小学校受験の制作・回答見本

小学校受験クラスのカリキュラム『生き物のお面・かぶりもの』

金曜日ですが小原です。小学校受験についてお話させて頂きます。
近年、難関校の受験で出題される絵画・制作の傾向が変わってきています。
今まで自分の得意な分野を深掘りしていくスタイルで、知識・制作ともに極めていけば十分だった『表現したいイメージを具体的に形にする』という課題に加え、予想もつかないモチーフが登場し、それが分からないと作品が完成しない・お話もできないといった問題が出るようになりました。

一昨年・昨年度は、お友達の作品に対してコメントや質問、グループでディスカッションなどがありました。あまり描けずにほとんど白い画面の子に、「私は白いウサギが描いてあるように見えるけど、違ったらゴメンね。正解を教えてくれたら嬉しいな。」など優しい言葉掛けができた生徒は合格を頂いております。
また、先生からのお尋ねで「お友達は泣きべそかいてしまったから答えを聞けなかったみたいだけど、なんだかわかった?」の問いかけに「茶色いグルグルが描いてあるだけだったから、僕にはうんちにしか見えなかったのだけど、慶應初等部の二次試験でそんなのを描く子は来ていないと思ったので、ゴリラのぬいぐるみという事にして続きのお話を考えて描きました。」と、アクシデントにも負けない行動・解決策を見出した子も合格でした。

上下に載せた写真のような、一目で何を作ったのか分かるような立体工作は、もちろん上手にできるに越したことはないのですが、それだけで合格を頂けるほど慶應・早稲田は甘くありません。プレゼン能力を早い内から鍛えていきましょう。私は授業でいつも子どもに意地悪な言い方や突っ込んだ深掘りの疑問を投げかけますが、突然の質疑応答に負けない為です。

・正解がない美術で、自分らしさをアピールできる
・自信ある答えを否定されても、違う答えを閃ける
・お友達に対する思いやりのある姿勢が持てる

肯定は絶対必要ですが、それだけでは打たれ強くなりません。
意見を言う機会を与える、たくさんの人の前で発表を練習する、疑問を自分で見付けて解決する方法を考える、難関校に合格する為にはこのような練習を重ね、鍛える必要があります。
「日本の未来を良くする為に、どんな時でも前向きでへこたれない(もしくはマイナスを引きずらない)人間を育てる」難関校にはそのような使命が課せられています。お子様を校風に合う子に成長させてあげてください。

受験直前プライベートレッスンで作った立体物

お母様の限界を感じられたら、当校の小学校受験・体験授業もご検討頂ければ幸いです。詳しくはこちら

歩いた景色を閉じ込めて

佐藤K 透明水彩・ペン

マユカです!今回は佐藤さんの作品をご紹介します。
旅行誌や、ファッション誌の挿絵のような、空気感を感じる色選びと、筆運びがクセになるようなこちらの2枚。ご自身で行かれたヨーロッパの景色を描かれています。どちらも気温や風が伝わり、佐藤さんが歩いた町々を追って体験しているような感覚になれますね。
左の作品は、人通りの多さや止まっている車の多さを見るに、お店の多い観光地なのでしょう。一点透視図で描かれた建物群はパースがしっかりと取られているため、奥へと視線が吸い込まれていきます。中心に据えられた恰幅のいい男性は観光客でしょうか、一人で旅をしているのかもしれません。アーチを潜った先には何があるのか、どんな店が並んでいるのか…一枚の絵から、ストーリーをいくつも考えることができそうなほど、見れば見るほど味を感じる描き込み量が魅力的です。

右の作品は一枚目と打って変わって、静かで落ち着いた、建物がメインに置かれています。水面に建物の光が反射し、煌めく波の表現がとても美しく、ライトアップされた建物の黄色をそのまま乗せるわけではなく、少し青を混ぜた緑や灰色を重ね、夜の水の暗さを保ちつつ、強い黄色を落ち着かせてなじませています。影になっている建物の右側も、ただ暗くするだけではなく、透明水彩の滲みとペンで最小限描かれた屋根で輪郭を浮き立たせ、奥へ行くほど黄色の割合を減らすことで闇へ消えていくような自然な雰囲気を表現されています。私はこの作品から、対岸にある水辺のレストランからこの風景を見ている…という情景を想像しました。贅沢な時間を過ごしているような景色ですね。

旅行などに行くと、感激した景色を写真に残しがちですが、現地でスケッチを残したり、その日のうちに歩いてきた景色を小さいノートなどに書き残しておくと、旅がさらに思い出深いものになるかもしれません。

思い出をかたちに

佐々木 透明水彩

ナツメです。本日は日曜大人クラスより、佐々木さんの作品をご紹介します!佐々木さんいつも透明水彩でお子さんの姿を描かれています。今回の二枚は、外出先での時間をもとに制作された作品です。

一枚目は展覧会に出品された作品なので、覚えている方も多いのではないでしょうか?ベンチに腰掛ける二人の姿が描かれており、画面全体に穏やかな空気が流れています。特に難しいのが背景の木洩れ日の表現です。描き方によっては斑点状になりやすいモチーフですが、明暗の幅を丁寧に整理することで光の差し方やあたたかさが自然に伝わってきます。人物と背景が無理なく馴染み、屋外のやわらかな空気感まで感じられる一枚です。アイスを食べているお子さんの仕草も微笑ましいですね。

そして二枚目は、海辺の岩場を歩く息子さんの姿を描いた作品です。広い空と海を背景にしながら、足元の岩や人物をどう見せるかが難しい場面ですが、描き込みの量に差をつけたり、人物ある岩などの手前にあるものの暗さを強調したりすることで奥行きのある画面にまとめられています。岩肌の硬さと空や海の質感が描き分けられ、場所の特徴がはっきりと伝わってきます。また、人物の立ち位置や視線の高さも的確で、実際にその場に立っているような感覚を覚えます。透明水彩ならではの軽やかさが海辺の開放的な空気を支えています。

二点を通して感じるのは、旅という特別な時間を絵として丁寧にまとめていく佐々木さんの姿勢です。その場所で感じた空気や思い出が、過度な説明をせずとも自然に伝わってきます。次はどんな場面が描かれるのか、今後の作品も楽しみです。

新年の書き初めと富士山

ひとみです。今年最初の幼児クラスの授業では、毎年恒例の書き初めと初日の出の昇る富士山の絵を描きました。名前の1文字を消しゴム判子で作った雅印が本格的です。

豪華な金の色紙に自分の名前と二〇二六と墨で書いた書き初め。和紙に2回の練習をしたのですが、みんな上達が早いため本番の文字はとっても上手に書けていました。練習の成果が発揮できたのか「先生見て!」「私のはどう?」と上手に書けた報告ラッシュ。自分の名前のひらがな文字を知らなかった子も、少しの時間で書けるようになっていて、子供の吸収の早さには驚かされます。

書き初めのあと、水彩画を描きました。最初にクレヨンで富士山と朝日を描くと、水彩を上から重ねてもクレヨン部分が弾いて綺麗に残ります。富士山の形はただの台形ではなく、本物のように凹凸のあるボコボコな形にしようと見本を見せながら説明すると、みんなデモンストレーションにしっかり集中して、山の稜線を見事に描きあげていました。
その後、背景のグラデーション作りに少し苦戦していましたが、色の境界を水で優しくぼかしてあげると、赤と黄色が混ざってオレンジになるなど色の変化が生まれます。その様子を見て「オレンジ色になったよ!」「わ!紫だ!」と驚く姿がとても印象的でした。混色で新しい色が生まれるという体験を通して、子どもたちが色に興味を持つ良い機会になったと思います。

馬のクレヨン画は、年末の授業で描いた作品。小学生が粘土細工で使っていた躍動感のある馬の写真を拝借し模写しました。
こちらの絵を見て気付いた方はいらっしゃいますか?そう、今年の月謝袋に印刷されています。どの馬でしょう?見つけてみてくださいね!

漫画家さん来たる

中高生女子の描いたイラスト

オバラです。土曜午後・大人&学生クラスに、私の大学時代の友人で少女漫画家さんが遊びに来ました。日本に執事ブームを作った、女子の憧れや妄想を形にした話を描く人で、知っている方が多い漫画家だとは思います。が、ネット上で名前を出すと迷惑が掛かるかもしれないので、気になる人は私に直接聞いてください。

土曜クラスは先週1月17日が最初の授業でしたので、事前に生徒さんにお知らせはできず突然の来訪となりました。男子も女子もイラストが大好きな中高生が集まっているので、プロの漫画家さんに仕事の質問したり自分の作品を見てもらったり、きっと喜ぶだろうな…と思っていましたが、まさかの大人、20代の女性の生徒さん達が取り囲みキャーキャー盛り上がっていました。「あの話の終わり方はないですよ!モヤモヤしました!」「あの二人がくっつくと思ってたのに!」「彼は結局どうなったんですか?」などの質問に、「皆さんはどういう話が読みたかったですか?」「好きな結末はどんなもの?」と逆に聞いているところが、さすがプロの余裕だなぁと私も勉強になりました。

最後に頂いた一言は、「とりあえず試してみよう!ダメだったら、また違う道を探せばいいじゃない。時間はあるんだし♪」とのこと。なんにでも言えますよね。失敗しないように手堅くやるだけでなく、若い内は冒険しないとつまらない。

上のイラストは中高生の描いたものです。文句なく上手なんだけど、「全身描くとフォルムが崩れるから、得意なバストアップにしてきれいにまとめよう」が伝わってしまうんですよね…。狂ってもいいから、逃げずにトライしよう!君たちはたくさん時間があるんだから。

芸大生の作品展

F50(1167×910mm) 木製パネルに高知麻紙、岩絵具、墨、膠、胡粉

ブログアップが1日遅れてしまい申し訳ございません。サトルです。今日は僕の展示のお知らせをさせてください。
1/24〜1/30にギャラリーカクカッコ(東京都中央区銀座1-14-11銀松ビル4階)にて、藝大、多摩美生による展示会を開催します。

グループ展の展示タイトルは『混線中』、メンバーは日本画2名、油画科5名。日本画、油絵、立体作品の様々なジャンルの作品を展示します!
(実はDMをデザイン科の友人に頼んでいたのですが、体調不良で完成が伸び、本日までブログを待っていた次第です。結局間に合わず、ここに載せることができませんでした。)

この展示は藝大の建築科の2年生がオフィスビルの一室を借りて作った、期間限定のギャラリーを使うので、完全に作家達が好きなように、自由なコンセプトで展示する事が出来るようになっています。展示に向けて作品を作るのではなく、今までの作品でとにかく気に入っているものを持ち寄りますので、等身大の芸大生の作品が見れるのが今回の最大の魅力!僕は日本画2枚とドローイングを展示します。銀座ではギャラリー巡りやショッピングも出来ますので、お越し頂けたら幸いです!

展示期間 1月24日(土)〜1月30日(金) 13:00〜19:00
展示場所 東京都中央区銀座1-14-11銀松ビル4階 地図はこちら 東京メトロ 銀座一丁目駅 10番出口より徒歩約1分
髙木の在廊日 1/26、1/30以外は終日在廊予定です。

願いを込めて

室橋 油彩

大竹です。今回ご紹介させていただくのは、室橋さんの油彩作品です。お孫さんの七五三の晴れ姿を描かれています。以前も油彩でお孫さんを描かれていましたが、今回は女の子の七五三。華やかな着物に身を包み、少し照れたような表情がなんとも愛らく、成長の一瞬が大切に切り取られています。

制作にあたっては、子供らしい顔のラインやバランスを捉えるのに苦労され、何度も描き直しては丁重に整えていきました。温かみのある柔らかな肌の色合いと、黒く艶やかな髪の質感もよく表現されています。

厚みのある着物の質感は、皺の入り方をよく観察し、絵の具の層を重ねる事で布の重みを出しています。ほのかに光沢感も感じさせる上品な描写ですね。黒い地に金糸を織り込んだ帯の表現も美しく、作品全体を引き締めています。
油彩では金属の様な光沢を表現する際、明暗をハッキリと描写する必要があります。暗い部分はこちらの作品の様に思い切って色を乗せる事で、輝きがより際立ちます。

背景には、着物や髪飾りの赤色を引き立てるためにグリーンを選ばれています。顔周りはスポットライトが当たっているかのように明るく、着物周りは落ち着いたトーンにする事で、鑑賞者の視線が主役へ導かれるようになっています。

七五三は子供の健やかな成長と幸せを祈願する行事です。こちらの作品の一筆一筆にも、お孫さんへの祈りが込められているのでしょう。写真とはまた違う、描く事でしか残せない願いの形が感じられる一枚です。

光のコントラストが生む空気

真愛 透明水彩

今年初ブログのマユカです!今回は昨日の坂本さんに続き、透明水彩で描かれた真愛さん(ご主人様と一緒に通われていらっしゃるので、下の名前で呼ばせて頂きます)の作品をご紹介していきます。
真愛さんはいつも人物画を中心に描かれています。今回の作品も人物画ですが、難しいパースの効いた構図や、ダイナミックな体勢の構図も積極的に挑戦されていて、どちらも人物の性格や仕草の表情をよく表現されていますね。

左の絵は上から見下ろした構図。子どもたちの夏休みを見守る保護者の視点でしょうか?人物だけではなく周りに配置されている小物などによって情景説明や演出が加わり、画面が立体的で空間をよく感じられるような仕上がりになっています。人物を邪魔しないように、でも手抜きには見えないように、丁寧に書かれている建造物や植物が、描かれている世界に説得力を持たせ、夏の暑さを感じる少しじっとりとした空気が伝わってくるようです。1色だけでなく、にじみでさまざまな色幅を使っているからこそ、光の豊かさを感じられる仕上がりになっていますね。

右の絵は下からのアオリ構図というかなり複雑な構図も破綻なく書き上げられているところを見るに、人体に対して深い理解があることが伺えます。これだけのデッサン力を培うために何枚スケッチを重ねたのでしょう?しなやかな手足の表現は特に目を奪われてしまいます。左の絵とはがらりと変わった、冬の乾いた空気が感じられます。
水彩絵の具は特性上淡くなってしまうところもあるのですが、真愛さんは要所を押さえて強い色を使われているため、画面に強いメリハリが生まれています。これは意識していないとなかなか難しいので、見やすくなるよう工夫を施されたことが分かります。

はっきりしたライティングで生まれるコントラストの強さは、メインのモデルを見ている人に周囲まで深く印象付けるとともに、表現の幅をより広げて見せてくれます。皆さんも画面に何か欲しいな、物足りないなと感じた時は、ぜひ思い切ったコントラストをつけてみてください。真愛さんの作品のように、かっこよく仕上がっちゃうかもしれませんよ!

風景のまとめ方

坂本 透明水彩

お正月気分でだらけていたらいつの間にか年始から半月経っていました、ナツメです。
本日は月曜大人クラスより坂本さんの作品をご紹介します!モン・サン・ミシェルと、その周辺の草原で放牧されている羊たちを水彩で描かれました。
城塞都市の傍らでのびのびと過ごす羊たちの姿と、晴れやかな空が相まって、見ているうちに心がゆっくりと落ち着いていくようなのどかな雰囲気が印象的な一枚です。

画面の手前にはこちらを向いて立つ一匹の羊が描かれています。姿勢や向きの関係もかたまず最初に目がいくのはこの羊ですが、「主役」として強く目を引く存在というよりも、絵の中に視線を導くためのきっかけのような役割を担っています。いったん羊に目が留まったあと、そのまま草原をたどって奥の風景へと、自然に視線が流れていく動線が作られています。

もしこの羊だけが強く強調された描かれ方をしていたら、見る人の意識はそこで止まってしまったかもしれません。羊がしっかりと存在感を持ちながらも、周囲の風景と同じ空気の中に収まっているバランスのおかげで、一点を眺めるというよりも画面全体をゆっくり味わうような見方が生まれています。

奥に描かれたモン・サン・ミシェルも、細部を描き込みすぎず、大まかな形と建物の陰影に描写を留めているため、象徴的な建築でありながらこの草原の先に広がる風景の一部として自然に存在しています。

風景を描くときは、はっきりとした主役を立ててドラマ性を強調する描き方もあれば、こうして視線のきっかけをいくつか用意し、複数の要素が同じ時間と空気を共有しているように見せる描き方もあります。特別な出来事ではなく、穏やかな日常のひとコマを切り取ったような感覚が伝わってきます。

絵作りは、何かを足すことだけでなく何をどこまで抑えるか、どう共存させるかの判断も含めて難しいものですが、その積み重ねが見る人の心に残る風景をつくっているのだと改めて感じさせてくれる一枚です。

小学生の馬9

長々『小学生の馬の粘土工作』にお付き合い頂きましてありがとうございました。本日で129人分の紹介が終わりました。
明日からはまた通常のブログに戻ります。今年も美大生アシスタント達(+α)の書く『作品紹介』の記事をお楽しみに!

追伸 小学生クラスは今日から授業でしたが、暑くて空気を入れ替えました。(開けっ放しにする程ではなかった。)どんな体温じゃい!?
学生クラスはさすがに夜なので窓は開けませんでしたが、教室はぬくぬくあったか暖房いらずでした。(若いって素晴らしい!)