
岩田です。昨日はお休みをしてしまい、土曜クラスの皆様にはご迷惑をお掛けしました。授業は欠席でしたが、ブログは書かせて頂きます。今回は、服部さんの作品をご紹介します。
「暗がり中の灯」といったところでしょうか。闇の中に、ふと、ろうそくに灯されたほの灯りが一つ。こちらは、M3号の縦長キャンバスに描かれた油彩です。
蝋燭の周りに置かれたグリーンが炎に照らされ、その一部が浮かび上がって見えます。床に投影された葉の影が、敷かれた茶色い布のシワに呼応するように波打ちながら、明るい場所へと溶け込んでいくように美しいグラデーションで表現されています。
背景は、黒に似た茶色が占めていますが、炎の粒子が空気中に放たれていく部分は、特に丁寧に描かれ、熱せられた蠟が溶けて艶やかに見えるところも、実に細やかに表現されているのが見てとれるでしょう。
確かに一番描かれているのは蝋燭やその周辺なのですが、それらを見た後、自然に背景に眼がスーっと誘導され、何も描かれていないはずの闇の中をただただ見つめてしまったら、この作品に取り込まれている証です。ものを見せるというより、静寂の中に没入させることこそが作者の真の狙いであることは、言うまでもありません。