
岩田です。ひと月に一度、最終土曜日に出講しています。
本日は、馬込さんの作品をご紹介します。こちら半年ほど掛けて完成させたF30号(910mm × 727mm)の大作。長い時間を経て、見事に完成に至った渾身の作です。
小原先生が是非参考にと、皆さんに見えるようにしばらく教室内の壁に飾っておいたので、実物をご覧になった方も多くいるのではと思います。
大きな池のある公園で、年の離れたお姉ちゃんとまだおむつをつけている妹が水遊びをしている写真を元に制作されました。ご自身で撮影された写真なのですが、年の差がある、見ず知らずの姉妹と推測される二人が佇んでいるその光景に、なんて素敵なんだろうとシャッターをきったであろうことが想像できます。
決して妥協しない、自分の描きたいイメージに対して貪欲な作者の心がストレートに表れています。
木々が惜しみなく茂り、深く清い水を湛える風景。奥へ奥へとどこまでも広がりを感じさせてくれるこの情景は、元の写真を知らなければ、公園内の一風景とは思えず、まるで桃源郷を描いたかのような豊かな世界が展開されています。
いつもの馬込さんの作品とは一線を画す、爽やかな絵だと思いきや、近づいて見ると作者らしい幾重にも重ねて描き込んだであろう筆致を確認することができ、「あぁやはり馬込作品ここにあり」と妙に腑に落ちてくるのです。完成に至る途中では、一度は暗い緑で描いていた葉をつぶし、ニュートラルな色調で霞ませました。そのそこはかとない追求心も、やはり作者だからこそでしょう。
馬込さんの作品には、私の吐く多くの言葉はなど必要ありません。ただただいつまでも見ていたくなる素晴らしい一枚です。