
咲希 中3 岩絵具/和紙・パネル
マユカです。本日は二人の学生の作品をご紹介して行きたいと思います。
まずはサキの作品から。藤の花のカーテンから白蛇が体を伸ばし、月の光に照らされています。蝶は偶然出会ったのか、はたまた友達だったのか。蛇の蝶をまっすぐ見つめる瞳は見ている私たちの想像力を掻き立てるような表情をしています。
サキの作品は遠近感が特に強調されて描かれています。例えば藤の花は明るさの違う絵の具を使い、手前の花と奥の花とでどう光が当たっているのか、どこが逆光になっているのかを描き分けることで空間に奥行きが生まれています。蛇はよくみると鱗の一つ一つまで細かく描かれており、その繊細さが画面越しにも伝わってくるほどでありながら、横向きの体はベッタリと平面的で立体感は削除し、日本画らしい画面作りになっています。

文美 中2 岩絵具/和紙・パネル
次にフミの作品です。ふんわりと咲いた桜と、開花を待つ蕾、早く咲いてしまい散っていく花びら…春真っ盛りの時期を想起させるような、そんな画面構成がされています。つぼみ、花が咲く、散る…という一連の工程が一枚のうちに収まっているので、時間経過が映像のように頭に浮かびます。また、この繊細な桃色を引き立てているのが背景の澄み渡るような青空。ただ青一色で塗られていないのがわかるでしょうか?よく目を凝らして見ていただけると、じんわりと紫に寄った青や黄緑、薄くピンクも重ねられています。空は青いものであるという固定概念があるとなかなか他の色を乗せるのにはためらってしまいがちですが、こうして様々な色を重ねていくことで深みが増し、何もない平面の空を見た時の満足感が何段も高くなります。
どちらもはかなき命を愛でる日本画のテーマを感じられるような仕上がりになっており、色彩の差で魅力を引き立て合っているようにも見えてきます。繊細な描き方ができる二人だからこそ、出せる雰囲気でしょう。