女子美付属高校合格


みつき 中3 左-透明水彩 / 右‐鉛筆デッサン

合格速報です。みつきが女子美術大学付属高等学校に合格しました!おめでとうございます!
着彩もデッサンも「出されたモチーフ全てを、食わず嫌いせずに余すところなく描き切ってやろう!」と取り組む姿勢まで伝わる絵が描けるようになりました。妥協したり、手を抜いた部分は一切ありません。中学生でここまで真摯に絵を描けるとは素晴らしいです。落ちる要素はありませんでした。

精神的にも不安定なところがなく順調に上達、1mmも心配がありませんでしたので、これからのことを書いていきたいと思います。
・並べられたモチーフの中で、主役、脇役の序列を決め、主役は重量感までしっかり伝わるように描く
・主役から離れるに従って上手く手を抜く
・画面の中で硬柔、重軽、遠近、静動、明暗のメリハリをつける

モチーフを愛し、自分がモチーフから感じた想いを一枚の紙に再現するテクニックはすでに習得しています。ただその意気込みが強すぎると肩に力が入って視野が狭くなり、全てを同じように再現しようとしてしまうので、脇役や背景は『良い意味で手を抜く=遊び心を持つ』これができるようになると、魅力が増してくるでしょう。
何はともあれ、合格おめでとう!高校には猛者がたくさんいます。刺激を受けながら更に磨きを掛けてください。 オバラ

ここから、これから


彩里 高3 木炭デッサン

花粉症でティッシュが恋人です、ナツメです。今日は学生のアヤリの牛骨デッサンをご紹介します!初めての木炭デッサンです。木炭デッサンとはその名の通り柳の枝を焼いて作った木炭で描き、食パンのやわらかい部分で消し、ガーゼでこするといった鉛筆デッサンとは使う道具も描き方も違うものです。濃淡の幅が広い明暗のグラデーションを自然に作る事が出来る反面、その場所、質感、明度に合わせ効果的に手を動かさなくてはいけないのが特徴です。

今回はじめての牛骨デッサンでしたが形はよく取れており、細部まで観察ができています。しかし骨に入ったヒビなどの細かい部分を追っているうちに上面の光が弱くなり、細部は若干目立ちすぎています。見つけるのも描くのも楽しくて、つい描きすぎてしまう気持ちはよくわかる!ですが、「デッサンはモノではなく空間を描く作業」と言われるほど空間への意識が重要です。大きな明暗はその意識への第一歩。次回は強く当たる光を意識してみて欲しいです。

左端ギリギリになってしまった構図のミスに対し、空いてしまった右側に背景を置き自力で対応したのは良かったですね。受験においても、どれだけ練習を重ねて万全に対策をしたとしても、やらかしちゃった!と普段からは考えられないようなミスをすることもあります。そんな時に焦りを受け入れ臨機応変に対応する力があるかないかでは変わってきます。そうは言っても構図が命!実はこのデッサン、右上からの光だったところを左に詰めて描いたため最後に光の向きを左上からに変えました。次回は滑り出しから意識できたら良いですね。今はまだやりたいことに技術が追いついておらずもどかしい部分も多いと思いますが、意欲的で吸収速度が早いので今後の成長に期待が高まります。

美術高校受験


中3 美術系高校受験前の冬期講習で描いた作品より

オバラです。2ヶ月間、土曜ブログ担当の岩田先生がお休みですので、作品写真のみ、もしくは、文章少な目なブログをアップしていこうかと思います。
この4月に高校生になった子達が、冬休み中の特別講習で描いたデッサンです。受験用ですので90分で描かせています。受験前は「まだまだ全然ダメだ!同じこと二度言わせんな!一度で覚えろ!」なんて怒ってばかりいましたが、こうして改めて見ると、ちゃんとグレイの色幅が出ていますね。うん、中学生にしてはなかなか良いんじゃない?ヨシヨシ。合格させてやったんだから暴言は許せ!と、口が悪いだけでなく恩着せがましいのに、この子達は高校生になっても通ってくれています。


受験直前の2月には、ここまで描けるようになりました!

石膏デッサン


岩田先生の予備校時代の鉛筆デッサン

岩田先生が6月までお休みなので、土曜日ですがオバラです。アトリエの壁に貼ってある『サモトラケのニケ』の石膏デッサン。大理石の本物はルーブル美術館にドカーンと飾ってあるので、フランスで見た方も多いのでは?
画用紙の大きさは110㎝。イメージが付きやすい様にカサブランカと一緒に撮影してみました。彫像は244㎝との事ですので、おおよそ半分の大きさに縮小して描いています。
現在、大人クラスでは石膏デッサンが静かなブームで、どのクラスでも数人の方がチャレンジされていらっしゃいます。石膏像の平均的サイズ(高さ)は80㎝前後で、石膏デッサン用の画用紙は65㎝×50㎝。かなりの大きさですので、描く前から躊躇してしまいそうなのに、果敢にチャレンジされる生徒さんに敬意を表します。
最近は藝大以外の美大では石膏デッサンが出題されなくなり、美大出身でもほとんど描いたことがない人も多い中、素人の生徒さんが取り組んでくださるとは嬉しい限り!
まだ描いたことがない方も、ぜひ勇気を出してチャレンジして欲しい!
のですが、先週20㎏近くあるブルータスを140㎝の石膏台に乗せようと持ち上げて、ぎっくり腰になってしまいました。しばらく怖くて持てません。弱気ですみません。

藝大への道

小原です。土曜日の岩田先生のブログでも書いてありましたが、住吉桜はすでに咲き始め、アトリエの窓からはお花見が楽しめる風景がご覧頂けます。
しかし、ミオスでの桜と言えば受験!今年、藝大の日本画科を受験していた二人からは、不合格の知らせをもらいました。

「お久しぶりですサトルです。
藝大日本画、今年も二次で落ちました。
実力はついてきていたのですが、あと一歩及びませんでした、、、。
4浪します!!!
来年は圧倒的なレベルの絵を描いて受かって来ます!!!!!!」
「お久しぶりです。マヤです。
チョコのお礼が遅くなってすみません。美味しかったです。ありがとうございました!
今年も落ちたので二浪します(笑)
色々な物事と良い距離感を保ちつつ、頑張っていきます。」

長い時間ものすごく努力したのだから、その価値を保証する結果が欲しかったでしょう。
がむしゃらに手繰り寄せた糸が、求める未来に繋がっているという希望が欲しかったでしょう。
35年前の私は藝大受験の失敗に打ちのめされ、自分の無能さに反吐が出るほど嫌気が指しました。「視野が広がったからそう感じる」なんてきれい事、耳に入らなかった。自分を信じられず、未来を予見できなかった。
二人を敬服します。

5浪して藝大に入った岩田先生から
「おー!落ちましたか!
4浪すれば、流石に受かるでしょう。
頑張って欲しいですね。」
「2浪すると、入ってからだいぶ楽ですね!
浪人生活、楽しんで欲しいです!(笑)」
ミオスには、頼もしい先生がいて良かった。

桜が咲くとは限らない

オバラです。今年の受験も、明後日の藝大二次試験の発表を持って終了です。大人クラスに交じって絵を描いていた受験生もいたので、きっと心の中で応援してくださっていた社会人の生徒さんもいらっしゃいますよね?「自分の描くデッサンより数倍上手くて速いのに、けちょんけちょんに怒られてる!」と恐れおののきながら矛盾を感じたこともあったでしょう。申し訳ございませんでした。

しかし「今までご声援をありがとうございました!無事、みんな合格頂きました!」と、言えないところが人生。上の4時間で制作した水彩画を描いた中学生は、残念な結果に終わりました。今年の倍率は高校受験にあるまじき5倍だったとの事、非常に高い競争率でした。

限界まで頑張ったのに、私達の力不足で本当に申し訳ないです。しかし今の彼女が持てる力を最大限出せたと思います。それでダメだったのですから、辛くて悲しいけど受け入れるしかありません。
しばらくメソメソして、嫌いな事、苦手な人は避けて、好きなものに囲まれる時間を多く持ちながら、ゆっくり気持ちを整えて欲しいです。美術が大好きで、描きたくてたまらない気持ちは、きっと変わらないと思います。美大受験にシフトして、そこでまたトライしましょう。ずっと応援しています。

白山高校美術科 合格再現作品


こころ 鉛筆デッサン 左が合格再現作品

マユカです!今回は白山高校の美術科に合格したこころのデッサンをご紹介します

アトリエでは受験する高校がどこかに関わらず、基本的に形をとるのが難しかったり、描きこみが複雑なモチーフを組んでデッサンしてもらっています。もちろん受験の時期が近づいてくれば、高校ごとに特化したモチーフでのデッサンをしますが、実際の試験で「こんなの描けない!」とパニックにならないように、どんな課題を出されても、試験時間内で描き切ることが出来るようにと、受験期中盤辺りまではあえて難しいモチーフに取り組んでもらっています。
こころは初めからしっかりと強い黒を入れて、積極的に描くことが出来ていたため、そんな難しいモチーフにも「時間足りないです!」とは言いつつも全体的に完成させていたのですが、その代わり描きこみがかなり大雑把になってしまいがちでした。冬休みを経て、その描きこみにもかなり繊細さがプラスされ、ただガシガシと描くだけでなく、細部までよく観察し、繊細なタッチもできるようになっていましたね。受験前に描いた針金のうねりや影の乗せ方、ゴム手袋の表現でも「すごく繊細に描けるようになったなぁ」と感動していたのですが、参考作品での紙コップの描き方なんて、最初見たときこころだと分からなかったくらい!奥にあるものだからと控えめに描かれていても、描きこみは忘れていませんでした。何枚も描いていく中で目が肥えてしっかりと観察ができるようになり、時間にも余裕が出来たのだと思います。手前はしっかり描きこんで、ぐっと強い黒を入れることで目立たせ、遠近感を強調しよう!というデッサンのポイントもしっかり押さえられていますね。

勉強も絵も頑張らなくてはいけない美術系の学科は、やることが多くて大変だったと思います。改めて受験お疲れ様でした。合格、おめでとうございます!

多摩美・武蔵美・造形 合格!

オバラです。『もうすぐ春』と言えば受験!先週、高2の冬から高3の頭に掛けて、週に5日~6日授業がある美術予備校へと追い出した美大受験生たちが4人、次々と合格の報告に来てくれました。
多摩美のグラフィックデザイン科・情報デザイン科・プロダクトデザイン科・統合デザイン科、武蔵美の視覚伝達デザイン科、造形のグラフィックデザイン科、とたくさんの合格をひっさげてのお礼参り!?(デザイン科は1つの大学内でたくさんの科があるので、一人で3・4ヶ所受験するのが普通です。)
一番心配していた慶徳(名前言っちゃった!)なぞ、「俺、受けたところ全部受かっちゃいました!」と、信じられない報告をしてくれて驚き!(他の子は、不合格だったところもありました。)
小学校1年生からミオスに通い、小学生・中学生の頃はいつも遊んでばかりで何度激怒したか分からず、高校生になって「美大を目指したい」とは言っても口ばかりでやる気も感じず、「お前見てるとムカつくんだよ!自主的に制作する意欲もない奴に教える事は一つもねぇ!帰れや!」と数回ブチ切れ…と、悪口ならいくらでも出て来る。(書かせた反省文もちゃんと取ってある!)
見せてもらった合格再現作品は大変下手クソではありましたが、欠点を見事に隠した下手ウマな平面構成でして、自分の力量を正確に測り、人より劣った武器でも戦える技を身に付けたことが良く分かりました。
皆と同じ強さの武器が持てなければ、違う戦い方を考えればいい。マイナスをプラスに変えて逆転するなら、頭を使えばいい。それができるようになって感動です。
そんな風に褒めたら、「でもそれができるようになったのは、ノリ先生が長い時間かけて俺に教えてくれたからだよ。美大を目指さないでなんとなく一般大学に行ってたら、人生が楽しいって自分に胸張って思えなかったかもしれない。」なーんて口まで上手くなりやがってコノヤロー!
でもミオスの名誉の為、合格再現作品は載せない様にしよーっと。
みんな、美大合格おめでとう!嬉しい報告をありがとう!

川崎総合科学デザイン科 合格再現作品


梅 中3 合格再現作品 左ー川崎総合科学デザイン科  /  右ー橘学苑デザイン美術コース

大竹です。ミオスではほぼ毎年、川﨑総合科学デザイン科を受験する生徒がいます(私もかつてはその一人でした)。今年の受験合格再現作品、梅のデッサンを掲載させて頂きます。

今年のモチーフは、川総はハーフサイズのティッシュ・ガムテープ・赤いハチマキ。橘学苑は、ティッシュと緑の養生テープとシュロ縄でした。(両校モチーフが似ている!)
モチーフは両方とも基本的な形の組み合わせとなっています。形を正確に捉える事は勿論、素材の質感、そして何より構図が重要となってきますね。梅は冬休み直前までは中々スイッチが入らなかったのか、上達が伸び悩んだ為「どうすれ意識を変えられるか?」と講師陣も毎回授業後に会議をしておりました。休みが明けてからは意識も変わったのか、以前と比べると画面の密度も高くなっていきました。受験の際、合格したいのは勿論ですが、その基盤には「絵が上手くなりたい!」という欲があるはずです。ただ先生に言われたから描く、ではなく、「このつまんないモチーフを、上手く描いて魅力的にするぞ!」「前回よりも、もっと上手く描くぞ!」という意欲がなければ上達には結びつかないでしょう。絵が上達したと感じられる瞬間は、何よりもモチベーションにつながったかと思います。
何はともあれ、受験お疲れ様でした。ずっとデッサン漬けだったので、これから好きな絵をいっぱい描いてね!

 

鍛えて、鍛えて


こころ 中3  透明水彩 / 鉛筆デッサン

街がクリスマス色になってきて焦りを感じています、ナツメです。今回は中3のこころの作品をご紹介します!
都立芸術高校を目指して頑張っているこころ。芸高には、美術科と音楽科があり、美術科の中には日本画、油絵、彫刻、デザイン、芸術学と5つのコースがありまるで美大!当然レベルも高く、学祭などに行くと「もう美大に行かなくてもいいのでは?」と思うような作品ばかりで圧倒されます。(学祭のパンフレット一つとっても遊び心あるユニークなもので、絶対持って帰りたくなる代物です!)

受験ももちろんハードルは高く、左の着彩は4時間、右のデッサンは3時間で完成させます。画用紙のサイズは、川崎総合科学デザイン科や横浜弥栄の美術科の試験で与えられる紙の倍のサイズ!必然的にモチーフも大きなものが出題されます。

着彩は時間がないため、はじめから濃い色を乗せないと絵の具が重ならず最後まで淡い色合いのまま終わってしまいます。今回は特に色の濃いモチーフが多い中、ここまで色を乗せられているのは大きいですね。形が狂っていたり光ではなく色でモチーフを見ていたりとまだ荒削りではありますが、見えるものを全部描き止めようという意思・意欲が感じられて好感が持てます。試験では個々の描きこみよりも全体の印象が求められるため、モチーフの中での役割や優先順位の判断が大切になります。
デッサンの試験時間はなんと美大のデザイン科と同じ()です。これ以上ないほど早く鉛筆を動かしていてもあっと言う間に終わってしまうので、腕と一緒に脳もフル回転させます。1番の明るさから1番の暗さまでを画面に使えていること、それぞれの質感の差を出せてきていることは素晴らしいですね!ここから少し丁寧に鉛筆を動かしたり、重さの差も意識できるようになるとより良くなると思います。

美術系の受験は、スポーツだとまで言われるほど体力や反射神経が問われます。既に息切れしそうなほど頑張っていると思いますが、息抜きもしつつ、残りの期間も走り切って下さい!応援しています!!!