕を曲げて傘を持っている様子が力強く描けましたね。
クレヨンの線や塗り方にとても勢いがあって自信をもって描いているのが伝わる絵だと思います。
「あっ!雨が降ったら水溜りもできるよね」「雨だから長靴はかなくちゃ」と次々と雨の日の様子が浮かび、しまいには雨の歌まで歌いながらとっても楽しそうに描いていました。

2枚目の作品。アトリエに飾ってあるアジサイがとても気に入ったようだったので、本物のアジサイを見ながら触りながらじっくりと描くことを気をつけました。
アジサイは小さな花の集まりなので、ひとつひとつ描くのに根気がいるけど、最後まで丁寧に描いていたのが印象的でした。

梅雨に入ってもなかなか雨が降りませんが、アトリエでは季節感あふれる素敵な作品ができあがりました。  いとう