自分を認める

4月のカリキュラムは、食べ物のモチーフを見ながらクレヨンで写生画でした。その中にイチゴもあったのですが、高学年女子が、「学校の図工のテーマが『春の絵』だったんだけど、ほとんどみんな桜を描いてんのよ。イメージで描く桜なんて、たかが知れてんじゃん?だからアタシはイチゴを画面いっぱいに描いてやった訳。アトリエであんなに観察したから覚えてるし、めっちゃリアルに描けちゃってさー。クラスで一番目立ったし、先生に名指しで褒められちゃったね!ふふん!」と言っていて、「鼻につくわー!」など言われながらも、聞いてる皆が楽しそうで、私も嬉しくなりました。こういう武勇伝も良いですね。

でも、自分が幸せだと感じていないと、他人の喜びを嬉しく共感することはできないし、妬んでしまうこともあるでしょう。他人を羨ましく思い、比べて悲観しないように、自分の良い所を認めて欲しいものです。そんな思いを込めて、このカリキュラムを行いました。

これで112人、ラストです。本当はもっといるのですが、未完成のまま「もう次のカリキュラム(UFO制作)をみんなと一緒にやりたい」と言うので、「家で仕上げてね」と持ち帰らせました。
下記写真、激ウマなスキーの絵は、展覧会で小学生の人気投票1位だった結卯。気になる油絵はこちら

下記は私がウケた賞状、3年生女子。お父さん、お母さん、お兄ちゃんに宛てた感謝状「いそがしい中 そだててくれて ありがとう」 大人っぽい言い回しで「忙しい中」って入れたかったんでしょうね。これ、結婚する時まで取っておいて欲しいな。今は笑いを誘いますが、結婚式で見せたら、仲睦まじい4人家族の肖像も嬉し涙を誘ってしまうかも?

アピールの仕方

最初に『下から見上げた王冠』の描き方を練習させたので、被れそうですね!
周りをデコる模様の種類も、覚えて応用できるほどたくさん練習させました。

上の写真、下段中央『妹へ おかたづけ できましたで賞』 自分より年下の子へ、上から目線で褒め称えるのも、微笑ましい。

昨日は「小学生の内はガンガン自慢しちゃおうぜ」などと言いましたが、大人しく控えめな子は自信がない訳でもありません。秘めやかに内に情熱を灯しているのが、見えづらいだけの子もいます。周囲(仲間)に気付かせるようなアピールを上手く促すのが、大人の仕事かもしれませんね。
そういった意味でも、今回のカリキュラムは、皆が知らない一面を披露できる良いカリキュラムだったと自負しています。

自分自慢

エンブレムは、石膏でかたどりして作り、金のアクリル絵具で塗りました。紋章は細かすぎるので、イニシャルを浮き彫りにしています。

名前の文字は、レタリングを推奨しました。昨年10月に展覧会で飾るキャプションとして、板に『ネームプレート』を書かせたので、その際にレタリングを使っています。高学年で覚えている子は、デザイン的でかなり上手いですね。読みやすく書けています。

自分のことをアピールするのは良くない、自慢をしてはいけない、と考えてしまうのは、いかがなものでしょう?出る杭は打たれる?謙虚は美徳?そんなのは大人になってからでいいよ!小学生の内はガンガン自慢しちゃおうぜ!

自分を称える

小原です。本日よりゴールデンウィーク期間は、小学生の作品をまとめてご紹介します。

加余子先生作 見本

昨年1・2月のカリキュラムは、年度末でしたので、この一年で頑張ったこと・自慢したいことなど『自分にあげたい賞状』作りでした。
このカリキュラムを考えたきっかけは、私がよく行く銀座のスペイン料理屋に『パエリア世界コンクール優勝』の賞状が飾ってあったこと。なんと文字も絵も全て手描きなんです!紋章が、封蝋でシーリングスタンプされているところもステキで、これを描かせようと思いました。

絵だけ見ても、何を頑張ったかすぐ分かりますね。右上の聴診器の絵は、「弟と一緒に遊んであげてエライで賞」

「自分の頑張りが自慢に聞こえてイヤ」という子も意外と多く、感謝状でも可にしました。

勉強を頑張ったという子も多く、素晴らしいですね!

絵になる生き物

小学生クラス『粘土の馬』の前に描いた設計図

馬ほど絵になる動物はいないでしょうね。ラスコーの壁画の時代から、モチーフとして人間の心を捉えてやまない美しい生き物です。

油絵Vol.19 小学6年生

上段左から めぐる・勇人・結卯
下段 七菜

めぐる 自分の後ろ姿と夕景のコントラストが美しく、どちらも引き立てられてバランス良く、そしてドラマチックに収まりました。近景と遠景の描き分けも素晴らしく、砂浜の立体感がより強調され、作者の技術の巧みさが伝わってきます!

勇人 ちょこんとクッションの上に座っている猫なのですが、左側の何かを警戒して驚いているようにも見え、猫独特の緊張感が伝わってきます。眉毛やヒゲなど、細かい部分も良く観察しているからこそ、この緊張感が生まれているのでしょう。

結卯 葉のない木の枝、風にたなびく雲、鏡のように周りの風景を写す水面が、凛と張り詰められた空気の冷たさや、透明感を伝えています。また色味を統一することで、この場の寂しさや温度感を、更に引き立てました。大人びたテクニックです。

七菜 集団で身を寄せ合い暖をとっているペンギンの愛らしさも、厳しい環境で生活しているストイックさも感じられる作品です。上から差し込む日の光の表現が彼らの顔にスポットライトのように当てられ、精悍に佇む様子が表現されています。

長かったブログでの小学生の油絵紹介は本日で終了。展覧会前から19日間もお付き合い頂きましてありがとうございました。
展覧会中、結構たくさんの保護者様に「なぜ今年はユーチューバーのりキンで解説してくれなかったのですか!とても楽しみにしていたので残念です。」と言って頂きました。その言葉だけで嬉しいです。ダラダラ長々トークでしたのに、期待してくださりありがとうございました。また世界に悪がはびこること(コロナみたいな強制的な自粛生活)があったら、のりキン解禁しまーす。

油絵Vol.18 小学5・6年生

上段左から 紗季(5年)・椿希・りおん
下段左から のどか・結斐・時悠・草馬

紗季 手前の木は、影となっている場所と光が当たる場所を良く観察し、細かいタッチで描き分けられており、遠くの風景は、大胆なタッチで表現する事で、遠近が分離し立体感を与えています。爽やかな風を感じます。

椿希 リラックスして寝転がり、こちらに顔を向けた”ワン”シーンでしょうか?脚を折り首を傾げるその様は、犬ならではの可愛さが溢れる仕草をうまく表現しています。作者のこの犬への愛情も伝わってきますね。

りおん 色使いがが独特で、私には昔読んだおとぎばなしの絵本のように感じられました。懐かしい感じを受けると共に、凍てつく雪の様子や、ちょっと不気味さを孕んだ色使いがなんとも奇妙な空間を演出しています。

のどか このワンちゃんは水で遊ぶ事に慣れている様ですね。水際で一生懸命におもちゃを運ぶ様子や、楽しんで遊んでいる事が表現されています。弾け飛ぶ水滴を良く観察して丁寧に描く事で、迫力のある絵となりました。

結斐 インコを画面全体に描く事で可愛らしさよりも、貫禄を感じさせる出で立ちが面白い絵となっています。中世のタペストリーのようなバックの赤とインコの青のコントラストが王様のような風格を醸し出しています。

時悠 前に突き出した腕や脚を正面から描くことは非常に難しい事なのですが、破綻なく見えるのは、デッサン力が高い証拠だと思います。寒さに負けぬダイナミックなポーズが良く表現されていると思います。

草馬 イルカの稜線にハイライトを引く事で、肌のツルっ、すべっとした表現がうまく出ています。背景の大胆なタッチと相まって立体感もあり、アクロバティックなジャンプの力強さが感じられます。

油絵Vol.17 小学5年生

日曜日ですが小学生の油絵紹介を、火曜日まで続けてアップささて頂きます。

上段左から 知嘉乃・雄飛・舜人
下段左から 光里・紗彩・志乃

知嘉乃 夏を感じさせるモチーフで固められて構成され、情熱的なまでの赤がそれらを包みこんでいます。見ている側の周りの空気まで高くなってきそうです。作者の夏の思い出が詰め込まれた一枚である事が感じられます。

雄飛 オカメインコの愛らしくユニークな表情が良く表現されていると思います。顔に入る影の表現や、周りの色を反射する事を意識して少し緑を入れるなど、大人顔負けの技術が詰め込まれていると思います。

舜人 逆光の建造物を描く事は難易度が高いと思いますが、ただ黒く塗りつぶすのではなく、光が輪郭線より内側へ回って入ってくる様子が上手く表現されています。雲や木々の間から漏れてくる光も美しいですね。

光里 あたり一面に咲くネモフィラに感動した事が伝わる作品。少しでも多くの小さい花を描くのに苦労しましたが、1本だけそびえたつ木も力強く描かれており、ネモフィラと共存して生きる事が表現されています。

紗彩 全体の色使いなどで暖かい家族と共に楽しい思い出を過ごした事が伝わって来ます。妹の視線だけがこちらを見据えている面白い作品となりました。きっと一番好きなのが妹なのかもしれません。

志乃 可愛らしさもありますが、過酷な環境で暮らす厳しさも感じられます。体毛を沢山の色で描き分ける事で、この動物の暖かさや、周りの環境などが見て取れます。濃厚な色は絵本作家が描く世界の様です。

油絵Vol.16 小学5年生

上段左から 結香・颯太・愛哩・ひまり
下段左から 愛莉・杏・幸次郎

結香 油絵の特性を活かした濃厚な色使いが目に飛び込んできます。花弁が重なる複雑な色分けと影まで描き分ける観察眼、そして何より力強く根を張り、土の匂いが感じられるような表現が見ている人を引き付けます。

颯太 本人と弟の表情がとても魅力的。仲良し兄弟の2人の感情まで伝わってきます。顔の個々のパーツまで観察出来ており、年齢差も上手く描き分けられています。Tシャツの色がお揃いで苦労しましたが、背景で挽回。

愛哩 バイクを描くには前後のバランスがとても大変ですが、縦構図に上手く収めており自然に描けていると思います。ホイールなど周りの景色を映す部品などは、金属として見えるように的確な色遣いで表現されています。

ひまり 一つの花に2つ以上の色の花が共存する現実的ではない組み合わせが、幻想的で夢の中にあるような世界で構成されています。背景のシャボン玉と合わせて異空間を演出する表現となりました。

愛莉 動物園にいる事で野生を無くしてしまったかのような虎。いつも周りに気を配る事が出来る愛莉の優しさが前面に押し出されています。下地の朱色が効果的に活かされ、虎の体や岩場に深みのある色味を与えています。

杏 夏の爽やかな抜けるような青空の水色が、補色に当たる黄色の花びらを引き立てています。一見色数が少なく見えますが、花びらは濃密に描かれており、1枚1枚丁寧に仕事をした事が垣間見えます。

幸次郎 寒い雪の中で健気に生きる小さき命に愛情を感じる一枚です。顔からお腹にかけて色鮮やかなオレンジ、また柊の赤い実が響きあいアクセントとなり、画面全体のスパイスとして効いています。

油絵Vol.14 小学4・5年生

昨日誤って、Vol.15 小学5年生を先にアップしてしまいました。前後してしまい申し訳ございません。

上段左から 千晴(4年)・凛太郎(4年)・陽菜乃
下段左から 丈瑛・杏寿・夏希・海里

千晴 ゴージャスなのに品もある睡蓮。花びらの混色も素晴らしいですが、花を塊として捉えボリュームを出すテクニックに驚きました。影の色も澄んだ深みがあり、光がキラキラしながら祝福しているように見えます。

凛太郎 鷹が羽ばたく様子の、 なんと力強いことでしょう!大きな翼で空気を受けながら飛んでいる姿はまさしく空の王者。 鷹のかっこ良さが強く前面に見えてきますが、 空の色合いの繊細な移り変わりも見所です。

陽菜乃 一面のネモフィラ畑は鮮やかで深い青や紫を使い、 青空の爽やかな空気感と差をつけました。 描きたいモチーフがどれも青、 青、 青…。 白や紫でアクセントを加え、 単調にならないように工夫してあります。

丈瑛 毎年お気に入りの作家を模写をしています。本物の『叫び』は意外にサラッと描いてあるのですが、画家へのリスペクトとして技術だけでなく精神力をも真似てみたいという深い思いで、絵具を重ねた厚塗りになりました。

杏寿 水面を真っ直ぐ見掘えた覚悟を感じるイルカの表情には緊張すら感じます。夕焼けの色が層のように描かれているところからは幻想的な雰囲気が漂い、つい引き込まれてしまうような魅力があり見惚れてしまいます。

夏希 みなさんご存知、モネの睡蓮の模写です。水の反射がよく表現できていますね。印象派の描きかたも真似してチューブから出した色をそのまま置くなど、鮮やかな光を大切にして大きな筆でガンガン色を乗せていました。

海里 海里のお家で飼っているワンちゃんだそうです。キラキラとした瞳で見つめてくる姿がとってもキュート!茶色の毛並みにオレンジや黄色を使い、光にあたっている部分との差を表現することにより、立体感を出しています。