
サトルです!今回は御影さんの油絵をご紹介します。
大胆なタッチで絵の具を厚く盛り上げるように描かれていて、一見抽象絵画に思えますが、具象絵画です。まず、何を描いているのか想像してみてください。なんとなくいろんなものが見えてくる気がしませんか?こうして作品を見ながら想像を膨らませるのも、絵画鑑賞の楽しみ方だと思います。
では、一体何を描いたのか。答えは「木星の地表」です。答えを聞くと、一気にリアルに見えて来たでしょう。木星の表面に渦巻いたガスが上手く捉えられています。普通星を描くとしたら全体を捉え、分かりやすい様に描きますよね。しかし御影さんはあえてズームアップし、何を描いているのか分かりにくくする事で、謎掛け的な面白さと、抽象絵画の様な魅力、さらには答えを聞いた時に感じるリアリティを共存させました。
こちらの作品がギャラリーに展示してある姿を想像すると、「何を描いているんだろう?」と気になった人たちが目の前で立ち止まって鑑賞し、キャプションを見て何を描いたかに気づき驚愕する姿が目に浮かびます。景色の切り取り方一つでここまで魅力的な作品になるのですね。
絵の具の扱い方も遊び心があって魅力的。筆跡を上手く使った表現や、ナイフで盛り上げた迫力のあるタッチなど、このモチーフだからこそ出来る技法が幅広く使い分けられていて、どうやって描いてあるのだろう?と隅々まで見てしまいます。キャンバスの上で絵具が混ざっていたり、複雑に色彩が入り組んでいて、細かい所まで単調にならないように描かれていますね。
美術館に訪れた人が一枚の作品を見る平均の時間は、約10〜20秒程度と言われています。良い作品は鑑賞者の足を止め、長い時間鑑賞させることが出来る作品だと考えると、御影さんの作品は、まさに長時間鑑賞者を引きつける事が出来る作品ではないでしょうか。見れば見るほど深みが出てくる、面白さと魅力の詰まった作品だと思います。








