気高く美しい九色鹿

金 油彩・金箔

大志です。今回は、金さんの油画作品をご紹介します。
この作品は、中国・敦煌の莫高窟壁画に描かれた「九色鹿(くしょくろく)」を題材にした模写です。制作の過程では、敦煌壁画特有の筆のかすれや風化した質感を再現するために、筆の毛先の使い分けやペインティングオイルの調整を重ねながら、丁寧に表現を積み上げていきました。試行錯誤を通して、油絵の技術が確実に向上した一枚になったと思います。

作品全体には、赤土のような背景色やうねるような雲の表現など、当時の壁画に見られる独特の色彩感覚が生かされており、古代の美が現代の絵画として見事に蘇っています。
特に雲の部分では、エメラルドグリーンを織り交ぜた繊細な色使いや動きのある筆致が印象的で、容易には再現できない表現を丁寧に探求している姿勢が伝わってきます。

また、気高く立つ白い鹿の背後には金箔が貼られ、画面全体に荘厳さと華やかさが加わりました。古典と現代が美しく融合した、完成度の高い作品です。