
大竹です。今回ご紹介させていただくのは、室橋さんの油彩作品です。お孫さんの七五三の晴れ姿を描かれています。以前も油彩でお孫さんを描かれていましたが、今回は女の子の七五三。華やかな着物に身を包み、少し照れたような表情がなんとも愛らく、成長の一瞬が大切に切り取られています。
制作にあたっては、子供らしい顔のラインやバランスを捉えるのに苦労され、何度も描き直しては丁重に整えていきました。温かみのある柔らかな肌の色合いと、黒く艶やかな髪の質感もよく表現されています。
厚みのある着物の質感は、皺の入り方をよく観察し、絵の具の層を重ねる事で布の重みを出しています。ほのかに光沢感も感じさせる上品な描写ですね。黒い地に金糸を織り込んだ帯の表現も美しく、作品全体を引き締めています。
油彩では金属の様な光沢を表現する際、明暗をハッキリと描写する必要があります。暗い部分はこちらの作品の様に思い切って色を乗せる事で、輝きがより際立ちます。
背景には、着物や髪飾りの赤色を引き立てるためにグリーンを選ばれています。顔周りはスポットライトが当たっているかのように明るく、着物周りは落ち着いたトーンにする事で、鑑賞者の視線が主役へ導かれるようになっています。
七五三は子供の健やかな成長と幸せを祈願する行事です。こちらの作品の一筆一筆にも、お孫さんへの祈りが込められているのでしょう。写真とはまた違う、描く事でしか残せない願いの形が感じられる一枚です。








