洗練された美しさ

高山 油彩

ひとみです。今回は大人クラスの高山さんの作品のご紹介。なんとこちらの作品の2枚目の油絵です。
2つ並べられたものと手前に置かれた断面の見える梨。この奥、真ん中、手前という明快な構図がシンプルでありながらも計算された配置が心地良いリズムを与えています。通常、逆光はモチーフの色味が暗くなり、魅力が失われがちなため避けられがちですが、あえて光源を左上に設定したことにより、オレンジ色が影の暗さに馴染み、違和感のない色彩に落とし込まれています。そして背景の紫。上に乗る薄い紫の布を奥側にすることで光のふんわりとした柔らかさを演出し、下に重ねられた明快な紫を手前にすることで画面を引き締める効果を発揮しています。

また梨のへたの部分や影面の一部分には青色が差し込まれている点から、梨を暖色に偏らせないということを丁寧に意識していることが伺えます。質感の違いを見せ描きわけようとするこだわりも感じました。それぞれの色が独立せず画面の中で調和しているのはこの細かな知覚が生きているからと言えるでしょう。

色彩の配置によって画面の密度や奥行きをコントロールした構図と色彩。計算された要素の積み重ねが、この洗練された美しさを成立させているのです。