大切な人を描く喜び

大竹です。今回ご紹介するのは、香月さんの油彩作品です。

まず1枚目の作品。こちらの女性は香月さんの奥様です。フォーマルなドレスに身を包み、優雅に舞う様子が、まるで映画のワンシーンのように美しく描かれています。(香月さん曰く「綺麗に描かないと怒られる…」そうです…一層気合いが入りますね!)華やかな衣装の装飾や布の流れ、肌の陰影に至るまで、ひとつひとつが丁寧に描かれており、油彩の重厚な魅力がふんだんに詰め込まれています。特に陰影はメリハリをつけて描かれる事を意識されたのではないでしょうか。強いライトの逆光で人物のシルエットが浮かび上がる事で、大きな画面の中での存在感に繋がっています。
また、黄色いライトと紫の影が会場の独特な雰囲気を作り出していますね。煌めく舞台の光を浴びながら踊る姿は、観る側も自然と心を奪われることでしょう。

そして左の作品。こちらはお孫さんを描かれているそうです。なんと幸福感に満ちた光景なのでしょう、観ているこちらの顔も綻んでしまいそうですね。油絵の特性を生かした、柔らかな肌のグラデーションと温かみのある色彩で、幼い頃ならではの無邪気な笑顔と、柔らかな空気感を見事に表現しています。子供らしいまんまるの顔や、小さな手足が可愛らしいですね。作者の深い愛情が、一筆一筆に表れている様です。背景の木の温もりや、敷かれた布の質感も、重ねた絵具の厚みと透明感のバランスが絶妙で、油彩だからこそ生まれる「空気ごと描く」感覚が味わえます。

右の作品は1枚目に続き、奥様をモデルにされています。しなやかな動きの一瞬を切り取ったかのような構図が素晴らしい!より躍動感と重力を感じさせますね。衣装のスパンコールやビジューは星の様に煌びやかで、ますで夜空に舞っているかのよう。ダンスの表現で重要な指先や目線にも気を使い、切り取られた一瞬を情熱的に描写しています。背景に広がる紫と藍のグラデーションも、油彩らしい深みがあり、二人のシルエットをより一層引き立てています。皮膚の下の血の通いを感じさせる肌の色使いも美しいですね。きっと奥様もご満足な筈です!

1枚目とお孫さんの作品は、第92回の県展に出品されています!
会期:4月30日(水)〜5月5日(月・祝)10:00~18:00(最終日は14:00終了)
会場:横浜市民ギャラリー(桜木町駅)

ぜひ会場にて、油彩ならではの豊かな色合いや、息遣いの伝わる筆致を直にご覧ください!

どんな気持ちで描いたのか?


増村 油彩

水曜日ですが岩田です。今回は、増村さんの作品をご紹介します。

こちらは、ヨーロッパのどこか。二人のシスターが寄り添いながら、手前の影の世界から、陽光の差す街の中へと歩いていく後ろ姿を描いた油彩です。第一印象、とにかく色の美しさに心惹かれます。

今まで風景画がメインでしたが、前回の作品から人物に焦点を当てた作品を描き始め、そちらの絵の紹介でも色彩の扱い方が上達しているという批評の言葉がありましたが、この絵は、前回にも増して、色使いに磨きがかかったような印象を受けるのです。というか、今までの増村さんの作品の中でも色がピカ一かもしれません。

手前から奥へと向かう色の移り変わりにも配慮が伺えます。10号という決して大きくはないサイズで、敢えて荒いタッチを活かして描かれた作品なのですが、こうした作品を是非大きい画面で描いて欲しいと思うのです。というのも、より大きい画面で描くことで、更に緻密な色の変化を楽しむことが出来る上、ペインティングナイフを使った質感表現にも更にメリハリを利かせながら、手前から奥への空間をもっとドラマチックに描くことが出来るでしょう。

二人のシスターの後ろ姿がとても印象的な一枚。どんな気持ちでこちらの絵を描いたのか。作者に直接お聞きしてみたいです。

こちらの作品は、第47回 神奈美展で『クサカベ賞』を受賞されました!ご自宅で制作された油絵だそうですが、整然としたユトリロを少しやわらかくしたような優しい美しさがあります。雨に濡れる道がまた小粋!
会期は本日より始まっていますが、4月7日(月)まで横浜市民ギャラリーで開催中ですので、ぜひご高覧ください。(前回の作品も、入選し飾られているそうです。)

会期:2025年4月2日(水)~4月7日(月)10:00~17:00(最終日16時まで)
会場:横浜市民ギャラリー(1階・2階・3階展示室)〒220-0031 横浜市西区宮崎町26番地1
   桜木町駅より徒歩10分

グループ展のお知らせ

ブログではお久し振りです。ハルです!
現在東京藝大デザイン科に通う10名で展示を開催しています。(実はもう始まっております!)
大学の課題に向けて作る作品とは別に、展示タイトルでもある『いとま』をテーマに各自が作りたいものを作って持ち寄る有志展示です。
私は油絵を描きました!(はる美という作家名で参加しています。)
デザイン科ですが油絵や立体作品も多く、見応えのある展示になっております。終了日が近づいておりますが、お時間がありましたらお気軽にお立ち寄りください。

グループ展『itoma』
日程 : 3月25日(火)-30日(日)
時間 : 10:00-19:00(最終日は10:00-17:00)
場所 : Nine Gallery 東京都港区北青山2-10-22
     外苑前駅から徒歩3分

展覧会告知

岩田です。今回は2つの展覧会の告知です!

1つめは11月22日から始まる展覧会です。
私と陶芸家の幡上さんとの2人展。長野県から移築した古い民家の薄暗い空間と、新たに建てた細長く美しい空間。その2つからなる展示スペースに2人の作品が並びます。

私は、初日22日に在廊します。その他の在廊の日程は、まだ未定です。金曜日から月曜日迄の4日間のオープンなのでお間違えのないよう、お越しください。

「土と樹液」 岩田俊彦×幡上早苗
2024.11.22(金)-12.9(月)開廊 金 土 日 月 / 予約制 火 水 / 休廊 木
オビギャラリー 神奈川県藤沢市村岡東3-12-7 駐車場なし Tel:0466-25-7581 ウェブサイト


※藤沢駅から江ノ電バス8番乗り場(ODAKYU湘南GATE前)「渡内中央」行きに乗り、「渡内会館入口」下車徒歩1分

2つめは、現在開催中の展覧会「Place in my heart」
こちらは、22人の作家が能登半島災害支援を目的としたチャリティーオークション展です。
ふるさと、故郷、HOMEをテーマに作品を制作しています。
作家の在廊はありません。

「Place in my heart」
2024.11.8(金)-12.1(日)会期中無休
POLA MUSEUM ANNEX 東京都中央区銀座1-7-7  ポーラ銀座3F Tel:050-5541-8600 ウェブサイト

ご都合が合いましたら、ご高覧くださいませ。どうぞ宜しくお願い致します。

台北 展覧会レポート

岩田です。今回は、現在、台北にて開催されている私が参加している展覧会のレポートをお伝えします。
タイトルは「蝕-Erosion」、各々の作品のイメージから、店主が付けてくれたタイトルです。

台北中心部から、東方の少し離れた場所にある内湖区。
辺りはAT企業などが建ち並ぶオフィス街ですが、そうした中にあるビルの5階に突如立ち現れる広々とした台湾茶のティーサロンがWhims 乘興院 です。そこに併設されたギャラリーで、台湾の陶芸家、染色家と共に3人の展示が行われています。
オフィス街とあって、近郊にはIT関係などの富裕層の住まいも多く、そうしたお客様を相手に運営をされているようです。
店主によってしつらえられた空間は、静かで落ち着いた佇まいでありながら、各々の作品が力強く且つ美しく見える構成になっています。

私は、今回初めて台湾茶の為の道具を作ったのですが、やはりある程度、お茶のしつらえを体験していないと、中々それに見合う道具は出来ないものだなあと痛感しました。今後は店主と話し合いを重ねながら、しつらえに見合った、実用的な作品を提案していく予定です。

会期は11月末まで。台北に行かれる予定のある方は、是非足をお運びください。どうぞよろしくお願い致します。

岩田俊彦@iwata_toshihiko
周易伯@yipoceramics
陳穎亭@rusted_objects

Whims 乘興院 @whims_taiwan  台北市民權東路六段11巷39號5樓
2024. 10. 26sat – 11. 24Sun 13: 00 – 20: 30 火曜日休廊

写真展のご案内

岩田です。この異常な暑さはいつまで続くのでしょうね…
さて、ミオスの授業は今日から三連休を頂いておりますが、生徒さんの展覧会のご紹介を。
チケット制会員の上野さんの写真展(三人展・テーマは『間』)です。
実は上野さんには私の作品写真の加工をよく依頼しており、そのくらい技術のある方です。
写真に興味のある方は是非行ってみて下さい。

会期  9月21日(土)13:00~19:00 22日(日)11:00~19:00 23日(月)11:00~17:00
会場 自由が丘駅の正面改札口を出てカトレア通り4分 自由が丘2-8-8Le ciel bleu 3F

ギャラリーのHPはこちら「ル シェル ブルー」

藝祭の御輿の作り方

聡です。まだ正式にミオスのスタッフに返り咲いていないので(時々不定期に助っ人で入っています)、お盆の自己紹介には登場しませんでしたが、小原先生が春にブログで紹介してくださいました。覚えていらっしゃる方がいれば嬉しいです。

昨日の藝大デザイン科はる先生に続き、日本画科の方の御輿もご紹介します!僕達のチームは日本画科・工芸科・邦楽科・楽理科で、テーマは『孔雀』~翔る繁栄と自由への祈り~です。
簡単ですけどプロセスをまとめますね!

①台の上に骨格となる木の芯材を作る

②芯棒に沿わせて四角い発泡スチロールを大まかにカットし付けていく
 カットする際、ワイヤーに電流を通し発泡スチロールに当てて焼き切る

③四角いポリゴン状の孔雀が出来上がったらそこから木彫のように荒く掘っていく
 包丁、スコップ、ノコギリなどを使う

④掘っていくにつれ、壊れてしまう所、量感が足りない所などに発泡ウレタンフォームを使い盛ったり発泡スチロール同士を接着して足したりして掘り進める

⑤ヤスリや果物ナイフで細かい描写をしていく

⑥花は別パーツで花びら一枚ずつ作り、発泡ウレタンで固定

⑦細かい穴などをパテで埋める

⑧着彩(デザイン科同様、今週から着彩に入りました。ラストスパートです!)

本当は藝祭にミオスの生徒さん達を連れて行って、僕が案内したりするみたいなことを計画していたのですが、藝祭当日は御輿のパレードやアートマーケットの店番、展示に駐在したりと、暇な時間がほとんど無くなってしまいました、、、ごめんなさい。でもぜひミオスの生徒さんにたくさんいらして欲しいです!

追伸 9月15日(日)から、正式に日曜クラスを担当させて頂くことになりました。どうぞよろしくお願いします。

東京藝術大学の学園祭

お盆休み中にブログで自己紹介させて頂いたハルです。今日は『藝祭』のご案内をさせて頂きます。

9月の6日(金)〜8日(日)にかけて、東京藝術大学の学園祭が開催されます。日頃の制作の発表となる展示や、野外コンサートなどがありますので、くわしくはこちらのサイトをご覧ください。

藝祭では毎年、1年生が音校と美校4科でチームになり(私のチームはデザイン科・芸術学科・作曲科・弦楽科)、協力して御輿と法被を作り上げます。準備は夏前から行われ、デザイン案をみんなで出し合うところから始まり、夏休みはほとんど御輿と法被作りに当てられます。御輿は主に発泡スチロールから削り出し、8月中には形が完成しましたので、今日から3日ほどで色を塗る予定です。

出来上がった御輿は1日目の金曜日に担いで上野を練り歩き、2日目の土曜以降は藝大(音校)で展示されるので必見です!
私のチームのテーマは、無病息災の神獣【 獏 】
悪夢を喰らい幸せをもたらす獏が、年に一度の盛大な宴である藝祭に降臨します。

展示やコンサート・御輿以外にも、サンバと呼ばれる楽器隊が大きな音で演奏したり(私も出ます!)、アートマーケットや模擬店で藝大生が作ったものを売ったりと、とても賑やかで毎年かなり盛り上がります。
どなたでもお越しいただけます。藝大生が一丸となって作り上げる藝祭にぜひいらしてください!

一平です!

ミオスの皆様お久し振りです!元スタッフの一平です!皆様お元気で制作している様子、いつもブログで拝見しております!

仕事をしながらの個展の準備でドタバタしていて、ギリギリの告知になってしまい大変申し訳ないのですが、明日の金曜から来週の月曜までの4日間、下北沢のsuch as galleryという場所で個展をします!
もしご都合よろしければ、皆様にお越しいただけたら大変嬉しいです…。僕は基本的にずっと在廊しています。

ご高覧ありがとうございました


小原 京美 『爽風』 絹本着彩・透明水彩・墨

銀座あらかわ画廊における 『小原京美・ishiko2人展』が土曜日で終了致しました。ご多用中のところご来臨いただいた皆様、誠にありがとうございました。生憎と不在時にお出で頂いた方々には、不義理を衷心よりお詫び申し上げます。
お励ましの言葉や過分なご芳志まで賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。

今回は展覧会を企画してくださった画廊オーナーの意向により『春を感じる風景』を中心に制作しました。いつかどこかで見たことがあるような景色がぼんやり思い出され、そこに佇んだ時の気温や風、香りなどの、目に見えない雰囲気(記憶や気配、更には未来)を少しでも感じて頂けていれば幸いです。

ご高覧頂きましたお客様に、職業柄つい作品の解説をし過ぎてしまうきらいがありますが、私自身も思いつかない言葉で感想を頂けることも多々あり、そのたび奇跡に出会えたように嬉しく思っておりました。皆様から授かったお言葉は、新たなる作品に反映する希望となっております。

自分が描きたいものを見出していくには、創作以外の時間が必要です。初めての場所に出掛け五感でインプットすることも大切ですが、絵画教室で生徒さん達の作品を拝見する時間も、私にとって非常に重要です。
描くことでも見る事でも精神の浄化が期待できる絵画の魅力を、今後も作品を通して全力でお伝えしてゆく所存です。
最後に重ねて御礼申し上げます。