小学校受験 合格するまでの道

小原です。小学校受験は勉強(ペーパー)だけで合格を勝ち取ることはできません。「5歳~6歳までに、どのような教育を受けた人間であるか」を見抜かれる試験だからです。
面接や絵画・制作のプレゼンで、立ち居振る舞いまで仕上がりを求めながら、同時に「成長途中にある伸びしろ」も感じさせねばなりません。矛盾しているようにも思える「完璧さ」と「未完成さ」を、年長10月までにプロデュースする匙加減の難しさと言えるでしょう。

その子に元々備わる個性を活かし、好きなもの・得意なものを探り、興味を持つ事柄を大人と一緒に掘り下げることで『習得』のやり方を覚えていく。3~4歳からこのような勉強の仕方をすると、『学ぶ』ことが楽しくて仕方がない子どもになります。実際当校の小学校受験クラスに通う子どもたちは「続きをお話しして!」「どうすればもっと知ることができるの?」「それ、お母さんに教えてあげたら喜ぶと思う!だから私がちゃんと覚えなきゃ!」と知識を蓄えることに貪欲です。深める方法を知れば、他のこともどのように考えれば良いか応用できます。きっと小学校に入っても、勉強が嫌いにはならないでしょう。

上の画像は、自分でポージングしたものを写真に撮り、それを見ながら絵を描いている様子です。「上から見下ろすと、足は見えないね。首もなくなっちゃう。肩だけ描けば良さそう。」「じゃあ、下から見上げている人を絵に入れるには、どんなシチュエーションがあるかな?」「先生は最近、公園で子猫が高い木から降りられなくなっちゃったのを、木登りして助けている人を見たよ。それってどう描けば説明できるかなぁ?今、描き方を勉強したことが活かせそうじゃない?」身近な話題を広げることで、どんどん意欲も湧いてきます。
勉強も絵も同じ。知る喜び、考える面白さ、これを分かってもらう努力をしています。

自然の美しさと力強さ

福嶋 油彩

大志です。今回は福嶋さんの油彩による風景画をご紹介します。夕焼けに染まる海と、その奥にかかる橋を描いた作品です。

黄色を基調とした空の色合いの中に、グレーや青みを帯びた雲が重なり、夕方特有の刻々と変化する刹那的な時の流れ、光や空気が表現されています。海の表情も単調にならず、光の反射と水面の揺らぎが丁寧に描き分けられており、静かな時間の流れを感じさせます。
さらに、雲の柔らかさと、その雲の隙間から放射状に降り注ぐ太陽の光が対比しており、自然の力強さと美しさを同時に象徴しているようにも感じられます。

ヨットに乗る趣味をお持ちの福嶋さんは、これまでにも海の風景を繰り返し描かれてきましたが、本作では特に空と水面の関係性がうまく整理され、画面全体の構成が安定してきているのが分かります。水平線に描かれた橋も主張しすぎることなく、自然(海)の中に、あえて人間が作り出した幾何学的な人工物(橋)を配置することで、その美しさが引き立つ視点風景となります。とは言え橋を、海のスケール感や奥行きを自然に支える要素として機能させ、観る人の視線を無理なく画面の奥へと導かせるアイテムとして活用することができたのは、これまでの積み重ねが確実に力となって現れているからでしょう。

現在は人物画という新たなジャンルに取り組まれており、こうした風景表現で培われた観察力や色彩感覚が、今後どのように別の題材へと生かされていくのかも楽しみです。

考えて手を動かす

瑞希 高1 ペン画

大竹です。今回ご紹介させていただくのは高校1年の瑞希の作品です。
「あら?昨日の絵と似ていない?」と思われるかもしれませんが、同じ時期に別のクラスで、同様のモチーフをペン画として制作していました。

ペガサスは幼児や小学生にも人気のモチーフですが、高校一年生ともなると、その解像度はぐっと高まります。架空の生き物を実在感をもって描くためには、やはり説得力のあるデッサンが必要です。生き物としての形や動き、それに伴う明暗や質感の表現など、一つ一つが重要になってきます。瑞希の作品は、躍動感のあるポーズに加え、軍馬の様な装飾も加えられており、よりリッチな仕上がりとなっていますね。白黒で描写する中で、「どこに黒を置けば画面が引き締まるか」「どこを白く抜けば美しく見えるか」を考えながら手を動かしていることが伝わってきます。

惜しい点を挙げるとすれば、翼と重なったために顔がやや目立ちにくいこと、また胴体と重なった左前脚の存在感が弱くなっているところでしょうか。顔よりも右側に広がる翼の方が、見る人の印象に残りやすい構図になっています。
シルエットの美しさに加え、画面内の情報量を整理し、「主役をどこに置くのか」を明確に設定して絵を組み立てていくと、さらに魅力的な作品になるはずです。

瑞希には、そうした“頭を使って描く力”も十分備わっていると思います。今度は計画的な構成にも意識を向けながら制作に取り組んでみてください。

細密描写が生む実在感

野上 ペン画

マユカです、最近すごく風邪が流行っていますね…皆様どうか、暖かくしてお過ごしください。さて、今回は野上さんの作品をご紹介していきます。

野上さんはここしばらくペンでゲームのキャラクターを描かれています、今回もゲーム「モンスターハンター」シリーズのリオレウスを描かれました。表皮にびっしりと鱗がある翼竜ですが、鱗1枚1枚をペンで詳細に描き上げています。架空の生き物でありながら、もしかしたら本当に存在していたんじゃないかと錯覚してしまうほどにその質量や質感が伝わってきます。
これだけの密度で描き進めていると、全体的にグレーで平面的になりがちなのですが、野上さんは密度に差をつけ、影になる場所はぎゅっと描き込み、光の当たるところは細めのペンを使用することで、画面の満足感はそのままに立体感を表現しました。
翼の下などの暗い影が落ちている場所も、真っ黒に塗りつぶしたりはせず、少し画用紙の白を残すことで鱗のザラッとした質感を出し、また反射光をも感じさせます。インクを多用した箇所もベッタリとして見えず、鉛筆デッサンのようなリアリティが生まれました。

黒一色のペンだけでも、細部までこだわり、じっくりと描写することでカラーの作品にも負けないほどの色幅で見応えを生む作品に仕上がります。描写に差をつけ画面にメリハリをつければ、画材の手軽さを感じさせないリッチな雰囲気を生むこともできるので、是非皆さんもペン画に挑戦してみて欲しいです。但し、面で塗れないペンで密度を上げるのはかなりな根気がいるので、野上さんの域まで達するには相当な時間を覚悟してください!

スイーツ特集1

左 心 高1 アクリル / 右 美雪 中2 色鉛筆

週の真ん中の祝日はちょっと得した気持ちになりますね、ひとみです。今回は『スイーツ特集!』ということで学生クラスのスイーツの作品を紹介したいと思います。

まずは左側の心の作品から。お皿の上に乗せられたイチゴのタルトは、目を引く鮮やかな赤色が心を躍らせてくれますね!彩度の高い赤色を思い切り乗せることでハイライトの白が目立ち、イチゴのつややかさ、艶やかさ、新鮮さを伝えることができます。
一方で粉糖がまぶされている部分は単純な白にせず、粉っぽさの表現のため白色を少々薄めています。へりから徐々に砂糖が減っていくという意識を持つことで、粉糖のわずかな立体感も得られています。
そして背景色には水色が選ばれています。食べ物の作品では寒色はあまり選ばれない色味ですが、背景は別。水色を選択したことにより皿との一体感が生まれ、よりイチゴの主張、主役を引き立てることを意識した作品となりました。

右側の美雪の作品はクリアなレモンタルト。上に乗っているレモンの果肉の部分やミントの葉脈の部分まで細かく描くことで、割と単調なゼリーの中での見せ場を作る意識がされています。透明なものを描くことは、上面と断面の描き分けがしづらく、なかなかに難しい挑戦だったと思います。しかし上に乗っているレモンの影のズレやハイライトなどで見せ場を作ることで、食感や重さまで伝わる表現ができました。彩度の高いオレンジ色をクリアなゼリーの下の層に乗せることで、レモンタルトが薄い印象にならないような工夫が施されています。背景はあえて紙そのままにし、影もグレー調にすることでレモンタルトの透明感を損なうことなく活かすことができました。

2人とも同じタルトの作品でしたが、描くポイントが違うことで表現が全く違っています。それぞれがどう描けば美味しさを伝えられるかを模索し、発見することができたように思います。なにより大好きなスイーツは描くのは、純粋に楽しいですねよ!

グレートーンの緊張感

星川 油彩

サトルです!先日の僕の展示会へ御高覧頂きました皆様、ありがとうございました!僕の作品に興味を持って頂けて本当に嬉しく思いました。
今回は日曜クラスの星川さんの油絵をご紹介致します。

左方向へ歩いてゆくフラミンゴの群れを、ペインティングナイフを多用した大胆なタッチで描いていますね。彩度を落とした絶妙なグレートーンで塗られた背景の水辺と、フラミンゴの鮮やかなピンクが響き合い、生き生きとした生命力を感じる画面に仕上がっています。

細部を見てみると、表現の多彩さに驚かされます。フラミンゴの羽毛は絵の具を厚めに盛り上げて、荒々しいタッチで描きながら、しっかりと立体感が出るように陰影もつけています。柔らかなフレッシュピンクから鮮烈なマゼンダまで使用し、多様なピンクのトーンで優雅さの中から、明るいエネルギーがあふれ出てくるようです。
次に足の反射に注目してみましょう。中央のフラミンゴの足の反射は大変丁寧に描かれているのに対し、脇役となる足の反射は少しブレたような線になっています。これによって主役と脇役の差がはっきりとして、見やすい画面になっていますね。

水面の描写もお見事。羽毛の表現とは打って変わり、盛り上げずにナイフを水平に引っ張りながら混色しています。近景から遠景まで繊細な色調の変化も完璧です。
実はこのバック、以前に描いた油絵を潰したもの。何が描いてあったか見えなくなるよう鈍い色味で厚塗りをしました。通常は絵の具を塗る前にパレットで色調を吟味してから塗るのですが、画面の中で混ぜるようなタブー(濁ってしまうので)をあえて犯しました。しかしそれに星川さんならではのエッセンスを加え、主張しない美しい下地を作っていったのです。

これだけ様々な技法を使って描いているにも関わらず、全体の色調に統一感があってリアルな雰囲気を生み出すのは至難の業ですが、絵は実験の連続です。星川さんの前向きな遊び心がなければこの雰囲気は出せなかったでしょう。美しい楽園に心をときめかせてくれる一方、フラミンゴの整然とした様子と相まって、凛とした緊張感をも感じさせてくれる作品です。

明度の差が生む迫力

空 中2 油彩

復活し元気になりましたマユカです。今回は学生クラスから、空の作品をご紹介します!

ダンサーの背を油彩で大胆に描き上げたこちらの一枚、鮮やかな色彩でいっぱいの画面に、彩度をかなり落とした肌がよく映えています。表情を隠しているミステリアスさが、さまざまな絵の具が混ざり合った背景とマッチし、雰囲気をうまくまとめ上げています。参考にした写真はありますが、中学生とは思えない描写力で、空なりに絵作りをし、絵画として昇華しました。

普通は肌に赤なりオレンジなりの明るい暖色を使うのですが、青や紫といった後退色をメインに構成しています。それでいながらしっかりと主役が目立ち、暖色が浮いて見えないのは、やはりコントラストの差でしょう。周囲も暖色でありながらダークトーンでまとめていますが、肌には白や明るいペールトーンを主に使い、少しの色の差も丁寧に追いかけて描写しています。これにより体の凹凸が際立ち迫力が増すとともに、モデルと描き込みの差をつけることで、画面をコントロールすることができるのです。また、影の部分に使われているビビッドなピンクや青がアクセントになり、シックで落ち着いた色味でまとめながらも、熱い血潮を感じられる質感に仕上がっています。

強いコントラストには画面を引き締め、目立たせる効果の他にも、立体感を強調し、骨格や筋肉の流れをわかりやすくする効果があります。ダンサーやボディビルダーなど、肉体美を表現したいときには強い光を当てることで小さな陰影まで拾いやすくなり、使える色幅が広くなります。人物をドラマチックに描きたいときには、スポットライトを当てるように、明るい面に強い光を当てたところを想像して描いてみてくださいね!

移り行く景色

豊嶋 透明水彩

1月は海外に留学している兄の所に遊びに行っていたせいでお休み頂いており、お久し振りとなりました大志です。
今回は豊嶋さんの透明水彩による風景画をご紹介します。水辺に映り込む木々と、色づいた季節の移ろいを描いた作品です。

画面いっぱいに広がる木々の鮮やかな色彩が印象的で、赤やオレンジ、緑といった複数の色が重なり合いながら、豊かな季節感を生み出しています。水面にはその風景が反射するように描かれ、現実の景色と、その揺らぎを含んだもうひとつの世界が同時に存在しているような、不思議な奥行きを感じさせます。

透明水彩ならではのにじみや重なりを生かしながら、色を大胆に置きつつも全体の調和が崩れていない点に、豊嶋さんの色彩感覚の確かさが伺えます。特に水面部分では、形を細かく描き込みすぎず、彩度を落とした暗い色と水平にひく荒い筆致によって反射の印象を表現しており、水のゆったりと流れるさまや静けさが自然に伝わってきますね。

水彩を始めたばかりの豊嶋さんは、最初に静物画を制作していました。モチーフを一つひとつ丁寧に捉える作品と、こうした風景画とではアプローチは異なりますが、色の選び方や画面全体のバランス感覚といった点では共通する部分も多く見られます。それぞれの制作で培われた感覚を行き来しながら、表現の幅を少しずつ広げていってください。
そうしている内に、自分がどんな色や構図・モチーフに惹かれているも見えてくると思います。いつも新しい発見を楽しみながら制作していらっしゃる豊嶋さん。そんな姿勢も作品の魅力となっていくでしょう。

遊び場は城跡

成松 透明水彩

大竹です。今回ご紹介させていただくのは、成松さんの水彩作品です。
煉瓦造りの城壁の跡が残る風景はドイツのものだそうです。まるでロード・オブ・ザ・リングやゼルダの世界のようですね。

緑の地面には点描のように絵の具を置いていき、生い茂る草の質感を表現しています。柔らかな色合いが作品全体の優しい空気感を作り出しているのでしょう。空や雲はほぼ単色で塗られていますが、水彩の滲みを活かした風合いが他の描写を支えています。透明水彩は下の色が透けて影響してくるのが特徴で、やりすぎると濁ってしまうため、扱いの難しい画材でもあります。絵の具を濃く重ねる部分もあれば、薄くさらっと仕上げている部分もあり、そのメリハリも絵の中で効果的に働いていますね。

絵の中からは、ボール遊びをする子供たちの楽しげな声が聞こえてくるようです。広い草原を思いきり駆け回り、時折足を止めては何かを話し、また走り出す——きっとそんな何気ない一瞬が、軽やかな筆致で切り取られているのでしょう。子どもが見れば最近遊んだ記憶が呼び起こされ、大人が見れば子供を見守る微笑ましい気持ちになるように、見る人は自分の記憶や体験を重ね、絵の中に入り込むことができるのではないでしょうか。

歴史ある遺構の前で、無邪気に遊ぶ子供たちの姿は、この場所が過去のものであると同時に、今を生きる場所でもあることを教えてくれるようです。かつての栄光の残滓である城跡と、まだ幼く未来のある子供との対比が味わい深い一枚です。

遊びの絵

木曜日ですがマユカ先生がインフルエンザの為オバラです。
皆さんは子どもの頃の遊びで一番好きだったもの、記憶に残っているものはなんでしょう?
私は1年生の理科で習った虫眼鏡にハマりました。大きく見る事には興味なく、とにかく何か焼きたくて仕方がない。最終的に男子の黒いランドセルを焦がして穴を開けたところで取り上げられました。普通そんなバカみたいな事しますかね?我ながら問題児。しかし意外と普通の大人になって、尊敬してくださる親御様も多いから不・思・議。
手を焼くお子様の気持ちは、私が代弁しましょう!
そしてそんな子は、悪い事をしたら烈火の如く激怒して大丈夫です。鋼のハートの持ち主ですから。むしろそのくらい怒らないと響きません。反省しません。

話が反れました。子どもは遊具を使わぬ『ごっこ遊び』なども大好きですが、今回は3種の遊具で遊んでいるところを描きました。
説明要らずの、ブランコ・鉄棒・長縄跳びです。
重なる部分はどこから描くと描きやすいかな?その理由はなんだろう?
自分で同じポーズをしながら、たくさん頭を使って考え描きました。

長縄跳びは、最後に紙に穴を開け、ロープを通しました。裏で結んでいるだけで貼り付けてはいませんので動かせます。飛んでいる人たちのポーズも元気一杯!臨場感が出てみんな大喜びでした!