
月曜日ですがサトルです。今回ご紹介する高山さん、まだ油絵を始めて3枚目ですが、既にプロ顔負けのクオリティです! とっても美味しそうなチェリータルト。絵画なのに思わず食べてしまいたくなりますね!ただリアルに描くだけではなく、味覚を刺激するほどまでにモチーフの魅力を引き出しています。食べ物を描く時、美味しそうに見せるのは至難の技。少しでも色味や質感がずれていると、急に痛んでいるように見えてしまったり、、、。ですが、こちらの作品は元々のモチーフよりさらに美味しそうに感じます。ツヤツヤなさくらんぼの果汁の詰まった張り感や、パイ生地のサクフワ感、中のジャムの透明感とプルプル感、最高です!それぞれの質感を描き分けるためには、鋭い観察眼と油絵の具の特性を活かした様々な技法が必要になってきますが、3枚目の油絵でここまで出来るとは驚きですね。
技法について細かく見ていきましょう。まず、タルトの上面や、中のジャムの部分はあらかじめ真っ白の絵の具で分厚いマチエールを作り、その上からペインチングオイルを混ぜた鮮やかな透明色を塗る事で、それぞれの透明感のあるキラキラとした質感を出す事が出来ました。明るい黄色を作るために白を混ぜた黄色を作ると彩度が下がってしまいますが、このやり方だと彩度をキープしたまま明るい色の表現が出来るので、より魅力的な描写にする事が出来ます。
タルトに対して、背景と奥の紅茶の表現はあまり濃い絵の具を塗り込まずに、透明性絵の具をメインに使い、手前に対して弱くなるような表現がされています。白をあまり絵の具に混ぜずに、キャンバスの白地を透かせる事で明るさを作るように描かれているので、タルトや皿の質感と対比が強まり、より奥行きが出ていますね。 何気なく描いているように見えるお皿も、手前が明るく絵具を厚く、奥が暗く薄くなるように描かれていて、遠近感を出す手助けがされています。
ここまで複雑な技法を使いこなし、その上で絵全体で悪目立ちする場所が無いようにバランスも取れていますから、新しい絵の具やオイルを試したり、更に表現の幅が広がっていったらどんな絵が描けるようになるのか楽しみです。そろそろ描き慣れてきて一枚にかかる時間も早くなると思うので、どんどん新作を描いていって下さい!